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  1. Blenderのコレクションインスタンス|家具のセットをまとめて置く方法

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Blenderのコレクションインスタンス|家具のセットをまとめて置く方法

編集部 読了 約16分

  • コレクションインスタンスって何?
  • 家具のセットを、いくつも置きたい
  • インスタンスを実体化したい

建築パースの部屋には、机と椅子のように組で置く家具がいくつも並びます。

組ごとに複製して並べると、あとで椅子の位置を変えたいときに、並べた組の数だけ直すことになります。

そこで使うのがコレクションインスタンスです。コレクション(オブジェクトをまとめて入れておく入れ物)の中身を、ほかの場所に写して置けます。

元のコレクションの中身を直せば、置いた所のすべてが同じように変わるしくみです。

この記事では、コレクションインスタンスを置く手順、元を直す手順、基準の位置の決め方、ふつうのオブジェクトに戻す方法を解説します。

画面:Blender 5.2.2 LTS(日本語の表示)

始める前に

画面の区画
①3Dビューポート ②アウトライナー ③プロパティエディター。コレクションSetに入れた机と椅子の形の直方体

この記事の手順は、次の6つを済ませた画面から始めます。

  • 起動した直後の画面にある立方体・カメラ・ライトを、1つずつクリックで選んでXキー→削除で消す
  • アウトライナーのシーンコレクションの行を右クリック→新規コレクションでコレクションを作り、名前をダブルクリックしてSetに変える
  • Shift+Aキー→メッシュ→立方体で立方体を2つ足し、名前をTable(机)とChair(椅子)に変える
  • サイドバー(3DビューポートでNキーで開く右の欄)のスケールを、Tableは X 0.8・Y 0.4・Z 0.375、Chairは X・Y・Z とも 0.225 にする
  • 2つの原点(オブジェクトの位置を表す点)を底の面の中心に移し、位置をTableは X 0・Y 0・Z 0 m、Chairは X 0・Y -0.75・Z 0 m にする。3Dカーソルを動かしたときは、Shift+Sキー→カーソル → ワールド原点で戻しておく
  • 2つを選んでMキー→Setで移し、最後にアウトライナーのCollectionの行を押しておく

Collectionは、起動したときから最初にあるコレクションです。行を押しておくと、このあと置くインスタンスがCollectionに入ります。

使う画面は、①の3Dビューポート(オブジェクトを置いて見る画面)と、②のアウトライナー(シーンのオブジェクトを名前で一覧にする画面)です。

設定を変える所では、③のプロパティエディター(選んだオブジェクトの設定を並べる画面)も使います。

コレクションインスタンスとは

並べたセット
左が元の机と椅子。右の3つ(赤い枠)がコレクションインスタンスで、アウトライナーではSet・Set.001・Set.002(赤い枠)

コレクションインスタンスは、コレクションの中身を、エンプティ1つとして写して置くものです。

エンプティは形の無い目印のオブジェクトで、3Dビューポートでは黒い線の軸で表示されます。写した中身が表示されるのは、エンプティの位置です。

中身は元をそのまま表示しているだけなので、写した側の机や椅子は1つだけでは動かせません。この記事では、置いたコレクションインスタンスを短く「インスタンス」と呼びます。

コレクションインスタンスを置く

置いた
置いたインスタンス(左の赤い枠)と、アウトライナーにできたSet(右の赤い枠)

インスタンスは、3Dビューポートの追加のメニューのコレクションインスタンスから置きます。インスタンスが置かれる位置は、3Dカーソル(物を追加する位置などに使う赤と白の輪)の所です。

Setのインスタンスを置いて3か所に並べる手順は、次の4つです。

  1. 追加のメニューでコレクションインスタンスにポインターを乗せる
  2. Setを押す
  3. Y の方向へ 3 m 動かす
  4. 2つ複製して並べる

「コレクションインスタンス」にポインターを乗せる

3Dビューポートにポインター(画面の矢印)を乗せて、Shift+Aキーを押します。開いた追加のメニューの、コレクションインスタンスにポインターを乗せます。

シーンにあるコレクションの一覧が開きました。

追加のメニュー
コレクションインスタンス(左の赤い枠)と、次に押すSet(右の赤い枠)

「Set」を押す

一覧のSetを押します。

3Dカーソルのあるワールドの原点(赤と緑の線が交わる点)に、元の机と椅子と重なってインスタンスが置かれました。アウトライナーのCollectionの中に、オレンジの箱の絵のSetの行ができています。

置いた
元と重なって置かれたインスタンス(左の赤い枠)と、アウトライナーのSet(右の赤い枠)

Y の方向へ 3 m 動かす

インスタンスを選んだまま、Gキー、Yキー、3キー、Enterキーの順に押します。

インスタンスが Y の方向(緑の線)へ 3 m 動き、元の机と椅子の右に並びました。

動かした
動かしたインスタンス(左の赤い枠)と、位置の Y の 3 m(右の赤い枠)

2つ複製して並べる

Shift+Dキーで複製します。複製はポインターについて動くので、クリックせずにYキー、3キー、Enterキーの順に押して、さらに 3 m 先に置きます。

もう一度同じように複製すると、インスタンスが3つ並びました。

並べたセット
並べた3つのインスタンス(左の赤い枠)と、アウトライナーのSet・Set.001・Set.002(右の赤い枠)

これで、同じ机と椅子の組を3か所に置けました。

元を直して、すべてを変える

元の椅子を選んだ元の椅子を選んだ
元の椅子を動かした元の椅子を動かした
元の椅子を動かすと、3つのインスタンスの椅子も同じ所へ動く

インスタンスの中身を直すときは、元のコレクションに入っているオブジェクトを直します。3Dビューポートでインスタンスをクリックしても選ばれるのはエンプティで、中の机や椅子を1つだけは選べません。

元の椅子を机の手前へ動かす手順は、次の2つです。

  1. 元の椅子をクリックで選ぶ
  2. X の方向へ 1.2 m 動かす

元の椅子をクリックで選ぶ

左の元の組の椅子をクリックで選びます。

アウトライナーでは、Setのコレクションの中のChairが選ばれました。

椅子を選んだ
選んだ元の椅子(赤い枠)

X の方向へ 1.2 m 動かす

Gキー、Xキー、1キー、.キー、2キー、Enterキーの順に押して、X の方向(赤い線)へ 1.2 m 動かします。

元の椅子が机の手前へ動き、3つのインスタンスの椅子も同じ所へ動きました。

椅子を動かした
動かした元の椅子(左の赤い枠)と、同じ所へ動いたインスタンスの椅子(右の3つの赤い枠)

これで、元の椅子を1回動かすだけで、置いたすべての組の椅子を動かせました。

基準の位置を決める

基準を直した
インスタンスのオフセットの X が -3 m になり(右の赤い枠)、3つのインスタンスがエンプティの所に戻った(左の赤い枠)

インスタンスは、元のコレクションの基準の位置を、エンプティの位置に合わせて表示されます。基準の位置は、最初はワールドの原点です。

そのため、元の家具をワールドの原点から離れた所で作ったときや、あとで元を組ごと動かしたときは、インスタンスは、置いた所から組ごとずれます。

前の節のように元の椅子だけを動かすのは、組の中の並びを変えることなので、ずれにはなりません。

元の家具をワールドの原点で作っておけば、ずれは起きません。

ずれたときは、3Dカーソルを新しい基準にしたい所に置き、コレクションのインスタンスのオフセットをその位置にします。オフセットは、元のどの位置をエンプティに合わせるかを決める値です。

新しい基準には、元の組がワールドの原点にあったときに原点と重なっていた点を選びます。この記事では机の原点です。

ここでは、元の机と椅子をわざと組ごと動かしてずれを起こし、基準を直します。手順は次の5つです。

  1. 元の机と椅子を X の方向へ -3 m 動かす
  2. 3Dカーソルを机の原点へ動かす
  3. アウトライナーでコレクションのSetを押す
  4. コレクションのタブを押す
  5. カーソルからオフセットを設定を押す

元の机と椅子を X の方向へ -3 m 動かす

元の机をクリックし、Shiftキーを押したまま元の椅子をクリックして、2つを選びます。

机と椅子を選んだ
選んだ元の机と椅子(左の赤い枠)と、アウトライナーのChair・Table(右の赤い枠)

Gキー、Xキー、-キー、3キー、Enterキーの順に押します。

元の机と椅子と一緒に、3つのインスタンスも左の奥へずれました。エンプティの軸の黒い線は、置いた所に残っています。

ずれた
置いた所に残ったエンプティの軸(赤い枠)。インスタンスの机と椅子は、その左の奥へずれた

3Dカーソルを机の原点へ動かす

元の机だけをクリックで選び、3Dビューポートにポインターを乗せてShift+Sキーを押します。丸く並んだメニュー(パイメニュー)のカーソル → 選択物を押します。

カーソルを机へ
選んだ元の机(上の赤い枠)と、押すカーソル → 選択物(下の赤い枠)

3Dカーソルが、机の原点(底の面の中心)へ動きました。

カーソルが机に来た
机の原点へ動いた3Dカーソル(赤い枠)

アウトライナーでコレクションのSetを押す

アウトライナーには、Setという名前の行が、インスタンスとコレクションの2つあります。押すのは、中にChairとTableが入っている、コレクションのSetの行です。

コレクションのSetの行が青くなりました。

Setの行
押したコレクションのSetの行(赤い枠)

「コレクション」のタブを押す

プロパティエディターの左の列から、白い箱の絵のコレクションのタブを押します。

Setの設定が開き、インスタンス化の欄にインスタンスのオフセットが出ました。画面では欄の名前がインスタンス…と切れていて、この行が X、その下が Y・Z です。

コレクションのタブ
コレクションのタブ(上の赤い枠)と、インスタンスのオフセットの X・Y・Z(下の赤い枠)

「カーソルからオフセットを設定」を押す

インスタンスのオフセットの右の⌄を押し、開いたメニューのカーソルからオフセットを設定を押します。

オフセットのメニュー
⌄(上の赤い枠)と、押すカーソルからオフセットを設定(下の赤い枠)

オフセットの X が -3 m になり、3つのインスタンスがエンプティの所に戻りました。

基準を直した
エンプティの所に戻ったインスタンス(左の赤い枠)と、-3 m になったオフセットの X(右の赤い枠)

これで、コレクションの基準の位置を机の原点に決められました。

実体化して、ふつうのオブジェクトに戻す

実体化した
実体化してできたChair.001とTable.001、中身を写さなくなったSet.001(右の赤い枠)。3Dビューポートでは実体化した机と椅子(左の赤い枠)

1つの組だけを動かしたいときは、そのインスタンスを実体化して、ふつうのオブジェクトに戻します。形まで1つだけ変えるときは、このあとシングルユーザー化も要ります。

実体化に使うのは、Ctrl+Aキーで開く適用のメニューのインスタンスを実体化です。

右の3つのうち真ん中のインスタンス(Set.001)を実体化する手順は、次の2つです。

  1. インスタンスを選んでCtrl+Aキーを押す
  2. インスタンスを実体化を押す

インスタンスを選んでCtrl+Aキーを押す

右の3つのうち真ん中のインスタンスをクリックで選び、3Dビューポートにポインターを乗せてCtrl+Aキーを押します。

適用のメニューが開きました。

適用のメニュー
次に押すインスタンスを実体化(左の赤い枠)と、選んだ真ん中のインスタンス(右の赤い枠)

「インスタンスを実体化」を押す

メニューのインスタンスを実体化を押します。

アウトライナーのCollectionの中にChair.001とTable.001ができました。Set.001は中身を写さないエンプティになり、行の絵が軸の形に変わっています。

実体化した
できたChair.001・Table.001と、軸の絵に変わったSet.001(右の赤い枠)。選ばれている実体化した机と椅子(左の赤い枠)

これで、真ん中の組をふつうのオブジェクトに戻せました。元の椅子を動かしても、実体化した椅子は動きません。

残ったSet.001のエンプティは、消してもかまいません。

ただし、実体化した机と椅子のメッシュ(形のデータ)は、元と共有したままです。

アウトライナーでTable.001の行を押して選び、緑の三角の絵のデータのタブを開くと、メッシュの名前が元と同じTableで、右に共有している数の2が出ています。

共有の数
Table.001のデータのタブ(下の赤い枠)と、メッシュの名前Table・共有している数の2(上の赤い枠)

数の2は、元のTableとTable.001の2つです。このまま編集モード(頂点・辺・面を直接選んで動かす状態)で形を直すと、元の机も、元を写しているインスタンスの机も一緒に変わります。

1つだけの形にするときは、シングルユーザー化(1つのオブジェクトだけが使う状態にすること)で専用のコピーにしてから直してください。

シングルユーザー化は、3Dビューポートのヘッダーのオブジェクト→関係→シングルユーザー化→オブジェクトとデータです。画面の手順は、Blenderの複製・リンク複製・独立化で解説しています。

家具のセットをインスタンスにして、何か所にも置こう

並べたセット
同じ机と椅子の組を、3か所に置いたところ

コレクションインスタンスを使うと、1つのコレクションの中身を何か所にも置けます。この記事で解説したことは、次の4つです。

  • 置く:Shift+Aキー→コレクションインスタンス→コレクションの名前。並べるときはShift+Dキーで複製する
  • 元を直す:元のコレクションの中のオブジェクトを直すと、置いたすべてが変わる
  • 基準の位置を決める:3Dカーソルを置いて、コレクションのタブでカーソルからオフセットを設定
  • ふつうのオブジェクトに戻す:Ctrl+Aキー→インスタンスを実体化。メッシュは元と共有したままなので、形を1つだけ変えるときはシングルユーザー化も

まずは部屋の机と椅子を1つのコレクションに入れて、インスタンスで並べてみてください。

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