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3DCG · Lumion

Lumionの使い方入門|インポートからレンダリングまでの基本手順

編集部 読了 約11分

Lumion(建築・土木向けのリアルタイムレンダリングソフト。3Dモデルから写真のような画像や動画をつくるツール)は、設計したモデルを取り込んでから完成画像を書き出すまでの流れがシンプルにまとまっています。難しい設定を覚えなくても、モデルを置いて、光と質感を整えて、カメラを決めれば1枚のパースになります。とはいえ初めて開くと、どのボタンから触ればいいのか迷いやすいのも事実です。

この記事では、Lumionの使い方を「インポート → 敷地 → マテリアルと環境 → カメラ → 出力」という基本の順番でひととおり通し、それぞれの工程で何をするのかを初心者向けにまとめます。ここで全体像をつかんでから、各工程の詳しいやり方は個別の解説記事へ進む形にしています。バージョンや価格などの変動する情報は2026年7月時点の内容です。

Lumionそのものの位置づけや料金、他のレンダラーとの違いを先に知りたい方は、Lumionとは?建築・土木の可視化を変える定番リアルタイムレンダリングソフトを入口に読んでみてください。

Lumionの制作フロー全体像|5つの工程で1枚のパースになる

Lumionのパース制作は「取り込む → 場所をつくる → 見た目を整える → 構図を決める → 書き出す」の5工程に分けて考えると迷いません。この順番を最初に頭に入れておくと、いま自分がどの段階にいるのかが分かり、次に何をすればいいかで手が止まらなくなります。

Lumionのいいところは、この5工程がほぼ一直線に進むことです。他のレンダラーだと設定項目が多くて途中で挫折しやすいのですが、Lumionは各工程で触る画面がはっきり分かれているため、初心者でも順番どおりに進めれば完成にたどり着けます。

工程やることねらい
1. インポート設計ソフトからモデルを取り込む制作のスタート地点をつくる
2. 敷地・地形建物を置く場所と周辺環境をつくるパースに現実味を与える
3. マテリアル・環境質感・空・光・植栽を設定する見え方の印象を決める
4. カメラ・構図見せたいアングルを決める伝えたい部分に視線を導く
5. 出力静止画・動画として書き出す提出できる形に仕上げる

はじめから完璧を目指す必要はありません。まずは各工程を軽く1周してみて、1枚書き出してみるのがおすすめです。全体の流れを体で覚えたほうが、あとで細かい調整を学ぶときの理解が早くなるからです。次の工程からは、それぞれで何をするのかを順番に見ていきます。

Lumionの画面構成と基本操作|最初に覚えるのはここだけ

Lumionを開いたら、まず視点の動かし方とオブジェクトの置き方だけ覚えれば作業を始められます。細かいメニューは後回しで問題ありません。画面の下側にツールが並び、マウスとキーボードで空間を歩き回りながら編集していく作りになっています。

視点移動は、右クリックドラッグで見回し、Wキーで前進、Sキーで後退という、ゲームに近い操作です。この動きに慣れるだけで、広い敷地の中でも見たい場所へすぐ移動できるようになります。逆にここでつまずくと、モデルを置いても確認する場所へたどり着けずに時間を溶かしてしまうため、最初の数分は視点移動の練習に使う価値があります。

もうひとつ大事なのが、画面下のカテゴリボタン(マテリアル・オブジェクト・風景・天候など)の役割を区別することです。どのボタンが何を担当しているかを知っておくと、「質感を変えたいのにオブジェクトメニューを開いてしまう」といった遠回りを防げます。

画面各部の名前やショートカット、モードの切り替え方をひととおり押さえたい方は、Lumionの基本操作と画面構成の使い方で操作の基礎をまとめています。

Lumionへのモデルインポート|対応形式と取り込みの流れ

Lumionのスタート地点は、設計ソフトでつくったモデルの取り込みです。Lumion自体はモデリング(形をつくる作業)のソフトではないため、SketchUpやRevit、Archicad、Blenderなどで作った建物を読み込んで使います。ここでの形式選びと単位設定を間違えると、あとの工程すべてに影響するので、最初に押さえておきたい工程です。

取り込みでよく使う形式は、SketchUpの.skpや、汎用形式の.fbx・.dae・.objなどです。どれを選ぶかで、マテリアル情報(色や質感のデータ)が一緒に引き継がれるかどうかが変わります。たとえば.skpならSketchUpで割り当てた素材がある程度そのまま入ってくるため、Lumion側での貼り直しが減って時短になります。

もうひとつ気をつけたいのが、モデルの単位(メートルかミリメートルか)です。取り込んだ瞬間に建物が極端に大きい、または小さいときは、たいてい元データの単位設定が原因です。人や車を隣に置いてスケールを確認すると、こうしたズレにすぐ気づけます。

対応形式ごとの向き不向きや、取り込み時のつまずきどころ、モデルを更新したときの再読み込み手順は、Lumionへのモデルインポート完全ガイド|対応形式と手順で詳しく解説しています。

Lumionで敷地と周辺環境をつくる|地形と街並みの土台づくり

建物を取り込んだら、次はそれを置く「場所」をつくります。周辺の街並みや地面の起伏があるだけで、パースの説得力は大きく変わります。真っ平らな地面にぽつんと建物があるだけの画像と、周りに道路や隣家、地形の高低差がある画像とでは、見た人が受ける現実味がまったく違うからです。

Lumionには、実在する場所の地図データを読み込んで周辺の建物や道路を自動生成する機能があります。OpenStreetMap(世界中の道路や建物を誰でも使える形で集めた地図データ)を使うと、計画地の住所を指定するだけで、周囲の街並みをおおまかに再現できます。プレゼンで「この場所に建つとこう見えます」を伝えたいときに効いてくる機能です。

周辺環境の呼び出し方や、実際の敷地に合わせた微調整のコツは、LumionのOpenStreetMapで敷地・周辺環境をつくるコツにまとめています。

地面そのものの形をいじりたいときは、地形(テレイン)編集を使います。丘をつくる、斜面を削る、水辺をつくるといった操作で、平坦なマップに起伏を与えられます。造成計画のある敷地や、傾斜地に建つ住宅を表現したいときに欠かせない工程です。地形を盛る・削る・ならすといった具体的な操作は、Lumionの地形(テレイン)編集の使い方で手順を追って解説しています。

Lumionのマテリアルと環境設定|質感・空・光で見え方が決まる

パースの印象を最終的に決めるのが、マテリアル(素材の質感)と環境(空・光・天候)の設定です。同じモデルでも、朝の柔らかい光と夕方のオレンジ色の光では、まったく違う雰囲気になります。ここを丁寧に調整するかどうかで、平凡な画像と「使えるパース」の差が生まれます。

マテリアルは、モデルの面をクリックして質感ライブラリから選ぶだけで置き換えられます。木・コンクリート・ガラス・金属など、あらかじめ用意された素材を割り当てていくイメージです。実際の建物に近い素材を選び、反射やザラつきの強さを少し調整するだけで、リアルさがぐっと増します。

環境設定では、太陽の高さと向き、空の様子、雲の量などを変えられます。太陽を低くすると影が長く伸びて、外観パースにドラマチックな陰影が出ます。逆に内観では、窓から入る光の角度を調整すると、部屋の明るさや時間帯の空気感をコントロールできます。

質感の作り込み、空と光の設定、水面や植栽の表現まで、見え方に関わる調整をまとめて深掘りしたい方は、Lumionのマテリアル・環境表現ガイド|質感・空・光・水・植栽へ進んでください。

Lumionのカメラと構図|伝わるアングルの決め方

質感と光が整ったら、どこから見せるかを決めるカメラの工程です。同じ空間でも、カメラの高さ・角度・画角(レンズの広さ)で伝わる印象は大きく変わります。人の目線の高さに合わせるだけで、見る人が「自分がその場に立っている」感覚を得やすくなります。

構図で最初に意識したいのは、水平と垂直です。カメラが傾いていると建物の壁が斜めに倒れて見え、素人っぽい印象になります。Lumionには垂直をまっすぐに保つ設定があり、これを使うだけで整った建築写真らしい構図になります。もうひとつ、主役の建物を画面のどこに置くかを決めると、視線が自然と見せたい部分へ向かいます。

画角についても、広角すぎると空間が実際より広く歪んで見え、狭角すぎると窮屈になります。内観なら少し広め、外観なら標準に近い画角が扱いやすく、最初は極端な設定を避けるのが無難です。

高さ・角度・画角の具体的な数値感や、外観と内観それぞれの構図の作り方は、Lumionのカメラ・構図設定で伝わるパースにするコツで解説しています。

Lumionのオブジェクト配置と案の比較|添景と設計バリエーション

構図が決まったら、人・車・家具・植栽といった添景(パースに添える小物)を置いて、空間に生活感とスケール感を加えます。人が1人立っているだけで、建物の大きさが直感的に伝わります。ただし置きすぎると画面がうるさくなるので、視線を集めたい場所の近くに、見せたい生活シーンを絞って配置するのがコツです。

Lumionには、人・車・樹木・家具などがそろったオブジェクトライブラリがあり、ドラッグするだけで空間に追加できます。添景を選ぶときは、建物の用途に合わせるのが大切です。住宅なら家族連れや家庭菜園、オフィスならスーツ姿の人やビジネス車両を選ぶと、想定する利用シーンがそのまま伝わります。オブジェクトの探し方や自然に見える配置の考え方は、Lumionのオブジェクトライブラリ活用術|人・車・家具の配置にまとめています。

設計の途中では、「A案とB案でどちらがいいか」を見比べたい場面がよくあります。Lumionのフェーズやバリエーションの機能を使うと、同じシーンの中で複数の案を切り替えて表示できます。屋根の形違い、外壁の色違いといった比較を、クライアントの目の前で並べて見せられるのが強みです。案を切り替えて比較表示する具体的な手順は、Lumionのフェーズ/バリエーションで設計案を比較表示する方法で解説しています。

Lumionのレンダリング出力|静止画・動画の書き出し

すべての工程が整ったら、最後に画像や動画として書き出します。ここまでの調整の成果を、提出できる形にする仕上げの工程です。Lumionは書き出しの設定もシンプルで、解像度と枚数を決めればあとは自動でレンダリングしてくれます。

静止画なら、決めたカメラアングルを保存しておき、解像度を選んで書き出すだけです。プレゼン用ならフルHDより大きいサイズにしておくと、印刷や大画面表示でも粗さが目立ちません。動画にする場合は、カメラの移動経路をつくって空間を歩くような映像にできます。建物の周りを回り込んだり、玄関から室内へ入っていくような動画は、静止画だけでは伝わらない広がりを見せられます。

書き出しには、シーンの重さや解像度に応じて時間がかかります。作業の合間や退勤前に走らせておくと、待ち時間を有効に使えます。静止画・動画それぞれの設定項目や、きれいに書き出すための調整は、Lumionのアニメーション・レンダリング出力ガイドで詳しく扱っています。

Lumionを実務で回すための連携と学習|導入前に知っておきたいこと

Lumionを実務でスムーズに使うには、設計ソフトとの連携と、動かすための環境(パソコンのスペック)を先に整えておくと安心です。ここを知らずに始めると、「モデルを直すたびに書き出し直すのが面倒」「動作が重くて作業にならない」といったつまずきに後からぶつかります。

設計ソフトとLumionをつなぐLiveSync(モデルの変更をリアルタイムでLumionに反映するしくみ)を使うと、SketchUpやRevit側で形を直した瞬間にLumionの画面へ反映されます。修正のたびに書き出し直す手間が消えるため、案がまだ固まっていない設計の初期段階で特に効いてきます。連携できるソフトと設定方法は、LumionのLiveSync・ソフト連携ガイドにまとめています。

もうひとつが動作環境です。Lumionはグラフィックの処理をGPU(画像処理を担うパソコンの部品)に頼るため、対応するグラフィックボードがないと快適に動きません。導入前に自分のパソコンで動くかを確認しておくと、買ってから動かないという失敗を避けられます。必要なスペックの目安はLumion 推奨PC・スペック早見表で確認できます。学習の進め方やライセンスの扱いを含めた運用全体の考え方は、Lumionの学習・環境・運用ガイドで解説しています。

Lumionの入門手順を編集部が試してみました

ここまでの流れを、編集部が実際に初心者の目線でたどってみました。その所感として、最も効果が大きかったのは「まず1周して1枚書き出す」ことでした。

最初から質感や光を作り込もうとすると、マテリアルメニューだけで時間が過ぎてしまいます。そこで、素材は初期状態のまま、太陽の向きだけ整えて、とりあえず1枚を書き出してみたところ、5工程がどうつながっているのかが一気に腑に落ちました。全体像が見えてから細部を詰めたほうが、どの調整が画像のどこに効くのかが分かり、迷いが減ります。

もうひとつ感じたのは、視点移動の練習を先にやっておく価値です。WキーとSキー、右クリックドラッグでの見回しに数分慣れておくだけで、その後の全工程での操作ストレスがはっきり軽くなりました。初めて触る方は、モデルを取り込む前にまず空間を歩き回ってみることをおすすめします。

Lumionを使いこなした先にできること|次の一歩

Lumionの基本フローを一度通せるようになると、パース制作の幅は大きく広がります。手順を体で覚えたあとは、表現の質と作業の速さの両方を伸ばしていく段階に入ります。

たとえば、質感と光の設定を突き詰めれば、写真と見分けがつかないような外観パースや、時間帯の違う複数バリエーションを短時間で用意できるようになります。動画出力に慣れれば、建物を歩いて回るウォークスルー映像で、静止画では伝わらない空間体験をクライアントに届けられます。設計ソフトとの連携を整えれば、打ち合わせの場で修正をその場で反映し、意思決定のスピードそのものを上げることもできます。

まずはこの記事の5工程を1周し、慣れてきたら各工程の詳しい解説へ進んでください。ひとつずつ深めていくうちに、Lumionは「難しそうなソフト」から「思いどおりに空間を見せられる道具」に変わっていきます。

まとめ|Lumionの使い方は5工程の流れで覚える

Lumionの使い方は、インポート・敷地・マテリアルと環境・カメラ・出力という5つの工程に分けて考えると、初心者でも迷わず1枚のパースまでたどり着けます。各工程で触る画面がはっきり分かれているため、順番どおりに進めれば全体がつながります。

最初のうちは作り込みすぎず、素材と光を軽く整えて1枚書き出してみることが、最も早い近道です。全体像を体で覚えてから、質感・構図・出力といった各工程を深めていくと、上達が早くなります。

各工程をさらに詳しく学びたいときは、この記事から必要なテーマの解説記事へ進んでください。基本操作や画面構成から始めたいなら操作の基礎へ、モデルの取り込みで迷っているならインポートの解説へ、というように、自分がつまずいている工程を入口に選ぶのがおすすめです。