RevitからTwinmotionへ連携する手順|Datasmith Direct LinkでBIMモデルをリアルタイム可視化
RevitのBIMモデル(設計情報を持った3Dモデル)を、そのままTwinmotion(Epic Gamesのリアルタイムレンダラー)へ流し込んで、設計を触りながら仕上がりを確認したい。そんなときに使うのが、Datasmith Direct Link(設計アプリとTwinmotionをライブ接続するしくみ)です。Revit 2024以降なら追加のインストールなしで、リボンのボタンから数秒でつながります。
この記事では、RevitをホストにDatasmith Direct LinkでTwinmotionへ連携する手順を、4つの実務ポイントに沿って解説します。バージョン別の準備、同期の操作、マテリアルやファミリの引き継ぎ、そして設計変更の反映です。数値や仕様は公式ドキュメントで確認した2026年7月10日時点の情報をもとにしています。
同期のしくみそのものやAuto Syncの一般的な設定はDatasmith Direct Linkでライブ同期する方法で深掘りするので、この記事はRevit固有の操作に集中します。
RevitとTwinmotionをつなぐ2つの道
RevitからTwinmotionへデータを渡す方法は、ライブ接続の「Direct Link」と、ファイルを書き出して渡す「Datasmithファイル」の2つ。設計と可視化を並行して進める建築実務では、Direct Linkが基本の選択肢になります。
まずは2つの性格の違いを押さえてから、この記事の範囲を確認しましょう。
| 項目 | Direct Link | Datasmithファイル書き出し |
|---|---|---|
| 接続方式 | RevitとTwinmotionをライブ接続 | .udatasmithファイルを一度書き出して渡す |
| 更新反映 | 同期のたびに反映(Auto Syncなら自動) | 再書き出しして取り込み直す |
| 向く場面 | 設計を触りながら可視化を進める | 別PCへの受け渡し・Direct Link非対応環境 |
| 必要環境 | RevitとTwinmotionが同じPCで動くこと | ファイルを移せればよい |
| この記事での扱い | 中心に解説 | 選択肢として紹介するのみ |
Direct Linkは「つなぎっぱなし」、ファイル書き出しは「渡し切り」
Direct Linkは、RevitとTwinmotionをつないだままにして、設計変更をワンクリックまたは自動で反映するしくみです(出典: Datasmith Direct Link Workflow, Epic公式 2026年7月10日確認)。つないでいるあいだは、Revitで動かしたものがTwinmotionへ流れ続けます。
一方の.udatasmithファイル書き出しは、その時点のデータを一度だけ渡す方式です。ほかのPCへデータを持っていきたいときや、Direct Linkが使えない環境で役立ちます。なお、Revit 2026.4以降ではTwinmotion本体を入れていなくてもDatasmithファイルの書き出しができるようになりました(出典: About Visualization with Twinmotion, Autodesk Revit 2026 Help 2026年7月10日確認)。
設計変更が頻繁に起きる建築案件では、渡し切りよりも「つなぎっぱなし」のDirect Linkのほうが手戻りが減ります。そのため、この記事はDirect Linkに絞って進めます。
この記事で扱う範囲
この記事であつかうのは、RevitをホストにしたDatasmith Direct Link連携の準備・同期・引き継ぎ・変更反映です。Twinmotionの操作そのものが初めての方は、基本的な画面の使い方をTwinmotionの基本ワークフロー入門で先につかんでおくと、この記事の連携操作が理解しやすくなります。
FBXやOBJといったDirect Link非対応のデータを取り込みたい場合は、Twinmotionのインポートと再インポートで解説しています。RhinoやGrasshopperをホストにしたい場合はRhino・GrasshopperでTwinmotionを使うを参照してください。
Direct Link連携の準備(Revitバージョン別)
Direct Linkを使うための準備は、Revitのバージョンで手順が分かれます。Revit 2024以降は追加インストールが不要、2023以前はプラグインを別途入れる必要あり。ここでつまずく人が多いので、自分のバージョンを先に確認しておくと安心です。
| Revitバージョン | プラグイン | 入手先 | Direct Link対応 |
|---|---|---|---|
| Revit 2024以降 | Revitに内蔵(Autodesk管理) | 別途ダウンロード不要 | ◎(Auto Syncも対応) |
| Revit 2018〜2023 | Datasmith Exporterを別途インストール | twinmotion.com/plugins/revit | ◎(Auto Syncも対応) |
Revit 2024以降は追加インストール不要
Revit 2024以降では、Datasmith ExporterプラグインがAutodesk管理でRevitに組み込まれているため、別途ダウンロードする必要がありません(出典: Datasmith Exporter Plugins Overview, Epic公式 2026年7月10日確認)。Twinmotion 2023.1以降との組み合わせで内蔵化されています。
準備ができているかは、Revitのリボンで確認できます。View > Twinmotion タブを開くと、「Open in Twinmotion」「Synchronize」「Auto Sync」「Export to Datasmith File」「Export Settings」といったコマンドが並んでいます(出典: About Visualization with Twinmotion, Autodesk Revit 2026 Help 2026年7月10日確認)。このタブが見えていれば、連携の準備は整っています。
Twinmotion本体は無料で入手できます。まだ導入していない場合は、インストールから初期設定までの手順をTwinmotionの始め方完全ガイドにまとめているので、先に本体を用意してから進めてください。
Revit 2023以前は Datasmith Exporter を別途入れる
Revit 2018〜2023を使っている場合は、Datasmith Exporterプラグインを別途インストールします。入手先は twinmotion.com/plugins/revit で、対応する下限バージョンはRevit 2018です(出典: Supported Design Applications for Datasmith, Epic公式 2026年7月10日確認)。2018〜2023と2024以降のどちらも、Direct LinkとAuto Syncの両方に対応します。
注意したいのは、インストールするDatasmith Exporterのバージョンが、RevitとTwinmotionの相性を左右する点。古いExporterのまま新しいTwinmotionにつなごうとすると、うまく同期できないことがあります。迷ったら「いま使うTwinmotionに対応したDatasmith Exporterを入れる」という原則で選ぶと、バージョンのずれによるトラブルを避けられます。
連携前のRevit側チェック
Direct Linkは3Dビューを対象に動くので、同期の前に3Dビューを開いておくことが前提になります。Autodesk公式も “You need to be in a 3D view in order to sync.” と明記しており、平面図や断面図がアクティブな状態では同期できません(出典: About Visualization with Twinmotion, Autodesk Revit 2026 Help 2026年7月10日確認)。
同期されるのは、その3Dビューで表示されているジオメトリ(3Dの形状データ)です。プレゼンに不要な要素は、あらかじめRevit側で非表示にしておくと、Twinmotionへ送るデータが軽くなります。たとえば設備の詳細モデルや作業用の補助線を隠しておけば、外観パースの動作が軽快になります。
Direct Linkで同期する手順
同期の操作は、最初につなぐ「Synchronize」と、変更を自動で流し続ける「Auto Sync」の2段構えです。設計を触る段階はAuto Sync、確定後は手動のSynchronize。この使い分けが実務では扱いやすくなります。
初回同期(Synchronizeでつなぐ)
初回は、Revitの3Dビューで View > Twinmotion の「Synchronize」(または「Open in Twinmotion」)をクリックします。するとDirect Link接続が始まり、RevitのシーンがTwinmotion側で開きます(出典: Datasmith Direct Link Workflow, Epic公式 2026年7月10日確認)。Twinmotionには、取り込んだRevitモデルがそのままの配置で並びます。
Direct Linkの接続はプロジェクト単位で扱えます。1つのTwinmotionプロジェクトに、複数のRevitファイルや他アプリのDatasmithデータを混在させられる設計です(出典: Datasmith Exporter Plugins Overview, Epic公式 2026年7月10日確認)。たとえば建物本体をRevit、外構の地形を別データで持ち込む、といった組み合わせも可能。1つのシーンに素材を集約できるため、プレゼン用のカット作りがはかどります。
Auto Syncで変更を自動反映
Auto Syncは、Revit側の変更をTwinmotionへ自動で流し続ける設定です。3Dビューで「Auto Sync」を有効にすると、そのビューの表示ジオメトリは、ビューを開いたままにしなくても自動的に同期されます(出典: Revit to Twinmotion Enhancements, Autodesk 2024 Help 2026年7月10日確認)。手動でボタンを押す手間がなくなるので、設計を細かく調整する段階で効いてきます。
ここで押さえておきたいのが同期の向きです。Direct Linkの同期はRevitからTwinmotionへの片方向で、Twinmotion側で作り込んだ見た目がRevitへ書き戻されることはありません(出典: Datasmith Direct Link Workflow, Epic公式 2026年7月10日確認)。設計はRevit、質感やライティングの仕上げはTwinmotion。役割を分けて運用する前提になります。
Revitのカテゴリとマテリアルはどう引き継がれるか
Revitから持ち込んだとき、ジオメトリはそのまま入りますが、マテリアル(素材の質感情報)は「初期の下地」として入るだけ。写真のような質感にするにはTwinmotion側の調整が前提になります。何が自動で引き継がれ、何を作り込むのかを切り分けておくと、作業の見通しが立ちます。
| 引き継ぎ対象 | 引き継がれ方 | Twinmotion側の作業 |
|---|---|---|
| ジオメトリ(形状) | 3Dビューの表示形状がそのまま入る | 基本的に不要 |
| マテリアル(質感) | Revitのマテリアルが初期質感として入る | 置換または手動で作り込み |
| ファミリ(家具・建具など) | 形状として入る | Object Substitutionで高品質アセットへ置換(要件あり) |
| メタデータ(BIM情報) | Datasmith経由で書き出し可能 | シーン整理・選択の手がかりに活用 |
マテリアルは「初期質感」として入り、置換で仕上げる
Revitのマテリアルは、Twinmotionに初期の質感として入りますが、そのままでは写真のようなリアルさにはなりません。フォトリアルに近づけるには、Twinmotion側の質感調整が前提になります。
大量のマテリアルをまとめて差し替えたいときに役立つのが、Material Substitution(マテリアル置換)です。取り込みや再取り込みのタイミングで、RevitのマテリアルをTwinmotionライブラリのマテリアルへ置き換えられます。対応関係は2つのCSVファイル(material substitution fileとTwinmotion materials ID file)で定義し、保存先は Documents\Twinmotion[version]\Substitution です(出典: Material Substitution Workflow, Epic公式 2026年7月10日確認)。手作業で1つずつ差し替える代わりに対応表で仕組み化できるため、マテリアルの多い大規模モデルほど効果が出ます。
ファミリはTwinmotionアセットへ置換できる(Object Substitution)
Revitのファミリ(家具や建具などの部品)は、Twinmotionライブラリ(Sketchfab・Megascans・ユーザーライブラリを含む)の高品質なオブジェクトへ自動で置き換えられます。この機能がObject Substitution(オブジェクト置換)です(出典: Object Substitution Workflow for Revit, Epic公式 2026年7月10日確認)。素っ気ないRevitの簡易家具を、見栄えのするアセットへ置き換えて、パースの完成度を上げられます。
ここで、バージョンの注意点がひとつあります。Revit側でファミリをTwinmotionアセットへマッピングして自動置換するObject Substitutionは、Revit 2025.2以上で使える機能です。Direct Linkと.udatasmith書き出しの両方に対応しますが、Revit 2024以前ではこのRevit側の自動置換は使えません(出典: Object Substitution Workflow for Revit, Epic公式 2026年7月10日確認)。2024以前の環境では、Twinmotion側で1つずつ手動置換する運用になります。多くの現場がまだ2024環境の可能性もあるので、自動置換を前提に計画を立てる前に、バージョンを確認しておくと安心です。
カテゴリ・メタデータの引き継ぎ
RevitのBIMパラメータ(メタデータ)も、Datasmith経由でTwinmotionへ書き出せます。カテゴリやファミリの構造は、置換対象を指定するときやシーンを整理するときの手がかり。設計データを持ったRevitモデルの強みを、可視化の段階でも活かせるわけです。
ただし、メタデータが書き出されないという症状も報告されています。2026年7月10日時点でも、Revit 2024〜2026で再発が報告されており、対処としてはDatasmithのExport Settingsでパラメータの選択を一旦すべて解除すると、正しく出力されることがあります(出典: BIM Help Center: Metadata Not Exporting via Datasmith in Revit 2026年7月10日確認)。メタデータが空のまま入ってきたら、まずこの設定を見直してみてください。なお、BIMそのものの考え方はこの記事では深追いせず、操作の文脈で「設計データを持ったRevitモデル」として扱っています。
設計変更を反映する(再同期と編集の保持)
Direct Linkを使ううえで初心者がいちばん不安に感じるのは、「Twinmotionで作り込んだ質感が、再同期で消えてしまわないか」という点ではないでしょうか。結論から言うと、置換ワークフローで仕組み化しておけば、作り込みは基本的に保持されます。
再同期しても質感・置換は保持される
Direct Linkでは、Revit側の変更が同期のたびにTwinmotionへ反映されます(出典: Datasmith Direct Link Workflow, Epic公式 2026年7月10日確認)。このとき、Material SubstitutionやObject Substitutionで定義した置換は、再取り込みの際にも適用される設計になっています(出典: Material Substitution Workflow, Epic公式 2026年7月10日確認)。そのため、設計変更のたびに質感を一から作り直す必要は、基本的にありません。
逆に言えば、置換を対応表や置換設定で仕組み化しておくほど、再同期に強いワークフローになります。たとえば住宅案件で「外壁の仕上げをサイディングからタイルへ変更」という設計変更が入っても、置換ルールを組んでおけば、再同期後もTwinmotion側の質感設定が生きたまま形状だけが更新されます。目の前で設計を修正しながらプレゼンを進められる。それが、この運用の強みです。
「更新されない」ときの見直しポイント
同期が反映されないときは、原因が決まったところに集中しています。まず確認したいのは「正しい3Dビューがアクティブか」。前述のとおりDirect Linkは3Dビューを対象に動くため、平面図などがアクティブだと同期されません。あわせて「Auto Syncが有効になっているか」も見ておきましょう。
メタデータが出てこないときは、前述のExport Settingsの見直し(パラメータ選択を一旦すべて解除してから再同期)を試してみてください。それでも更新されないデータがある場合は、Direct Link非対応の形式が混ざっている可能性があります。FBXやOBJ経由で取り込んだデータの更新については、Twinmotionのインポートと再インポートで解説しています。
RevitからのDirect Link連携を編集部が読み解いた所感
公式ドキュメントを読み解くと、RevitとTwinmotionの連携は「準備の手間はバージョン次第、動き出せばシンプル」という設計だと編集部は見ています。ここでは、調べた内容から実務者が押さえるべき勘所をまとめます。
つまずきの大半はバージョン差に起因します。Revit 2024以降ならリボンから即接続できる一方で、2023以前はプラグイン管理、2025.2未満ならObject Substitutionが使えない、といった条件が重なります。海外のフォーラムでメタデータ欠落が繰り返し報告されている点も含め、環境の前提を最初に確認しておくこと。それが、連携をスムーズに進める近道だといえます。
コストと実用面では、Twinmotion本体が無料で入手できることが大きな意味を持ちます。BIMを扱う設計事務所にとって、追加ライセンスの負担なく設計中のモデルをリアルタイム可視化に回せるのは、導入のハードルを下げる要因。片方向同期という制約はありますが、設計はRevit・仕上げはTwinmotionと役割を分ければ、むしろ運用がすっきりします。
注意点として、Revitの見た目そのままではフォトリアルにならないという前提は、最初に共有しておきたいポイントです。置換ワークフローを仕組み化せずに手作業で質感を当てていくと、設計変更のたびに作業が膨らみます。これから連携を始める実務者には、少人数のうちにMaterial SubstitutionとObject Substitutionの置換ルールを整えておくことを、編集部としてはおすすめします。
Direct Link連携が建築プレゼンにもたらす変化
Direct Linkを整えた先に広がるのは、「設計と可視化を分けない」制作フローです。これまでは、Revitで設計を固めてからレンダリング用にデータを書き出し、修正が入るたびに渡し直す、という往復が当たり前でした。Direct LinkとAuto Syncを使いこなすと、この往復そのものがなくなります。
たとえば施主との打ち合わせの場面を考えてみましょう。Direct Link連携を使わない場合、「リビングの窓をもう少し大きく」という要望に対して、いったん持ち帰ってRevitを修正し、再レンダリングして次回に見せる、という流れになりがちです。Direct Linkを整えておけば、その場でRevitの窓を修正し、Auto Syncで数秒後にTwinmotionの画面へ反映して、光の入り方まで一緒に確認できます。意思決定がその場で進むため、打ち合わせの回数そのものを減らせる可能性もあります。
置換ワークフローを仕組み化した先には、さらに応用が広がります。よく使う家具やマテリアルの置換ルールを事務所の標準として持っておけば、新しい案件でも同じ品質のパースを短時間で立ち上げられます。Rhinoなど別のホストからの連携も同じDirect Linkの考え方で進められるので、ソフトをまたいだ一貫したプレゼン環境を築けます。設計データがそのまま可視化につながる景色は、BIMを軸にした設計事務所ほど恩恵が大きくなります。
まとめ
RevitからTwinmotionへのDirect Link連携は、環境の準備さえ整えば、設計を触りながらリアルタイムに可視化できる強力なワークフローです。要点を整理します。
Revit 2024以降は追加インストール不要で、View > Twinmotion からDirect Linkで即連携できます。同期はSynchronizeによる手動、またはAuto Syncによる自動で行い、先述した役割分担の前提のもと、向きはRevitからTwinmotionへの片方向になります。マテリアルやファミリはMaterial Substitution・Object Substitutionで置換を仕組み化しておけば、設計変更で再同期しても作り込みが保持されます。更新されないときは、3Dビューがアクティブか、Auto Syncが有効か、メタデータはExport Settingsの見直しが必要か、という順で確認してみてください。
自分の環境や目的に応じて、次に読む記事を選んでください。