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  1. 壁と床の厚み|構造ごとの壁厚と仕上げの層

壁と床の厚み|構造ごとの壁厚と仕上げの層

編集部 読了 約6分

  • 木造の壁の厚さは何mmくらい?
  • 鉄筋コンクリートの床の厚みはどのくらい?
  • 壁や床がどんな層でできているかを知りたい

平面図では、壁は2本の線のあいだの幅で描かれています。しかし、その幅の中に何の層が入っているかを知らないと、部屋の実際の広さが読めません。

この記事で解説するのは、壁と床の厚みの成り立ち、木造と鉄筋コンクリート造の壁と床の厚み、鉄骨造の壁のパネル、図面での読み方です。読むと、構造ごとの壁と床の厚みと、その中の層が分かります。

壁と床の厚みは、構造の部分と、下地・断熱・仕上げの層を足したものです。

壁と床の厚みの成り立ち

木造の外壁を水平に切った図。外から、外装材・通気層・透湿防水シート・構造用合板・柱のあいだの断熱材・せっこうボードの層が並ぶ
木造の外壁の層の例。材料と値は例。編集部が作図

壁と床は、構造の部分(柱・梁やコンクリート)に、下地・断熱材・仕上げの層を重ねてできています。どの層を重ねるかで、同じ構造でも厚みが変わります。

編集部が集めた公開の住宅の設計図8件では、壁の厚みの合計を数字で書いた図面は0件でした。

木造の壁と床の厚み

木造の内壁・外壁・1階の床の断面を並べ、層ごとの厚みを書いた図
木造の住宅の壁と床の層の例。材料と値は例。編集部が作図

木造の壁と床は、柱や床の下地の上に、ボードや床材を重ねてつくります。見る所は、次の3つです。

  • 内壁の厚み
  • 外壁の層
  • 床の層

内壁の厚み

廊下の幅などを計算するときは、木造の部屋どうしの壁を、柱 105mm の両側に 12.5mm のせっこうボードを張った形として扱います。足すと、厚みは 130mm です。

柱の中心から見ると、両側に 65mm ずつ壁があることになります。両側が壁の廊下なら、柱の中心どうしの寸法から 65mm を2回、合わせて 130mm を引くと実際の幅が出ます。

せっこうボードの厚さは、9.5mm か 12.5mm が一般的です。ボードの厚さが変われば、壁の厚みも変わります。

外壁の層

外壁の層は、矩計図(外壁の部分を縦に切り、材料の重なりを詳しく描いた図面)で読めます。集めた矩計図10件のうち8件が、外装材・通気層・透湿防水シートの層を書いていました。

通気層は外装材の裏にあけた空気の抜けるすき間で、透湿防水シートは水を止めて湿気を外へ逃がすシートです。

その内側には、木造6件のうち5件が構造用合板などの面材を書き、10件すべてがせっこうボードを書いていました。

たとえば、枠組壁工法(ツーバイフォー)の確認申請の図面の作成例では、外から次の順に層が並びます。

  • サイディング 16mm
  • 通気胴縁(通気層をつくるために外装材の裏に留める細い材)と透湿防水シート(厚みの書き込みなし)
  • 構造用合板 9mm
  • グラスウール 89mm
  • せっこうボード 12.5mm

厚みの書かれた層だけを足すと 126.5mm で、外壁の厚みはこれに通気胴縁の厚みを加えた値です。

解体中の壁の断面の前で、若い作業者がしゃがみ、壁の中の層を指で数えている場面
壁の中の層を確かめる場面のイメージ

床の層

木造の1階の床は、仕上げの床材の下に合板を敷きます。集めた木造住宅の図面5件のうち3件が、仕上げ 12〜15mm と構造用合板 24mmの組み合わせで、足すと 36〜39mm です。

残りの2件は、合板 12mm の下に根太を入れる形でした。

2階の床は、床材から根太(床板を支える木材)、下の階の天井のせっこうボードまでを、1つの重なりとして読みます。

枠組壁工法の作成例では、床材 12mm・合板 15mm・根太 235mm です。その下の天井とのすき間 10mm と、せっこうボード 9.5mm×2 まで足すと 291mm になります。

鉄筋コンクリート造の壁と床の厚み

鉄筋コンクリートの床と壁の断面。法令の最低の厚さと、マンションの床の厚さを並べた図
鉄筋コンクリート造の床と壁の厚さの例。値は例。編集部が作図

鉄筋コンクリート造の壁と床の厚さには、法令で決まった最低の値があります。見る所は、次の2つです。

  • 床(スラブ)の厚さ
  • 壁の厚さ

床(スラブ)の厚さ

鉄筋コンクリートの床の板は床版といい、スラブとも呼びます。建築基準法施行令の最低の厚さは、80mm 以上で、かつ短い辺の方向の有効な張り間(床を支える所と所のあいだ)の40分の1以上です。

マンションの床(スラブ)は、それより厚い 180〜200mm か、それ以上が目安です。床が厚いほど、上の階の音が下の階に伝わりにくくなります。

共同住宅などで住宅性能表示(住宅の性能を共通の基準で表す任意の制度)を受けるときは、床の重い衝撃音の伝わりにくさを「相当スラブ厚」で表せます。

相当スラブ厚は、音の伝わりにくさを、同じ働きをするコンクリートの1枚の床の厚さに換えた値です。

区分は 270mm 以上・200mm 以上・150mm 以上・110mm 以上・その他の5つで、実際の床の厚さとは別の値として読みます。

壁の厚さ

建物の重さと、地震や風の横からの力に耐える構造の壁を、耐力壁と呼びます。鉄筋コンクリート造の耐力壁の、建築基準法施行令の最低の厚さは 120mm です。

壁式鉄筋コンクリート造では、階の数によって耐力壁の最低の厚さが変わります。平屋は 120mm、2階建ては 150mm、3階建て以上は最上階 150mm・その他の階 180mm で、地階は 180mm です。

鉄骨造の壁に使う ALC パネルの厚さ

ALCパネルの厚形と薄形を並べた図。厚形は75mm以上、薄形は35mm以上75mm未満
ALC パネルの厚さの区分。編集部が作図

鉄骨造の壁に使う材料の1つに、ALC パネル(軽量気泡コンクリートのパネル)があります。ALC の業界団体の区分は、厚さによる厚形と薄形の2つです。

厚形パネルは 75mm 以上で、主に鉄骨造や鉄筋コンクリート造などの耐火建築物に使います。外壁用は 100〜200mm、間仕切壁用は 75〜200mm です。

薄形パネルは 35mm 以上 75mm 未満で、50mm は鉄骨造と木造に、35mm・37mm は主に木造に使います。

図面で壁と床の厚みを読む

矩計図の外壁の層の引出線の文字と、層ごとの厚みを足して壁の厚みを出す図
矩計図の書き方をもとに、編集部が作図。値は例

図面で壁と床の厚みを知るには、矩計図などに書かれた層ごとの厚みを足していきます。外壁の層の文字は、順が読めた矩計図8件のうち7件が外から内の順でした。

部屋の実際の広さを出すときは、柱の中心から部屋の側にある厚みを引きます。外壁では、柱の半分に内側の層の厚みを足した値を引きます。

層の厚みを足して壁と床の厚みを確かめよう

この記事のまとめの表。木造の内壁130、外壁と床の層、鉄筋コンクリートの最低の厚さ、ALCパネルの厚さ、図面での読み方
この記事のまとめ。値は例。編集部が作成

壁と床の厚みは、構造の部分に下地・断熱・仕上げの層を重ねた合計です。この記事で見たのは、次の4つです。

  • 木造の壁と床の厚み
  • 鉄筋コンクリート造の壁と床の厚み
  • 鉄骨造の壁に使う ALC パネルの厚さ
  • 図面で壁と床の厚みを読む

矩計図を開いたら、外壁の層の厚みを外から順に足して、壁の厚みを出してみてください。

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