
Blenderのオブジェクト操作とは|位置・向き・大きさ・整理
- Blenderのオブジェクトって何?
- オブジェクトモードと編集モードは、何が違うの?
- オブジェクトの移動や複製を、順番に覚えたい
Blender(ブレンダー)で部屋を作るときは、壁・床・家具を置いて、動かして、寸法を合わせていきます。
しかし、移動・回転・複製・親子・コレクションと操作の名前が多く、どれから覚えればよいかが分かりにくいものです。
この記事では、オブジェクトとトランスフォームの意味と、オブジェクトモードと編集モードの違いを解説します。追加・移動から整理までの操作を、どの順で覚えればよいかも分かります。
画面:Blender 5.2.2 LTS(日本語の表示)オブジェクトとは

Blenderでは、シーンに置く1つ1つの物を「オブジェクト」と呼びます。シーンは、オブジェクトと仕上がりの画像の設定をまとめた、作品の1場面です。
建物や家具の形のほかに、ライトやカメラもオブジェクトです。どのオブジェクトも、位置・回転・スケールの3つの値を持っていて、3つをまとめてトランスフォームと呼びます。
値は、3Dビューポート(オブジェクトを置いて見る画面)でNキーを押して出すサイドバー(値や設定が並ぶ右の欄)の、アイテムのタブに並びます。3つの値が表すことは、次の表のとおりです。
| 値 | 表すこと |
|---|---|
| 位置 | オブジェクトの原点(位置の基準になる点)が、シーンのどこにあるか |
| 回転 | オブジェクトがどちらを向いているか |
| スケール | 作ったときの大きさの何倍にしているか |
欄の一番下の寸法は、オブジェクトを囲む箱の大きさです。スケールを変えると、寸法も変わります。
オブジェクトモードとは

オブジェクトモードは、オブジェクトの位置・回転・スケールを変えたり、複製したりするモードです。起動した直後の画面はこのモードで、この記事で紹介する操作は、すべてオブジェクトモードで行います。
編集モードは、メッシュ(面でできた形)の頂点・辺・面を直接選んで動かし、形そのものを直すモードです。編集モードの使い方は、「Blenderのメッシュの構造と編集モード」(準備中)で解説します。
モードを切り替えるのは、3Dビューポートのヘッダー(3Dビューポートの一番上の段)の、オブジェクトモードと書かれたメニューです。2つのモードで変えるものは、次のとおりです。
| モード | 何を変えるか |
|---|---|
| オブジェクトモード | オブジェクトをまるごと動かす・回す・大きさを変える・複製する |
| 編集モード | 形の中の頂点・辺・面を動かして、形そのものを直す |
編集モードで形を動かしても、サイドバーの位置の値と原点は変わりません。
置いて動かす

最初は、オブジェクトを足して、思った所へ動かせるようにします。部屋の家具を置くのも、壁を寸法どおりに並べるのも、ここで覚える操作です。
足してから大まかに動かし、次に数値で正確にし、最後にほかのオブジェクトに合わせる順に覚えましょう。
図面の寸法を mm で打つなら、数値入力の記事の前にBlenderのシーンの単位とスケールを読んでおくと迷いません。置いて動かす操作で覚えることは、次の4つです。
- オブジェクトを追加する
- 移動・回転・スケールする
- 数値と軸で正確に動かす
- スナップで合わせる
オブジェクトを追加する
オブジェクトは、3DビューポートのShift+Aキーのメニューから足します。最初から用意された立方体や円柱などの基本の形(プリミティブ)なら、足した直後に大きさや分割の細かさを変えることも可能です。
追加の手順と、足した直後の調整は、次の記事で解説しています。
移動・回転・スケールする
足したオブジェクトは、Gキーで動かし、Rキーで回し、Sキーで大きさを変えます。どれも、マウスを動かして量を決め、クリックで止める操作です。
3つの操作の手順と、途中で取り消す方法は、次の記事で解説しています。
数値と軸で正確に動かす
建築の寸法どおりに置くときは、動かしている途中で数字を打って、量を決めます。GキーのあとにXキー(床の赤い線の向き)などを押すと、動く向きをその軸だけに固定できるのも便利です。
数値の打ち方と、軸を固定する方法は、次の記事で解説しています。
スナップで合わせる
壁の角に家具を寄せるように、ほかのオブジェクトの頂点や面にぴたりと合わせるのがスナップです。何に吸い付くかは、スナップ対象で決めます。
スナップ対象の種類と、合わせ方の設定は、次の記事で解説しています。
動かす基準を決める

動かせるようになったら、どこを中心に回すか、どの向きに動かすかの基準を決めます。同じRキーでも、基準の決め方で結果が変わります。
足す位置の目印から始めて、回す中心、動かす向き、オブジェクト自身の基準点の順に覚えましょう。動かす基準で覚えることは、次の4つです。
- 3Dカーソルを置く
- ピボットポイントを選ぶ
- 座標系を切り替える
- 原点の位置を変える
3Dカーソルを置く
3Dカーソルは、オブジェクトを足す位置などに使う赤と白の輪の目印です。足す前にカーソルを置いておけば、オブジェクトはその場所に出ます。
カーソルの置き方と、追加や回転の中心との関係は、次の記事で解説しています。
ピボットポイントを選ぶ
ピボットポイントは、回転とスケールの中心をどこにするかの決め方です。全体の中心で回すか、オブジェクトごとにその場で回すかを、ここで選びます。
5つの決め方と、それぞれの回り方の違いは、次の記事で解説しています。
座標系を切り替える
斜めに置いた壁に沿って動かすときは、トランスフォーム座標系(動かす軸の向きの決め方)を切り替えます。
グローバル(3Dの空間全体の軸)からローカル(オブジェクト自身の向きの軸)にすれば、壁の向きに沿って動かすのも簡単です。
座標系の種類と切り替え方は、次の記事で解説しています。
原点の位置を変える
1つだけ選んで回すときは、ピボットポイントが最初の設定(中点)のままなら、回る中心はオブジェクトの原点です。原点が形の中心からずれていると、回す中心も一緒にずれるので注意が要ります。
原点だけを動かす方法と、中心に戻す方法は、次の記事で解説しています。
形と寸法を整える

基準が決まったら、建築の図面どおりの寸法に整えます。見た目を保ったままスケールの値を1にし、並びをそろえ、単位を決めて、最後に長さを測って確かめます。
形と寸法で覚えることは、次の4つです。
- トランスフォームを適用する
- オブジェクトを整列する
- 単位とスケールを決める
- 長さを測る
トランスフォームを適用する
スケールが X・Y・Z でそろっていない形に、角を丸めるベベルを付けると、丸みが伸ばした向きにだけ大きくなります。スケールを適用すると、見た目はそのままでスケールが1になり、丸みもそろう仕組みです。
適用が要る理由と、値を最初に戻すクリアとの違いは、次の記事で解説しています。
オブジェクトを整列する
並べた家具の端をそろえるときは、オブジェクトを整列を使います。そろうのは位置だけで、向きは回転の値を右クリック→すべてを選択にコピーでそろえる手順です。
端や中心のそろえ方と、向きのそろえ方は、次の記事で解説しています。
単位とスケールを決める
図面の寸法を mm で打ちたいときは、シーンの単位を決めます。単位の倍率(打った数字の1を何 m とみなすか)が違えば、同じ数字を打っても長さが違ってくるので注意しましょう。
単位の設定と、倍率の意味は、次の記事で解説しています。
長さを測る
置いたオブジェクトの長さや角度を確かめるときは、メジャーツールで線を引いて測ります。頂点に合わせて引けば、オブジェクトの端から端までの寸法を測るのも簡単です。
測り方と、引いた線の消し方は、次の記事で解説しています。
オブジェクトどうしの関係を付ける
親を動かす前
親を動かした後1つずつ置けるようになったら、オブジェクトどうしを結んで、まとめて扱えるようにします。机と上の小物を一緒に動かす、同じ家具を並べる、といった作業をここで覚えます。
結び付ける仕組みから始めて、増やし方、設定の写し方、自動で合わせる仕組み、まとめ役の目印の順です。
同じ家具をいくつも並べたいだけなら、複製の記事は、移動・回転・拡大縮小の記事のすぐあとに読んでもかまいません。関係を付ける操作で覚えることは、次の5つです。
- 親子関係を付ける
- 複製とリンク複製を使い分ける
- 設定をほかのオブジェクトへ写す
- コンストレイントで合わせる
- エンプティを目印にする
親子関係を付ける
親子関係を付けると、親を動かしたときに子も一緒に動きます。机を親、上の小物を子にしておけば、机を動かすだけで小物もついてくるので便利です。
親子関係の付け方と外し方は、次の記事で解説しています。
複製とリンク複製を使い分ける
Shift+Dキーの複製で作るのは、形を元と別に持つオブジェクトです。Alt+Dキーのリンク複製は形を元と共有するので、1つの形を編集モードで直すと並べた全部が変わります。
2つの違いと、リンクを解く方法は、次の記事で解説しています。
設定をほかのオブジェクトへ写す
色や質感の設定(マテリアル)や、形を変える設定(モディファイアー)は、ほかのオブジェクトへまとめて写すことも可能です。写せば、同じ仕上げの家具を1つずつ設定し直す手間は要りません。
写し方と、写せる設定の種類は、次の記事で解説しています。
コンストレイントで合わせる
コンストレイントは、位置や向きを、ほかのオブジェクトに合わせて自動で決める仕組みです。カメラを家具の方へ向け続けるときなどに使います。
コンストレイントの付け方と、基本の種類は、次の記事で解説しています。
エンプティを目印にする
エンプティは、形を持たない目印のオブジェクトです。親にして家具の組をまとめて動かしたり、コンストレイントの相手にしたりできます。
エンプティの表示の種類と使い方は、次の記事で解説しています。
シーンを整理して表示を変える

オブジェクトが増えてきたら、まとめて整理し、見たいオブジェクトだけを見やすくします。部屋ごとに分ける、隠す、選べなくする、といった作業をここで覚えます。
入れ物に分けてから、まとめて並べ、最後に1つずつの見え方を変える順に覚えましょう。整理と表示で覚えることは、次の4つです。
- コレクションで整理する
- コレクションインスタンスで並べる
- 隠す・選べなくする
- オブジェクトごとに表示を変える
コレクションで整理する
コレクションは、オブジェクトをまとめて入れておく入れ物です。部屋ごとに分けておけば、アウトライナー(オブジェクトの名前の一覧)で部屋ごとにたたんで探せます。
コレクションの作り方と、オブジェクトの移し方は、次の記事で解説しています。
コレクションインスタンスで並べる
コレクションインスタンスは、エンプティ(形の無い目印)を置いた所に、コレクションの中身を写して表示するものです。
机と椅子のように、いくつものオブジェクトの組をまとめて並べられる点が、リンク複製と違います。
置き方と、ふつうのオブジェクトに戻す方法は、次の記事で解説しています。
隠す・選べなくする
Hキーで隠すと、作業の画面からは消えても、仕上がりの画像には写ります。仕上がりから外す設定や、見えたまま選べなくする設定は、Hキーとは別の操作です。
隠し方の違いと、戻せないときの直し方は、次の記事で解説しています。
オブジェクトごとに表示を変える
オブジェクトごとに、線だけで描く、箱だけで描く、ほかのオブジェクトの手前に描く、作業用の色を付ける、といった見え方を変えられます。仕上がりの画像には効かないので、作業しやすい見え方に変えて大丈夫です。
表示の変え方と、変わらないときの直し方は、次の記事で解説しています。
オブジェクトの操作を、追加と移動から始めよう

まず覚えるのは、オブジェクトを追加して、移動・回転・スケールする操作です。この記事で解説したことは、次の3つです。
- オブジェクト:シーンに置く1つ1つの物。位置・回転・スケール(トランスフォーム)を持つ
- オブジェクトモード:オブジェクトをまるごと動かすモード。形を直す編集モードとは別
- 覚える順:置いて動かす → 動かす基準を決める → 形と寸法を整える → 関係を付ける → 整理して表示を変える
部屋に家具を1つ置くところまでなら、追加の記事と、移動・回転・拡大縮小の記事の2本で始められます。まずはBlenderのオブジェクトの追加とプリミティブから読んでみてください。
mm で寸法を打つなら、その2本のあとは、単位の記事、数値入力の記事の順に進むと迷いません。
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PERSC編集部が、建築の制作に関わる知識を実務目線で整理しています。内容は公開・更新日時点の情報にもとづきます。誤りや古い情報にお気づきの場合はお問い合わせよりご連絡ください。