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3DCG · Twinmotion

Twinmotionの露出・ホワイトバランス調整|画を整えるカメラ設定

編集部 読了 約12分

Twinmotion(Epic Games製の建築向けリアルタイムレンダラー)でつくった画が「なぜか明るすぎる」「暗くてしずんでいる」「全体的に青い、または黄色い」と感じることがあります。太陽やライトの当てかたはあっているのに画がしっくりこないとき、原因のおおくはカメラ側の露出とホワイトバランスにあります。

この記事では、自動露出のしくみと手動での固定・調整、色温度(Kelvin)による色あわせをあつかいます。さらに光を部分的にきかせるLighting Channelsまで、Ambienceパネルに集まったカメラ設定を操作順にたどります。

太陽やHDRI(360度撮影した実写の光データ)・人工照明そのもののつくりかたはあつかいません。あくまで「つくった光をどう写すか」にしぼるため、光源側をつめたいときはTwinmotionのライティング基本を先によむと理解がはやくなります。

なお、この記事で挙げる数値は、Twinmotionの公式ドキュメントで2026年7月に確認したものです(バージョンは2026.1基準)。

露出とホワイトバランスは「画の印象」を最後にきめる設定

露出は明るさ、ホワイトバランスは色を担当する、カメラ側のポストプロセス(撮影後の調整)です。光源をつくり込んだあとの最終段階で画の印象をきめるため、ここがずれると光の設計が正しくても画は破綻します。

「光をつくる」と「光を写す」は別工程

太陽・HDRI・人工照明が正しく置けていても、カメラの露出と色設定によって画は大きくかわります。おなじシーンでも、露出を1段上げれば明るく、色温度を下げれば暖かい印象になります。

露出は「どれくらいの明るさで写すか」、ホワイトバランスは「どの色を白として写すか」をきめる設定です。写真でいうカメラの露出補正とホワイトバランスに相当します。

光源そのもののつくりこみはTwinmotionのライティング基本で解説しており、この記事は写す側だけに集中します。露出(露光)というかんがえかたそのものを写真やCG横断でふかめたいときは、レンダリングの露出・露光のかんがえかたもあわせてよむと土台が固まります。

設定は「Ambience(アンビエンス)」に集約されている

露出・ホワイトバランス・レンズ効果は、Scene GraphからAmbienceをえらんで開くパネルにまとまっています。Exposure & WB、Local Exposure、被写界深度などのカメラ設定が一箇所に並ぶため、画を整える作業はここが起点になります(2025.1でEnvironment/Ambienceの構成が再編されたため、パネルの位置や名称はバージョンでかわることがあります)。

Twinmotionの露出は、2023.2でEV100(実世界の露出)ベースへうつりました(Twinmotion 2023.2 Release Notes)。そのため実カメラの露出補正とおなじ感覚で明るさをあつかえます。

作業の順番は「露出→色→効果」が失敗しにくい流れです。明るさがあわないまま色や効果を盛ると、どこがずれているのかきり分けにくくなります。

自動露出(Auto-exposure)の仕組みとつかいどころ

Auto-exposureは、シーンの明るさを見て見やすい露出へ自動でよせる機能です。屋内外をいききする視点では便利ですが、一定の明るさをたもちたい場面では自動追従がかえって邪魔になります。

Auto-exposureはシーンの明るさを見て自動でよせる

Auto-exposureは、シーン全体の輝度(luminance=画面の明るさの量)を計算し、明るすぎ・暗すぎを自動で補正します(Twinmotion Ambience Settings)。屋外から屋内へ視点をうつすと、人の目が慣れるように明るさが自動で追従します。

2023.2でアルゴリズムが更新され、26段(stops)という広い明るさレンジに対応しました(旧4段から拡大/Twinmotion 2023.2 Release Notes)。まぶしい屋外から暗い室内までを1つの視点移動でカバーできる範囲がひろがっています。

自動のままだとこまる場面と対処

連番出力やアニメーションで一定の明るさをたもちたいとき、自動追従は「明るさのブレ」として現れます。カメラがすこし動くたびに露出がかわると、書き出した連番の明るさがカットごとにばらつきます。このときはAuto-exposureをオフにして、明るさを固定するのが確実です。

旧バージョンでつくったシーンを開くと、レンジ拡大の影響で明るさがかわることがあります。そのときはExposureの手動補正で元の見えかたにちかづけます(Twinmotion 2023.2 Release Notes)。

屋外シーンで露出が大きくあばれる主因は太陽光量です。太陽側の光のつよさや角度はTwinmotionの太陽・空・地理座標設定で解説しているため、露出だけでなおしきれないときは光源側の設定もみなおしてください。

露出を手動で整える(Exposureと部分露出)

連番で書き出すと、カットごとに明るさがばらついてこまったことはないでしょうか。手動露出の基本は、Exposureで基準の明るさを固定し、Local Exposureで白飛び・黒つぶれを部分的にすくうことです。複数カットで明るさをそろえたい建築パースの実務では、自動より手動のほうが安定します。

Exposureで基準の明るさをきめる

Auto-exposureをオフにすると、Exposure値(露出補正)で明るさを一定に固定・調整できます。値を上げれば明るく、下げれば暗くなります。EV100ベースのため、特定の数値を暗記するより「今の画から何段上げ下げするか」でかんがえると迷いません。

たとえば住宅の内観で、リビング・ダイニング・キッチンの3カットをおなじ明るさで納品したいとき、まず基準の1枚をExposureできめてから、のこりのカットを小さめの補正で微調整するとそろえやすくなります。

Local Exposureで白飛び・黒つぶれをすくう

Local ExposureをEnableにすると、Exposureに加えて明部と暗部のディテールをたもてます。窓の外が真っ白に飛び、室内が黒くしずむという内観パースの典型的な問題を、1枚の中で両立させる調整です(Twinmotion Ambience Settings)。

設定レンジ効果
Highlights0.00〜1.00白飛びした明部のディテールをもどす
Shadows0.00〜1.00暗部を持ち上げてディテールをみせる

ソース: Twinmotion Ambience Settings(公式)

大きな窓から明るい庭が見える住宅の内観では、Highlightsを上げると窓の外の植栽が白飛びからもどり、Shadowsを上げると窓際の家具の陰影が見えてきます。ただし両方を上げすぎると、コントラストの薄い眠い画になります。ディテールがもどる最小限の値にとどめるのがコツです。

ホワイトバランスとTintで色をあわせる

画が青っぽい、または黄色いと感じたことはないでしょうか。ホワイトバランスは色温度(Kelvin)で暖色・寒色の傾きを、Tintは緑・マゼンタ方向のかぶりを補正します。光源を触らずにカメラ側で色を中立にできるため、青い・黄色い・緑っぽいといった違和感をまとめて整えられます。

色温度(Kelvin)で暖色・寒色をきめる

White bal.はKelvinスケールで、1500 Kから15,000 Kまで設定できます。低い値ほど暖色(黄み)、高い値ほど寒色(青み)に振れます(Twinmotion Ambience Settings)。

画が青いと感じたら値を下げて暖かい方向へ、黄色すぎたら値を上げて涼しい方向へ動かすのが基本のかんがえかたです。木質の内装が冷たく見えるオフィスパースなら、色温度をすこし下げるだけで素材の温かみがもどります。

Tintで緑・マゼンタのかぶりを取る

Tintは、カメラセンサーの色バランスを緑からマゼンタの方向へ調整する設定です。蛍光灯の緑かぶりのように、光源由来の色ズレを補正するときにつかいます(Twinmotion Ambience Settings)。

ただし、暖色の室内灯や夕日の赤みは、おおくの場合それ自体が設計した光の意図です。かぶりを取りすぎると空気感まで消えてしまうため、ねらった色はのこす方向で調整します。人工照明そのものの色設定はTwinmotionの人工照明配置で解説しています。

Lighting Channelsで光を部分的にコントロールする

Lighting Channelsは、特定のオブジェクトを特定のライトだけで照らす部分調整の機能です。「この什器だけこのスポットで光らせたい」という演出を、光源を増やさずに実現できます。ただしLumen(Unreal Engine由来のリアルタイム大域照明のしくみ)の反射・GI(間接光)ではきかない場合があります。

チャンネルを共有した光だけが対象を照らす

オブジェクトとライトには最大3つのチャンネルをわりあてられ、おなじチャンネルを共有するライトだけがそのオブジェクトを照らします(Lighting Channels in Twinmotion)。はじめはすべてChannel 0に属し、すべてのライトが通常どおり互いに照らし合います。

ショールームの一角で、展示する家具だけを専用スポットでうかび上がらせたいとき、その家具とスポットにだけ別チャンネルを共有させれば、周囲の照明の影響をきり離してみせられます。

わりあて手順と運用の注意

オブジェクトまたはライトをえらんで、PropertiesパネルのLighting channelsをEnableにし、つかいたいチャンネルをトグルします。

要素仕様注意
チャンネル数最大3チャンネル(標準はすべてChannel 0)わりあてないと通常どおり全ライトが照らす
わりあて場所Properties > Lighting channels をEnableオブジェクトとライトは別々にわりあてる
一括わりあて不可同時選択でまとめてわりあてられない

ソース: Lighting Channels in Twinmotion(公式)

運用でつまずきやすいのが、オブジェクトとライトへのわりあてを別々におこなう点です。両方におなじチャンネルを設定して初めて対応が成立します。照らす側のスポット・エリア・IESライトのつくりかたはTwinmotionの人工照明配置で解説しているため、光源づくりとチャンネル運用を分けて進めると混乱しません。

Lumenの反射・GIではきかない点に注意

Lighting Channelsがきくかどうかは、レンダーモード(Ray lighting mode=光をどう追跡するかの設定)でかわります。LumenでRay lighting modeがReflections onlyまたはFullのとき、Lighting Channelsは非対応です(Lighting Channels in Twinmotion)。

このとき、チャンネルで制限したはずのライトが反射やGIにチャンネルを無視して現れ、意図しない場所が明るく見えることがあります。部分調整を厳密にきかせたいときは、まず自分のシーンのRay lighting modeをたしかめ、その条件にあわせてわりあてをみなおしてください。

露出・WB調整のつまずきどころ|編集部の所感

公式ドキュメントの数値だけでは、どこから手をつけるかつかみにくい操作の勘どころがあります。編集部の所感として、自動と手動のつかい分けや、色をつめるときの刻み幅のかんがえかたを、仕様と設計の面から見ていきます。

自動と手動のつかい分け(設計から見た勘どころ)

編集部では、内から外へ視点を動かしたときのAuto-exposureの追従に注目しています。静止画やアニメーションの書き出しでは、この追従が明るさのブレになるため、手動固定へきり替えるほうが安定しやすい設計です。

White bal.は100〜200Kの小刻みでつめると、木質内装の色をねらいへよせやすくなります。大きく動かすより、すこしずつよせるほうが破綻しにくいかんがえかたです。Local ExposureのHighlightsは、大きな窓のある内観で効果がわかりやすく、白飛びした窓外の緑がもどる変化をたしかめやすい設定です。

露出・色を整えた先にたす仕上げの効果

露出と色がきまったら、最後の調整として周辺効果を最小限にたします。Vignetting(周辺減光、0%〜100%)は画面のふちを暗くして視線を中心へ導きます。Bloom(Intensity 0.00〜100.00)は明るい部分をやわらかくにじませます。被写界深度(Aperture 0.1〜22.0)はピント外をぼかして、見せたい対象を引き立てます(Twinmotion Ambience Settings)。

被写界深度は、Apertureが1.0未満だとリアルタイムモードでアーティファクト(画の破綻)が出ることがあります。まず1.0以上で様子を見て、必要ならそこからしぼる進めかたが安全です。

これらはあくまで画を盛る効果です。露出や色が合っていない段階でたすと破綻を招くため、順序はやはり「露出→色→効果」を守ります。盛りすぎて崩れたら効果をオフにもどし、Exposureを整えた状態からやりなおすと立てなおしがはやくなります。

まとめ

Twinmotionの画の印象は、光源をつくり込んだあとにカメラ側の露出とホワイトバランスで最後にきまります。露出は明るさ、ホワイトバランスは色を担当し、この2つを整えるだけでおおくの違和感は解消できます。

Auto-exposureは屋内外の移動につよい便利な機能ですが、連番やアニメで明るさを固定したいときはオフにして、Exposureで基準をきめます。窓の外の白飛びと室内の黒つぶれは、Local ExposureのHighlightsとShadowsで両立させられます。色は色温度(Kelvin 1500〜15,000K)で暖色・寒色を、Tintで緑・マゼンタのかぶりを整え、設計した光の色は消しすぎないよう気をつけます。Lighting Channelsをつかえば光を部分的にきかせられますが、LumenのReflections only/Fullでは反射・GIにきかない点だけは覚えておいてください。