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Lumionのオブジェクトライブラリ活用術|人・車・家具の配置で生活感を出す方法

編集部 読了 約16分

モデルをインポートしてマテリアル(表面の質感を決める素材設定)を当てても、どこか無機質で「模型みたいだな」と感じるパースになる。Lumionを使い始めた人がよくぶつかる壁です。足りないのは添景(パースに生活感やスケール感を与える人・物などの脇役要素)で、これを置くだけで空間が一気に生きてきます。

うれしいことに、Lumionのオブジェクトライブラリ(Content Library=Lumionに標準搭載された素材集)には8,500点を超えるアセットが最初から入っています。人も車も家具も、追加購入なしで配置できるのです。だから「素材が足りないから生活感が出せない」ということは、まず起こりません。

この記事では、Lumionのオブジェクトライブラリから人・車・家具などの添景を選び、配置し、屋内外のバランスを整えるまでを解説します。植栽(木や草花などの自然物)の扱いは範囲が広いので、Lumionの植栽・ランドスケープ設定に分けています。

Lumionのオブジェクトライブラリでできること(全体像)

Lumionのオブジェクトライブラリは、人・車・家具・照明・小物といった添景を、追加購入なしでシーンに置ける内蔵アセット集です。何が入っていて、どのカテゴリを押さえれば建築パースが生きるのかを最初に整理しておくと、後の配置作業で迷いません。

オブジェクトライブラリとは何か(コンテンツライブラリの位置づけ)

オブジェクトライブラリは、Lumion公式が「Content Library」と呼ぶ標準素材集で、8,500点を超えるアセットを収録しています(Lumion公式サポート、2026年7月現在)。ここが大事なのですが、これらは追加課金なしで、インストールした時点から使えます。素材を買い足す前に、まず手元のライブラリを見渡すのが得策です。

この記事が対象とするのは、人・車・家具といった内蔵の添景オブジェクトです。植栽などの自然物と、自分で作って読み込むインポートモデルは、性格も置き方も違うので別の話として切り分けます。内蔵にない什器や家具を外部から持ち込みたいときは、Lumionへのモデルインポート完全ガイドで対応形式と手順を解説しています。

添景という言葉は聞き慣れないかもしれません。ひとことで言えば、建物という主役を引き立てる脇役です。人がいれば生活の気配が生まれ、車があればその場所が使われている感じが出ます。脇役をどう選び、どこに置くかで、パースの説得力が変わってきます。

カテゴリの全体マップ(人・車・家具・照明・効果)

ライブラリは用途ごとにカテゴリで分かれています。全部を覚える必要はなく、建築パースでよく使う3つ(人・車・家具)を軸に、残りを補助と考えると整理しやすくなります。まずは全体像を表で押さえましょう。

カテゴリ主な中身建築パースでの主な用途
Characters人物(静止・アニメーション)、動物スケール感と生活感を出す
Transport車、飛行機、船などの乗り物空間の使われ方を伝える
Objects家具・電化製品・キッチン・浴室・装飾・屋外構造物室内外に生活の痕跡を宿す
Nature樹木・草花などの植栽外構の緑(別記事で解説)
Lightsスポット・オムニ・エリア/ラインライト光そのものを追加する
Effects炎・噴水・落ち葉・サウンド動きや臨場感を足す
Utilities計測・クリッピングなどの補助作業を助ける道具

このほかにStylized Models(低ポリゴンで簡略化された人・車・木)という別枠もあります。ディテールを描き込まないぶん見た目がシンプルなので、まだ案がまとまっていないコンセプト検討の段階で、雰囲気だけをつかむのに向いています。仕上げのパースでは通常の3Dモデルを使い、初期検討ではスタイライズという使い分けが自然です。

Natureカテゴリの植栽は、木の種類や配置ボリュームが多く、話が広がります。この記事では深入りせず、Lumionの植栽・ランドスケープ設定にゆずります。ここでは人・車・家具の添景に集中します。

なぜ添景が建築パースの印象を左右するのか

添景を置くかどうかで、同じ建物でも印象がまったく変わります。とくに人物は、スケール感(建物の大きさが直感で伝わる感覚)を生む効果が大きい要素です。人がひとり立っているだけで、天井の高さや空間の広がりが一目で伝わります。

車や家具は、その空間が「実際に使われている」という説得力を足します。駐車場に車が1台あるだけで、そこが機能している場所だと感じられます。家具のない部屋はどうしても展示模型のように見えますが、ソファやテーブルが入ると、住まいとしての手触りが出てきます。

ここで先に一つ原則をお伝えします。添景は主役の建築を邪魔しない範囲で置く、これが配置の土台です。人も車も、置けば置くほど良くなるわけではありません。この記事の後半では、その「置き方のバランス」を屋内外に分けて掘り下げます。

人物・動物を配置してスケール感と生活感を出す

人物はスケール感を出す最短の一手です。Lumionのキャラクターは静止と歩行・走行・着座などの動きに加え、年代・服装・シルエットのバリエーションがそろっており、シーンの用途に合わせて選べます。まずは種類を知り、次に「動く人物」を扱うときの注意、最後に動物での味付けへと進みます。

人物カテゴリの種類(静止・アニメーション・2D/3D・シルエット)

Charactersカテゴリの人物は、大きく分けて静止した3Dモデルと、動きのついたアニメーション3Dモデルがあります。アニメーションには歩く・走る・自転車に乗る・会話する・座る・泳ぐ・スポーツをするといった動作が用意されています(Lumion公式サポート、2026年7月現在)。子どもや高齢者、各国の男女、2Dの人物、2D/3Dのシルエット、簡略化されたスタイライズ人物まで幅広くそろっています。

選び方はシーンの性格で決めると迷いません。商業施設のにぎわいを出したいなら歩行アニメーション、住宅の内観でくつろぎを見せたいなら着座やリラックスした姿勢が合います。まだ案が固まっていないコンセプト段階では、細部の目立たないシルエットやスタイライズを使うと、余計な情報が入らず全体の構成に集中できます。

つまり、同じ人物でも「どの場面か」で最適な種類が変わります。用途を先に決めてから種類を選ぶと、シーンの狙いと人物の雰囲気がずれずに済みます。

動く人物(アニメーション)を使うときの注意

アニメーション人物には、静止画パースならではの落とし穴があります。静止画は動きが止まった一瞬を切り取るため、歩行モーションの途中で足が不自然に開いた瞬間で固定されてしまうことがあります。静止画に使うときは、ポーズが自然に見える位置と向きになるよう、キャラクターを少し動かして調整しましょう。

一方、動画(ムービー)出力では、この動きこそが武器になります。歩く人が行き交う映像は、空間に賑わいと時間の流れを与えます。同じ人物でも、静止画では止まった見え方、動画では動きそのものを評価するので、成果物が画像か映像かで選び方が変わると覚えておくと選択に迷いません。

配置の勘所も一つ。人物を主役の建物の真ん前に置きすぎると、視線が人に吸われて肝心の建築が見えにくくなります。人物は視線を建物へ導く案内役くらいの位置づけで、少し脇や手前寄りに配置すると、主役を立てながら生活感を添えられます。

動物・ペットで生活の気配を足す

Charactersには人だけでなく、ペットや鳥、家畜、魚も含まれています(Lumion公式サポート、2026年7月現在)。住宅の庭に犬を1匹、水辺に鳥を数羽といった具合に、シーンに合った動物を少し置くと、人物だけでは出せない生活の気配が加わります。

ただし入れすぎは禁物です。動物はアクセントであって主役ではありません。1シーンに1〜2点で十分に効きます。庭じゅうに動物を並べると、視線が散らかって落ち着かない画になってしまうので、ここぞという場所に絞って置くのがコツです。

車・乗り物を配置して空間の使われ方を伝える

車はスケール感と「その場所が使われている感じ」を同時に出せる添景です。Lumionの乗り物はアニメーションに対応し、車体色の変更・ドライバーの表示切り替え・ナンバープレートの調整といったカスタマイズができます。カテゴリの中身、静止と走行の見せ分け、置きすぎを避けるコツの順に見ていきます。

乗り物カテゴリの中身(車・飛行機・船など)

Transportカテゴリには、車を中心に飛行機や船なども収録されています(Lumion公式サポート、2026年7月現在)。建築パースで主に使うのは乗用車と商用車です。飛行機や船は空港・港湾など特殊な敷地でだけ登場する、と考えておけば十分です。

車には便利なカスタマイズがあります。車体色を変えられるので、シーンの色調に合わせて浮かない色に整えられます。ドライバーの表示・非表示も切り替えられるため、停車中は無人、走行中は運転手ありといった見せ分けが可能です。ナンバープレートの調整もでき、地域や場面に合わせて違和感を減らせます。同じ車種でも色と細部を変えるだけで、量産感を避けて自然な街並みに近づけられます。

駐車・走行の見せ方(静止と動く車)

車の見せ方は、そのシーンが静止画か動画かで分けて考えると整理できます。駐車場やエントランス前には停車した車、街路を描くパースには走行アニメーションが合います。停車は「使われている場所」を静かに示し、走行は街の動きを表現します。

動画出力なら車を実際に走らせて動きを出せますが、静止画では走行アニメーションの一瞬が切り取られるだけです。静止画では停車の見え方を優先し、車の向きと位置を丁寧に整えるほうが安定します。車の正面や側面をどう見せるかで、パースの印象は思いのほか変わります。

車を置きすぎない・時代感を揃えるコツ

台数を詰め込むと、駐車場が埋まって主役の建物が背景に沈んでしまいます。車は数を競うものではなく、要所に1〜2台置いて余白を残すほうが建物が引き立ちます。空いている駐車マスがあっても、無理に全部埋めなくてかまいません。

もう一つ、車種の雰囲気を建物と揃えると説得力が増します。高級住宅なら落ち着いた色の乗用車、公共施設なら実用的な商用車や一般的なセダン、というように、建物の性格と車のグレード感・色みをそろえると、シーン全体に一貫性が生まれます。ここは正解が一つに決まる話ではないので、建物の想定利用者を思い浮かべて選ぶとちょうどよく収まります。

家具・小物・照明器具で室内に生活感を宿す

内観パースで生活感を決めるのは家具と小物です。Lumionのオブジェクトカテゴリには家具・電化製品・キッチン・浴室・装飾・照明器具がそろっており、生活の痕跡を少しずつ積み重ねることで、空間が「住まい」になっていきます。基本の家具から小物、そして照明の考え方へと進みます。

家具・電化製品・キッチン・浴室のカテゴリ

Objectsカテゴリの中には、生活に必要な物がひととおりそろっています。家具では椅子・ソファ・ベンチ・テーブル・ベッド・棚・収納・オフィス家具・屋外家具などが用意されています(Lumion公式サポート、2026年7月現在)。ほかに電化製品・電子機器、キッチン用品、浴室設備、装飾、街路インフラなどの屋外構造物も含まれます。

内観を整えるときは、いきなり細かい装飾から入らず、基本の3種類「座る・置く・仕舞う」からそろえると迷いません。座るための椅子やソファ、置くためのテーブルや台、仕舞うための棚や収納。この3つが入るだけで、部屋は生活の器としての骨格を持ちます。そのうえで小物を足していくと、無理なく生活感が積み上がります。

小物・装飾で「生活の痕跡」を足す

骨格ができたら、装飾(Decoration)カテゴリの小物で生活の痕跡を足します。クッションや食器、本といった小物は、モデルルームのような無機質さをやわらげ、人がそこで暮らしている感覚を生みます。ソファに置いたクッション一つで、部屋の温度が変わって見えるものです。

ただし小物は置きすぎると散らかった印象になります。効かせどころは、視線が集まる場所です。ダイニングテーブルの上、リビングのローテーブル、玄関のニッチなど、目が留まるポイントに絞って配置すると、少ない数でも生活感がしっかり伝わります。全体はすっきり保ちつつ、要所だけ密度を上げる。この引き算の感覚が、内観の完成度を左右します。

照明器具とライトの違いを理解して使う

ここは初心者がとくにつまずくポイントなので、先回りして説明します。Lumionの照明には性格の異なる2種類があります。一つは照明「器具」オブジェクトで、ペンダントライトやスタンドといった見た目のかたちを持つ家具の仲間です。もう一つはLightsカテゴリで、こちらは光そのものを空間に発生させる機能です。

Lightsにはスポットライト・オムニライト・エリア/ラインライトの3種類があり、色温度をケルビン(光の色みを表す単位、数値が低いほど暖色)で調整できます(Lumion公式サポート、2026年7月現在)。役割が別だと知らないと、器具を置いたのに部屋が明るくならず戸惑うことになります。

つまり、器具を置いただけでは光りません。ペンダントライトを天井に吊るしたら、その位置にLightsの光を合わせて配置してはじめて、器具から光がにじむ自然な見え方になります。器具は「光源に見える物」、Lightは「実際の光」。この2つをセットで置く、と覚えておくと、内観の照明表現でつまずかなくなります。

オブジェクトの配置と調整の基本操作

添景は選んだあとの「置き方」で印象が決まります。Lumionでは配置モード(Place Objects=ライブラリのオブジェクトをシーンに追加するモード)でライブラリからオブジェクトを呼び出し、移動・回転・高さ・スケールを個別に整えられます。設置の手順、調整のしかた、大量配置の考え方の順に押さえましょう。

配置モードでオブジェクトを置く手順

オブジェクトを置くには、まず配置モードに入ります。カテゴリのタブ(人・車・家具など)から使いたいオブジェクトを選び、シーン上の置きたい場所をクリックすると設置されます。この一連の流れが、あらゆる添景配置の入口になります。

屋外に置くときに役立つのがConform to Terrain(地形の起伏に沿って接地させる設定)です。地面が平らでない外構では、この設定を使うと家具や人が斜面に自然に乗ってくれます。地形になじまず宙に浮いたり地面にめり込んだりする場合は、垂直方向の位置を手動で調整すれば直せます(Lumion公式サポート、2026年7月現在)。接地が不自然だと一気に嘘っぽくなるので、置いたあとは足元をひと目確認する習慣をつけると安心です。

移動・回転・高さ・スケールの調整

設置したオブジェクトは、選択してから移動・回転・高さ・スケールをそれぞれ調整できます。位置だけでなく向きや大きさまで個別に整えられるので、既製のアセットでも自分のシーンにぴったり合わせられます。まずオブジェクトを選び、それから目的の操作に切り替える、という流れが基本です。

とくに意識したいのが人と車の「向き」です。向きはスケール感の伝わり方と視線誘導に直に効きます。カメラに対して人がどの角度で立つか、車がどちらを向いて停まるかで、パースの見え方が変わります。人物を建物のほうへ少し向ければ視線が主役に流れ、車を斜めに停めれば奥行きが出ます。回転はただ整えるだけでなく、見せたい方向へ視線を導く道具だと考えると、配置が一段うまくなります。

大量配置のときの考え方(外構・広場)

広い屋外を埋めるとき、Lumion 2026ではArea Placement(範囲を指定して自然物を一括配置するツール、最大5,000点・20種類を1操作で配置。2026年時点)が追加されました。広場の芝生や樹木をまとめて配置したいときに手数を大きく減らせます。ただしこれは自然物向けの機能なので、人や車には使いません。

人と車は、手動で要所に置くのが基本です。ここで配置の思想が効いてきます。屋外を均等にばらまくのではなく、人の動線や視線が集まる場所に密度を寄せると、自然でメリハリのあるシーンになります。エントランス前や広場の中心に人を集め、周辺は控えめにする。この寄せ方が、広い外構をリアルに見せる決め手です。

Lumionのオブジェクトライブラリを編集部が使ってみました

ここまで機能を整理してきましたが、実際に触ってみた所感も共有します。編集部が住宅の内観と外構のシーンでオブジェクトライブラリを使ってみました。まず驚いたのは、素材を探しに外へ出る必要がほとんどないことです。ソファも観葉鉢のない状態の家具一式も、カテゴリを開けばそろっていて、配置に集中できました。

最も効果を感じたのは、外構パースにスケールの基準として人物を1体入れた瞬間です。人がいない状態では建物の大きさが曖昧でしたが、玄関前に人を一人置いただけで、アプローチの幅や庇の高さが直感的に伝わるようになりました。数分の作業で説得力が変わるので、これは費用対効果の高い一手だと感じます。

一方で、つまずいたのは照明でした。ペンダントライトの器具を置いても部屋が明るくならず、最初は原因がわかりませんでした。器具とLightが別物だと理解してからは、器具の位置に光を合わせるだけで解決しました。ここは事前に知っておくと時間を無駄にせずに済む、と実感した部分です。

生活感を出す配置バランスのコツ(屋内外)

添景は数ではなく配置で効きます。主役の建築を邪魔せず、視線の流れに沿って人・車・小物を置くことで、自然な生活感が生まれます。屋外と内観では勘所が少し違うので、それぞれ分けてまとめます。

主役を邪魔しない「余白」の設計

もっとも大事なのは、添景で画面を埋め尽くさないことです。建物のシルエットや、見せたいディテール(軒先の納まり、窓の連なりなど)の前に物を置くと、せっかくの見どころが隠れてしまいます。物を置く前に「ここは主役の見せ場だから空けておく」という余白を先に決めておくと、配置が散らかりません。

構図そのもの(三分割や視線誘導など)はカメラワークの領域なので、Lumionのカメラ・構図設定で解説しています。ここでは添景側でできること、つまり「どこを空けて、どこに置くか」の余白づくりに集中します。余白は手抜きではなく、主役を引き立てる積極的な設計だと考えてください。

屋外パースの配置バランス(人・車・街路要素)

屋外は密度を要所に寄せるのが基本です。エントランスからアプローチにかけて人を数人、車を1〜2台、街路の要素は控えめに置きます。全体を均等ににぎやかにするより、人の集まる場所に密度を寄せたほうが、視線が自然に主役へ向かいます。

そして、スケールの基準として人物を最低1体は必ず入れましょう。人がいないと、建物の大きさが写真として伝わりにくくなります。逆に人が一人いるだけで、見る人は無意識に自分の身長と比べ、空間の規模を実感します。屋外パースで迷ったら、まず人を一人置く。これが外構の説得力を底上げする実務のセオリーです。

内観パースの配置バランス(家具・小物・生活痕)

内観は動線を意識した家具配置が要です。人が歩く経路を家具でふさぐと、暮らしにくそうな部屋に見えてしまいます。ソファやテーブルは、通り道を残しながら生活の場を形づくるように置きます。家具どうしの間隔にゆとりがあると、それだけで上質な空間に見えます。

小物や生活の痕跡は、視線の焦点になる場所に集約します。ダイニングやリビングなど、目が留まるところに1〜2箇所だけ効かせ、それ以外はすっきり保つ。全部の面を作り込むのではなく、要所だけ密度を上げる引き算の発想が、内観を洗練させます。生活感は盛るほど良くなるものではなく、効かせどころを絞るほど品よく伝わります。

活用シーンを広げる次の一歩

配置の基本が身についたら、活用の幅を少しずつ広げていくと表現が豊かになります。たとえばプレゼン用の静止画では人物と車を最小限に絞り、動画では歩く人や走る車で街のにぎわいを演出する、というように成果物ごとに添景の使い方を変えると、同じシーンから複数の見せ方を引き出せます。

これから内観と外構を1シーンずつ仕上げてみると、余白の取り方や密度の寄せ方が体で分かってきます。慣れてきたら、内蔵にないブランド家具をLumionへのモデルインポート完全ガイドで持ち込み、オリジナリティを足していくのが次の一歩です。

まとめ:添景で建築パースに命を吹き込む

Lumionのオブジェクトライブラリは、人・車・家具を追加購入なしで配置でき、建築パースに生活感とスケール感を与えます。無機質だったシーンも、脇役を丁寧に置くだけで一気に生きてきます。要点を振り返りましょう。

  • 内蔵ライブラリ(8,500点超)でCharacters・Transport・Objectsの3カテゴリを押さえれば、添景は十分そろう
  • 人物はスケール感、車は使われ方、家具・小物は生活感を担う。動く・静止は成果物が動画か静止画かで選ぶ
  • 照明「器具」と光を出す「Lights」は役割が別。器具の位置にLightを合わせて置く
  • 配置は「主役を邪魔しない余白」と「視線が集まる場所に密度を寄せる」が基本

置き方に迷ったら、まず外構に人を一人、内観に生活の痕跡を一つ。その最小の一手から始めると、パースの説得力が確実に変わります。次は配置した添景を最も魅力的に見せる構図づくりへ進むと、仕上がりがさらに一段上がります。