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断面図の読み方|垂直に切った図面

編集部 読了 約7分

  • 断面図はどこから読めばいいの?
  • この断面図は、建物のどこを切った図なの?
  • 断面図に何が書いてあるかを知りたい

断面図は、平面図だけでは分からない、上下の階のつながりや高さを表す図面です。しかし、線と数字と記号が並んでいて、初めて開くとどこから読めばよいか迷います。

この記事では、見本の住宅の断面図を使い、どこを切った図かの確かめ方、断面図に書いてあるもの、上下の階のつながりの読み方を解説します。

断面図を読む始めは、平面図の切断線です。どこを切った図かを確かめてから、地面(GL)から上へ高さを読みます。

断面図とは

見本の住宅のA-A断面図。GL・1FL・2FL・軒高・最高高さの印と寸法、部屋の名前、天井高、屋根の勾配、通り芯
見本の住宅(木造2階建て)のA-A断面図。西から東を見た向きで、左が北、右が南。公開されている設計図に多い形をもとに編集部が作成。値は例

断面図は、建物を垂直に切ったと考えて、その断面を表した図です。実際には切らずに、切ったと仮定した切り口を描きます。

国の建物の工事の基準での断面図は、「建物各部と地盤との関係、建物の階高、階数等を表現する」図です。

同じ建物を別の面から見た図に、平面図と立面図があります。平面図は建物を水平に切って真上から見た図で、立面図は建物を外から見た形の図です。

立面図は外から見た形なので、部屋の中の床や天井は見えません。切り口を描く断面図なら、部屋の中の床や天井の高さまで分かります。

編集部は、公開されている設計図6件(住宅4件・公共の建物2件)から断面図を集めて見比べました。6件のうち5件は1/100の縮尺で描いてあり、国の工事の決まりでも断面図は1/100か1/200です。

どこを切った図かを切断線で確かめる

見本の住宅の1階平面図。A-AとB-Bの2本の切断線と、通り芯の記号
見本の住宅の1階平面図。一点鎖線がA-AとB-Bの切断線で、両端の短い線が見る向き。丸の記号は通り芯(あとで解説)。上が北。編集部が作成

断面図を開いたら、平面図の切断線の記号と、断面図の名前を照らし合わせます。切断線は、断面図が建物のどこを切った図かを、平面図の上に示す線です。

この見本のA-A断面図という名前は、切断線の両端の記号(A)から付けたものです。切断線の表し方は、「建築図面の切断線の読み方|どこを切った断面か」の記事で解説しています。

見本の平面図には、南北に引いたA-Aと、東西に引いたB-Bの2本の切断線があります。A-A断面図は、このA-Aの線で洗面所とLDKを切った図です。

断面図は、ふつう2つの向きで切ります。集めた6件も、どれも2つの向きで切った断面図を描いていました。

切る所には、上下の階の高さの関係が分かる所を選びます。見本のB-Bを切った所は、LDKの西側の上にある吹抜け(2階の床を張らずに上下の階をつないだ所)にかかる位置です。

断面図に書いてあるもの

A-A断面図に、高さ・部屋と天井・屋根の勾配・通り芯の4か所の番号を付けた図
A-A断面図の、①高さ ②部屋の名前と天井高 ③屋根の勾配 ④通り芯。値は例

切った所が分かったら、断面図に書いてあるものを読みます。高さ、部屋の名前、屋根の勾配は集めた6件のすべてに、通り芯は3件に書いてありました。

断面図に書いてあるものは、次の4つです。

  • 高さ
  • 部屋の名前と天井高
  • 屋根の勾配
  • 通り芯

高さ

断面図の高さは、▽の印と寸法で書きます。見本では、図の右に下から「GL」「1FL」「2FL」「軒高」「最高高さ」の印が並んでいます。

GLは高さの基準にする地面、FLは床の高さを表す略語です。

印のあいだの寸法は、図の横に上下一列に並べて書きます。単位はmmで、数字のあとに単位を付けません。

寸法の数字は、下から500、2,900、2,800、1,500です。それぞれ、GLと1FL、1FLと2FL、2FLと軒高、軒高と最高高さのあいだの高さです。

外側の7,700は、GLから最高高さまでを1本の寸法で測っています。

1階の床から2階の床までのように、ある階の床からすぐ上の階の床までの高さを、階高と呼びます。

寸法を下から順に足した値が、GLから測った印の高さで、たとえば2FLは500と2,900を足した3,400です。

部屋の名前と天井高

部屋の中に書くのは、部屋の名前と天井の高さです。見本の「CH=2,400」のCHは天井高の略で、床から天井までが2,400あることを表します。

集めた6件のうち3件が「CH=」の書き方で、ほかの3件は寸法の線と数字だけで書いていました。

屋根の勾配

屋根の傾きは、屋根の近くに置いた三角の印で書きます。図の三角が表すのは、横に10進むと4上がる傾き、つまり4/10の勾配です。

通り芯

図の下に並ぶ丸の記号は、通り芯の名前です。通り芯は、柱や壁の中心に引く位置の基準の線で、平面図と同じ記号を付けます。

図の下のY1〜Y3が指すのは、平面図の同じ記号の線と同じ位置です。そのため、断面図のどこが平面図のどの壁かを、記号で確かめられます。

下の1,820と4,550は、通り芯のあいだの距離です。

上下の階のつながりを読む

見本の住宅のB-B断面図。吹抜けとその下のLDKに色を付けた図
見本の住宅のB-B断面図。南から北を見た向きで、左が西、右が東。屋根の頂上の棟と同じ東西の向きに切ったので、屋根は横の線に見える。色を付けた所が、吹抜けとその下のLDKがつながった空間。値は例

高さと部屋の名前を組み合わせると、どの部屋の上にどの部屋があるかが分かります。見本のB-B断面図では、1階のLDKの西側(X1〜X2)の上に2階の床がなく、2階の天井まで1つの空間になっています。

この上下に続いた空間が吹抜けです。吹抜けの東側は2階のホールで、吹抜けに面した所に手すりが付いています。

平面図は階ごとに別の図なので、1階と2階の重なりを1枚では見られません。断面図は、その重なりを1枚に表した図です。

断面図に描いていないもの

同じ南の外壁の所を、断面図と矩計図で並べた図。断面図は外形の線だけ、矩計図は壁や床の中の層
同じ南の外壁の所の断面図(1/100)と矩計図(1/30)。比べやすいように同じ大きさにして並べた。値は例。編集部が作成

ここまでの高さと部屋のつながりは、断面図で読めます。一方で、集めた6件の断面図は、どれも壁や床、屋根の中の層を描いていませんでした。

壁や床の切り口は、外形の線だけです。壁の中の断熱材や、床の下地と仕上げの重なりは、矩計図(かなばかりず)という別の図面に書きます。

矩計図は、外壁の部分を中心に建物を縦に切った断面を、基礎から屋根まで、高さと材料の重なりが分かるように詳しく描いた図面です。別名は断面詳細図です。

さらに細かい部分は、部分詳細図という図面に描きます。壁や床の中を知りたいときは、矩計図か部分詳細図を開きます。

切断線を確かめてから断面図を読もう

断面図を読む順。1 切断線で切った所を確かめる、2 高さを読む、3 部屋と天井を読む、4 上下のつながりを読む
断面図を読む順

断面図は、建物を垂直に切ったと仮定した切り口から、高さと上下の階のつながりを読む図面です。読む順は、次の4つです。

  • 平面図の切断線で、切った所を確かめる
  • ▽GLから上へ、寸法を足して高さを読む
  • 部屋の名前と天井高(CH)を読む
  • 吹抜けなど、上下の階のつながりを読む

軒高と最高高さの意味は、「建築図面のレベル(高さ)の読み方|GL・FL・階高・軒高」の記事で解説しています。

勾配の書き方は、「建築図面の勾配の表し方|分数・角度・屋根の4/10」の記事が詳しいです。

断面図での高さの読み方は、「断面図で読む高さ|階高・天井高・床高・軒高・最高高さ」の記事で解説します。

矩計図の読み方も、「矩計図(かなばかり図)の読み方|基礎から屋根までの高さと納まり」の記事にまとめています。

断面図を開いたら、平面図を横に並べ、切断線の記号から確かめてみてください。

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この記事について

PERSC編集部が、建築の制作に関わる知識を実務目線で整理しています。内容は公開・更新日時点の情報にもとづきます。誤りや古い情報にお気づきの場合はお問い合わせよりご連絡ください。

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