RevitからTwinmotionへ|BIMモデルを連携してリアルタイムに可視化する
RevitからTwinmotionへ|BIMモデルを連携してリアルタイムに可視化する
RevitとTwinmotion(Epic Games製の無料リアルタイムレンダラー)の連携は、Datasmith Direct Link(設計アプリとTwinmotionをライブでつなぐ仕組み)でつながります。Revitで進めているBIMモデル(建物の情報を持った3Dの設計データ)を、そのままTwinmotionの画面へ送り、光や素材をのせて数秒でパースにできるのが特徴です。無料で始められて、Revitでの設計作業を止めずにビジュアル化まで進められるため、BIM中心の設計事務所で選ばれています。
この記事では、連携の準備(プラグインの用意)から、Direct Linkでつなぐ手順、Revitのカテゴリとマテリアルがどう引き継がれるか、設計変更をどう再同期して反映するかまでを、Revitを触り始めた方でも迷わないように順番に解説しています。
BIMそのものの考え方には深く立ち入らず、この記事はRevitとTwinmotionをつなぐ操作に集中します。情報は2026年7月10日時点の公式ドキュメントをもとにしています。
RevitとTwinmotionをつなぐと現場は何が変わるか
RevitとTwinmotionをDirect Linkでつなぐと、Revitでモデルを動かした変更が、再エクスポート(書き出し直し)なしでTwinmotionの画面に反映されます。ファイルを毎回受け渡す手間が消え、設計とビジュアル化が同時に進むのが、この連携のいちばん大きな価値です。Direct Linkは、モデルの階層・コンポーネント・マテリアルを保持したまま同期する設計になっています(Twinmotion Docs: Datasmith Direct Link Workflow、2026年7月10日現在)。
Direct Link連携でできること
Direct Linkでできるのは、Revitで作った建物のデータを、形も構成も素材の割り当ても保ったままTwinmotionへ渡すことです。ここが「ただのファイル書き出し」との違いになります。
たとえば一度つないでおけば、Revitで柱の位置を直したり、窓を大きくしたりしたときに、その変更をTwinmotion側へ送り直すだけで反映されます。モデルを最初から作り直す必要がないので、設計途中の案でも気軽にパースにできます。これは、設計データをそのままビジュアルの下地として使えるということです。だから読者にとっては、Revitでの設計作業がそのまま可視化の作業を兼ねる状態になります。
この連携が効く場面
この連携が最も力を発揮するのは、クライアントとの打ち合わせや社内の合意形成の場面です。変更をその場で見せられると、意思決定が速く進むためです。
たとえば住宅案件の打ち合わせで、施主から「リビングの窓をもっと大きく」「外壁をレンガ調に」と要望が出たとします。Revit側で窓とマテリアルを直して同期すれば、Twinmotionの画面で仕上がりを一緒に確認できます。言葉だけでは伝わりにくい変更を目の前で見せられるので、その場で方向性を固めやすくなります。
連携の準備|Datasmithプラグインを用意する
準備でやることは、使っているRevitのバージョンによって変わります。Revit 2024以降なら追加インストールは不要で、2023以前のときだけDatasmith Exporterを自分で入れる必要があります。自分のRevitがどちらかを最初に確認しておくと、あとの手順で迷いません。
Revit 2024以降は組み込みで追加不要
Revit 2024以降を使っているなら、Datasmith Exporterはすでに入っています。Twinmotion 2023.1とRevit 2024以降では、このプラグインがAutodeskの管理下でRevitに組み込まれており、ダウンロードや別インストールは要りません(Twinmotion Docs: Installing the Datasmith Plugin for Revit、2026年7月10日現在)。
これがわかると、新しいRevitのユーザーは準備の工程をひとつ飛ばせます。RevitのリボンにDatasmith関連のタブがあるかを見れば、入っているかどうかを確認できます。
Revit 2023以前はDatasmith Exporterを入れる
Revit 2023以前を使っている場合は、Datasmith Exporterを自分でインストールします。古いバージョンにはプラグインが組み込まれていないためです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| プラグイン名 | Unreal Datasmith Exporter for Revit |
| 対応Revitバージョン | Revit 2018.3〜2023(2024以降は組み込み済み) |
| 入手先 | Twinmotion公式サイト/Twinmotionのホーム画面/Epic公式ドキュメント |
| インストール方法 | Revitを閉じてUnrealDatasmithRevitExporter_xx.msiを実行し、ウィザードに沿って進める |
出典: Twinmotion Docs: Installing the Datasmith Plugin for Revit / Twinmotion公式 Revitプラグイン(いずれも2026年7月10日現在)
インストールが終わると、RevitにDatasmithのタブが増えます。ここが連携の操作をする場所になるので、タブが出ているかを確認してから次に進みましょう。
RevitからTwinmotionへDirect Linkでつなぐ手順
連携は、Twinmotion側で受け取り口を開き、Revit側から送る、という2つのアプリの協調で進みます。どちらか片方だけでは同期が始まらないので、両方を開いた状態で操作するのが基本です。ここでは3つのSTEPに分けて説明します。
STEP1 TwinmotionのImportパネルでDirect Linkを選ぶ
最初に、Twinmotion側でRevitのデータを受け取る準備をします。受け取り口を開かないと、Revitから送っても行き先がないためです。
TwinmotionでImportを開く手順は次のとおりです。
- 画面下のフッターにある「Import」を開く
- Importのアイコンを選ぶ
- 「Direct Link」タブを選ぶ
- ソース欄にRevitのシーン名が表示されたことを確認する
- 読み込みのオプションを決めて「Import」を押す
ソース欄にRevitのシーン名が出れば、TwinmotionがRevitを認識できている合図です(Twinmotion Docs: Datasmith Direct Link Workflow、2026年7月10日現在)。名前が出ないときは、Revit側でモデルを開いているかを確認してください。
STEP2 RevitのDatasmithタブでSynchronizeする
Twinmotion側の受け取り口を開いたら、Revit側からデータを送ります。送信の操作はRevitのDatasmithツールバーから行います。
RevitのDatasmithタブにある「Synchronize with Direct Link」(Direct Linkで同期)を押すと、モデルがTwinmotionへ送られて画面に現れます。以降、Revitでモデルを変えたあとに同じボタンを押せば、その変更がTwinmotionに反映されます。つまり、このボタンが「今のRevitの状態をTwinmotionへ送る」スイッチになります。
STEP3 手動同期とAuto Syncを使い分ける
同期のやり方には、手動とAuto Syncの2種類があります。作業の内容に合わせて選べると、余計な待ち時間を減らせます。
手動同期は、Revitで変更を終えたタイミングで「Synchronize with Direct Link」を押す方式です。区切りのよいところでまとめて反映したいときに向いています。いっぽうAuto Syncは「Direct Link Auto Sync」を有効にすると、Revitの変更をリアルタイムで自動的にTwinmotionへ送り続けます(Twinmotion Docs: Datasmith Direct Link Workflow、2026年7月10日現在)。打ち合わせでその場で見せながら調整したいなら、自動のほうが手が止まりません。細かい試行錯誤を静かに進めたいなら、手動でこまめに反映するほうが画面が落ち着きます。
Revitのカテゴリとマテリアルはどう引き継がれるか
Direct Linkでつなぐと、Revitのカテゴリ(壁・建具・家具といった要素の分類)ごとに階層が整理され、Revitで割り当てたマテリアルが元データとしてTwinmotionへ渡ります。この引き継ぎの仕組みを知っておくと、Twinmotion側での整理や質感の調整がぐっと楽になります。
Revitカテゴリでオブジェクトが整理される
TwinmotionにはRevitのファミリやカテゴリの単位でオブジェクトが入ってきます。だから、Revitでの分類がそのままTwinmotion側の選びやすさにつながります。
この分類は、オブジェクトの差し替えにも使えます。Revitのファミリ・カテゴリに対して、Twinmotion側の高品質なオブジェクトを割り当てて置き換えるワークフローが用意されています(Twinmotion Docs: Object Substitution Workflow for Revit、2026年7月10日現在)。たとえばRevitの簡易な樹木ファミリを、Twinmotionのリアルな樹木に一括で差し替える、といった使い方ができます。設計段階では簡易なモデルのまま進め、見せる段階で見栄えのよいオブジェクトに入れ替えられるということです。
マテリアルの引き継ぎと再同期での上書きに注意
Revitで壁にレンガ、床に木を割り当てておくと、その素材の割り当てがTwinmotionへ引き継がれます。Direct Linkが元アプリのマテリアルを保持して同期する設計だからです。
ここで気をつけたいのが、再同期のときの上書きです。Direct LinkはRevit側のマテリアルを元データとして扱うため、Twinmotion側で差し替えた質感が、再同期のタイミングでRevitの素材に戻ってしまうことがあります。Twinmotionできれいに仕上げた質感を守りたいなら、大きな設計変更をRevitで終えてからTwinmotion側の質感を詰める、という順番にしておくと安全です。質感の作り込み方はTwinmotionのマテリアル設定・調整の基本で解説しています。
設計変更を再同期で反映するときの勘所
設計変更の反映は、同期ボタンを押すだけで済みます。ただし、Revitのどのビュー(表示画面)を書き出し対象にするかで、Twinmotionに来る要素が変わります。ビューの選び方を意識するだけで、不要なものを持ち込まずに済みます。
モデルを変えたら同期で更新する
Revitで壁を動かしたり建具を差し替えたりしたあとは、「Synchronize with Direct Link」を押せば、その変更がTwinmotionへ反映されます。モデルを作り直す必要はありません。
この挙動のおかげで、設計案を何パターンも試すのが楽になります。案Aと案BをRevitで切り替えながら同期すれば、Twinmotion上でそれぞれの見え方を比べられます。読者にとっては、比較検討のためだけにモデルを複製する手間がなくなるということです。
書き出しビューを固定して不要な要素を持ち込まない
Twinmotionに何が来るかは、Revit側で表示しているビューの内容に左右されます。だから、連携用のビューを決めておくと仕上がりが安定します。
複数のビューを開いたまま連携すると、そのビューに映っている不要なカテゴリまでTwinmotionへ持ち込んでしまうことがあります。連携専用のビューを1つ用意し、可視化に必要な要素だけを表示させておくと、Twinmotion側での整理が最小限で済みます。最初にこのビューを決めておくことが、あとの手戻りを減らす近道です。
Revit連携についての編集部の見解
この連携についての編集部の所感は、無料で試せる導入のしやすさが最大の強みで、弱点はマテリアルの上書き挙動に集約される、というものです。この評価は公式ドキュメントと海外レビューの共通見解にもとづくもので、実機での長期検証ではない点をお断りしておきます。
Direct Link連携の強みは、無料で始められて、Revitでの設計作業を止めずに可視化まで進められる点にあります。Twinmotionは無料で使えるため(Twinmotion公式、2026年7月10日現在)、まず連携を試してから本格導入を判断できるのは、初めての事務所にとって入りやすい設計だといえます。
いっぽうで、初心者がつまずきやすいポイントも見えています。ひとつはマテリアルの上書きで、Twinmotionで仕上げた質感が再同期で戻る挙動は、複数の解説動画でも注意点として共有されています。もうひとつは重いモデルの取り込みで、要素の多いBIMモデルをそのまま連携すると、整理に手間がかかりがちです。書き出しビューを絞る運用が、この負担を軽くする現実的な対処になります。
連携を活かす応用シーンと次の一歩
連携が動くようになったら、次はその強みを打ち合わせや合意形成に活かし、質感や他アプリとの連携へ広げていく段階です。Direct Linkの「変更に強い」性質は、決めごとの多い設計プロセスと相性がよいためです。
活用シーン|プレゼンから合意形成まで
変更に強い可視化は、関係者の多い場面ほど効いてきます。図面だけでは伝わらないボリューム感や素材感を、その場で見せられるからです。
たとえば施主・設計・施工が集まる打ち合わせで、屋根の勾配や窓の大きさを変えながら見比べれば、言葉の行き違いを減らせます。Revitで直して同期するだけなので、会議の流れを止めずに複数案を提示できます。可視化が意思決定の道具になる、という使い方です。
次の一歩|質感調整と他アプリ連携へ
連携の土台ができたら、仕上がりの質を上げる方向と、扱えるデータを増やす方向に進めます。目的に応じて次の記事を入口にしてください。
質感をリアルに詰めたいならTwinmotionのマテリアル設定・調整の基本、Direct Linkに対応しないデータをFBX/OBJで取り込みたいならTwinmotionのインポートと再インポート、RhinoやGrasshopperから同じようにつなぎたいならRhino・GrasshopperでTwinmotionを使うで解説しています。
まとめ
RevitとTwinmotionの連携は、Datasmith Direct Linkを使えば、設計を止めずにBIMモデルをリアルタイムで可視化できる仕組みです。要点を3つに絞ると次のとおりです。
- 準備はRevitのバージョン次第。2024以降は組み込み済みで追加不要、2023以前だけDatasmith Exporterを入れる
- つなぎ方はTwinmotionのImportでDirect Linkを選び、Revitの「Synchronize with Direct Link」で同期。手動とAuto Syncを使い分ける
- Revitのカテゴリで階層が整理され、マテリアルは元データとして引き継がれる。Twinmotion側の質感は再同期で上書きされることがあるので、設計を固めてから質感を詰める
まずは無料のTwinmotionで一度つないでみて、Revitで壁を動かして同期する流れを体験すると、この連携の速さが実感できます。連携の全体像から確認したい方はTwinmotionの始め方完全ガイド、同期の仕組みそのものを深く知りたい方はDatasmith Direct Linkでライブ同期する方法を入口にしてください。
建築知識の教科書