
Blenderのコレクションインスタンス|家具のセットをまとめて置く方法
- コレクションインスタンスって何?
- 家具のセットを、いくつも置きたい
- インスタンスを実体化したい
建築パースの部屋には、机と椅子のように組で置く家具がいくつも並びます。
組ごとに複製して並べると、あとで椅子の位置を変えたいときに、並べた組の数だけ直すことになります。
そこで使うのがコレクションインスタンスです。コレクション(オブジェクトをまとめて入れておく入れ物)の中身を、ほかの場所に写して置けます。
元のコレクションの中身を直せば、置いた所のすべてが同じように変わるしくみです。
この記事では、コレクションインスタンスを置く手順、元を直す手順、基準の位置の決め方、ふつうのオブジェクトに戻す方法を解説します。
画面:Blender 5.2.2 LTS(日本語の表示)始める前に

この記事の手順は、次の6つを済ませた画面から始めます。
- 起動した直後の画面にある立方体・カメラ・ライトを、1つずつクリックで選んでXキー→削除で消す
- アウトライナーのシーンコレクションの行を右クリック→新規コレクションでコレクションを作り、名前をダブルクリックしてSetに変える
- Shift+Aキー→メッシュ→立方体で立方体を2つ足し、名前をTable(机)とChair(椅子)に変える
- サイドバー(3DビューポートでNキーで開く右の欄)のスケールを、Tableは X 0.8・Y 0.4・Z 0.375、Chairは X・Y・Z とも 0.225 にする
- 2つの原点(オブジェクトの位置を表す点)を底の面の中心に移し、位置をTableは X 0・Y 0・Z 0 m、Chairは X 0・Y -0.75・Z 0 m にする。3Dカーソルを動かしたときは、Shift+Sキー→カーソル → ワールド原点で戻しておく
- 2つを選んでMキー→Setで移し、最後にアウトライナーのCollectionの行を押しておく
Collectionは、起動したときから最初にあるコレクションです。行を押しておくと、このあと置くインスタンスがCollectionに入ります。
使う画面は、①の3Dビューポート(オブジェクトを置いて見る画面)と、②のアウトライナー(シーンのオブジェクトを名前で一覧にする画面)です。
設定を変える所では、③のプロパティエディター(選んだオブジェクトの設定を並べる画面)も使います。
コレクションインスタンスとは

コレクションインスタンスは、コレクションの中身を、エンプティ1つとして写して置くものです。
エンプティは形の無い目印のオブジェクトで、3Dビューポートでは黒い線の軸で表示されます。写した中身が表示されるのは、エンプティの位置です。
中身は元をそのまま表示しているだけなので、写した側の机や椅子は1つだけでは動かせません。この記事では、置いたコレクションインスタンスを短く「インスタンス」と呼びます。
コレクションインスタンスを置く

インスタンスは、3Dビューポートの追加のメニューのコレクションインスタンスから置きます。インスタンスが置かれる位置は、3Dカーソル(物を追加する位置などに使う赤と白の輪)の所です。
Setのインスタンスを置いて3か所に並べる手順は、次の4つです。
- 追加のメニューでコレクションインスタンスにポインターを乗せる
- Setを押す
- Y の方向へ 3 m 動かす
- 2つ複製して並べる
「コレクションインスタンス」
3Dビューポートにポインター(画面の矢印)を乗せて、Shift+Aキーを押します。開いた追加のメニューの、コレクションインスタンスにポインターを乗せます。
シーンにあるコレクションの一覧が開きました。

「Set」
一覧のSetを押します。
3Dカーソルのあるワールドの原点(赤と緑の線が交わる点)に、元の机と椅子と重なってインスタンスが置かれました。アウトライナーのCollectionの中に、オレンジの箱の絵のSetの行ができています。

Y の
インスタンスを選んだまま、Gキー、Yキー、3キー、Enterキーの順に押します。
インスタンスが Y の方向(緑の線)へ 3 m 動き、元の机と椅子の右に並びました。

2つ複製して並べる
Shift+Dキーで複製します。複製はポインターについて動くので、クリックせずにYキー、3キー、Enterキーの順に押して、さらに 3 m 先に置きます。
もう一度同じように複製すると、インスタンスが3つ並びました。

これで、同じ机と椅子の組を3か所に置けました。
元を直して、すべてを変える
元の椅子を選んだ
元の椅子を動かしたインスタンスの中身を直すときは、元のコレクションに入っているオブジェクトを直します。3Dビューポートでインスタンスをクリックしても選ばれるのはエンプティで、中の机や椅子を1つだけは選べません。
元の椅子を机の手前へ動かす手順は、次の2つです。
- 元の椅子をクリックで選ぶ
- X の方向へ 1.2 m 動かす
元の
左の元の組の椅子をクリックで選びます。
アウトライナーでは、Setのコレクションの中のChairが選ばれました。

X の
Gキー、Xキー、1キー、.キー、2キー、Enterキーの順に押して、X の方向(赤い線)へ 1.2 m 動かします。
元の椅子が机の手前へ動き、3つのインスタンスの椅子も同じ所へ動きました。

これで、元の椅子を1回動かすだけで、置いたすべての組の椅子を動かせました。
基準の位置を決める

インスタンスは、元のコレクションの基準の位置を、エンプティの位置に合わせて表示されます。基準の位置は、最初はワールドの原点です。
そのため、元の家具をワールドの原点から離れた所で作ったときや、あとで元を組ごと動かしたときは、インスタンスは、置いた所から組ごとずれます。
前の節のように元の椅子だけを動かすのは、組の中の並びを変えることなので、ずれにはなりません。
元の家具をワールドの原点で作っておけば、ずれは起きません。
ずれたときは、3Dカーソルを新しい基準にしたい所に置き、コレクションのインスタンスのオフセットをその位置にします。オフセットは、元のどの位置をエンプティに合わせるかを決める値です。
新しい基準には、元の組がワールドの原点にあったときに原点と重なっていた点を選びます。この記事では机の原点です。
ここでは、元の机と椅子をわざと組ごと動かしてずれを起こし、基準を直します。手順は次の5つです。
- 元の机と椅子を X の方向へ -3 m 動かす
- 3Dカーソルを机の原点へ動かす
- アウトライナーでコレクションのSetを押す
- コレクションのタブを押す
- カーソルからオフセットを設定を押す
元の
元の机をクリックし、Shiftキーを押したまま元の椅子をクリックして、2つを選びます。

Gキー、Xキー、-キー、3キー、Enterキーの順に押します。
元の机と椅子と一緒に、3つのインスタンスも左の奥へずれました。エンプティの軸の黒い線は、置いた所に残っています。

3Dカーソルを
元の机だけをクリックで選び、3Dビューポートにポインターを乗せてShift+Sキーを押します。丸く並んだメニュー(パイメニュー)のカーソル → 選択物を押します。

3Dカーソルが、机の原点(底の面の中心)へ動きました。

アウトライナーで
アウトライナーには、Setという名前の行が、インスタンスとコレクションの2つあります。押すのは、中にChairとTableが入っている、コレクションのSetの行です。
コレクションのSetの行が青くなりました。

「コレクション」
プロパティエディターの左の列から、白い箱の絵のコレクションのタブを押します。
Setの設定が開き、インスタンス化の欄にインスタンスのオフセットが出ました。画面では欄の名前がインスタンス…と切れていて、この行が X、その下が Y・Z です。

「カーソルから
インスタンスのオフセットの右の⌄を押し、開いたメニューのカーソルからオフセットを設定を押します。

オフセットの X が -3 m になり、3つのインスタンスがエンプティの所に戻りました。

これで、コレクションの基準の位置を机の原点に決められました。
実体化して、ふつうのオブジェクトに戻す

1つの組だけを動かしたいときは、そのインスタンスを実体化して、ふつうのオブジェクトに戻します。形まで1つだけ変えるときは、このあとシングルユーザー化も要ります。
実体化に使うのは、Ctrl+Aキーで開く適用のメニューのインスタンスを実体化です。
右の3つのうち真ん中のインスタンス(Set.001)を実体化する手順は、次の2つです。
- インスタンスを選んでCtrl+Aキーを押す
- インスタンスを実体化を押す
インスタンスを
右の3つのうち真ん中のインスタンスをクリックで選び、3Dビューポートにポインターを乗せてCtrl+Aキーを押します。
適用のメニューが開きました。

「インスタンスを
メニューのインスタンスを実体化を押します。
アウトライナーのCollectionの中にChair.001とTable.001ができました。Set.001は中身を写さないエンプティになり、行の絵が軸の形に変わっています。

これで、真ん中の組をふつうのオブジェクトに戻せました。元の椅子を動かしても、実体化した椅子は動きません。
残ったSet.001のエンプティは、消してもかまいません。
ただし、実体化した机と椅子のメッシュ(形のデータ)は、元と共有したままです。
アウトライナーでTable.001の行を押して選び、緑の三角の絵のデータのタブを開くと、メッシュの名前が元と同じTableで、右に共有している数の2が出ています。

数の2は、元のTableとTable.001の2つです。このまま編集モード(頂点・辺・面を直接選んで動かす状態)で形を直すと、元の机も、元を写しているインスタンスの机も一緒に変わります。
1つだけの形にするときは、シングルユーザー化(1つのオブジェクトだけが使う状態にすること)で専用のコピーにしてから直してください。
シングルユーザー化は、3Dビューポートのヘッダーのオブジェクト→関係→シングルユーザー化→オブジェクトとデータです。画面の手順は、Blenderの複製・リンク複製・独立化で解説しています。
家具のセットをインスタンスにして、何か所にも置こう

コレクションインスタンスを使うと、1つのコレクションの中身を何か所にも置けます。この記事で解説したことは、次の4つです。
- 置く:Shift+Aキー→コレクションインスタンス→コレクションの名前。並べるときはShift+Dキーで複製する
- 元を直す:元のコレクションの中のオブジェクトを直すと、置いたすべてが変わる
- 基準の位置を決める:3Dカーソルを置いて、コレクションのタブでカーソルからオフセットを設定
- ふつうのオブジェクトに戻す:Ctrl+Aキー→インスタンスを実体化。メッシュは元と共有したままなので、形を1つだけ変えるときはシングルユーザー化も
まずは部屋の机と椅子を1つのコレクションに入れて、インスタンスで並べてみてください。
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