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仕上表の読み方|内部・外部

編集部 読了 約11分

*2026年9月27日に確認した内容です。国土交通省の「建築工事設計図書作成基準」「建築工事設計図書作成基準の資料」(どちらも令和2年改定)と「公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版」によります。「建築工事標準詳細図(令和4年改定)」と、建築基準法・建築基準法施行令も使っています。国土交通省の基準は、国の建物の工事(官庁営繕)のための基準です。民間の図面では、書き方が違うことがあります。

仕上表は、建物の外部と内部の仕上げ(外壁や、室内の床・壁・天井の表面の材料や塗装)を、表で示す図面です。

外部仕上げ・内部仕上げ・内外付属品・法規上の表現・凡例の5つの項目で読んでいきましょう。仕上表で表せない部分的な仕上材は、建物の外観を表す立面図の「外部仕上げ」の項目に書かれます。

仕上表は建物の外部と内部の仕上げを表す図面

国土交通省の「建築工事設計図書作成基準の資料」は、図面ごとに書く事項(記載事項)を表にしています。

この資料は、仕上表を、建物の外部と内部の仕上げを表す図面としています。仕上表の記載事項の表は、次のとおりです。

国土交通省の資料が定める仕上表の記載事項の表。外部仕上げ・内部仕上げ・内外付属品・法規上の表現・凡例
仕上表の記載事項の5つの項目。内容の欄が書かれているのは、法規上の表現と凡例だけ。出典:国土交通省「建築工事設計図書作成基準の資料(令和2年改定)」(7) 仕上表の表を切り出し、ページをまたぐ表をつないで編集部が作成

項目を並べると、次の5つです。

  • 外部仕上げ
  • 内部仕上げ
  • 内外付属品
  • 法規上の表現:不燃材料・準不燃材料など
  • 凡例:略号

国土交通省の「建築工事設計図書作成基準」は、1つの工事の図面一式について、図面の順序と名前を一覧にしています。この一覧で、仕上表は10番目に来て、平面図(各階を水平に切った断面を表す図面)より前に並びます。

一覧には、基本設計(建物の配置や平面の構成などを決める段階)と実施設計(工事のために細部の形・寸法・仕様まで決める段階)のどちらで作るかの欄があります。仕上表は、両方で作る図面です。図面の縮尺を書く「尺度」の欄は空いています。

図面等の順序の一覧のうち、10番目の仕上表の行。基本設計と実施設計の両方に○
図面等の順序の一覧のうち、仕上表の行。基本設計と実施設計の両方に○が付いている。出典:国土交通省「建築工事設計図書作成基準(令和2年改定)」4.2 図面等の順序、名称等の表から見出しと10の行を切り出して編集部が作成

公共建築工事標準仕様書は、国の建物の工事で使う材料や工法の標準を定めた書類です。この仕様書は、工事が終わったときの建物の状態を表す完成図について、特記(図面など、その工事だけの書類での指定)が無いときの種類を決めています。

その中に仕上表が入り、記入内容は「屋外、屋内の仕上げ」です。仕上表と建具表が何を表す図面か、図面一式のどこに並ぶかは、「建築図面の仕上表と建具表とは|表で表す図面」の記事で解説しています。

外部仕上げと内部仕上げを分けて読む

仕上表の記載事項には、外部仕上げと内部仕上げが別の項目として並んでいます。

国土交通省の資料は、この2つの項目を定めていますが、それぞれの中に部屋や部位の欄をどう並べるかまでは定めていません。そのため、欄の並びは図面によって違うことがあるでしょう。

仕上表とは別に、部位ごとの仕上げの納まり(部材どうしの取り付け方や接し方)を示す図もあります。国土交通省の建築工事標準詳細図は、国の建物の設計でよく使う細部の納まりを標準にした図集です。

この図集は、仕上げの詳しい図を、「床:仕上げ」「壁:仕上げ」「天井:仕上げ」のように部位ごとに分けています。床と壁の境目に付く幅木も、「壁取合い:床-幅木-壁」という別の図にまとめています。

建築工事標準詳細図の「壁取合い:床-幅木-壁」のうち、ビニル幅木と木製幅木の図
床と壁の境目に付く幅木の図。上がビニル幅木、下が木製幅木。出典:国土交通省「建築工事標準詳細図(令和4年改定)」2-11 壁取合い:床-幅木-壁 の一部を切り出して編集部が作成

同じ図には、石材幅木や幅木なしの図もあります。

内外付属品も仕上表の項目

仕上表には、外部と内部の仕上げのほかに、「内外付属品」の項目があります。資料は、この項目に何を書くかまでは定めていません。

法規上の表現で不燃材料・準不燃材料を読む

仕上表の「法規上の表現」には、不燃材料・準不燃材料などを書きます。どちらも建築基準法と建築基準法施行令で定められた言葉です。

  • 不燃材料:建築材料のうち、通常の火災の火熱が加わってから20分間、燃焼しないこと・防火上有害な変形や溶融などの損傷を生じないこと・避難上有害な煙やガスを出さないこと(外部の仕上げに使うものは初めの2つ)の性能を満たすもの。国土交通大臣が定めたものか、大臣の認定を受けたものに限られます(建築基準法第2条第九号、施行令第108条の2)
  • 準不燃材料:建築材料のうち、同じ3つの要件(外部の仕上げに使うものは初めの2つ)を、火熱が加わってから10分間満たすもの。国土交通大臣が定めたものか、大臣の認定を受けたものに限られます(建築基準法施行令第1条第五号)

仕上げに使う材料が法令のどの区分に当たるかは、仕上表のこの項目で確かめてください。法令の詳しい決まりは、「不燃材料・準不燃材料・難燃材料|燃えにくさによる区分」の記事で解説します(準備中)。

凡例で略号を読む

仕上表の凡例は、表の中で使う略号の意味を示す欄です。

資料は、略号を使う場合の決まりを「資料1 略号」の表にまとめています。仕上げに使う塗装や塗材、ボード類は、表の「材料・工法」の項目にあります(同じ項目に管類も入っています)。

資料1 略号のうち「材料・工法」の項目。塗装工法、仕上塗材、パネル・ボード類、管類の表示事項と表示略号
資料1 略号の「材料・工法」の項目の全体。左の列から右の列へ続く。出典:国土交通省「建築工事設計図書作成基準の資料(令和2年改定)」資料1 略号の「材料・工法」を切り出して編集部が作成

表の表示事項(材料や工法の名前)は資料のとおりで、公共建築工事標準仕様書の令和7年版の名前には直していません。

区分表示事項表示略号
塗装工法合成樹脂調合ペイント塗りSOP
塗装工法クリヤーラッカー塗りCL
塗装工法アクリル樹脂系非水分散形塗料塗りNAD
塗装工法耐候性塗料塗りDP
塗装工法つや有合成樹脂エマルションペイント塗りEP-G
塗装工法合成樹脂エマルションペイント塗りEP
塗装工法合成樹脂エマルション模様塗料塗りEP-T
塗装工法ウレタン樹脂ワニス塗りUC
塗装工法ラッカーエナメル塗りLE
塗装工法オイルステイン塗りOS
塗装工法木材保護塗料塗りWP
薄付け仕上塗材外装けい酸質系薄付け仕上塗材外装薄塗材Si
薄付け仕上塗材可とう形外装けい酸質系薄付け仕上塗材可とう形外装薄塗材Si
薄付け仕上塗材外装合成樹脂エマルション系薄付け仕上塗材外装薄塗材E
薄付け仕上塗材可とう形外装合成樹脂エマルション系薄付け仕上塗材可とう形外装薄塗材E
薄付け仕上塗材防水形外装合成樹脂エマルション系薄付け仕上塗材防水形外装薄塗材E
薄付け仕上塗材外装合成樹脂溶液系薄付け仕上塗材外装薄塗材S
薄付け仕上塗材内装セメント系薄付け仕上塗材内装薄塗材C
薄付け仕上塗材内装消石灰・ドロマイトプラスター系薄付け仕上塗材内装薄塗材L
薄付け仕上塗材内装けい酸質系薄付け仕上塗材内装薄塗材Si
薄付け仕上塗材内装合成樹脂エマルション系薄付け仕上塗材内装薄塗材E
薄付け仕上塗材内装水溶性樹脂系薄付け仕上塗材内装薄塗材W
厚付け仕上塗材外装セメント系厚付け仕上塗材外装厚塗材C
厚付け仕上塗材外装けい酸質系厚付け仕上塗材外装厚塗材Si
厚付け仕上塗材外装合成樹脂エマルション系厚付け仕上塗材外装厚塗材E
厚付け仕上塗材内装セメント系厚付け仕上塗材内装厚塗材C
厚付け仕上塗材内装消石灰・ドロマイトプラスター系厚付け仕上塗材内装厚塗材L
厚付け仕上塗材内装せっこう系厚付け仕上塗材内装厚塗材G
厚付け仕上塗材内装けい酸質系厚付け仕上塗材内装厚塗材Si
厚付け仕上塗材内装合成樹脂エマルション系厚付け仕上塗材内装厚塗材E
複層仕上塗材ポリマーセメント系複層仕上塗材複層塗材CE
複層仕上塗材可とう形ポリマーセメント系複層仕上塗材可とう形複層仕上塗材CE
複層仕上塗材防水形ポリマーセメント系複層仕上塗材防水形複層塗材CE
複層仕上塗材けい酸質系複層仕上塗材複層塗材Si
複層仕上塗材合成樹脂エマルション系複層仕上塗材複層塗材E
複層仕上塗材防水形合成樹脂エマルション系複層仕上塗材防水形複層塗材E
複層仕上塗材反応硬化形合成樹脂エマルション系複層仕上塗材複層塗材RE
複層仕上塗材防水形反応硬化形合成樹脂エマルション系複層仕上塗材防水形複層塗材RE
複層仕上塗材合成樹脂溶液系複層仕上塗材複層塗材RS
複層仕上塗材防水形合成樹脂溶液系複層仕上塗材防水形複層塗材RS
軽量骨材仕上塗材吹付用軽量骨材仕上塗材吹付用軽量塗材
軽量骨材仕上塗材こて塗用軽量骨材仕上塗材こて塗用軽量塗材
マスチック塗材マスチック塗材塗り A種マスチックA
マスチック塗材マスチック塗材塗り B種マスチックB
パネル・ボード類軽量気泡コンクリートパネルALC
パネル・ボード類押出成形セメント板ECP
パネル・ボード類テラゾブロックTB
パネル・ボード類せっこうボードGB-R
パネル・ボード類せっこうラスボードGB-L
パネル・ボード類化粧せっこうボードGB-D
パネル・ボード類シージングせっこうボードGB-S
パネル・ボード類強化せっこうボードGB-F
パネル・ボード類不燃積層せっこうボードGB-NC
パネル・ボード類ロックウール化粧吸音板DR
パネル・ボード類ロックウール吸音ボードRW-B
パネル・ボード類グラスウール吸音ボードGW-B
パネル・ボード類けい酸カルシウム板0.8FK, 1.0FK
パネル・ボード類硬質木毛セメント板HW
パネル・ボード類普通木毛セメント板NW
パネル・ボード類硬質木片セメント板HF
パネル・ボード類普通木片セメント板NF
管類硬質ポリ塩化ビニル管VP, VU
管類リサイクル硬質ポリ塩化ビニル三層管RS-VU
管類遠心力鉄筋コンクリート管HP
管類配管用鋼管SGP
管類配管用つば付き鋼管TGP
管類構造用鋼管STK
管類亜鉛めっき鋼管SGPW

仕上表の中の略号は、その図面の凡例か資料1 の表で、表示事項(材料や工法の名前)を引いて読みましょう。

資料1 の塗装の名前には、公共建築工事標準仕様書の令和7年版と名前が合わないものがあります。材料や工法の名前の書き方は、「仕上表の下地と仕上げの表記|材料の名前の書き方」の記事で解説しています。

FL や GL のように、どの図面にも出てくる略語の読み方は、「建築図面の略語の読み方|FL・CH・GL・SL」の記事で解説しています。

仕上表に無い部分的な仕上げは立面図で読む

国土交通省の資料では、立面図の「外部仕上げ」の項目に、仕上材の位置と範囲を書きます。その備考は「仕上表等で表現できない、部分的な仕上材が有る場合に記載する」です。

立面図の記載事項のうち「外部仕上げ」の行。備考は「仕上表等で表現できない、部分的な仕上材が有る場合に記載する」
立面図の記載事項のうち、外部仕上げの行と備考。出典:国土交通省「建築工事設計図書作成基準の資料(令和2年改定)」(9) 立面図の表の一部を切り出して編集部が作成

仕上表だけでは表しきれない部分的な仕上材があるときは、立面図の外部仕上げで位置と範囲を読みます。たとえば、外壁の一部だけ仕上げが違う建物では、その範囲が立面図に描かれます。

外壁の大部分がグレーの塗装で、1階の出入口のまわりだけ茶色のタイル張りになっている建物
外壁の大部分と、出入口のまわりだけで仕上げが違う建物。生成AIで作ったイメージです

展開図は、ほかの図面では表しきれない室について、壁面の構成や設備器具・家具の配置を表す図面です。この展開図にも、「仕上げ」の項目があります。

ただし、その備考は「他図等に示されている場合は不要」です。仕上げがほかの図に示されていれば、展開図には書かれないことがあります。

天井面の構成を表す天井伏図の記載事項にも、「仕上げ」の項目があります。

天井伏図の記載事項のうち、区画と仕上げの行
天井伏図の記載事項のうち、区画と仕上げの行。出典:国土交通省「建築工事設計図書作成基準の資料(令和2年改定)」(14) 天井伏図の表の一部を切り出して編集部が作成

展開図と天井伏図が何を表す図面かは、「建築図面の展開図と天井伏図とは|室内の壁と天井の図面」の記事で解説します(準備中)。

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この記事について

PERSC編集部が、建築の制作に関わる知識を実務目線で整理しています。内容は公開・更新日時点の情報にもとづきます。誤りや古い情報にお気づきの場合はお問い合わせよりご連絡ください。

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