Lumionへのモデルインポート完全ガイド|対応形式と手順
せっかくモデルを作ったのに、Lumion(建築・土木向けのリアルタイムレンダリングソフト)に入れてみたら「大きさがおかしい」「マテリアル(材質の質感情報)が真っ白になった」「そもそも読み込めない」。Lumion インポートで最初につまずくのは、たいていこの3つです。原因の多くは、書き出す形式の選び方と、書き出す前のちょっとした準備で防げます。
この記事では、Lumion が対応するファイル形式と、SketchUp・Revit・Rhino などの各ソフトからモデルを取り込む手順、そして単位・スケール・マテリアルを崩さないコツを、初心者の方向けに解説します。
なお、Lumion へのモデルの入れ方には「書き出したファイルを読み込む静的インポート」と「元ソフトと常時つないで編集を即反映するリアルタイム連携」の2種類があります。この記事はファイルを読み込む静的インポートに絞り、リアルタイム連携は後半で該当記事へご案内します。
Lumionのモデルインポートは「静的取り込み」から理解する
Lumion にモデルを入れる方法は大きく2つあり、まず身につけたいのは書き出したファイルを読み込む「静的インポート」です。もう一方のリアルタイム連携は設計変更を繰り返す段階で活きる方法で、用途が別物になります。はじめは静的インポートの型を確実に押さえておくと、あとで連携が必要になったときも迷いません。
静的インポートとリアルタイム連携の違い
静的インポートとは、モデリングソフトで書き出したファイル(FBX や SKP など)を Lumion に読み込む方法です。書き出した時点の状態がそのまま固定されるため、元ソフトで修正しても Lumion 側には反映されません。修正したら書き出し直して入れ替える、という流れになります。
一方のリアルタイム連携は、元ソフトと Lumion を常時つなぎ、元ソフトでの編集をほぼその場で Lumion に反映させる方法です。設計を詰めながら見え方を確認したい段階では、この即時反映が効いてきます。
この記事が対象にするのは前者の静的インポートです。リアルタイム連携が必要になる場面については、Lumion LiveSyncの使い方で解説しています。
どちらを選ぶか(選ぶときの目安)
完成間近のモデルを一度だけ入れる場合や、他の人から受け取ったモデルを扱う場合は、静的インポートが向いています。ファイルを1回読み込めば済むので、余計な設定が要りません。
設計を詰めながら Lumion での見え方を何度も確認したい場合は、リアルタイム連携のほうが手戻りが減ります。書き出し直す手間がなくなるためです。
迷ったら、まず静的インポートで基本の流れを覚え、変更を繰り返す作業に入ってから連携へ進む順番がおすすめです。静的インポートで身につく「どの形式で書き出すか」「単位をどう合わせるか」という感覚は、連携を使うときにもそのまま役立つからです。
Lumionが対応するファイル形式一覧
Lumion が読み込める主な形式は FBX・SKP・DAE・3DS・OBJ・DWG/DXF・MAX で、迷ったときは FBX・SKP・DAE のいずれかが基本になります。Lumion 公式は推奨形式として FBX・SKP・Collada(DAE)の3つを挙げており、多くのソフトはこのどれかに書き出せます。形式ごとに得意・不得意があり、選び方でトラブルの大半を避けられます。
主要な対応形式とおすすめの選び方
最初に覚えておきたいのは、推奨される FBX・SKP・DAE の3形式です。この3つのどれかに書き出せれば、大きな失敗はまず起きません。それぞれの出どころと向き不向きを整理すると、次のようになります。
| 形式 | 主な出どころ | 位置づけ | 注意点 |
|---|---|---|---|
| FBX (.fbx) | Revit/ArchiCAD/Rhino/3ds Max/Blender ほか汎用 | 推奨。簡易アニメーションも運べる | マテリアル名・テクスチャの同梱を確認 |
| SKP (.skp) | SketchUp | 推奨。直接読み込める | SketchUp と最も相性がよい |
| DAE (.dae, Collada) | Rhino ほか各種 | 推奨 | 特になし |
| 3DS (.3ds) | Autodesk 系 | 対応(旧形式) | 公式に専用の書き出しガイドあり |
| OBJ (.obj) | 汎用 | 対応(非推奨) | 単位情報を持たず、スケールずれが起きやすい |
| MAX (.max) | 3ds Max | 対応 | 読み込みに 3ds Max 本体のインストールが必要 |
| DWG/DXF | AutoCAD ほか CAD 系 | 対応(CAD 由来) | マテリアル表現は乏しくなりがち |
| glTF/glb | 近年の汎用形式 | 執筆時点で要確認 | 公式サポートで可否を確認する |
ソース: Importing and Working with 3D Models / How do you import a model from your CAD software?(いずれも2026年7月現在)
なかでも FBX は、マテリアルの情報や簡易的なモデルアニメーションまで運べる汎用形式として扱いやすい形です。使っているソフトが SketchUp なら SKP をそのまま、それ以外なら FBX か DAE を選ぶ、と決めておくと形式選びで悩まなくなります。
使うときに注意が必要な形式(OBJ・MAX など)
OBJ は読み込めますが、単位情報を持たない(unitless)ため、Lumion 側でスケールがずれて入りやすい形式です。つまり同じ建物でも、取り込んだら極端に大きかったり小さかったりすることがあります。だから推奨の3形式で書き出せるなら、OBJ はあえて選ばないほうが安全です。
MAX 形式を読み込むには、3ds Max 本体がそのパソコンにインストールされている必要があります。Lumion が MAX ファイルを開くときに 3ds Max の機能を利用するためです。3ds Max を持っていない環境では読み込めないので、その場合は 3ds Max 側から FBX で書き出しておくと確実です。
DWG/DXF は AutoCAD などの CAD 由来の形式です。図形は入りますが、マテリアルの質感表現は乏しくなりがちなので、見た目を作り込む前提なら Lumion 側でマテリアルを付け直す作業を見込んでおくと安心です。glTF/glb は近年よく使われる形式ですが、Lumion での扱いはバージョンによって変わり得ます。使う前に公式サポートで可否を確認してください。
形式選びで失敗しないための原則
覚えておきたい原則が1つあります。Lumion 公式も注記していますが、同じ拡張子でも、書き出したソフトによってきれいに入るとは限りません。たとえば同じ FBX でも、書き出したソフトや設定次第でマテリアルが欠けることがあります。だから「この拡張子なら大丈夫」と拡張子だけで判断せず、ソフトごとの書き出し方までそろえることが大切です。
そのうえで実務的な基本方針はシンプルです。迷ったら推奨3形式(FBX/SKP/DAE)から選び、各ソフト専用の書き出し手順に従う。この2つを守るだけで、読み込みトラブルの多くは入り口で防げます。
ソフト別・Lumionへの書き出しと取り込み手順
使っているソフトごとに「どの形式で書き出すか」を先に決めておくのが、Lumion インポートの最短ルートです。ここでは建築でよく使うソフトを対象に、書き出す形式と取り込みの基本手順を整理します。共通の流れをつかんでから、ソフト別の要点を押さえると迷いません。
取り込みの基本フロー(共通)
どのソフトから入れる場合も、大きな流れは同じです。まず元ソフトでファイルを書き出し、Lumion の「インポート(Import)」でそのファイルを選び、シーンに配置します。そのあとマテリアルを調整して質感を整える、というのが共通の4ステップです。
元ソフトで書き出す → Lumion の「Import」でファイルを選択 → シーンに配置 → マテリアルモードで質感を調整
書き出す前にひと手間かけておくと、あとが楽になります。不要なグループや非表示の要素を整理し、モデルの原点(基準となる位置)と向きをそろえておくことです。読み込み後の配置が安定し、面の選択もしやすくなるためです。
SketchUp / Revit / ArchiCAD
SketchUp を使っている場合は、SKP ファイルをそのまま Lumion に読み込めます。変換の手間がないぶん失敗が起きにくく、建築で Lumion に入れる入口としては最も相性のよい組み合わせです。
Revit や ArchiCAD は、FBX などで書き出してから取り込みます。これらは BIM(建物の情報を3Dで統合管理する仕組み)由来のため、要素の数が多くなりがちです。書き出す前に不要な要素を整理しておくと、読み込みが軽くなり、Lumion 側での操作もしやすくなります。
なお、SketchUp・Revit・ArchiCAD はリアルタイム連携(LiveSync)にも対応するソフトです。設計変更を繰り返す段階に入って即時反映が欲しくなったら、Lumion LiveSyncの使い方で連携の手順を解説しています。
Rhino / 3ds Max / Blender
Rhino からは FBX または DAE で書き出します。Rhino は曲面を NURBS(数式で表現する滑らかな曲面)で持ちますが、書き出しの際にメッシュ(三角形や四角形の面の集まり)へ変換されます。曲面の細かさは書き出し設定で決まるので、なめらかに見せたい部分はメッシュを細かめにしておくと安心です。
3ds Max は、MAX ファイルの直接読み込み(本体のインストールが前提)か、FBX での書き出しのどちらかを選べます。3ds Max がない環境に渡す可能性があるなら、FBX で書き出しておくほうがつぶしが利きます。
Blender からは FBX または OBJ で書き出せますが、OBJ は単位を持たずスケールがずれやすいので、基本は FBX がおすすめです。Blender は書き出し設定でスケールと軸(上を向く方向)を指定できるので、ここを Lumion に合わせてそろえておくと、取り込み後の手直しが減ります。
AutoCAD / Vectorworks などのCAD系
AutoCAD や Vectorworks などの CAD 系ソフトからは、DWG/DXF で書き出せます。ただし CAD の図形は、面や厚みの持ち方によって Lumion での見え方が変わります。線だけで描かれた要素は立体として入らないことがあるためです。
そこで書き出す前に、Lumion で見せたい部分がきちんと3D化(立体の面として作られている状態)されているかを確認します。3D化されていれば立体として取り込め、あとでマテリアルを付けて質感を整えられます。
単位・スケール・マテリアルを崩さず取り込むコツ
Lumion インポートで起きるトラブルの大半は「大きさ」「マテリアル」「向き・原点」の3つに集約されます。逆にいえば、書き出す前にこの3点をそろえておけば、Lumion 側での手直しは最小限で済みます。ここでは、その3点を崩さないための具体的なコツを整理します。
スケール・単位を合わせる
元ソフトの単位設定は、書き出す前にそろえておく必要があります。メートルなのかミリメートルなのかを合わせておかないと、Lumion 側で建物が極端に大きかったり小さかったりして入ります。
OBJ のように単位情報を持たない形式では、このスケールずれがとくに起きやすくなります。もしずれてしまったら、取り込んだあとに Lumion でモデルのサイズを見ながら倍率を調整して合わせます。
大きさの判断をしやすくするコツとして、実寸の目安になる要素を1つ置いておく方法があります。たとえば身長ほどの人の立ち姿やドアを1つ置いておけば、それと見比べて建物が正しいサイズかどうかを直感的に判断できます。
マテリアルを引き継ぐ
Lumion は、元ソフトで割り当てた「マテリアル名」ごとに面を選べるようになります。これを利用すると、Lumion 側で質感を一括調整できます。だから、まとめて調整したい面には共通の名前を、個別に扱いたい面には固有の名前を、元ソフトの段階で付けておくのが公式でも推奨される準備です。
たとえば外壁をまとめて質感変更したいなら、外壁の面すべてに「外壁」という同じマテリアル名を付けておきます。そうすれば Lumion 側でその名前を選ぶだけで、外壁全体をいっぺんに調整できます。
もう1つ注意したいのがテクスチャ画像(表面に貼る模様や色の画像)です。書き出したファイルが画像への「場所の参照」だけを持っていると、渡した先で画像が見つからず、面が真っ白になることがあります。これを防ぐには、テクスチャをファイルに埋め込むか、画像を同じフォルダに同梱して一緒に持っていくようにします。
向き・原点・階層を整える
書き出す前に、モデルの原点(基準となる位置)と上方向の軸をそろえておくと、Lumion での配置が安定します。原点がモデルから大きく離れていると、取り込んだときに思わぬ場所に配置されて探す手間が生じるためです。
あわせて、不要なグループや非表示の要素は書き出す前に整理しておくと安心です。読み込みが軽くなるだけでなく、Lumion 側で面を選ぶときにも目的の面を見つけやすくなります。整った状態で書き出すほど、取り込んだあとの作業がスムーズになります。
よくあるインポートの失敗と対処
「読み込めない」「真っ白」「大きすぎる」というインポートの失敗は、原因がほぼ決まっています。症状ごとに切り分ければ、多くは書き出しをやり直すだけで解決します。ここでは代表的な3つの症状と、その対処を整理します。
読み込めない・エラーになる
読み込めないときは、対応する形式で書き出せているかを確認します。Lumion が読めない拡張子や、書き出しに失敗して壊れたファイルだと、そもそも読み込めません。前半の対応形式一覧と照らして、推奨3形式(FBX/SKP/DAE)で書き出し直すのが早い解決策です。
MAX ファイルが開けない場合は、3ds Max 本体がそのパソコンに入っているかを確認します。MAX の直接読み込みには 3ds Max のインストールが前提だからです。入っていない環境なら、3ds Max 側から FBX で書き出して渡します。
それでも読み込めないときは、書き出したソフトを変えるつもりで別形式を試します。同じ拡張子でも書き出し元によっては入らないことがあるため、たとえば DAE でだめなら FBX で書き出し直す、という切り替えで通ることがあります。
マテリアルが白い・崩れる
マテリアルが真っ白になる典型的な原因は、テクスチャ画像のパス切れ(画像の場所が見つからない状態)です。画像を埋め込むか同じフォルダに同梱して書き出し直せば、質感が正しく反映されます。
面をまとめて選べない・調整しづらい場合は、マテリアル名が設定されていない可能性があります。Lumion はマテリアル名ごとに面を扱うので、名前が付いていないと一括調整ができません。元ソフトに戻って、面にマテリアル名を付け直してから書き出しましょう。
大きさ・向きがおかしい
取り込んだモデルが極端に大きい・小さいときは、単位の不一致か、OBJ のように単位を持たない形式が原因のことがほとんどです。書き出し時の単位設定を見直すか、Lumion 側でモデルの倍率を調整して合わせます。
モデルが倒れて入る、横向きになるといった場合は、上方向の軸のずれ(Y-up と Z-up の違い)が原因です。ソフトによって「上」とみなす軸が異なるために起こります。書き出し設定で軸の向きを合わせれば、正しい姿勢で取り込めます。
Lumionインポートを編集部が試してみました
公式サポートの情報をもとに、編集部で実際の取り込み手順をなぞってみました。結論からいうと、つまずきの大半は「書き出す前」に集約される、という手応えがありました。以下は公式ドキュメントの内容と、手順を追って確認した所感です。
最も効くと感じたのは、書き出し前にマテリアル名をそろえておく準備でした。Lumion がマテリアル名ごとに面を選べる設計になっているため、名前を整えておくだけで、取り込んだあとの質感調整が驚くほど短くなります。逆に名前が未整理のまま入れると、面を1つずつ選ぶ手間が増えて時間を取られる、という関係が見えました。
形式については、SketchUp からの SKP 直読みと、それ以外からの FBX で、ほとんどの建築モデルはまかなえるという印象です。OBJ はスケールずれの確認が1手間増えるため、推奨の3形式が使える場面では無理に選ぶ理由が薄いと感じました。公式が FBX・SKP・DAE を推奨しているのは、こうした「余計なつまずきが少ない」ことの裏返しといえそうです。
なお、この所感は公式ドキュメント(Importing and Working with 3D Models)に沿って手順を確認したうえでの見立てです。実際の見え方は、モデルの作り方や書き出し設定によって変わる点はご了承ください。
インポートを覚えたあとの活用シーンと次の一歩
対応形式と書き出しのコツをつかむと、Lumion インポートは「作業」から「表現の入口」に変わります。ここからは、取り込みを覚えたあとにどんな使い方へ広がるか、その活用シーンと次の一歩を整理します。
たとえば、他の人から受け取ったモデルを短時間でパースにする場面です。書き出し形式とマテリアル名の勘どころがわかっていれば、初見のモデルでも「まず FBX で入れて、白い面はテクスチャ同梱で書き出し直す」と当たりを付けられます。受け取ったデータを扱う機会が多い実務ほど、この基礎が効いてきます。
次の一歩としては、静的インポートに慣れたら、設計変更を繰り返す作業でリアルタイム連携(LiveSync)へ進むのが自然な流れです。書き出し直す手間がなくなり、その場で見え方を確認しながら詰められるようになります。連携の始め方はLumion LiveSyncの使い方で解説しています。
取り込んだモデルを実際に配置し、レンダリングまで仕上げる全体の流れを押さえたい場合は、Lumionの使い方入門|インポートからレンダリングまでの基本手順が入口になります。インポートはあくまで最初の一歩で、その先の質感づくりや構図決めまで進めてはじめて1枚のパースになります。
まとめ|Lumionインポートは「形式選び」と「書き出し前の整理」で決まる
Lumion へのモデルインポートは、推奨形式(FBX/SKP/DAE)を選び、単位・マテリアル・原点を書き出す前にそろえるだけで、取り込んだあとの手直しがぐっと減ります。難しい設定より、書き出しの前段階の準備がものをいう作業です。
要点を整理すると、次の5つになります。
- 対応形式は FBX・SKP・DAE・3DS・OBJ・DWG/DXF・MAX。迷ったら推奨3形式(FBX/SKP/DAE)から選ぶ
- SketchUp は SKP 直読み、それ以外は基本 FBX。OBJ はスケールずれに注意する
- 単位(メートル/ミリ)を書き出す前にそろえ、実寸の目安になる要素を1つ置くと判断しやすい
- マテリアルは「名前」ごとに面を選べる。まとめたい面に共通名、テクスチャは埋め込みか同梱で持っていく
- 「読み込めない/真っ白/大きすぎる」は原因が決まっており、書き出し直しで多くが解決する
取り込んだモデルを配置してレンダリングまで進める全体の流れはLumionの使い方入門|インポートからレンダリングまでの基本手順で解説しています。設計変更を繰り返す段階に入ったら、リアルタイム連携(LiveSync)へ進むのが次の選択肢です。Lumion そのものの特徴や料金から知りたい方はLumionとは?建築・土木の可視化を変える定番リアルタイムレンダリングソフトからどうぞ。
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