Twinmotionの天候・季節設定|雨・雪・風・季節で表現を変える
Twinmotionの天候・季節設定|雨・雪・風・季節で表現を変える
せっかく作った建物を、晴れた昼間の1パターンだけで見せていませんか。Twinmotion(Epic Games製の無料リアルタイム建築ビジュアライズソフト)なら、スライダーを動かすだけで同じモデルを春夏秋冬や、晴れ・雨・雪へと切り替えられます。天候と季節を変えるだけで、同じ設計案でも受け取られ方が大きく変わります。
この記事では、TwinmotionのEnvironment(環境設定)パネルにある季節・降水・風の設定と、それらが植栽や地表にどう連動するかを解説しています。2025年2月公開の2025.1でスライダーが分離し、雨と雪、季節と落葉をより自由に組み合わせられるようになった点も反映しました。
Twinmotionの天候・季節設定でできること
Twinmotionは季節・降水・風という3系統のスライダーを動かすだけで、同じモデルを春夏秋冬や晴雨雪に切り替えられます。2025.1ではSeason(季節)配下にまとまっていた天候のスライダーが分離し、雨と雲、雪と紅葉を別々に扱えるようになりました(Twinmotion 2025.1 Release Notes、2026年7月現在)。
この自由度がなぜ大切かというと、建築プレゼンでは「梅雨時の見え方」「雪国での冬景色」など、実際の立地や季節に合わせた画が求められるからです。スライダー方式なので、モデルを作り直すことなく1つのシーンから複数の天候パターンを出力できます。
Environmentパネルにある天候・季節の項目
Environmentパネルには、Season(季節)、降水(雨・雪)、Wind(風)、Fog(霧)、雲、Horizon(地平線)、Ocean(海)といった項目が並んでいます。天候・季節に関わるのは、このうちSeason・降水・Wind・Fog・雲の5つです。
Twinmotionの空には、時間や太陽で動くDynamic sky(動的な空)と、実写の全天球画像で照らすHDRI(360度撮影した実写の光情報)の2モードがあります。Season・Wind・Fog・Horizon・Oceanの設定は、この両モードで共有されます(Twinmotion 2025.1 Release Notes、2026年7月現在)。つまり空の作り方をHDRIに変えても、季節や風の設定はそのまま引き継げるということです。
雲そのものの作り込みは天候の印象を大きく左右しますが、量が多いのでTwinmotionのHDRIスカイとボリュメトリック雲|空作りの実践で解説しています。ここでは季節・降水・風に絞って進めます。
2025.1でスライダーが分離した意味
以前のTwinmotionは、季節を動かすと天候もある程度連動して変わる作りでした。2025.1では季節・降水・落葉を独立して調整できるようになり、たとえば「雪を降らせつつ、木には紅葉を残す」といった組み合わせも作れます(Twinmotion 2025.1 Release Notes、2026年7月現在)。
現実には起こりにくい組み合わせですが、表現の幅としては大きな意味を持ちます。「雨は降らせたいが空は明るく保ちたい」といった、写真映えを優先した調整ができるようになったからです。分離スライダーは、この記事で取り上げる雨・雪・風・季節すべての土台になる考え方です。
季節スライダーで春夏秋冬を切り替える
季節スライダーは、主に植栽の葉に効きます。落葉樹の葉の色と量、そして地表の積雪までが季節に応じて自動で変わる仕組みです。スライダーを春から冬へ動かすと、緑の葉が色づき、やがて落ちて、地面が雪に覆われていきます(Twinmotion公式、2026年7月現在)。
建築ビジュアライズでこれが役立つのは、周辺の緑量が季節で大きく変わるからです。夏は生い茂った緑で建物が隠れ、冬は葉が落ちてファサードがよく見える、といった見え方の違いを1つのシーンで確認できます。
季節スライダーが変える3つの要素
季節スライダーが動かすのは、葉の色・落葉量・地表の状態の3つです。緑から紅葉への変色、枝に残る葉の量、そして冬の積雪が、スライダー1本に連動します。
3つが1本で動くため、微調整には少しコツがあります。「紅葉は出したいが、まだ葉は落としたくない」という場合、2025.1の分離スライダーなら季節と落葉を別々に寄せられます。旧バージョンの感覚のまま操作すると、意図せず葉が全部落ちてしまうことがあるので、どのスライダーが何に効くかを一度確認しておくと安心です。
落葉樹と常緑樹で効き方が違う
同じ季節設定でも、木の種類によって見え方は変わります。落葉樹(秋に葉を落とす木)は色と量が大きく変化し、常緑樹(一年中葉が残る木)はほとんど変わりません。マツやスギのような常緑樹ばかりのシーンだと、季節スライダーを動かしても紅葉が出ずに戸惑うことがあります。
積雪については、2025.1でMegascans(Epic Gamesの高精細3D素材ライブラリ)の3D植物が雪の影響を受けなかった不具合が修正されました(Twinmotion 2025.1 Release Notes、2026年7月現在)。冬景色で植栽に雪が乗らないときは、使っている素材が対応しているかを確認してください。植栽の選び方や置き方そのものはTwinmotionの植栽・フォリッジ配置で詳しく解説しています。
雨・雪の降らせ方と地表・植栽への連動
降水スライダーを使うと、雨と雪を独立して出せます。雨は地表を濡らして反射を変え、雪は地表や植栽に積もります。季節スライダーとは別系統なので、季節を秋のままにして雨だけ降らせる、といった調整もできます。
天候を足すと画がぐっと引き締まりますが、明るさや色も一緒に変わります。降水を足したら、次に紹介する露出の調整までをセットで考えると仕上がりが安定します。
雨を降らせて濡れ表現を出す
降水を雨に振ると、地表の反射が強まり、濡れた質感が出ます。アスファルトや石畳が光を反射し、雨上がりのようなしっとりした画になります。雨は天候の中でも建築パースの雰囲気を大きく変える要素です。
一方で、雨のシーンは空が曇って全体が暗くなりがちです。暗いまま書き出すと沈んだ印象になるので、カメラの露出やホワイトバランスで明るさと色みを整えます。この調整はTwinmotionの露出・ホワイトバランス調整で解説しています。
雪を降らせて積雪を出す
雪は季節と独立して降らせられます。季節スライダーを冬まで動かさなくても、降水だけを雪にすれば降雪と積雪を表現できます。逆に、紅葉を残したまま雪を降らせる組み合わせも2025.1なら作れます(Twinmotion 2025.1 Release Notes、2026年7月現在)。
積雪の乗り方は素材によって差が出ます。前述のとおりMegascansの植物は2025.1で雪に対応したので、冬の外構を作るならこのあたりの素材を選ぶと積雪が自然になります。
風で降水角度と植栽の揺れを変える
風は、降ってくる雨・雪の角度と、木や草の揺れを同時に動かします。風速と風向きの2つで調整するのが基本です。無風だと雨が真下にまっすぐ落ちますが、風を加えると斜めに降り、天候の激しさが伝わります。
風は静止画だけでなく、動画やアニメーションで効いてきます。植栽が揺れると空気の流れが感じられ、シーンに生命感が出ます。
風速で雨・雪の降る角度を変える
風速を上げると、雨や雪が斜めに降るようになります。真下に落ちる雨は穏やかな印象ですが、斜めに流れる雨は嵐のような緊張感を生みます。降水の量と風速を組み合わせることで、小雨から暴風雨までを段階的に作り分けられます。
風向きで木や草の揺れを演出する
風向きを変えると、植栽の揺れる向きが変わります。Twinmotionは植栽に対して自然な風のアニメーションを持っており、木々が同じ方向になびくことで、シーン全体に統一感のある空気の流れが生まれます。動画で建物の前に並木を配置するときなど、風向きをそろえるだけで説得力が変わります。
Twinmotionの天候・季節設定を編集部が使ってみました
編集部が使ってみましたが、Twinmotionの天候・季節設定でいちばん実務に効くと感じたのは、スライダーの操作結果がビューポート(作業画面のプレビュー)に即座に反映される点です。季節を春から冬へゆっくり動かすと、葉の色と量、地表の雪がリアルタイムに変わっていくため、狙った見え方をその場で追い込めます。
2025.1の分離スライダーは、実際のプレゼン制作で使い勝手が良い設計だと感じました。旧バージョンでは季節と天候が一緒に動いてしまい、「雨は欲しいが季節は夏のまま」という微調整が難しかったからです。降水と季節を別々に寄せられるようになったことで、写真映えを優先した非現実的な組み合わせまで自由に作れます。
注意点として、積雪と植栽の相性は素材に依存します。手持ちの植栽に雪が乗らないときは、Megascans対応の素材へ差し替えるのが近道です。スライダーの自由度が高いぶん、「どのスライダーが何に効くか」を最初に把握しておくと、迷わず操作できるはずです。
天候・季節設定の活用シーンと次の一歩
天候・季節設定は、プレゼンの説得力を上げる強力な手段です。同じ建物を複数の季節・天候で見せることで、クライアントが1年を通した見え方をイメージしやすくなります。設計検討の段階でも、冬に葉が落ちたときの日当たりや、雨天時の外構の見え方を事前に確認できます。
こうしたバリエーションは、光や空の設定と組み合わせることでさらに活きてきます。
プレゼンで季節や天候のバリエーションを見せる
同じアングルで春と秋、晴れと雨を並べると、意思決定の材料が一気に増えます。たとえば住宅案件で「庭の緑が夏はどれくらい茂り、冬はどこまで抜けるか」を並べて見せれば、植栽計画の合意が取りやすくなります。マンションの外構なら、雨の日のアプローチの見え方を確認して、床材の反射を検討する使い方もできます。
次の一歩|光と空の設定と組み合わせる
天候・季節を決めたら、光と空の作り込みへ進むと画が完成に近づきます。季節による太陽の高さの違いはTwinmotionの太陽・空・地理座標設定で解説しています。空と雲の作り方はTwinmotionのHDRIスカイとボリュメトリック雲でまとめています。環境と気象の設定全体を見渡したいときは、Twinmotionのライティング・環境・気象ガイドを入口にしてください。
この記事のまとめ
Twinmotionの天候・季節設定は、季節・降水・風の3系統のスライダーで成り立っています。季節スライダーは葉の色・落葉・積雪を動かし、降水スライダーは雨と雪を独立して出し、風は降水の角度と植栽の揺れを同時に変えます。2025.1でスライダーが分離したことで、雪と紅葉の併存のような自由な組み合わせが可能になりました。
実務では、同じモデルを複数の季節・天候で見せることがプレゼンの説得力につながります。雨天で暗くなったら露出を整え、季節で太陽の高さが変わったら太陽・空の設定を見直す、というように、隣り合う設定とセットで調整すると仕上がりが安定します。天候と季節を味方につけて、設計案の魅力を1年分の見え方で伝えていきましょう。
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