search
  1. 建築知識
  2. 図面
  3. 建築図面の仕上表と建具表
  4. 建具位置図(建具キープラン)とは|平面図の建具符号との関係

建具位置図(建具キープラン)とは|平面図の建具符号との関係

編集部 読了 約5分

*2026年9月27日に確認した内容です。国土交通省の「建築工事設計図書作成基準」「建築工事設計図書作成基準の資料」(どちらも令和2年改定)によります。国土交通省の基準は、国の建物の工事(官庁営繕)のための基準です。民間の図面では、書き方が違うことがあります。

建具は、戸や窓、シャッターなどです。建物の図面では、建具ごとに建具符号(整理番号と、材質と戸か窓かを表す建具略号(WD・AW など)を組み合わせた記号)を付けます。

平面図は、各階を水平に切った断面を表す図面です。建具位置図(建具キープラン)は、国土交通省の基準では、実施設計(工事のために細部の形・寸法・仕様まで決める段階)で作る図面です。縮尺は1/100か1/200で、平面図と組み合わせてもかまいません。

国土交通省の資料には、建具位置図に何を書くかを定めた項がありません。ただし、建具位置図を作るときは、平面図の建具符号を不要としています。

建具位置図は実施設計で作る図面

国土交通省の「建築工事設計図書作成基準」は、1つの工事の図面一式について、図面の順序と名前を「4.2 図面等の順序、名称等」の表にまとめています。

表の基本設計(建物の配置や平面の構成などを決める段階)と実施設計の欄の○印は、それぞれの段階で作る図面を表します。建具位置図はその18番目で、基本設計の欄に○が無く、実施設計の欄にだけ○があります。

図面等の順序の一覧のうち、11 平面図・18 建具位置図・19 建具表の行。建具位置図は実施設計だけに○、尺度は1/100又は1/200、備考は平面図と組み合わせることができる
図面等の順序の一覧のうち、平面図・建具位置図・建具表の行。建具位置図の行の○、尺度、備考を見る。出典:国土交通省「建築工事設計図書作成基準(令和2年改定)」4.2 図面等の順序、名称等の表から見出しと3つの行を切り出して編集部が作成

建具表は、建具ごとの仕様を一覧にした表です。表の「尺度」は図面の縮尺です。

建具位置図の尺度は「1/100又は1/200」で、備考の欄には「平面図と組み合わせることができる」とあります。11番目の平面図の尺度も、同じ「1/100又は1/200」です。

同じ4.2の(1)は、表の前で、同一用紙に2つ以上の異なる図を記入できるとしています。

改修工事と設計変更の図面は、工事の対象部分に限ってよいともしています。この2つの定めは、図面の種類を限っていません。

「建具キープラン」という呼び方は、国土交通省の基準と資料には出てきません。どちらも「建具位置図」と書いています。

建具位置図を作るときは平面図の建具符号が不要

国土交通省の「建築工事設計図書作成基準の資料」は、図面ごとに書く事項(記載事項)を表にしています。この資料は、平面図の記載事項の1つに「建具符号」を挙げ、その備考を「建具位置図を作成する場合は不要」としています。

平面図の記載事項のうち、区画・建具符号・法規上の表現の行。建具符号の備考は「建具位置図を作成する場合は不要」
平面図の記載事項のうち、区画・建具符号・法規上の表現の行。建具符号の行の備考を見る。出典:国土交通省「建築工事設計図書作成基準の資料(令和2年改定)」(8) 平面図の表から見出しと一部の行を切り出して編集部が作成

平面図に建具符号を書くかどうかは、建具位置図を作るかどうかで分かれます。次の2つを見比べてみましょう。

  • 建具位置図を作る:平面図の建具符号は不要
  • 建具位置図を作らない:平面図に建具符号を書く

左は平面図に建具符号を書かず建具位置図を作る形、右は建具位置図を作らず平面図に建具符号を書く形です。左の建具位置図の中身は、資料に定めが無いので描いていません。

建具位置図を作る形(平面図には建具符号なし)と、作らない形(平面図に建具符号を書く)を並べた図
左が建具位置図を作る形、右が作らない形。部屋の形と建具符号の値は例。国土交通省「建築工事設計図書作成基準の資料(令和2年改定)」の(8) 平面図の備考をもとに編集部が作成

どちらの形でも、平面図に書くものがあります。平面図の記載事項の表の「区画」の行にある建具の位置及び種別と、「法規上の表現」の行にある防火戸の種別などです。

防火戸は、火災のときに炎をさえぎる性能を持つ戸で、建築基準法の防火設備の1つです。平面図で出入口や窓を表す記号は、「平面図の出入口と窓の記号|開き戸・引き戸・引違い窓など」の記事で解説しています。

建具符号の形と、符号に添える防火戸の種類・くつずり(出入口の床の部分に付く部材)の番号の読み方は、「建具表の読み方|形・寸法・材質・ガラス・金物・防火の別」の記事で確かめてください。

建具位置図のあとに建具表が並ぶ

国土交通省の基準の一覧では、18番目の建具位置図の次が、19番目の建具表です。

建具表の尺度は「1/50又は1/100」です。建具表も、実施設計の欄にだけ○があります。

国土交通省の資料では、建具表は、建具・建具金物・ガラスを建具ごとに表す図面とされています。

形状図(建具を室内から見た形の図)・寸法・ガラス・金物などの欄の読み方も、「建具表の読み方」の記事で解説しています。建具表の「枠回り詳細」の欄を詳しく描いた図の読み方は、「枠図の読み方|建具の枠の詳細」の記事で解説しています。

CAD の図面ファイル名の命名例では建具位置図を TF● とする

基準は、図面を CAD で作り、1図面を1ファイルにすると定めています。国土交通省の資料の「資料4 図面ファイル名の命名例」は、ファイル名を「AAABBCCC.DDD」の形で示しています。

  • AAA:半角数字3文字(図面ファイルの通し番号)
  • BB:半角大文字のアルファベット2文字(図面分類)
  • CCC:半角大文字のアルファベットまたは半角数字3文字(図面名称、通し番号、又は平面図等の階数)
  • DDD:拡張子3文字

同じ資料の表では、図面を共通・意匠・構造などに分類しています。建具位置図や平面図が入る意匠の図面分類(BB 部)は「DS」です。

CCC 部は、建具位置図が「TF●」、建具表が「TA●」、平面図が「F●●」です。●には半角数字の0〜9が入ります。

図面ファイル名の BB 部と CCC 部に使う名称の表のうち、共通と意匠の行、建具表の行と注
図面ファイル名の命名例の表。意匠の BB 部は DS、CCC 部は建具位置図が TF●、建具表が TA●。表の下の注は●の意味。出典:国土交通省「建築工事設計図書作成基準の資料(令和2年改定)」資料4 の表と注を切り出し、ページをまたぐ行をつないで編集部が作成

会員登録(無料)

記事やテーマのお気に入り・学習履歴・フォローが使えます。

この記事について

PERSC編集部が、建築の制作に関わる知識を実務目線で整理しています。内容は公開・更新日時点の情報にもとづきます。誤りや古い情報にお気づきの場合はお問い合わせよりご連絡ください。

あわせて読みたい