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仕上表の下地と仕上げの表記|材料の名前の書き方

編集部 読了 約9分

*2026年9月27日に確認した内容です。国土交通省の「建築工事設計図書作成基準」「建築工事設計図書作成基準の資料」(どちらも令和2年改定)と「公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版」によります。「建築工事標準詳細図(令和4年改定)」とその総則も使っています。国土交通省の基準は、国の建物の工事(官庁営繕)のための基準です。民間の図面では、書き方が違うことがあります。

仕上表は、建物の外部と内部の仕上げ(外壁や、室内の床・壁・天井の表面の材料や塗装)を表で示す図面です。

基準は、仕上表などの図面に書く材料や工法の名前を、標準仕様書(国の建物の工事で使う材料や工法の標準を定めた書類)の記載のとおりにすると決めています。製造業者名や製品名は書きません。

仕上げの下にある下地は、ボードやモルタルなど、仕上げを張ったり塗ったりする面です。下地は、CAD のレイヤ(図面の線や文字を種類ごとに分けて重ねる層)や建築工事標準詳細図で、仕上げと分けられています。

建築工事標準詳細図は、国の建物の設計でよく使う細部の図を標準にした図集です。

材料と工法の名前は標準仕様書の記載のとおり

国土交通省の建築工事設計図書作成基準は、図面の書式と表示をそろえて、業務を効率よくすることを目的にしています。

この基準は、図面に使う材料や施工方法などの名前を、標準仕様書の記載のとおりにするとしています。ここでいう標準仕様書は、公共建築工事標準仕様書(建築工事編)・公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)・公共建築木造工事標準仕様書の3つです。

建築工事設計図書作成基準 2.1 一般事項の(1)〜(4)。材料・施工方法等の名称は標準仕様書の記載のとおりとする
基準 2.1 一般事項の(1)〜(4)。この見出しで読むのは(1)の名前の書き方。(2)は「標準仕様書に無い材料は性能・構造・工法で示す」の見出しで、(3)(4)は「決まりの無い表示記号は凡例に書く」の見出しで解説している。出典:国土交通省「建築工事設計図書作成基準(令和2年改定)」2.1 一般事項を切り出して編集部が作成

国土交通省の建築工事標準詳細図は、国の建物の設計でよく使う細部の納まりを標準にした図集です。その総則は、標準詳細図に書かれた材料名・材料規格・工法について決めています。原則として、日本産業規格(JIS)・日本農林規格(JAS)と、公共建築工事標準仕様書・公共建築改修工事標準仕様書(どちらも令和4年版)によります。

公共建築工事標準仕様書の章のうち、仕上げに関わるものとして編集部が選んだ章と、その節の名前は、次のとおりです(令和7年版の目次)。表のどの章も1節は「共通事項」なので、省いています。

章節
9章 防水工事アスファルト防水/改質アスファルトシート防水/合成高分子系ルーフィングシート防水/塗膜防水/ケイ酸質系塗布防水/シーリング
10章 石工事材料/外壁湿式工法/内壁空積工法/外壁乾式工法/床及び階段の石張り/特殊部位の石張り
11章 タイル工事セメントモルタルによるタイル張り/有機系接着剤によるタイル張り
12章 木工事材料/防腐・防蟻・防虫処理等/鉄筋コンクリート造等の内部間仕切軸組及び床組/窓、出入口その他/床板張り/壁及び天井下地
13章 屋根及びとい工事長尺金属板葺/折板葺/粘土瓦葺/とい
14章 金属工事表面処理/溶接、ろう付けその他/軽量鉄骨天井下地/軽量鉄骨壁下地/金属成形板張り/アルミニウム製笠木
15章 左官工事下地/モルタル塗り/床コンクリート直均し仕上げ/セルフレベリング材塗り/仕上塗材仕上げ/マスチック塗材塗り/せっこうプラスター塗り/ドロマイトプラスター塗り/しっくい塗り/こまい壁塗り/ロックウール吹付け
18章 塗装工事素地ごしらえ/錆止め塗料塗り/合成樹脂調合ペイント塗り(SOP)/クリヤラッカー塗り(CL)/アクリル樹脂系非水分散形塗料塗り(NAD)/耐候性塗料塗り(DP)/つや有合成樹脂エマルションペイント塗り(EP-G)/合成樹脂エマルションペイント塗り(EP)/ウレタン樹脂ワニス塗り(UC)/ピグメントステイン塗り/木材保護塗料塗り(WP)
19章 内装工事ビニル床シート、ビニル床タイル及びゴム床タイル張り/カーペット敷き/合成樹脂塗床/フローリング張り/畳敷き/せっこうボード、その他ボード及び合板張り/壁紙張り/断熱・防露

目次では、18章の節の名前の後ろに、塗装の略号が括弧で付いています。

公共建築工事標準仕様書の目次のうち、18章 塗装工事と19章 内装工事の節の名前
標準仕様書の目次のうち、18章 塗装工事と19章 内装工事の節。出典:国土交通省「公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版」目次の一部を切り出して編集部が作成

建具(戸や窓など)の材質の名前は、公共建築工事標準仕様書の16章 建具工事の2〜7節の名前として出てきます。アルミニウム製建具・樹脂製建具・鋼製建具・鋼製軽量建具・ステンレス製建具・木製建具です。

建具表(戸や窓などの建具を建具ごとに表で示す図面)の読み方は、「建具表の読み方|形・寸法・材質・ガラス・金物・防火の別」の記事で解説しています。

仕上表の凡例(表の中で使う略号の意味を示す欄)に出てくる略号の読み方は、「仕上表の読み方|内部・外部」の記事で解説しています。標準仕様書と、その工事だけの決まりを書く特記仕様書がそれぞれ何かは、「設計図書とは|図面と仕様書」の記事で解説しています。

資料の略号の表と標準仕様書で名前が違うものがある

略号は、SOP のように、材料や工法の名前を短く表す記号です。国土交通省の「建築工事設計図書作成基準の資料」(令和2年改定)の略号の表には、公共建築工事標準仕様書の令和7年版と名前が合わないものがあります。塗装の名前を比べると、次のとおりです。

資料の略号の表(令和2年改定)公共建築工事標準仕様書(令和7年版)
クリヤーラッカー塗り(CL)クリヤラッカー塗り(CL)
合成樹脂エマルション模様塗料塗り(EP-T)節が無い
ラッカーエナメル塗り(LE)節が無い
オイルステイン塗り(OS)節が無い

標準仕様書の18章には、資料の略号の表に無い「ピグメントステイン塗り」の節があります。国土交通省の資料の「資料3 特記仕様書の工事概要記載例」では、図面がどの年版の標準仕様書によるかが、特記仕様書に「(○○年版)」の形で書かれています。

製造業者名と製品名は書かない

基準は、図面に製造業者名、製品名と、それらが特定される内容を書かないとしています。

建築工事設計図書作成基準 4.1 一般事項の(5)。製造業者名、製品名及びそれらが特定される内容は記載しない
基準 4.1 一般事項の(5)。製造業者名・製品名とそれらが特定される内容は記載しない。出典:国土交通省「建築工事設計図書作成基準(令和2年改定)」4.1 一般事項の(5)(6)を切り出して編集部が作成

標準仕様書に無い材料は性能・構造・工法で示す

基準は、標準仕様書に決まりのある事項を図面に書かないとしています。

ただし、次の3つは、その内容を図面に書くとしています。特記は、図面や特記仕様書で、その工事ごとに指定することです。

  • 標準仕様書で特記することとしている事項
  • 標準仕様書に決まりの無い材料や施工方法を使う場合
  • 標準仕様書の決まりを打ち消す場合

標準仕様書に決まりの無い材料や施工方法を使う場合は、性能・構造・工法などを具体的に図で示し、必要なら詳細図などを作るとしています。

建築工事設計図書作成基準 4.1 一般事項の(6)。標準仕様書に規定されていない材料、施工方法等を用いる場合は、性能、構造、工法等を具体的に図示する
基準 4.1 一般事項の(6)。標準仕様書に無い材料や施工方法の示し方。出典:国土交通省「建築工事設計図書作成基準(令和2年改定)」4.1 一般事項の(6)を切り出して編集部が作成

決まりの無い表示記号は凡例に書く

表示記号は、図面の中で材料や建具などを表す決まった記号です。

基準は、図面に使う表示記号を、基準の3.6「表示記号」のとおりにするとしています。決まりの無い表示記号を使うときは、その図面で記号を決めて、凡例などに書くとしています。見慣れない記号を見つけたら、まず凡例を探してください。

同じ基準の2.1で、単位記号は国際単位系(SI)によるとも決めています。

表示記号のうち、材料や構造を表す材料構造表示記号の読み方は、「材料構造表示記号の読み方|ハッチングでの材料の見分け方」の記事で解説しています。

下地と仕上げは別のものとして描き分ける

基準は、CAD のレイヤの分類で、「躯体・間仕切 下地」と「仕上げ」を別の項目にしています。

躯体は、柱・梁・床・壁など、建物を支える骨組みです。柱や壁には、「柱(下地)」「躯体壁(下地)」と「柱(仕上げ)」「壁(仕上げ)」のように、下地と仕上げの両方のレイヤがあります。

CAD のレイヤ分類の表のうち「4 躯体・間仕切 下地」と「5 仕上げ」の行
CAD のレイヤ分類のうち、意匠要素の「4 躯体・間仕切 下地」と「5 仕上げ」の行。出典:国土交通省「建築工事設計図書作成基準(令和2年改定)」4.1 (7) の表から見出しと意匠要素の4・5の行を切り出し、ページをまたぐ行をつないで編集部が作成

公共建築工事標準仕様書にも、下地だけの節があります。12章の「壁及び天井下地」、14章の「軽量鉄骨天井下地」「軽量鉄骨壁下地」、15章の「下地」の節です。

国土交通省の建築工事標準詳細図の「壁:仕上げ」(2-01)には、内装タイルの図があります。そのうち「壁タイル接着剤張り(モルタル下地)」と「壁タイル接着剤張り(ボード下地)」は、下地の名前を括弧に入れた2つの図です。

建築工事標準詳細図の「壁タイル接着剤張り(モルタル下地)」と「壁タイル接着剤張り(ボード下地)」の図
同じ壁タイル接着剤張りの、モルタル下地(左)とボード下地(右)の図。出典:国土交通省「建築工事標準詳細図(令和4年改定)」2-01 壁:仕上げ の一部を切り出して編集部が作成

下地と仕上げの見た目の違いを、次の図で見てみましょう。

左はせっこうボードを張り終えた下地の壁、右はタイルを張り終えた仕上げの壁
せっこうボードを張り終えた下地の壁(左)と、タイルを張り終えた仕上げの壁(右)。生成AIで作ったイメージです

一方、国土交通省の資料は、室内の壁面を表す展開図について、「仕上面」の項目の備考に「下地材は記載しない」と書いています。

仕上表の欄に下地をどう書くかは、基準にも資料にも決まりがありません。図面ごとに、凡例や注記で確かめましょう。

壁の下地と仕上げの重なりの読み方は、「平面詳細図の読み方|壁の構成・仕上げ・細かい寸法」の記事で解説しています。

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この記事について

PERSC編集部が、建築の制作に関わる知識を実務目線で整理しています。内容は公開・更新日時点の情報にもとづきます。誤りや古い情報にお気づきの場合はお問い合わせよりご連絡ください。

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