平面図の階段と吹抜けの表し方|昇り表示・切断線
*2026年9月29日に確認した内容です。国土交通省の「建築工事設計図書作成基準(令和2年改定)」によります。国の建物の工事(官庁営繕)のための図面の決まりで、ほかの図面では記号が違うことがあります。小荷物専用昇降機の説明は、「建築基準法施行令」によります。
平面図(建物の各階を水平に切って、上から見た図)で、細い線が段のように並んでいる所が階段です。この記事では、国の建物の図面の決まりをもとに、階段の描き方が階によって変わることと、昇る向きの矢印、吹抜けやエレベーターの記号を載せています。
階段は、階によって描き方が変わる
国土交通省の「建築工事設計図書作成基準」は、国の建物の図面の書き方を定めた基準です。この基準の3.6(1)は、縮尺(図面を実物の何分の1で描くか)が1/100と1/200の図面に使う記号(平面表示記号)を、別表1 によるとしています。
別表1 は、階段の記号を「最上階」「一般階」「最下階」の3つに分けています。最上階はいちばん上の階、最下階はいちばん下の階、一般階はそのあいだの階です。

記号の図から読めることは、次のとおりです(読み取りは編集部)。どの階の記号も、折り返しのある階段(途中の平らな所=踊り場で向きを変える階段)で描かれています。
- 最上階:段の線が全部描かれている。下の側の段の途中に、斜めに折れた線がある。小さな丸は無く、矢印は上の側の段の端まで続く
- 一般階:段の線が全部描かれている。上の側の段の途中に、斜めに折れた線がある。昇り始めの所に小さな丸がある
- 最下階:上の側の段は、斜めに折れた線より先が描かれていない。昇り始めの所に小さな丸があり、矢印は折れた線で止まる
斜めに折れた線と小さな丸が何を表すかは、別表1 に説明がありません。記号の形を見ると、最下階では、階段が斜めに折れた線の所で途切れて描かれています。平面図は床から上のある高さで水平に切った図なので、その高さより上の段が描かれていないと読めます(読み方は編集部)。平面図を切る高さは、「建築図面の平面図とは|水平に切った間取りの図面」の記事で解説します(準備中)。
建物をどこで切ったかを示す線の読み方は、「建築図面の切断線の読み方|どこを切った断面か」の記事で解説しています。
矢印は、昇る向き
別表1 の階段とスロープの記号には、「昇り表示」とあります。記号の矢印は、階段を昇っていく向きを示しています。
見本の家(説明のために編集部が描いた、木造2階建ての家の例)の階段を、1階と2階で並べると次のようになります。
1階(最下階)
2階(最上階)左の1階(最下階)は、昇り始めの丸から矢印が始まり、踊り場で向きを変えて、斜めに折れた線で止まります。右の2階(最上階)は、段が全部描かれ、矢印は2階の床に昇りきる所まで続きます。どちらも別表1 の描き方にそろえて、編集部が描きました。
吹抜けの記号
吹抜けは、下の階から上の階まで床を設けず、上下につながっている所です。別表1 は、吹抜けを、四角の中に対角線を2本引いた記号で表しています。

平面図で吹抜けの記号がある所には、その階の床がありません。上の階の平面図と下の階の平面図を見比べる読み方は、「平面図で読む上下階の関係|見上げ線・吹抜け・下の階の屋根」の記事で解説します(準備中)。
エレベーター・点検口などの記号
別表1 には、ほかにも四角に対角線を引いた記号があります。
| 表示事項 | 記号の形(編集部の短い説明) |
|---|---|
| エレベーター | 四角に対角線を引き、「EV」と書く |
| 小荷物専用昇降機 | 四角に対角線を引き、「DW」と書く。建築基準法施行令 第129条の3 は、物を運ぶための昇降機で、かご(人や物を乗せる箱)を真上から見た広さが1平方メートル以下、かつ天井の高さが1.2メートル以下のものを、小荷物専用昇降機としている |
| 点検口 | 小さな四角に対角線を引く。点検口は、天井や床の中を点検するために開けられるようにした口 |
吹抜けとエレベーターの記号は、どちらも四角に対角線を引いた形です。エレベーターは「EV」の文字と、外側のコの字形の枠で見分けます。枠の開いた側の短い線は、記号の図のまま描いたもので、別表1 に説明はありません。
まとめ
国の建物の縮尺1/100・1/200 の平面図では、階段を最上階・一般階・最下階で描き分け、矢印で昇る向きを示します。最上階と一般階では段の線が全部描かれ、最下階では斜めに折れた線より先の段が描かれません。吹抜け・エレベーター・点検口は、四角に対角線を引いた記号で表します。
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