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  1. 現況の採寸と図面化|メジャー・レーザー距離計・3Dスキャン

現況の採寸と図面化|メジャー・レーザー距離計・3Dスキャン

編集部 読了 約6分

  • 現況図って何?どうやってつくるの?
  • 家の図面がないけど、リフォームの図面はどうするの?
  • レーザー距離計や3Dスキャンで、どこまで測れるのかを知りたい

リフォームの計画の図面は、今の建物を表す図面をもとにつくります。その図面が、今の建物を測ってかく現況図です。

しかし、古い中古住宅は図面が残っていない家が多く、残っていても今の建物と合うとは限りません。そのため、図面がない家は測って現況図をつくり、図面がある家も測って確かめる、という進め方です。

この記事では、現況図とは何か、現地調査で何を測るか、測った寸法をどう現況図にするかを解説します。メジャー・レーザー距離計・3Dスキャンそれぞれで何を測るかと、スマホのスキャンの注意点も分かります。

現況図とは

リフォームの打合せの机に、古い住宅の平面図と、新しくかき直した平面図が並んでいる場面
今の建物を測ってかいた現況図を、リフォームの計画に使う場面のイメージ

現況図は、今ある建物を測って、今の状態をかいた図面です。リフォーム会社は、この現況図をもとにリフォームの計画の図面をつくります。

現況図は、同じ「現況」の字が付く敷地現況図とは別の図面です。敷地現況図は、計画前の敷地の状態を表す図面で、「敷地現況図の読み方|計画前の敷地の状態」で解説しています。

図面がない家と図面がある家

古い木造住宅の玄関先で、リフォーム会社の社員が施主から古い図面の束を受け取っている場面
施主の手もとに残っていた図面を受け取る場面のイメージ

現況図のつくり方は、図面があるかないかで変わります。分け方は、次の2つです。

  • 図面がないときは測ってつくる
  • 図面があっても測って確かめる

図面がないときは測ってつくる

図面がない家では、リフォーム会社などが現地で建物を測り、現況図をつくります。

大規模なリフォームで確認申請をするときに、既存の部分を調べるのは建築士などです。国が示したその調べ方の手順でも、図面がない建物は、現地で実測・調査して現況の図面をつくるとしています。

図面があっても測って確かめる

図面がある家でも、今の建物と合っているかを測って確かめることが大切です。施主が図面を持っている家でも、測った寸法と図面を見比べて、ずれが無いかを確かめます。

現地調査で採寸するところ

家具の無い部屋の図解。床の幅と奥行き、天井の高さ、窓とドアの高さ、梁の位置、壁の中の配管の位置に印が付いている
現地調査で寸法を測る所と、位置を確かめる所のイメージ

現地調査は、リフォームの前に会社の担当者が家に行き、間取りや構造、設備を確かめることです。現地調査では、工事する所を採寸し、写真を撮ります。

採寸するのは、平面の寸法だけではありません。測る所と確かめる所は、次の3つです。

  • 床・壁・天井の大きさと、壁と壁のあいだの寸法
  • 天井高や建具の高さ、梁の高さなどの、高さの寸法
  • 配管や配線の位置と通り道

配管や配線は、見られる範囲で位置や通り道を確かめます。

確認申請のための国の現況調査の手順は、隠れた所を見る方法も挙げています。点検口からのぞく方法、元に戻せる範囲で一部を切り開く方法、ファイバースコープなどの器具を使う方法です。

測った寸法と一緒に残すのが、現地の様子の写真です。

メジャーとレーザー距離計

マンションの部屋で、社員がレーザー距離計を壁に向け、もう一人がメジャーで窓の幅を測っている場面
レーザー距離計とメジャーで採寸する場面のイメージ

採寸の道具には、メジャー(コンベックス)とレーザー距離計があります。レーザー距離計は、測りたい所にレーザーを当てて、そこまでの距離を出す道具です。

マンションのリフォームの現地調査では、2つを次のように使い分けた例があります。部屋の長い寸法や天井高にはレーザー距離計、部屋の端から順に測っていく細かい寸法にはメジャー、という分け方です。

3Dスキャンと点群

がらんとした部屋で、社員がタブレットを壁に向けてゆっくり動かし、画面に部屋の形が点の集まりで映っている場面
タブレットで部屋をスキャンし、点群を取り込む場面のイメージ

メジャーやレーザー距離計のほかに、部屋の形を点群というデータでまとめて取り込む3Dスキャンもあります。

点群は、位置(x・y・z の座標)や色を持つたくさんの点の集まりで、物の形を表したデータです。この記事で取り上げる3Dスキャンの道具は、次の2つです。

  • スマホやタブレットのLiDAR(ライダー)
  • 3Dレーザースキャナー

スマホやタブレットのLiDARで測る

iPhone や iPad の一部の機種は、LiDAR という装置を持っています。LiDAR は、レーザーを当ててはね返ってくるまでの時間から、物までの距離を測る技術です。

リフォームの現地調査に使うアプリには、LiDAR で部屋の壁をスキャンして、寸法を持つ3Dモデルと現況図をつくるものもあります。

ただし、気をつけたいのが、スマホのスキャンの誤差です。小さな物は取れないことがあり、広い範囲を撮ると、ずれが出ることもあります。

そのため、正式な図面にするときは、ほかの方法でも寸法を確かめることが必要です。

3Dレーザースキャナーで測る

大きな建物の改修では、据え置きの3Dレーザースキャナーで点群を取り、図面やモデルをつくります。3Dレーザースキャナーは、壁や天井にレーザーを当てて、たくさんの点の位置を集める機械です。

たとえば竹中工務店は、あるマンションの改修の前に躯体を3Dスキャンしました。取った点群を約40年前の手書きの竣工図と重ねて、見比べています。

測った寸法をCADで現況図にする

事務所のパソコンで、社員が現地のメモと写真を横に置き、CADの画面に部屋の線を引いている場面
現地で測った寸法を、事務所でCADに入れる場面のイメージ

現地で測った寸法は、CADに入れて現況図にします。測った数字を、CAD でかいた部屋の線に当てはめていく作業です。

リフォーム用のソフトには、現地で測った内法の寸法から現況図をつくる機能を持つものもあります。手もとの古い図面を写真や PDF で取り込み、下図にしてなぞれるアプリもあります。

こうしてできた現況図が、リフォームの計画の図面のもとです。

今の建物を測って現況図をつくろう

家具の無い部屋の図解。床の幅と奥行き、天井の高さ、窓とドアの高さ、梁の位置、壁の中の配管の位置に印が付いている
現地調査で寸法を測る所と、位置を確かめる所のイメージ

現況図は、今の建物を測ってかく図面で、リフォームの計画はこの図面の上で考えます。この記事で解説したのは、次の5つです。

  • 図面がない家と図面がある家
  • 現地調査で採寸するところ
  • メジャーとレーザー距離計
  • 3Dスキャンと点群
  • 測った寸法をCADで現況図にする

現地調査に行くときは、平面の寸法と高さの寸法、配管や配線の位置を、測る所の一覧にして持っていってみてください。

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