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3DCG · Twinmotion

Twinmotionのインポートと再インポート|FBX/OBJ取り込みと上書き更新のコツ

編集部 読了 約15分

Twinmotion(Epic Games製・完全無料のリアルタイムレンダラー)にモデルを入れる方法は、大きく2つに分かれます。設計アプリと常時つなぐDatasmith Direct Linkと、書き出したファイルを読み込むファイル取り込みです。2026.1では、FBX(3Dソフト間でモデルを受け渡す標準的なファイル形式)とOBJ(形状データを中心にやり取りするシンプルな3D形式)の取り込みが、新しい「Interchange」というしくみに切り替わりました。

この記事では、Direct Linkが使えないデータをFBX/OBJで取り込む手順と、モデルを更新したときの再インポート(読み込み直しによる上書き更新)を解説します。

とくに気になるのは、Twinmotionで整えた質感や配置が、再インポートで消えてしまわないかという点ではないでしょうか。加えた調整(オーバーライド)を残すための親子ルールまで、編集部が公式ドキュメントを読み解いて整理しました。

Twinmotionへの取り込みは2系統|この記事が扱うのは「ファイル取り込み」

Twinmotionへのデータの入れ方は、設計アプリと常時つなぐDirect Linkと、書き出したファイルを読み込むファイル取り込みの2系統です。更新が頻繁なモデルはDirect Linkが基本になり、この記事はそれが使えないデータをFBX/OBJで取り込む方法を扱います。

Direct Linkが使えるならまずそちら

更新のたびの手作業を減らしたいなら、まずDirect Linkが使えるかを確認してください。Direct Linkは対応するDCC(3DCG・CADなど設計に使うソフトの総称。Revit・Rhino・SketchUp・Archicadなど)とTwinmotionを常時つなぎ、設計側の変更をそのまま画面に流し込むしくみだからです。

たとえばRevitで窓の位置を動かした瞬間に、Twinmotionのビューにも反映されます。書き出しと読み込みを毎回はさむより手戻りが減るため、更新が続く案件ほど効果が出ます。設定と同期の詳しい手順は、Datasmith Direct Linkでライブ同期する方法で解説しています。

全体像から先に押さえたい場合は、Twinmotionの始め方完全ガイドがインストールから連携までの入口になります。

FBX/OBJのファイル取り込みが向く場面

ファイル取り込みが向くのは、Direct Linkのプラグインが用意されていないソフトからのデータや、外部から受け取った単発の3Dモデルです。過去案件のアーカイブデータを開き直すときも、書き出し済みのFBX/OBJを読み込む形になります。

再インポートのルールは、Direct Linkと .udatasmith / .fbx / .obj / .skp / .gltf/glb に共通して適用されます(出典: Reimporting Content Into Twinmotion(公式)、2026-07-10確認)。この記事では、ホストのソフトに依存しないFBX/OBJの取り込みと、モデル更新時の再インポートに絞って進めます。

FBX/OBJをTwinmotionにインポートする手順

取り込みはImport dock(取り込み用のパネル)からファイルを選び、オプションを決めて読み込むだけです。2026.1以降、FBX/OBJは新しいInterchange方式が既定で処理し、初回の再現性と、後で触れる再インポートの制御が高まっています。

取り込みの基本ステップ

取り込みはImport dockで「ジオメトリをインポート」を選び、対象のFBXまたはOBJファイルを指定するところから始まります。続けてインポートオプションを設定し、実行するとシーンにオブジェクトとして配置され、マテリアルや位置を調整できる状態になります。

FBX/OBJの既定インポータは、2026.1でInterchange(Twinmotionが新しく採用した取り込みのしくみ)になりました。従来のレガシー方式からの移行途上にあり、対象の先頭2形式がFBXとOBJです(出典: Twinmotion 2026.1 Release Notes(公式)、2026-07-10確認)。初回取り込みの再現性と、モデルを差し替えたときの制御が上がっているので、更新前提の建築モデルほど恩恵を受けます。

つまずきやすい「向き」と「スケール」

取り込み直後にモデルが倒れて入ったら、Up axis(モデルのどの方向を上とみなすかの設定)で補正します。AutoやX・Y・Zそれぞれのup/downから選べるため、建物が横倒しになるOBJではここを見直すのが近道です。単位情報を持たないファイルは、Unit conversionで単位を手動指定します。

2026.1からは、取り込み時のtransform(位置・回転・拡大縮小をまとめた情報)スケールが常に100%/100%/100%に固定され、DCC側のスケールはtransformではなくジオメトリに直接焼き込まれる仕様になりました。負値や非均一なスケールが原因の描画不具合をなくし、精度と安定性を上げるための変更です(出典: 2026.1 Release Notes(公式)、2026-07-10確認)。そのため取り込み後にスケール値が100%表示でも、異常ではありません。

スケールで多いのがOBJの単位取り違えです。OBJは単位情報を持たないことが多く、取り込み側が単位を推測するため、cmとmの取り違えで模型が100倍や1/100サイズで入りやすくなります。恒久的な直し方は、Twinmotion側で無理にスケールをいじるのではなく、書き出し元(SketchUpやRhinoなど)で単位を統一し、scale=1.0で書き出し直すことです。ドア高さ約2mや既知の寸法をテスト書き出しして検算すると、ズレにすぐ気づけます(出典: Exporting from SketchUp to Twinmotion(Vagon)、2026-07-10確認)。

押さえておきたい主なインポートオプション

オプションで最初に効くのは、階層を残すかどうか(Collapse)と、マテリアル・精度・単位の扱いです。後から個別に触れる余地を残すため、まずはKeep hierarchyで取り込むのが基本になります。

オプション役割使いどころ
Collapse階層を残すか1要素に統合するか後から個別に触るならKeep hierarchy
Up axisモデルの上方向を補正建物が倒れて入るとき
Unit conversionスケール(単位)の制御単位情報のないOBJで手動指定
Two sided geometry単一面の表裏に別マテリアル板ポリの裏表を作り分けたモデル
Enable substitutionCSVでマテリアルを一括置換多数の質感をまとめて差し替え
Full precision normals反射・シェーディングの精度向上車・製品など映り込み重視
Full precision UVsUV配置を最大精度で維持テクスチャのズレを避けたいとき
Light settings取り込む光源の強度の扱い光源付きデータの明るさ調整
Enable Naniteジオメトリを最適化ポリゴンの重いモデル
Process光源・ジオメトリの取り込み対象を選ぶ.udatasmith/.glb/.gltf取り込み時

ソース: Import Options in Twinmotion(公式)(2026-07-10確認)

階層とマテリアルに関わるオプション

Collapseは「Keep hierarchy」と「Collapse all」のどちらかを選びます。Keep hierarchyは個別のピボット(回転や移動の基準点)とメタデータを保持し、パーツごとに触れる状態を残します。あとで家具だけ動かす、窓枠だけ質感を変えるといった編集をするなら、Keep hierarchyが基本です。

単一の面の表と裏に別マテリアルを割り当てたモデルは、Two sided geometryを使うと表裏を作り分けて取り込めます。多数のマテリアルをまとめて差し替えたいときは、Enable substitutionとCSV(表計算で編集できるテキスト形式)の置換テーブルを組み合わせます。既定のCSVパスは Documents\Twinmotion[version] です。

なお「Collapse by material」は、Lumen(Twinmotionの光の計算方式)やPath tracer(高品質な描画モード)との不整合が解決できず、2026.1で廃止されました。代わりに「Collapse all」とマテリアル置換(Enable substitution)を組み合わせると、近い目的を達成できます(出典: 2026.1 Release Notes(公式)、2026-07-10確認)。

品質・最適化に関わるオプション

映り込みやシェーディングをきれいに見せたいなら、Full precision normalsで精度を上げられます。ガラスや金属の反射が多い外観カットで効いてくる設定です。テクスチャのズレを避けたい場合は、Full precision UVsでUVの配置精度を保ちます。

光源付きのデータは、Light settingsで取り込む光の強度をUse Original・300lm・TMデフォルトから選べます。ポリゴンが重くて動作が鈍いモデルは、Enable Nanite(重いジオメトリを効率よく扱うための最適化のしくみ)で軽くすると扱いやすくなります。.udatasmith.glb などでは、Processで光源・ジオメトリ・両方のどれを取り込むかを指定できます。

再インポート(上書き更新)の仕組みを理解する

モデルを直したら、Refreshで再インポートするだけで反映できます。ポイントは親子の優先順位です。上位が下位に優先し、Twinmotionで上書きした子は残り、上書きしていない親にはDCCの変更が入ります。

再インポートのやり方(Refreshとインポート設定)

同じソース・同じオプションのまま更新するなら、Import dockでファイルにカーソルを合わせ、上に出るRefreshアイコンをクリックします。これで書き出し直したFBX/OBJの内容が、いまのシーンに上書きされます。

ソースファイルやオプションを変えて取り込み直したいときは、省略記号(…)メニューからFile settingsを開き、設定を変更してから再インポートします(出典: Reimporting Content Into Twinmotion(公式)、2026-07-10確認)。2026.1のInterchangeでは「Reimport deleted objects」も加わり、いったん消したオブジェクトの取り戻しができます。

オーバーライドが「残る/上書きされる」の原則

再インポートの挙動は、親子(parent-and-child)階層で決まります。取り込んだ内容は階層で管理され、上位の要素が下位の要素に優先します。この前提を押さえると、どの調整が残りどれが上書きされるかを予測できます。

原則は2つです。1つ目は、Twinmotionで上書きした子プロパティは、再インポートしても保持されること。2つ目は、DCC側の親レベルの変更は適用されるものの、その親をTwinmotionで上書きしていた場合は適用されない(Twinmotion側が優先される)ことです。

注意したいのは、再インポート前にDCC側で親プロパティ自体を変えたケースです。このとき、その配下でTwinmotionが加えたオーバーライドは失われます。逆に、すでにTwinmotionで上書き済みのプロパティや親オブジェクトには、DCC側の変更が反映されません。文章だと入り組むので、下の早見表で整理します。

Twinmotion側の調整DCC側の変更再インポート後の結果
子プロパティを上書き済みその子は変えていないTwinmotionの調整が残る
未調整のまま親レベルを変更DCCの変更が反映される
親を上書き済み同じ親をDCCで変更Twinmotionの調整が優先(DCC変更は無視)
子を上書き済みその親自体をDCCで変更Twinmotionの調整は失われる

(早見表の内容はReimporting Content Into Twinmotion(公式)、2026-07-10確認)

意図してDCCの値に戻したいときは、対象を選んで「Reset transform on selection」「Reset materials on selection」「Reset properties on selection」でオーバーライドを解除できます。取り込み直後の状態に戻したい部分だけ、ピンポイントで初期化できるしくみです。

オーバーライドを守る再インポート運用のコツ

調整が消える事故の大半は、「どこで変えたか」が曖昧なことから起きます。形状・寸法・配置はDCC側、質感・ライティングの仕上げはTwinmotion側、と役割を決めておくと、親レベルの変更とTwinmotionの子オーバーライドがぶつかりにくくなります。

「どこで調整するか」を先に決める

役割を分ける理由は、親子ルールと直接かみ合うからです。形状だけをDCCで差し替えるなら、Twinmotionで当てた質感は子プロパティとして残りやすくなります。一方で、DCC側でマテリアルそのものを作り替えると、それが親の変更として入り、Twinmotionで当てた質感は上書きされてしまいます。

たとえば住宅の内観カットで、間取りの調整はSketchUp側、ソファの生地感やフロアの映り込みはTwinmotion側、と決めておきます。すると間取りを何度直しても、詰めた質感は毎回やり直さずに済みます。意図的にDCCの値へ戻したい部分だけ、Reset系の操作で解除すれば十分です。

更新が頻繁で、なおかつDCCがDirect Link対応なら、そもそもDatasmith Direct Linkでライブ同期する方法に切り替えると、FBX/OBJの書き出し作業そのものが不要になります。Revitユーザーであれば、RevitからTwinmotionへでBIM連携の流し込みを解説しています。

再インポートで事故を防ぐチェックリスト

再インポートを安定させる鍵は、マッチング(前回の取り込みと今回を対応づける処理)を崩さないことです。書き出しのたびに階層とオブジェクト名を一定に保つと、どのパーツがどれの更新かをTwinmotionが正しく追えます。

  • 書き出しごとに階層・オブジェクト名を変えない(対応づけが安定する)
  • 消したオブジェクトは、2026.1の「Reimport deleted objects」で戻せる
  • 取り込みで不具合が出たら、Settings > Importの「Use legacy importer」で一時的にレガシー方式へ切り替える
  • Use legacy importerの選択はプロジェクトを閉じても保持されるので、直ったら手動でOFFに戻す
  • 大きな更新の前は、プロジェクトを別名保存しておく

legacyへの切り替えが役立つ具体例もあります。2026系では、CAD由来のFBXがマテリアルなし・90度回転で取り込まれる症状が報告されています(2026-07-10時点で報告)。2025系では起きないケースとして挙げられており、Interchange移行に伴う事象とみられます。こうした症状が出たら、Use legacy importerで取り込み直すと回避できる場合があります(出典: Twinmotion 2026 FBX no material/rotated(Epic公式フォーラム)、2026-07-10確認)。パッチで変わり得る版依存の症状のため、バグとは断定せず、時点の情報として扱ってください。

取り込みと更新の運用を編集部が読み解く

公式ドキュメントを読み解くと、Twinmotionの再インポートは「Twinmotionで加えた仕上げを守りつつ、設計変更は取り込む」という一点に設計が寄っているとわかります。親子階層と優先ルールは、そのための約束事です。編集部の所感として、この優先順位を先に理解しておくと、どの調整が残りどれが上書きされるかを取り込み前に見通せます。

公式ドキュメントから見える設計思想

Interchangeの2026.1での変更は、いずれも「差し替えても崩れにくくする」方向で一貫しています。transformスケールを常に100%に固定してスケールをジオメトリへ焼き込む変更、削除オブジェクトの再取り込み、Reset系の追加は、どれも再インポートを前提にした改良です。編集部の見立てでは、更新が続く建築プロジェクトほど、この設計が効いてきます。

裏を返すと、単発で1回きり取り込んで終わるデータには、ここまでのルールは過剰かもしれません。そのときはCollapse allで軽く1要素にまとめ、シーンを軽く保つ判断もあります。自分の案件が「更新前提」か「一発仕上げ」かで、取り込み方の基本方針が分かれます。

運用を整えた先に変わる制作フロー

役割分担と親子ルールを運用に組み込むと、制作フローの前提が変わります。これまで「DCCを直すたびに質感を当て直す」やり方をしていた人は、先述の役割分担のとおり「形状はDCC、仕上げはTwinmotion」に切り替えるだけで、質感を当て直す工程そのものから抜けられます。

これから更新の多い案件に取り組むなら、次の一歩は導線の見直しです。対応ホストならDirect Linkへ、非対応データはこの記事の再インポート運用へ、と入口を分けておくと、案件が変わっても同じ段取りで回せます。整えた先には、設計変更に振り回されず、質感づくりへ時間を使える制作環境が待っています。

まとめ|取り込みは役割分担、更新は親子ルールで守る

Twinmotionへのデータ取り込みは、更新が頻繁ならDirect Linkが基本で、使えないデータをFBX/OBJのファイル取り込みで入れる、という切り分けが出発点になります。2026.1でFBX/OBJはInterchangeが標準になり、向きはUp axis、単位はUnit conversion、スケールはジオメトリに焼き込まれる仕様へ変わりました。

再インポートは親子階層で優先が決まります。Twinmotionで上書きした子は残り、上書きしていない親にはDCCの変更が入ります。形状・配置はDCC側、質感の仕上げはTwinmotion側と役割を分けておくと、更新のたびに調整が消える事故を避けられます。

不具合が出たらUse legacy importerで一時退避し、直したら手動でOFFへ戻します。この運用を押さえれば、更新前提の建築モデルでも安心して回せます。