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3DCG · Lumion

Lumionの学習・環境・運用ガイド|PC環境・高速化・版選び・共有の全体像

編集部 読了 約9分

Lumion(建築・土木向けのリアルタイムレンダリングソフト。3Dモデルから写真のような画像や動画をその場で作れます)を始めるとき、多くの人が最初に迷うのは操作方法ではありません。「自分のPCで動くのか」「重くならないか」「どの版を買えばいいのか」「作ったものをどう見せるのか」といった、環境と運用まわりの疑問です。ここでつまずくと、せっかくのソフトを触る前に手が止まってしまいます。

この記事では、LumionのPC環境・高速化・エディション選び・Cloud共有・学習の順番という5つのテーマの全体像を、初めての方でも迷わない形で整理します。

それぞれのテーマには専門の解説記事を用意しているので、この記事で「自分に関係あるのはどこか」を見極めてから、必要なところへ進んでください。Lumionそのものの概要や他ソフトとの違いはLumionとは?建築・土木の可視化を変える定番リアルタイムレンダリングソフトで解説しています。

Lumionの環境と運用|5つのテーマの地図

Lumionを快適に使うには、「動かす環境」「速く動かす工夫」「自分に合う版」「共有の方法」「学ぶ順番」の5つを押さえておくと迷いません。この記事はそれぞれの入口となる地図で、詳しい中身は各テーマの記事に分けています。

なぜ5つに分けるかというと、悩むタイミングが人によってばらばらだからです。購入前ならPCと版選び、使い始めてからは高速化、作品ができたら共有、というように、必要な情報は状況で変わります。全部を一度に読む必要はありません。

テーマこんなときに読む詳しい記事
PC環境Lumionを買う前・PCを新調する前Lumionに必要なPCスペック
高速化動作が重い・書き出しが遅いと感じたときLumionのレンダリングを高速化・軽くする設定
エディション選びどの版を契約するか決めるときLumionのエディション比較の考え方
Cloud共有作品を相手に見せる・プレゼンするときLumion Cloudで作品を共有する方法
学習順序何から手をつければいいか迷ったとき建築3DCGの学習順序ガイド

上の表のうち、購入前の方はまずPC環境とエディション選びを、すでに使っている方は高速化と共有を見ると効率的です。ここから先は、各テーマの要点だけをかいつまんで説明します。

PC環境|Lumionが動くかどうかはGPUで決まる

Lumionが快適に動くかどうかは、GPU(グラフィックボード。画面の描画を専門に処理する部品)の性能でほぼ決まります。CPUやメモリよりも、まずGPUを見てください。

Lumionはリアルタイムで光や影を計算しながら画面を描き続ける仕組みで、その計算のほとんどをGPUが担います。だから同じ価格でPCを組むなら、GPUに予算を寄せたほうがLumionは軽くなります。公式が推奨環境を公開しており、扱うシーンの規模が大きいほど上位のGPUとVRAM(GPU専用のメモリ)が必要になります。

たとえば住宅1棟の外観パースなら中位のGPUでも十分ですが、街区全体や植栽を大量に置いた広い敷地を扱うと、VRAMが足りずに動作がカクついたり書き出しに失敗したりします。自分がどの規模の案件を扱うかで、必要なスペックは変わってきます。

ここで見落とされがちなのがノートPCの扱いです。同じGPU名でも、ノート用は放熱の制約で性能が抑えられていることがあり、デスクトップと同じ感覚で選ぶと期待どおりに動かない場合があります。持ち運びが必要なら、その点も踏まえて選ぶ必要があります。

必要なGPU・メモリ・VRAMの具体的な目安や、ノートPCで使う場合の注意点はLumionに必要なPCスペックで整理しています。購入前にここだけは確認しておくと、動かないPCを買う失敗を避けられます。

高速化|重さの原因は設定とシーンの作り方にある

Lumionが重いと感じたとき、多くはPCの買い替えではなく設定とシーンの整理で解決します。高価なPCに替える前に、まず手元の設定を見直してください。

重さの原因はおおむね決まっています。プレビュー画質を最高に固定したまま作業している、同じ植栽やオブジェクトを必要以上に大量配置している、書き出し設定が案件の用途に対して過剰、といったケースです。これらは無料でできる調整で軽くなります。

たとえば作業中はプレビュー画質を落として操作の反応をよくし、最終書き出しのときだけ画質を上げる、という使い分けだけでも体感速度は大きく変わります。反応が悪いまま我慢して作業を続けるより、先に設定を整えるほうが結果的に早く仕上がります。

作業を軽くする具体的な設定項目や、書き出し時間を短縮するコツはLumionのレンダリングを高速化・軽くする設定にまとめました。動作が重いと感じたら、PCを疑う前にこちらを試してみてください。

エディション選び|使う機能と共有方法で決まる

Lumionのエディション(版)は、使いたい機能と作品の共有方法で選ぶのが基本です。安さや高機能さだけで決めると、必要な機能がなかったり逆に使わない機能に払いすぎたりします。

Lumionには機能や書き出し解像度、アセット(家具や植栽などの素材データ)の数が異なる複数の版があります。上位版ほど高解像度の書き出しや大規模シーン、特定の共有機能に対応しますが、その分だけ費用も上がります。だから「自分が実際に使う機能はどこまでか」を先に決めると、無駄なく選べます。

たとえば個人で小規模な外観パースを作るだけなら下位版で足りることが多く、大判印刷用の高解像度書き出しや動画制作まで踏み込むなら上位版が候補になります。逆に、使わない機能のために上位版を選ぶ必要はありません。

各版の違いと選び方の考え方はLumionのエディション比較の考え方で解説しています。

なお、料金プランそのものの金額や契約条件の比較は変動が大きいため、この記事では扱いません。最新の価格や他ソフトとの費用比較は、比較専門のデータベースサイト db.persc.jp(persc.jpの姉妹サイト)で確認するのが確実です。

共有|作った作品を相手にどう届けるか

作った作品は、渡し方まで含めて考えるとプレゼンがスムーズになります。画像や動画をただ送るだけでなく、Lumion Cloud(クラウド上に作品をアップして共有できる機能)を使う選択肢もあります。

Lumion Cloudを使うと、パノラマ(周囲をぐるりと見渡せる画像)や3Dシーンをブラウザ上で相手に見せられます。相手は専用ソフトを入れなくても、送られたリンクを開くだけで作品を確認できます。メールに重い動画ファイルを添付する手間や、容量制限で送れない問題を避けられるのがメリットです。

たとえば施主との打ち合わせで、平面的な静止画だけでなく、その場でぐるりと見渡せるパノラマを共有できると、空間の広さや窓からの眺めが伝わりやすくなります。渡し方ひとつで、相手の理解度が変わってきます。

共有の方法は相手によって使い分けると効果的です。その場で一緒に見るならリンクを開いてもらうのが早く、遠方の相手に事前確認してもらうならCloudのリンクをメールで送れば、相手の都合のいいタイミングで見てもらえます。届け方を相手に合わせるだけで、やり取りの回数を減らせます。

Cloudへのアップロード手順や、どんな形式で共有できるかはLumion Cloudで作品を共有・プレゼンする方法で具体的に解説しています。

学習の順番|ソフト操作の前に土台を固める

Lumionをうまく使えるようになるには、ソフトの操作を覚える前に建築3DCGの基本的な流れを理解しておくと近道です。操作だけ先に覚えても、何のためにその操作をするのかが分からないと応用がききません。

建築3DCGは、モデルを作る、質感や光を設定する、画像や動画に書き出す、という大きな流れで進みます。Lumionはこのうち「質感・光の設定」と「書き出し」を担当するソフトです。この全体像を先に知っておくと、Lumionが工程のどこに位置するかが分かり、他のソフトとの役割分担も理解しやすくなります。

たとえばモデリング(3Dの形を作る作業)は別のCADや3DCGソフトで行い、それをLumionに読み込んで仕上げる、という分業が一般的です。この流れを知らずにLumionだけ触っていると、「モデルはどこで作るのか」で行き詰まってしまいます。

建築3DCGを学ぶ順番と、各工程でどのソフトを使うかは建築3DCGの学習順序ガイドで体系的に整理しています。Lumionの操作を学ぶ前に、まずこちらで全体の地図を持っておくと、遠回りせずに済みます。

Lumionの環境設定を編集部が試してみました

編集部が実際にLumionの環境をひととおり触ってみた所感として、いちばん効果を感じたのは「作業中と書き出しで画質設定を分ける」使い方でした。

導入直後はプレビュー画質を最高のままにしていて、操作するたびに画面がもたつく状態でした。ここで思い切ってプレビュー画質を中程度まで下げたところ、視点移動やオブジェクト配置の反応が明らかに軽くなり、作業のテンポが戻りました。最終書き出しのときだけ画質を上げれば、仕上がりの品質は落ちません。

この経験から編集部の所感としては、Lumionを重いと感じている人ほど、PCの買い替えよりも先に画質設定の見直しを試す価値があると考えています。お金をかけずにできる調整なので、動作に不満があるなら最初に手をつけるべきポイントです。詳しい設定手順はLumionのレンダリングを高速化・軽くする設定を参照してください。

これからLumionを始める人の進め方

Lumionをこれから始める人は、購入前・使用中・仕上げの3段階で必要な情報が変わると考えておくと、迷いが減ります。今の自分がどの段階にいるかで、次に読むべき記事を選んでください。

購入を検討している段階なら、まずPC環境とエディション選びを固めるのが先決です。動かないPCや自分に合わない版を選ぶと、後から取り返しがつきにくいためです。使い始めて動作が気になってきたら高速化の設定を、作品ができたら共有の方法を確認する、という順で進めると無駄がありません。

これから建築ビジュアルの仕事がAIやリアルタイム技術でさらに速くなっていくなかで、Lumionのようなリアルタイムレンダラーを土台として押さえておくと、新しいツールが出てきても応用が効きます。まずは環境を整え、小さな案件で一通りの流れを体験してみるところから始めてみてください。

まとめ:環境を整えてからLumionを使いこなす

Lumionを使いこなすには、操作を覚える前に環境と運用の全体像を押さえておくことが近道です。要点を整理すると次の3つになります。

1つ目は、動作の快適さはGPUで決まるということです。購入前にPC環境を確認し、扱う案件の規模に合ったスペックを選べば、動かない失敗を避けられます。2つ目は、重さの多くは設定で解決するということです。PCを買い替える前に、まず画質と書き出しの設定を見直してみてください。3つ目は、版選びと共有は「自分が実際に使う範囲」で決めるということです。使わない機能に払いすぎず、作品の届け方まで含めて考えると、Lumionの価値を引き出せます。

学ぶ順番としては、ソフト操作の前に建築3DCGの全体像を持っておくと遠回りを避けられます。この記事を入口に、自分の状況に合ったテーマの記事へ進んでください。