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3DCG · Lumion

Lumion Cloudで作品を共有・プレゼンする方法|施主に見せるクラウド共有の手順

編集部 読了 約11分

Lumionでせっかくパノラマや動画を作っても、それを施主にどう見せるかで手が止まりがちです。重いファイルをメールに添付するのは気が引けるし、その場でグリグリ動かして見てもらいたいのに送り方がわからない、という悩みはよく耳にします。

Lumionには、作品をアップロードしてURLを1本渡すだけで、施主がブラウザから作品を開ける仕組みがあります。相手はソフトを入れる必要もアカウントを作る必要もありません。この「Lumion Cloud 共有」を押さえておくと、プレゼンの手間がぐっと減ります。

この記事では、Lumionで作った作品をクラウドにアップロードして共有・プレゼンするところに絞って解説します。パノラマそのものの作り方や、書き出しの画質設定は別の記事にゆずり、ここでは「できあがった作品をどう届けるか」だけを丁寧に追います。

Lumion Cloudとは|作品をブラウザで見せる共有の仕組み

Lumion Cloudは、作った作品をアップロードしてURL1本で施主やチームに見せられる、オンラインの共有ハブ(作品を置いて共有するための保管・閲覧場所)です。相手はブラウザで開くだけでよく、ソフトのインストールもアカウント登録も要りません。まずはこの仕組みでできることから見ていきます。

Lumion Cloudでできること(共有・レビュー・整理)

Lumion Cloudの中心となる役割は、作った作品を1か所に集めて、そのまま相手に見せられるようにすることです。画像・動画・パノラマ(360度見回せる画像)をクラウド上に置き、リンクやQRコードで共有できます。

相手はブラウザで開くだけで閲覧でき、ソフトのインストールもアカウント作成も不要です。施主にとっては「送られてきたURLを押すだけ」なので、操作でつまずく心配がほとんどありません。これが、あとで触れる施主プレゼンとの相性の良さにつながります。

さらに、見ている箇所にコメント(マークアップ)を付けてフィードバックを集められる点も便利です。作品ごとに感想や修正依頼が1か所にまとまるので、「あの指摘はどのメールだったか」と探し回らずに済みます。プロジェクト単位で作品を整理し、案の新旧を管理できる仕組みも用意されています(出典: Lumion Cloud 公式、確認日2026-07-03)。

なぜクラウド共有が施主プレゼンに向くのか

クラウド共有が施主プレゼンに向くのは、大きなファイルを送らずに、その場で体感してもらえるからです。レンダリング動画やパノラマは容量が大きくなりがちで、メール添付やファイル転送だと相手の受け取りに手間がかかります。URLを1本渡す方式なら、この受け渡しの摩擦がなくなります。

施主は手元のパソコンやスマートフォンのブラウザで、その場で視点を動かしながら見られます。静止画を眺めるより、「実際に立ったらどう見えるか」が伝わりやすくなります。

打ち合わせが終わったあともリンクは残るので、施主が家族や上司にそのまま共有して再確認できます。編集部では、この「見せ方の摩擦を減らせる」点を実務上の大きなメリットと考えています。持ち帰って検討してもらう場面が多い住宅案件ほど、後からもう一度見てもらえる効果が効いてきます。

My LumionとLumion Cloudの違い|どちらを使うべきか

共有先を選ぶなら、Lumion Cloudにしておくのが安全です。Lumionには共有先が2つあり、従来からの「My Lumion」と、新しい「Lumion Cloud」が並んでいます。My Lumionは段階的に役割を終える方向にあるため、両者の位置づけには違いがあります。

My Lumion(従来のパノラマ共有)の位置づけ

My Lumionは、有効なライセンスがあればパノラマをアップロードしてリンク共有できる、従来からのサービスです。主にパノラマを単純に共有したり、Webサイトに埋め込んだりする用途で使われてきました。

ただし、今後はLumion Cloudへの移行が進み、My Lumionは段階的に役割を終える方向にあります。公式も後継としてLumion Cloudを案内しています。これから新しく共有の運用を組むなら、My Lumionを起点にしないほうがあとで組み直さずに済みます(出典: My Lumion 公式、確認日2026-07-03)。

Lumion Cloud(新しい共有ハブ)が標準になる理由

Lumion Cloudが標準になるのは、パノラマだけでなく画像・動画まで同じように扱え、コメントや整理までひとまとめにできるからです。My Lumionがパノラマ共有に寄っていたのに対し、Lumion Cloudは作品の種類を選ばず、そのうえでフィードバックの集約と案の整理までカバーします。

作品はLumion View / Pro から直接アップロードできるので、書き出しの流れの中でそのままクラウドへ送れます。2026年7月現在、公式が推奨する共有先はLumion Cloudです。これから運用を組み立てるなら、Lumion Cloudを前提に考えておくと迷いません(出典: Lumion Cloud ベータ公開のお知らせ / Lumion Cloud 公式、確認日2026-07-03)。

Lumion Cloudへ作品をアップロードして共有する手順

共有の流れは「作品を出力するときにクラウドへ上げる → プロジェクトに整理する → 共有リンクを作る」の3ステップです。難しい設定はなく、いつもの書き出し操作に「クラウドへ上げる」を一つ足すだけで始められます。ここで実際の手順を追っていきます。

なお、共有する前提となるパノラマそのものの作り方はLumionで360度パノラマを書き出す方法で、動画や画像の画質・解像度など書き出しの設定はLumionの出力・レンダリング設定の決め方で解説しています。

STEP 1. アップロード(出力時にクラウドへ上げる)

作品をクラウドへ送るには、書き出す前に「Upload to Lumion Cloud(クラウドへアップロード)」のトグル(オン・オフを切り替えるスイッチ)をオンにします。これを入れておくと、書き出した作品が自動でクラウド側に現れます。

アップロード先は Projects(プロジェクト)か Renders(レンダー)から選び、必要なら任意のサブフォルダを作れます。Lumion Pro ではアップロードの途中でフォルダを直接作れるので、案件・案・提出先ごとに最初から分けて置けます。あとから並べ替える手間が減るため、案件が増えても散らかりません(出典: Lumion 公式ガイド(Videos & Panoramas in Lumion Cloud)、確認日2026-07-03)。

STEP 2. リンク・QRコードで共有する

クラウド上の作品を開いて「Share(共有)」を押すと、直接リンクかQRコードを発行できます。施主に渡すのはこのリンク1本だけです。相手はブラウザで開くだけで、インストールもアカウント作成も要りません。

QRコードは、対面の打ち合わせで施主のスマートフォンにその場で読み取ってもらう場面に向いています。メールを開いてもらう手間がなく、テーブルに座ったまま自分の端末で作品を見てもらえます。相手の環境を選ばず渡せるので、施主のパソコン事情を気にせず共有できます(出典: Lumion 公式ガイド(Videos & Panoramas in Lumion Cloud)、確認日2026-07-03)。

STEP 3. 閲覧体験(施主側にどう見えるか)

施主側の画面では、パノラマなら視点を移動しながら空間を見回せます。3つの見せ方のなかで最も没入感があり、「実際に立ったらどう見えるか」を体感してもらいやすい形式です。動画や画像も同じ画面上で切り替えて確認できます。

見ている箇所にはコメントを付けられ、返信は1つのスレッド(ひとつながりの会話)としてまとまります。「リビングの照明をもう少し暖かく」といった要望が、その画面のその位置に紐づいて残るため、フィードバックが散らばりません。どの指摘がどの箇所の話なのかを、後から見返しても取り違えずに済みます(出典: Lumion 公式ガイド(Videos & Panoramas in Lumion Cloud)、確認日2026-07-03)。

施主プレゼンでのLumion Cloudの使いどころ

クラウド共有は「その場で見せる対面プレゼン」と「送って見てもらう非同期プレゼン」の両方で効きます。作品の種類ごとに向く見せ方が違うので、場面に合わせて使い分けるのがコツです。実務での具体的な使い方を見ていきます。

対面プレゼンでの使い方(その場で見せる)

対面の打ち合わせでは、QRコードを提示して施主のスマートフォンやタブレットで手元操作してもらう形が向いています。こちらの画面を見せるのではなく、施主自身に動かしてもらうのがポイントです。

たとえばリビングのパノラマを開いてもらい、「窓際に立ったときの眺め」や「ソファに座ったときの天井の高さ」を、施主が自分で視点を変えて確かめます。実際に立ったらどう見えるかを体感してもらえるので、合意形成が早まります。編集部では、施主自身に操作してもらうと作品を「自分ごと」として捉えてもらいやすくなると考えています。

送って見てもらうプレゼンでの使い方(非同期)

その場に集まらないときは、リンクをメールやチャットで送り、施主が都合のよいタイミングで確認してもらいます。相手のスケジュールを押さえなくても作品を届けられるのが利点です。

施主は疑問や要望を、見ている箇所にコメントとして残せます。「この壁紙は別の色も見たい」といった要望がその場に紐づくので、修正依頼のやり取りが具体的になります。打ち合わせ後もリンクは残るため、施主が社内や家族に共有して検討を進められます。持ち帰り検討の多い案件ほど、この後追いの共有が意思決定を後押しします。

案件を散らかさない整理のコツ

共有する作品が増えてきたら、プロジェクト(案件)単位でフォルダを分けて整理しておくと管理が楽になります。同じ案件でも案A・案B、初期案・最終案のようにフェーズごとに分けておくと、どれが最新かを見失いません。

共有する前には、見せるフォルダを絞っておきましょう。古い案やボツ案が同じ場所に残っていると、施主に見せたくないものまでリンク先に並んでしまいます。提出先(施主・社内・協力会社)ごとに共有リンクを分けておくと、誰に何を見せたかを後から追いやすくなります。

Lumion Cloudを編集部が試してみました

編集部が実際にパノラマを1本アップロードして共有まで試してみました。所感として印象に残ったのは、施主役に渡す側が身構えずに済む点です。渡すものがURL1本なので、「相手のパソコンで開けるだろうか」という不安がそもそも発生しません。

パノラマをスマートフォンで開いてもらうと、指で視点を回して見回せる手軽さがそのまま伝わります。静止画を何枚も送るより、1本のリンクで空間全体を確認してもらえるほうが、説明の言葉が少なくて済むと感じました。コメントが箇所ごとに残る点も、口頭やメールで指摘を受け取るより取りこぼしが減ると捉えています。

一方で、共有前にフォルダの中身を見直す習慣は必要だと感じました。書き出したものが自動でクラウドに並ぶぶん、整理を後回しにすると案が混ざります。最初にプロジェクトを分けておくひと手間が、あとの見せやすさを左右します。

共有前に知っておきたい容量・枠と注意点

クラウド共有には、保存できる容量やパノラマの枠といった上限があります。多くの案件は無料の範囲で回せますが、数字を把握しておくと大きな案件でも慌てずに済みます。2026年7月時点の公式情報をもとに整理します。

無料で使える範囲(プロジェクト数・保存容量)

Lumion Cloudは無料でプロジェクトを最大20個まで作成でき、保存容量は50GB(ギガバイト、データの大きさを表す単位)が含まれます。案件ごとにプロジェクトを分けても、当面は枠を気にせず使い始められる余裕があります。

パノラマの枠は1プロジェクトあたり300スロット(従来の10から拡大)まで置けます。1つの案件で複数の部屋やアングルのパノラマを用意しても収まりやすく、大きめの案件でも枠切れになりにくい設計です。ただし、これらの数値は変わることがあるため、契約前に公式ページで最新の枠を必ず確認してください(出典: Lumion Cloud 公式 / Lumion Pro 2026 ガイド、確認日2026-07-03)。

共有時の注意点(見せる相手・情報管理)

共有リンクは、URLを知っていれば開ける形になります。社外に出したくない案は、リンクを渡す相手を絞り、転送されると意図しない相手に見られる点を前提に扱ってください。守秘性の高い案件では、公開範囲を確認してから共有します。

提出の前には、フォルダの中身を見直して、未提出の案やボツ案が混ざっていないかを確認しましょう。見せる相手ごとにフォルダを絞っておくと、この確認が短時間で済みます。公式の枠や対応形式は更新されることがあるので、大きな案件の直前には容量と扱える形式をもう一度確認しておくと安心です。

まとめ|クラウド共有でLumionの作品を活かす

Lumion Cloudを使えば、作った作品をURL1本で施主に届けられ、プレゼンの手間が大きく減ります。要点を整理します。

  • Lumion Cloudは作品をブラウザで見せる共有ハブです。施主はインストールもアカウント作成も要りません。
  • これから使うならLumion Cloudが標準です。My Lumionは段階的に役割を終える方向にあります。
  • 手順は「出力時にアップロード → プロジェクトに整理 → リンク/QRで共有」の3ステップです。
  • 対面はQRコード、非同期はリンクと使い分け、コメントで施主のフィードバックを1か所に集約できます。
  • 無料枠(プロジェクト20・50GB・パノラマ300スロット/2026年7月現在)は多くの案件で足りますが、契約前に公式で確認しておくと安心です。

次の一歩|共有する作品の質を上げる

作品を届ける手順が整ったら、次はその作品の質を上げる番です。共有するパノラマ自体をきれいに作りたいならLumionで360度パノラマを書き出す方法、動画や画像の画質・書き出し設定を詰めたいならLumionの出力・レンダリング設定の決め方から進めると、施主に見せる仕上がりが一段上がります。