電気設備図の種類|配線図・系統図・単線接続図
- 電気設備図にはどんな種類があるの?
- 配線図と系統図は何が違うの?
- 単線結線図(単線接続図)が何を表す図なのかを知りたい
電気設備図の一式を開くと、平面図に記号が並ぶ図、線と箱だけの図、表のような図が混ざっています。図面の名前も「電灯設備 平面図」「幹線系統図」「分電盤結線図」とまちまちです。
しかし、電気設備図の主な図は、何を表すかで3つに分けると読みやすくなります。
この記事では、住宅の見本を使い、配線図・系統図・単線結線図(単線接続図とも呼びます)が何を表すかと、3つの図を回路番号でたどる読み方を解説します。
配線図は器具の場所と配線を、系統図は建物全体の電気の流れを、単線結線図は分電盤などの盤とブレーカーのつながりを書いた図です。
電気設備図の種類とは

電気設備図は、建物の照明・コンセント・動力・通信・防災などの電気の設備について、位置・配線・つながりを表す図面です。
動力は、業務用のエアコンやポンプ、エレベーターのように、三相の電気で動く機械の設備を指します。三相の電気(三相3線式・図面では 3φ3W)の主な使い道は、モーターを動かすことです。
電気設備図の主な図は、何を表すかで次の3つに分けられます。
- 配線図:平面図の上に、器具の位置を記号で、配線を線で書いた図
- 系統図:電気がどこから来てどこへつながるかを、建物の中の位置によらず書いた図
- 単線結線図(国の基準の呼び名は単線接続図):実際には2本や3本ある電線を1本の線で表して、盤やブレーカーなどのつながりを書いた図
分電盤は、建物に入った電気を部屋や機器ごとの回路に分ける箱です。ブレーカー(遮断器)は、電気が流れすぎたときなどに自動で電気を切る装置です。
国の建物の工事の図面には、国土交通省の「建築設備工事設計図書作成基準」という決まりがあります。この基準も、照明やコンセント、動力などの図面として、配線図・分電盤の単線接続図・系統図などを挙げています。
国の工事の基準では、系統図と配線図を作るのは通信や火災報知の設備も同じです。
公開されている設計図のうち、図面の一覧がそろう8件(住宅2件・公共の建物6件)を編集部が数えました。
配線図にあたる照明の平面図と、単線結線図にあたる分電盤の図は、8件すべてにありました。幹線(建物に入った電気を分電盤まで送る太い電線)の系統図があったのは5件です。
配線図とは

配線図は、平面図の上に照明・スイッチ・コンセントなどの器具の位置を記号で書き、器具どうしをつなぐ配線を線で書いた図です。
読むと、器具がどの部屋のどこにあり、どの器具どうしがつながっているかが分かります。
ただし、「配線図」という名前の図面は、数えた8件のうち1件だけでした。6件は「電灯設備 平面図」「電灯コンセント設備 平面図」のように、設備の名前に平面図を付けています(平面詳細図を含む)。
電灯設備は、照明やコンセントの設備のことです。
縮尺は、国の工事の基準では1/100(1/200も可)です。集めた住宅の図面には1/50があり、8件とは別に見た県営住宅の住戸の平面図には1/30もありました。
居間・食堂の照明とスイッチには「イ」が、台所の照明とスイッチには「ハ」が書かれています。住宅の図面では、スイッチと照明に同じカタカナを書いて、どのスイッチでどの照明を点けるかを示すことがあります。
器具のそばの、丸で囲んだ数字は回路番号です。
回路は、分電盤の分岐ブレーカー(回路ごとに分かれたブレーカー)1つから先の電気の通り道です。回路番号で、その器具がどの回路につながるかが分かります。
系統図とは

配線図が器具の場所を書くのに対して、系統図は、電気や信号がどこから来て、どの盤や機器へつながるかを書いた図です。建物の中の位置によらず、電気が流れる順を書きます。
見本の住宅の系統図では、電柱からの引込み、電力量計、分電盤の順に線がつながっています。引込みは電柱から建物へ電線を引き入れる所で、電力量計は使った電気の量を測る計器です。
引込みから分電盤までの太い線は、幹線と呼ばれます。幹線は、建物に入った電気を分電盤まで送る、太い大もとの電線のことです。
引込みのそばの「1φ3W 200/100V」は、単相3線式という電気の送り方を表す略号です。3本の電線で100Vと200Vの両方を使える送り方で、いまの住宅のほとんどがこの送り方を使っています。
通信や火災報知の設備にも系統図があり、機器どうしのつながりを書きます。編集部が見た住宅の系統図(1件)は、階を分けずに書いていました。
編集部が見た公共の建物の系統図4件(電話・LAN、インターホン・防犯、火災報知)は、どれも階ごとに帯を分けて機器を並べていました。
各階の機器は、縦の線で、通信の設備は端子盤へ、火災報知の設備は火事の知らせを受ける受信機へつないでいます。
単線結線図とは

系統図が建物全体の電気の流れを書くのに対して、単線結線図は、盤やブレーカーなどのつながりを書く図です。実際には2本や3本ある電線を、図の上では1本の線にまとめて表します。
系統図も電線を1本の線で書くので、見分ける目印は、盤の中のブレーカーのつながりまで書いているかどうかです。
数えた実物で、題に「単線結線図」が入っていた図面は、どれも受変電設備(建物が電気を受ける所の設備)の図でした。
受変電の図があったのは公共の建物の5件で、住宅の2件にはありません。
住宅の図面で見るのは、主に分電盤の単線結線図です。この記事で説明するのも、分電盤の単線結線図です。
分電盤の単線結線図は、図面一式の中では「分電盤結線図」と呼ばれることが多く、数えた8件のうち5件がこの名前を使っていました。国の工事の基準での呼び名は「分電盤単線接続図」です。
見本の分電盤結線図では、上の「1φ3W 200/100V」から電気が入り、主幹ブレーカーを通って、回路ごとの分岐ブレーカーに分かれます。
主幹ブレーカーは、分電盤に入ってきた電気を最初に受けるブレーカーです。
見本の主幹の「ELB」は、漏電遮断器を表す略号です。国の標準図では、同じものを ELCB と書きます。
系統図と重なる所もあり、系統図に主幹のブレーカーの値を書く図面も見られました。
回路ごとの行には、回路番号・回路の名前・ブレーカーの容量・100Vか200Vかが並びます。容量は、そのブレーカーが何アンペア(A)まで流せるかを表す値です。
分電盤の図の中身を目で見た5件は、どれもこの4つと、予備の回路を書いていました。
見本では、エアコンとIHクッキングヒーターの回路が200Vです。住宅の200VのエアコンやIHは単相3線式で送る200Vで、三相の電気ではないので動力ではありません。
3つの図を回路番号でたどって読む

3つの図はそれぞれ別のことを書いているので、回路番号と分電盤を手がかりにたどって読みます。
たとえば、配線図で場所を見つけ、分電盤結線図で回路の中身を見て、系統図で分電盤への電気の流れを見る、という順です。
見本の配線図では、台所のコンセントのそばに③と書かれています。分電盤結線図の3の行を見ると、そのコンセントの回路はブレーカーの容量が20Aで、電圧は100Vだと分かります。
その分電盤がどこから電気を受けているかを確かめるには、系統図を開きましょう。見本では、引込みから電力量計を通った幹線が、分電盤につながっています。
分電盤がいくつもある建物では、「3L-B」「L-12」のような分電盤の名前も手がかりになります。名前に入る L は電灯、P は動力を表すことが多い書き方です。
この住宅は分電盤が1つなので、手がかりは回路番号だけです。
知りたいことに合わせて3つの図を開こう

電気設備図の主な図は、何を表すかで3つに分けられます。
- 配線図:器具の場所と配線
- 系統図:建物全体の電気の流れ
- 単線結線図:盤やブレーカーなどのつながり
図面の名前は図面一式ごとにまちまちなので、名前より、どれを書いた図かで見分けます。電気設備図を開いたら、器具のそばの回路番号を1つ選び、分電盤結線図の同じ番号の行までたどってみてください。
記号の読み方は電気設備の図記号|照明・コンセント・スイッチの記事で解説します。分電盤結線図の行の読み方を扱うのは、分電盤と回路の読み方|分電盤単線接続図です。
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