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仕上表の下地と仕上げの表記|材料の名前の書き方

仕上表の下地と仕上げの表記|材料の名前の書き方
- 仕上表の欄に書かれた記号や略号が読めない
- 下地と仕上げは、欄のどこで分かれているの?
- 仕上表の書き方の決まりを知りたい
仕上表の欄には、「P・B t12.5下地 ビニールクロス貼」のような短い書き方が並びます。しかし初めて読むと、どこまでが下地か、t や「貼」が何を表すかが分かりにくいかもしれません。
この記事では、戸建て住宅の仕上表の見本を使って、欄に書かれた語と記号を順に読みます。
欄から部位の重なりを読む方法、会社によってどこまで書くかの違い、国の工事で決まっている材料の名前の書き方も解説します。
仕上表の欄に書くのは、部位の仕上げと、その下の下地です。
下地と仕上げの書き分け

仕上表では、部位ごとに下地と仕上げを分けて書きます。編集部が公開されている仕上表26件(戸建て住宅11件を含む)を集めて数えると、26件すべてが下地を書いていました。
書き分け方は、下地の列を別に立てる・1つの欄を上下2段にする・1つの欄に続けて書く、の3通りです。書き方ごとの違いは、「仕上表の読み方|内部・外部」で見本を並べて読み比べています。
上の見本は、1つの欄に続けて書く書き方です。下地の名前と厚さのあとに「下地」と書き、空白をあけて仕上げを書いています。
1つの欄に続けて書いた図面8件のうち、7件が前に下地、後ろに仕上げの順でした。
見本の居間の床のように、床の下地を欄に書かず、特記(表の中に書いていない決まりをまとめた欄)にまとめる図面もあります。
欄の記号と語の読み方

欄の中は、記号と語と、いくつかの決まった書き方でできています。この節で読むのは、次の6つです。
- 厚さ・高さ・間隔の記号
- 大きさと重ねの書き方
- 仕上げ方を表す語
- 塗装の略号
- 製品に任せる書き方
- 材料を書かない欄
厚さ・高さ・間隔の記号
厚さを表す記号は t・厚・㋐(丸にア)、高さは H、間隔は@です。
国の建物の工事で使う、国土交通省が決めた図面の基準があり(この記事では「国の工事の基準」と呼びます)、その略号の表にもこの記号が載っています。
| 記号 | 意味 | 見本・参考例の書き方 |
|---|---|---|
| t・厚・㋐ | 厚さ | P・B t12.5(厚さ12.5mmのプラスターボード) |
| H | 高さ | 磁器質タイル貼 H100(高さ100mmの巾木) |
| @ | 間隔 | 野縁 40×30 @455(455mmおきの野縁) |
民間の図面は国の工事の基準と違う記号を使うこともあり、見慣れない記号を確かめる先は、その図面の凡例(記号や略号の意味の一覧)です。
大きさと重ねの書き方
「300角」は、一辺300mmの正方形のタイルという意味です。材料を重ねるときに「+」、同じ材料を2枚重ねるときに「×2」と書く図面もあり、この2つは見本には出てきません。
「+」と「×2」は実物の図面に見られる書き方で、国の工事の基準の略号の表には載っていません。
仕上げ方を表す語
欄の最後の語で、どう仕上げるかが分かります。実物の図面には、貼・張(張る)・敷込(敷き込む)・塗(塗る)・吹付(吹き付ける)・葺(屋根をふく)などの語が出てきます。
見本では、居間の壁の「ビニールクロス貼」は張る仕上げ、和室の壁の「ジュラク壁塗」は塗る仕上げです。床の「フローリング t12」のように、最後の語を書かない欄もあります。

外部仕上表の屋根の行の「日本瓦葺」の「葺」は、瓦などで屋根をふく語です。同じ行の「アスファルトルーフィング下葺」は、瓦の下に敷く下葺きを書いています。
塗装の略号
EP は塗装の略号で、トイレの天井の「P・B t9.5下地 EP塗」は、厚さ9.5mmのプラスターボードに EP を塗った天井と読めます。国の工事の基準の略号の表から、塗装の略号を5つ挙げると次のとおりです。
| 略号 | 塗装の名前(国の工事の基準の略号の表) |
|---|---|
| SOP | 合成樹脂調合ペイント塗り |
| EP | 合成樹脂エマルションペイント塗り |
| CL | クリヤーラッカー塗り |
| OS | オイルステイン塗り |
| UC | ウレタン樹脂ワニス塗り |
このうち CL と OS は、今の標準仕様書とは名前の扱いが違います(後の「名前は標準仕様書の記載のとおり」で比べます)。
この表に無い AEP(アクリルエマルションペイント)のような略号を使う図面もあり、意味は凡例で引きます。
製品に任せる書き方
見本の廻縁の「木製(既製品)」は、既製品の木製廻縁を使うという意味です。浴室の行の「U・B仕様による」は、床から天井までを、ユニットバスの製品の仕様に任せるという意味になります。
部屋の一部だけ仕上げが違うときは、場所を添えます。見本の台所では、備考の欄に「キッチンパネル(コンロ前)」とあり、コンロの前だけキッチンパネルを張るという意味です。
材料を書かない欄
欄が空いているか、横線(-)なら、その部位の仕上げは無いという意味です。上の見本の外部仕上表でも、庇や下屋のように、その建物に無い部位の行は空いています。
「〃」や「同上」は、上の行と同じ仕上げという意味です。同じ仕上げの部屋が続くときに使います。
欄から部位の重なりを読む

ここまでの記号と語で読むと、欄からはその部位が何をどう重ねてできているかが分かります。読むのは、次の3つです。
- 壁の欄を読む
- 床の欄を読む
- 骨組みは欄に書かない
壁の欄を読む
見本の居間の壁の欄は、「P・B t12.5下地 ビニールクロス貼」です。P・B はプラスターボードの略で、欄全体は、厚さ12.5mmのプラスターボードを下地にしてビニルクロスを張った壁と読めます。
上の図の重なりのうち、ふだん目に入るのは、いちばん手前のビニルクロスだけです。その奥のプラスターボードは、仕上表の欄を読むと分かります。
床の欄を読む

見本の玄関の床の欄は、「モルタル下地 磁器質300角タイル貼」です。モルタルの下地の上に、一辺300mmの磁器質タイルを張った床と読めます。
上の図のいちばん下の土間コンクリートは、見本の欄には書かれていません。欄に書くのは、モルタルとタイルの2つです。
骨組みは欄に書かない
壁の図の奥にある柱や間柱は、仕上表の欄にはほとんど書かれません。集めた戸建て住宅の仕上表11件のうち、骨組みを書いていたのは2件でした。
多くの図面は、欄に下地と仕上げの2層までを書きます。11件のうち、床に根太や大引を書く図面は1件もありませんでした。
どこまで書くかの違い

見本の欄に書いてあるのは、材料の名前と厚さまでです。欄にどこまで書くかは、会社によって違います。
集めた戸建て住宅の仕上表11件は、すべてが厚さまでは書いていました。そのうち厚さまでで止めるものが8件、メーカー名や商品名まで書くものが2件、品番と色番号まで書くものが1件です。
上の参考例は、品番と色番号まで書く書き方です。天井の「日塗工 N-90」は、日本塗料工業会(日塗工)の色の番号を指しています。
日塗工の番号は、年の記号・色相・明度・彩度を組み合わせた形で、N は白・灰・黒のような無彩色を表します。参考例の N-90 は、年の記号を省いた書き方です。
国の工事の材料の名前の決まり

住宅の図面には品番まで書く会社がある一方で、国の工事の基準は、材料や工法の名前の書き方を決めています。国の建物の工事の図面を読むときのために、決まりを2つ見ておきましょう。
- 製造業者名と製品名は書かない
- 名前は標準仕様書の記載のとおり
製造業者名と製品名は書かない
国の工事の基準は、図面に製造業者名・製品名と、それらが特定される内容を書かないとしています。住宅の図面では品番まで書く会社もありますが、国の工事の図面には書きません。

名前は標準仕様書の記載のとおり
標準仕様書は、国の建物の工事で使う材料や工法の標準を決めた書類です。国の工事の基準は、図面に書く材料や工法の名前を、この標準仕様書の記載のとおりにするとしています。
ここでいう標準仕様書は、公共建築工事標準仕様書(建築工事編)・公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)・公共建築木造工事標準仕様書の3つです。
標準仕様書に無い材料や工法を使うときは、名前の代わりに性能・構造・工法などを具体的に図で示します。
基準の略号の表(令和2年改定)と、2026年10月時点の最新の標準仕様書(令和7年版)とでは、塗装の名前が合わないものがあります。比べると、次のとおりです。
| 基準の略号の表(令和2年改定) | 標準仕様書(令和7年版) |
|---|---|
| クリヤーラッカー塗り(CL) | クリヤラッカー塗り(CL) |
| 合成樹脂エマルション模様塗料塗り(EP-T) | この名前の項目が無い |
| ラッカーエナメル塗り(LE) | この名前の項目が無い |
| オイルステイン塗り(OS) | この名前の項目が無い |
国の工事の図面がどの年版の標準仕様書によるかは、特記仕様書(その工事に限った決まりを書いた書類)に書かれます。名前は、その年版の標準仕様書で確かめます。
欄を1つ選んで重なりを言い直してみよう

仕上表の欄は、下地と仕上げを、記号と語の組み合わせで短く書いたものです。この記事で解説したことは、次の11項目です。
- 厚さ・高さ・間隔の記号
- 大きさと重ねの書き方
- 仕上げ方を表す語
- 塗装の略号
- 製品に任せる書き方
- 材料を書かない欄
- 壁の欄を読む
- 床の欄を読む
- 骨組みは欄に書かない
- 製造業者名と製品名は書かない
- 名前は標準仕様書の記載のとおり
この記事の見本でも手元の仕上表でもよいので、欄を1つ選び、下地・厚さ・仕上げ・仕上げ方を文に言い直してみてください。
たとえばトイレの天井は、「厚さ9.5mmのプラスターボードに EP を塗った天井」です。
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