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  1. 動力設備図の読み方|三相動力

動力設備図の読み方|三相動力

編集部 読了 約6分

  • 図面の「動力」とは何のこと?
  • 「3φ3W」の意味を知りたい
  • 動力の図面は、電灯の図面と何が違うの?

学校や給食センターのような建物の電気設備図には、照明やコンセントの図面とは別に、「動力」と付いた図面や盤の図が出てきます。「3φ3W」「kW」のような文字も並び、電灯の図とは別物に見えます。

しかし、動力の図面が電灯の図面と主に違うのは、電気の送り方と、図に書く相手(照明やコンセントではなく機械)です。

この記事では、動力とは何かと電灯の図面との違い、動力の平面図と動力の分電盤の図の読み方を解説します。

読むと、3φ3W の電気方式や P の入った盤の名前を手がかりに、動力の図面を見分けられます。動力設備図は、三相の電気で動く機械への配線を書いた図です。

動力とは

電灯の盤と動力の盤を並べた見本。上の電気方式が AC 1φ3W と AC 3φ3W で違う
電灯の盤と動力の盤の見本。上の行の電気方式を見比べる。公開されている設計図の形をもとに編集部が作成。値は例

動力は、業務用のエアコン(空調機)・ポンプ・エレベーターのように、三相の電気で動く機械のための設備です。こうした機械は電動機(モーター)で動きます。

三相3線式は、3本の電線で200Vを送る電気の送り方で、主な使い道は電動機を動かすことです。図面では「3φ3W」と書き、φ は「相」を表します。

この送り方を、盤の図では電気方式として「AC 3φ3W 200V」のように書きます。上の図で、右の動力の盤の電気方式がこれです。

業務用のエアコンのカタログで「三相200V」と書かれたものが、動力にあたります。

学校の建物の外に置かれた、業務用エアコンの室外機
業務用エアコンの室外機の例。動力の図面に出てくる、三相の電気で動く機械の代表

いまの住宅のほとんどは、3本の電線で100Vと200Vの両方を送る単相3線式(1φ3W)です。住宅の200VのエアコンやIHクッキングヒーターが使うのも、この単相3線式で送る200Vです。

電灯と動力の図面と盤

電灯と動力の違いの表。電気方式・盤の名前・分電盤の図の行・容量の書き方
電灯と動力の図面の主な違い。盤の名前の L・P は決まりではなく、図面ごとに確かめる

動力を使うには、電灯とは別の電気の契約が必要です。図面も、国の基準では電灯と動力で分けます。

国が発注する建物の工事の基準は、電気設備の図面を工事の種類ごとに作る決まりです。照明やコンセントなど単相の設備は電灯設備、三相の機械への配線などは動力設備で、別の図面になります。

ただし、実物には「動力及び照明設備図」のように、動力と照明を1つの図面にしたものもありました。

編集部が図面の一覧を数えた8件(住宅2件・公共の建物6件)のうち、動力の図面があったのは5件で、戸建て住宅の2件にはありませんでした。

盤の名前は、P が入ると動力の盤、L が入ると電灯の盤を表すことが多くあります。

ある給食センターの図面では、動力の幹線(盤まで電気を送る太い大もとの電線)を受ける盤が「1P-1」「2P-1」で、「1LP-2」は電灯と動力の両方の幹線を受ける盤でした。

図面の題はまちまちなので、題だけで決めず、盤の図の電気方式と盤の名前を合わせて見分けます。

動力の平面図

動力の平面図の見本。動力の盤 1P-1 から、丸で囲んだ機器記号 EF と ACP の機械へ配線がつながる
動力の平面図の見本。1P-1 が動力の盤、丸の中が機器記号。盤から機械へ引いた線が配線。公開されている設計図の形をもとに編集部が作成。値は例

動力の平面図には、機械の位置と、動力の盤から機械への配線が書かれます。上の見本では、1P-1 から EF と ACP の丸へ引いた線が配線です。

編集部が見た動力の平面図2件は、どちらも機械を丸で囲んだ記号で示していました。給食センターの1件は空調の機械を丸の中の「ACP」と番号で、もう1件は厨房の機器を丸の中の番号で指していました。

国土交通省の公共建築設備工事標準図の、電動機の記号の行
標準図の電動機の記号。出典:国土交通省「公共建築設備工事標準図(電気設備工事編)令和7年版」p9 の表を切り出して編集部が作成

国の工事の標準図では、電動機を、丸の中に M を書いた図記号で表します。見本や実物の2件では、M ではなく丸の中に機器記号や番号を書いていました。

盤からの線には、ケーブルの種類と太さ(EM-CE5.5sq-4C など)を添えた図面もありました。

厨房の機器の図面に出てくる「T3P」は、3極のコンセントです。

動力の分電盤の図

動力分電盤図の見本。電気方式 AC 3φ3W 200V と主幹、機器ごとの行に機器記号・負荷名称・kW・ブレーカー
動力分電盤図の見本。編集部が見た動力分電盤図1件の欄の形を簡略にした。値は例

見本では、平面図の EF や ACP の機器記号が、動力の分電盤の図の行にも出てきます。盤ごとに、電気方式(AC 3φ3W 200V)と主幹(盤全体の電気を入り切りする入口のブレーカー)が書かれています。

ブレーカーは、電気が流れすぎたときなどに自動で電気を切る装置です。

電灯の分電盤の図は回路(ブレーカー1つから先の電気の通り道)ごとに1行です。編集部が見た動力分電盤図では、機械1台ごとに1行でした。

その動力分電盤図(1件)では、1つの行に、機器記号・機械の名前(負荷名称)・電動機の容量(kW)・3極(3P)のブレーカーが並んでいました。電灯の盤でも、主幹は3Pと書くことがあります。

たとえば「EF-1」の行は調理室の排気ファンで、3.70kW です。

この図面の機器記号は、機械設備の図(空調や換気の機械を書いた図面)の機器と同じ記号でした。機器記号を手がかりに、盤の図の行と機械設備の図の機器を結んで読みます。

電気方式と盤の名前で動力を見分けよう

動力の図面を見分ける順。電気方式、盤の名前、盤の図の行、機器記号
動力の図面を見分けて、機械をたどる順

動力設備図に書かれるのは、三相の電気で動く機械と、そこへの配線です。この記事で読んだのは、次の4つです。

  • 盤の図の電気方式:3φ3W 200V なら動力
  • 盤の名前:P が入っていれば動力の盤のことが多い(凡例や幹線の表で確かめる)
  • 平面図:丸で囲んだ機器記号や番号で機械を示し、盤からの配線を書く(編集部が見た2件)
  • 動力の分電盤の図:機械1台ごとの行に、機器記号・kW・3極のブレーカー

分電盤の図の上からの読み方は「分電盤と回路の読み方|分電盤単線接続図」(準備中)で解説します。

電気設備図を開いたら、まず盤の図の電気方式で 3φ3W を探し、盤の名前と機器記号で機械をたどってみてください。

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この記事について

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