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建築図面の共通ルールとは|どの図面にも出てくる約束事

編集部 読了 約6分

*2026年9月29日に確認した内容です。国土交通省の「建築工事設計図書作成基準」「建築工事設計図書作成基準の資料」(どちらも令和2年改定)と「建築設備工事設計図書作成基準(令和6年改定)」によります。どれも国の建物の工事(官庁営繕)のための図面の決まりです。民間の図面では、書き方が違うことがあります。

建築図面には、平面図(各階を上から見た図)・立面図(外側を横から見た図)・断面図(縦に切った図)など、たくさんの種類があります。図面の種類が変わっても、用紙の使い方、縮尺、線、記号などには、共通の約束事があります。この記事では、国の建物の図面の基準をもとに、どの図面にも出てくる約束事を一覧で載せています。それぞれの約束事を詳しく説明する記事への道順も載せています。

国の建物の図面は、書式と表示をそろえる基準で描かれる

国土交通省の「建築工事設計図書作成基準」は、国の建物の図面の書き方を定めた基準です。この基準の1.1 は、図面と特記仕様書(その工事だけの決まりを書いた書類)を作るときの基本的な事項を定め、書式と表示を統一することで、業務を効率よく進めることを目的としています。1.2 は、国の建物の工事(営繕工事)の図面に使うとしています。

この基準の第3章「基本製図」は、どの図面にも共通する約束事を決めています。電気・空調・給排水などの設備の図面にも、別の基準(建築設備工事設計図書作成基準)に、同じような約束事があります。

建築工事設計図書作成基準の3.1(3)の、用紙・輪郭・表題欄の図
3.1(3) の図。用紙の縁、輪郭線(図を描く範囲を囲む線)、図を描く領域、右下の表題欄の位置を見る。出典:国土交通省「建築工事設計図書作成基準(令和2年改定)」3.1(3) の図を切り出して編集部が作成

同じ建物を、何枚かの図に分けて描く

建物は立体なので、平らな紙に表すために、見る向きや切る位置を変えた何枚かの図に分けて描きます。各階を水平に切って上から見た平面図、外側を横から見た立面図、縦に切って横から見た断面図です。

基準の3.1(5) は、平面図・配置図(敷地の中の建物の位置の図)・案内図(敷地の場所の図)などは図の上を北とし、立面図・断面図などは建物の上下を図面の上下に合わせる、としています。

表題欄・縮尺・単位

  • 表題欄:用紙の右下の欄に、工事名称・図面名称・尺度・担当部局名・図面番号を書く(3.1(3)(4))
  • 縮尺:実物を何分の1で描いたかを表す。基準は、縮尺と原寸(実物と同じ大きさ)を合わせて尺度と呼び、1/1〜1/600 の13種類とし、図面の種類ごとに尺度を決めている(3.4・4.2)
  • 単位:寸法の単位はミリメートルで、単位記号(mm)は書かない。ミリメートル以外は単位記号を書く(3.5(1))

線の種類と太さ

  • 線の種類:実線・破線・点線・一点鎖線・二点鎖線の5種類(3.3(1))。柱の中心に引く、位置の基準にする線(基準線)は一点鎖線で描く(3.5(6))
  • 線の太さ:極太線・太線・細線の3種類で、3つの太さの寸法の組を2通りから選ぶ(3.3(2))
  • 建築の基準には、どの線をどこに使うかの表は無い。設備の図面の基準(3.3(3))には、線の種類と太さごとの使い方の表がある

方位・切断線・材料の記号・略語・凡例

  • 方位:方位記号は、N を付けた矢印で、矢印の向きが北(別表1)
  • 切断線:断面図が建物のどこを切った図かを示す線。切る位置が分かりにくい場合は、平面図に描く(3.5(3)・資料2 の(8))
  • 材料構造表示記号:切断面などの材料を表す記号。図面の尺度で表し方が変わる(3.6(2)・別表2)
  • 略語:GL(高さを測る基準にする地面)・FL(高さを測る基準にする床)などの略号は、基準の資料の資料1 に決まっている
  • 凡例:その図面で使う記号と略号の説明の欄。基準に無い記号は、図面ごとに決めて凡例に書く(2.1(3))

見本の家の平面図に、いくつかの約束事を示すと、次のようになります。

見本の家の平面図に、方位記号・切断線・一点鎖線の基準線・寸法・表題欄を番号で示した図
見本の家の平面図。1 方位記号、2 切断線、3 基準線(一点鎖線)、4 寸法、5 表題欄の場所を見る。家の形と数字は例。編集部が作成

この記事の範囲と、続けて読む記事

この記事から続けて、どの図面にも出てくる約束事を、次の13本の記事で説明しています。

図面の見方の基本(1〜3)

  1. 建築図面の共通ルールとは|どの図面にも出てくる約束事:この記事
  2. 「建築図面の投影法|複数の図面で1棟を表す理由」:立体を平らな紙に表す決まりと、平面図・立面図・断面図がそれぞれ何を表すか
  3. 「透視図(パース)とは|平面図・立面図との違い」:立体的な見た目を描いた透視図と、縮尺で描いて寸法を測れる平面図・立面図の違い

図面の枠と縮尺(4〜6)

  1. 「建築図面の表題欄の読み方|図面名・縮尺・図面番号の場所」:用紙の右下の表題欄に書く、工事名称・図面名称・尺度・図面番号
  2. 「建築図面の縮尺|1/100・1/50など、図面ごとに違う理由」:13種類の尺度と、図面の種類ごとの尺度、尺度で変わる記号
  3. 「建築図面の単位|mmで表し、単位を書かない決まり」:寸法をミリメートルで表し、単位記号を書かない決まり

線(7〜8)

  1. 「建築図面の線の種類の読み方|実線・破線・一点鎖線・二点鎖線」:5種類の線と、基準線や切断線など使い方が決まっている線
  2. 「建築図面の線の太さの読み方|極太線・太線・細線」:3種類の太さと組合せ、設備の図面の太さごとの使い方

どの図面にも出る記号(9〜13)

  1. 「建築図面の方位の読み方|方位記号と北の向き」:図の上を北にする決まりと、方位記号の読み方
  2. 「建築図面の切断線の読み方|どこを切った断面か」:切断線の表し方と、断面図の名前との対応
  3. 「材料構造表示記号の読み方|ハッチングでの材料の見分け方」:切断面の材料の記号と、尺度による表し方の違い
  4. 「建築図面の略語の読み方|FL・CH・GL・SL」:高さ・階・大きさ・場所を表す略語の意味
  5. 「建築図面の凡例の読み方|図面ごとの記号の説明」:凡例に書くことと、凡例を書く図面

続けて読むのは、2 の「建築図面の投影法|複数の図面で1棟を表す理由」の記事です。建築図面の記事全体を読む順番は、「建築図面を読む順番|共通ルールから施工図まで」の記事で解説しています。

まとめ

国の建物の図面は、書式と表示をそろえるための基準(建築工事設計図書作成基準)で描かれます。どの図面にも共通する約束事は、何枚かの図に分けて描く見方、表題欄・縮尺・単位、線の種類と太さ、方位・切断線・材料の記号・略語・凡例です。

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この記事について

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