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  1. 電気設備図の種類|配線図・系統図・単線接続図

電気設備図の種類|配線図・系統図・単線接続図

編集部 読了 約8分

  • 電気設備図にはどんな種類があるの?
  • 配線図と系統図は何が違うの?
  • 単線結線図(単線接続図)が何を表す図なのかを知りたい

電気設備図の一式を開くと、平面図に記号が並ぶ図、線と箱だけの図、表のような図が混ざっています。図面の名前も「電灯設備 平面図」「幹線系統図」「分電盤結線図」とまちまちです。

しかし、電気設備図の主な図は、何を表すかで3つに分けると読みやすくなります。

この記事では、住宅の見本を使い、配線図・系統図・単線結線図(単線接続図とも呼びます)が何を表すかと、3つの図を回路番号でたどる読み方を解説します。

配線図は器具の場所と配線を、系統図は建物全体の電気の流れを、単線結線図は分電盤などの盤とブレーカーのつながりを書いた図です。

電気設備図の種類とは

住宅の見本の配線図・系統図・単線結線図を縮めて3つ並べた図
住宅の見本の3つの図。公開されている住宅の設計図の形をもとに編集部が作成。値は例

電気設備図は、建物の照明・コンセント・動力・通信・防災などの電気の設備について、位置・配線・つながりを表す図面です。

動力は、業務用のエアコンやポンプ、エレベーターのように、三相の電気で動く機械の設備を指します。三相の電気(三相3線式・図面では 3φ3W)の主な使い道は、モーターを動かすことです。

電気設備図の主な図は、何を表すかで次の3つに分けられます。

  • 配線図:平面図の上に、器具の位置を記号で、配線を線で書いた図
  • 系統図:電気がどこから来てどこへつながるかを、建物の中の位置によらず書いた図
  • 単線結線図(国の基準の呼び名は単線接続図):実際には2本や3本ある電線を1本の線で表して、盤やブレーカーなどのつながりを書いた図

分電盤は、建物に入った電気を部屋や機器ごとの回路に分ける箱です。ブレーカー(遮断器)は、電気が流れすぎたときなどに自動で電気を切る装置です。

国の建物の工事の図面には、国土交通省の「建築設備工事設計図書作成基準」という決まりがあります。この基準も、照明やコンセント、動力などの図面として、配線図・分電盤の単線接続図・系統図などを挙げています。

国の工事の基準では、系統図と配線図を作るのは通信や火災報知の設備も同じです。

公開されている設計図のうち、図面の一覧がそろう8件(住宅2件・公共の建物6件)を編集部が数えました。

配線図にあたる照明の平面図と、単線結線図にあたる分電盤の図は、8件すべてにありました。幹線(建物に入った電気を分電盤まで送る太い電線)の系統図があったのは5件です。

配線図とは

住宅の台所と居間・食堂の配線図の見本。照明・スイッチ・コンセントの記号と配線、回路番号、分電盤へ向かう矢印
住宅の配線図の見本。○は天井の照明、●はスイッチ、丸に2本の線を入れて半分を塗った記号は壁付のコンセント(塗った側が壁。そばの2は差し込み口の数、Eはアース付き)。イ・ハは、どのスイッチでどの照明を点けるかを結ぶ文字。丸で囲んだ数字は回路番号(丸の無い数字は口数)、矢印は線が分電盤へ向かうことを示す。公開されている住宅の設計図の形をもとに編集部が作成。値は例

配線図は、平面図の上に照明・スイッチ・コンセントなどの器具の位置を記号で書き、器具どうしをつなぐ配線を線で書いた図です。

読むと、器具がどの部屋のどこにあり、どの器具どうしがつながっているかが分かります。

ただし、「配線図」という名前の図面は、数えた8件のうち1件だけでした。6件は「電灯設備 平面図」「電灯コンセント設備 平面図」のように、設備の名前に平面図を付けています(平面詳細図を含む)。

電灯設備は、照明やコンセントの設備のことです。

縮尺は、国の工事の基準では1/100(1/200も可)です。集めた住宅の図面には1/50があり、8件とは別に見た県営住宅の住戸の平面図には1/30もありました。

居間・食堂の照明とスイッチには「イ」が、台所の照明とスイッチには「ハ」が書かれています。住宅の図面では、スイッチと照明に同じカタカナを書いて、どのスイッチでどの照明を点けるかを示すことがあります。

器具のそばの、丸で囲んだ数字は回路番号です。

回路は、分電盤の分岐ブレーカー(回路ごとに分かれたブレーカー)1つから先の電気の通り道です。回路番号で、その器具がどの回路につながるかが分かります。

系統図とは

住宅の幹線の系統図の見本。電柱からの引込み、電力量計、幹線、分電盤の順につながる
住宅の幹線の系統図の見本。左の灰色の線は電柱、太い線が幹線。1φ3W 200/100Vは、100Vと200Vの両方を使える電気の送り方を表す。公開されている住宅の設計図の形をもとに編集部が作成。値は例

配線図が器具の場所を書くのに対して、系統図は、電気や信号がどこから来て、どの盤や機器へつながるかを書いた図です。建物の中の位置によらず、電気が流れる順を書きます。

見本の住宅の系統図では、電柱からの引込み、電力量計、分電盤の順に線がつながっています。引込みは電柱から建物へ電線を引き入れる所で、電力量計は使った電気の量を測る計器です。

引込みから分電盤までの太い線は、幹線と呼ばれます。幹線は、建物に入った電気を分電盤まで送る、太い大もとの電線のことです。

引込みのそばの「1φ3W 200/100V」は、単相3線式という電気の送り方を表す略号です。3本の電線で100Vと200Vの両方を使える送り方で、いまの住宅のほとんどがこの送り方を使っています。

通信や火災報知の設備にも系統図があり、機器どうしのつながりを書きます。編集部が見た住宅の系統図(1件)は、階を分けずに書いていました。

編集部が見た公共の建物の系統図4件(電話・LAN、インターホン・防犯、火災報知)は、どれも階ごとに帯を分けて機器を並べていました。

各階の機器は、縦の線で、通信の設備は端子盤へ、火災報知の設備は火事の知らせを受ける受信機へつないでいます。

単線結線図とは

住宅の分電盤結線図の見本。1φ3W 200/100V、主幹の漏電遮断器、回路ごとの番号・名前・容量・電圧
住宅の分電盤結線図(分電盤の単線結線図)の見本。左の縦の線から横に分かれる線が、1本にまとめた電線。主幹の60Aは容量。回路4〜6の器具は、配線図の見本には描いていない。公開されている住宅の設計図の形をもとに編集部が作成。値は例

系統図が建物全体の電気の流れを書くのに対して、単線結線図は、盤やブレーカーなどのつながりを書く図です。実際には2本や3本ある電線を、図の上では1本の線にまとめて表します。

系統図も電線を1本の線で書くので、見分ける目印は、盤の中のブレーカーのつながりまで書いているかどうかです。

数えた実物で、題に「単線結線図」が入っていた図面は、どれも受変電設備(建物が電気を受ける所の設備)の図でした。

受変電の図があったのは公共の建物の5件で、住宅の2件にはありません。

住宅の図面で見るのは、主に分電盤の単線結線図です。この記事で説明するのも、分電盤の単線結線図です。

分電盤の単線結線図は、図面一式の中では「分電盤結線図」と呼ばれることが多く、数えた8件のうち5件がこの名前を使っていました。国の工事の基準での呼び名は「分電盤単線接続図」です。

見本の分電盤結線図では、上の「1φ3W 200/100V」から電気が入り、主幹ブレーカーを通って、回路ごとの分岐ブレーカーに分かれます。

主幹ブレーカーは、分電盤に入ってきた電気を最初に受けるブレーカーです。

見本の主幹の「ELB」は、漏電遮断器を表す略号です。国の標準図では、同じものを ELCB と書きます。

系統図と重なる所もあり、系統図に主幹のブレーカーの値を書く図面も見られました。

回路ごとの行には、回路番号・回路の名前・ブレーカーの容量・100Vか200Vかが並びます。容量は、そのブレーカーが何アンペア(A)まで流せるかを表す値です。

分電盤の図の中身を目で見た5件は、どれもこの4つと、予備の回路を書いていました。

見本では、エアコンとIHクッキングヒーターの回路が200Vです。住宅の200VのエアコンやIHは単相3線式で送る200Vで、三相の電気ではないので動力ではありません。

3つの図を回路番号でたどって読む

配線図の回路番号③から、分電盤結線図の3の行、系統図の分電盤へとたどる図
配線図・分電盤結線図・系統図を、回路番号と分電盤でたどる流れ。値は例

3つの図はそれぞれ別のことを書いているので、回路番号と分電盤を手がかりにたどって読みます。

たとえば、配線図で場所を見つけ、分電盤結線図で回路の中身を見て、系統図で分電盤への電気の流れを見る、という順です。

見本の配線図では、台所のコンセントのそばに③と書かれています。分電盤結線図の3の行を見ると、そのコンセントの回路はブレーカーの容量が20Aで、電圧は100Vだと分かります。

その分電盤がどこから電気を受けているかを確かめるには、系統図を開きましょう。見本では、引込みから電力量計を通った幹線が、分電盤につながっています。

分電盤がいくつもある建物では、「3L-B」「L-12」のような分電盤の名前も手がかりになります。名前に入る L は電灯、P は動力を表すことが多い書き方です。

この住宅は分電盤が1つなので、手がかりは回路番号だけです。

知りたいことに合わせて3つの図を開こう

知りたいことと開く図の表。場所なら配線図、電気の流れなら系統図、回路の容量や電圧なら単線結線図
知りたいことと、開く図の組み合わせ

電気設備図の主な図は、何を表すかで3つに分けられます。

  • 配線図:器具の場所と配線
  • 系統図:建物全体の電気の流れ
  • 単線結線図:盤やブレーカーなどのつながり

図面の名前は図面一式ごとにまちまちなので、名前より、どれを書いた図かで見分けます。電気設備図を開いたら、器具のそばの回路番号を1つ選び、分電盤結線図の同じ番号の行までたどってみてください。

記号の読み方は電気設備の図記号|照明・コンセント・スイッチの記事で解説します。分電盤結線図の行の読み方を扱うのは、分電盤と回路の読み方|分電盤単線接続図です。

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この記事について

PERSC編集部が、建築の制作に関わる知識を実務目線で整理しています。内容は公開・更新日時点の情報にもとづきます。誤りや古い情報にお気づきの場合はお問い合わせよりご連絡ください。

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