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  1. 改修工事の図面|撤去・新設の表し方

改修工事の図面|撤去・新設の表し方

編集部 読了 約6分

  • 改修工事の図面って、新築の図面と何が違うの?
  • 撤去と新設は、図面のどこにどう書いてあるの?
  • 改修の図面の読み方を知りたい

改修の図面には、今ある物と、外す物、新しく付ける物が出てきます。新築の図面と同じつもりで読むと、どれを外し、どれを付けるのかを見分けにくいものです。

この記事では、見本の住宅のトイレの改修を使い、改修工事の図面に書く4つの区分と、区分と範囲の書き分け方を解説します。

国の工事の基準では、改修工事の図面の対象の部分に、取外し・再取付け・撤去・新設のどれかを書きます。書き分けの線や記号は図面ごとに違うので、読み始めるのは凡例と注記からです。

改修工事の図面とは

改修工事の図面一式の例。改修前と改修後の平面図・立面図・仕上表・部分詳細図、配置図・案内図、撤去図、仮設計画図を並べた表
ある県の改修の設計業務の図面の一覧をもとに編集部が作成。図面の種類は工事によって変わる

改修工事の図面は、今ある建物のどこを外し、どこに新しく付けるかを示した図面です。今ある建物の図面をもとに作ります。

ある県の設計業務の参考資料にある改修の図面の一覧では、平面図・立面図・仕上表・部分詳細図を、改修前と改修後の2つずつ作る形です。

一覧には、配置図・案内図、仮設計画図、撤去図もありました。撤去図は撤去する物を書き込んだ改修前の図で、集めた図面には「【現況】5階平面図(撤去図)」という名前の図もありました。

国の工事の基準では、改修工事の図面は、工事の対象の部分に限って作ってよいことになっています。そのため、建物の全体が描かれていない改修の図面もあるでしょう。

取外し・再取付け・撤去・新設

改修工事の図面に書く4つの区分を並べた図。取外し、再取付け、撤去、新設
改修工事の図面に書く4つの区分。国の工事の基準の言葉をもとに編集部が作図。記号は説明のための絵で、図面に描く記号ではない

国の工事の基準では、改修工事の図面の対象の部分に、取外し・再取付け・撤去・新設のどれかを書き、その部分を寸法とともに図に描きます。図面に書く区分は、次の4つです。

  • 取外し
  • 再取付け
  • 撤去
  • 新設

取外しは今ある物をいったん外すことで、外した物をもう一度取り付けるのが再取付けです。撤去は取り除くこと、新設は新たに設備などをつくることを指します。

別の県の改修の図面は、外す器具の表の備考に、「撤去処分」と「取外し再取付」を分けて書いていました。同じ「外す」でも、撤去して処分する物と、もう一度付ける物があるからです。

凡例と注記で書き分けを確かめる

改修の図面の凡例の3つの例。斜線で範囲、線の太さで区分、文字で区分
書き分けの種類ごとに、集めた改修の図面の凡例と注記の言い方を並べて編集部が作図

撤去や新設などの描き分けの線や記号は、法令や規格で1つに決まっていません。発注者の基準や設計者の決まりで変わるので、図面ごとに凡例と注記で確かめてから読みます。

編集部が集めた改修の図面6件(国・県・市・大学の建物。住宅の改修の図面は見つからなかった)は、どれも記号や線の意味を凡例か注記に書いていました。

6件のうち1件は、空白だった凡例と注記を、あとから訂正で書き足したものです。

同じ斜線でも、凡例に「改修範囲を示す」と書いた図面と、「工事範囲外を示す」と書いた図面がありました。斜線の意味は、凡例を見ないと分かりません。

改修前と改修後の並べ方

改修前と改修後の並べ方の2つの形。1枚の紙の左右に並べる形と、別の紙にする形
集めた改修の図面にあった2つの形。編集部が作図

凡例を読んだら、改修前と改修後の図の組を見つけます。前と後を分けて描いたある設備の図面は、撤去を改修前の図に、新設を改修後の図に書いていました。

集めた6件のうち4件が、改修前(現況)と改修後を分けて描いていました。並べ方は、1枚の紙の左右に並べる形が2件、別の紙にする形が2件です。

読む人は、図面の名前の「(改修前)」「(改修後)」「【現況】」や、紙に大きく書いた「改修前」の字で、前と後の組を見分けます。

1枚の図の中に「巾木(撤去・新設)」のように文字で書き、前と後を分けない図面もありました。

撤去や新設の書き分け方

見本の住宅のトイレの改修の図面。左に改修前、右に改修後を並べ、改修の範囲に斜線、器具の表に撤去・新設・取外し・再取付けを書いた図
見本の住宅(木造2階建て)の1階のトイレの改修。前と後を左右に並べる形と斜線の凡例は集めた図面にある形、器具の表は編集部がまとめた例。値と場面は例。編集部が作図

撤去や新設の書き分け方は、図面によって違います。集めた6件で見た書き分け方は、次の3つです。

  • 文字で書く
  • 斜線で場所を示す
  • 線の太さや種類で分ける

文字で書く

区分は、6件すべてが文字で書いていました。器具の表、図の中の注記、図面の名前のどこかに「撤去」「新設」などの言葉があります。

見本の図面では、右の器具の表に、便器は「撤去」と「新設」、紙巻器は「取外し」と「再取付け」と書いています。手すりは改修前に無い物なので、改修前の欄に区分を書いていません。

見本の住宅のトイレの仕上表。床・壁・天井ごとに、改修前と改修後の2つの列を並べた表
見本の住宅のトイレの仕上表。値は例

仕上表を、改修前と改修後の2つの列にした図面も2件ありました。見本の仕上表では、床と壁の行に改修前の仕上げと「撤去」、改修後の仕上げと「新設」が並びます。

区分のほかに「既存のまま」と書いて、手を付けない所を示す図面もあります。見本では天井(仕上表)とドア(図の注記)がそれに当たり、改修の範囲の中でも工事をしません。

斜線で場所を示す

集めた6件のうち4件が斜線(ハッチ)を使い、凡例や注記で意味を書いていました。意味は、改修範囲・工事範囲外・注記の「(斜線範囲)」・改修前と改修後の仕上げと、図面ごとに分かれていました。

見本の図面では、トイレの中に斜線を引き、左下の凡例に「改修範囲」と書いています。見本の斜線は範囲を示すだけなので、範囲の中の物の区分を読むのは文字の表です。

線の太さや種類で分ける

線で区分を分ける図面は、6件のうち2件でした。ある設備の図面は、改修前の図に「図中濃線(太線)配管は撤去を示す、薄線配管はそのままとする」と注記していました。

同じ図面の改修後の図の注記は、「図中濃線(太線)配管は新設を示す、薄線配管は既設を示す」です。もう1件は、今ある設備(既設)と、そのうち再使用する部分を示す線を凡例に書いていました。

国の工事の設備の基準も、改修の図面は撤去する部分と新設する部分を比べられるように作り、工事の範囲を分かるようにするため、工事をしない物で要るものは点線か極細線で示す、としています。

改修の図面は凡例から読もう

この記事のまとめの表。4つの区分、前と後の並べ方、書き分け方、読む順
この記事のまとめ。編集部が作成

改修工事の図面では、今ある物のどれを外し、どこに何を付けるかを読み取ります。この記事で解説したことは、次の5つです。

  • 改修工事の図面とは
  • 取外し・再取付け・撤去・新設
  • 凡例と注記で書き分けを確かめる
  • 改修前と改修後の並べ方
  • 撤去や新設の書き分け方

改修の図面を開いたら、最初に凡例と注記を読んでみてください。それから改修前の図で撤去と取外しの物を、改修後の図で新設と再取付けの物を、1つずつ指でたどります。

前と後を分けない図面では、図の中の「撤去」「新設」の文字をたどってください。

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この記事について

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