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3DCG · Lumion

Lumionに必要なPCスペックの目安|推奨GPU・VRAM・メモリの選び方【2026年版】

編集部 読了 約13分

Lumion(建築・土木向けのリアルタイムレンダリングソフト)を買う前、あるいは無料体験を試す前に、いちばん気になるのは「手持ちのPCで動くのか」ではないでしょうか。新しくPCを組むなら、GPU(グラフィックボード)やメモリをどのくらい積めばいいのかも迷いどころです。結論から言うと、Lumionのスペック選びで最も効くのはGPUで、ここさえ外さなければ大きく失敗しません。

この記事では、Lumionの公式システム要件をもとに、必要なPCスペックの「目安」と「選び方の考え方」を整理します。個別製品のベンチマーク比較やGPUランキングは扱わず、あくまで座学として、自分の用途に合うラインを自分で判断できるようになることを目指します。

まず全体像として押さえる3つの結論から入り、次にGPU・VRAMの目安、メモリ・CPU・ストレージの考え方、そして学習用と実務用の用途別の目安、という順で見ていきます。Lumionそのものの特徴や価格はLumionの総合ガイドで解説しています。

Lumionのスペックで最初に押さえる3つの結論

Lumionで快適さを左右するのは、CPUやメモリよりもまずGPUです。公式も「グラフィックボードがLumionにとって単一で最も重要なパーツ」と明言しています(Lumion公式サポート、2026年6月現在)。ですからスペックを考えるときは、GPU→VRAM→メモリ→CPU→ストレージの順に予算を配分するのが基本の考え方になります。ここを理解しておくと、この先の細かい数字がぐっと読みやすくなります。

Lumionの学習・環境・運用の全体像はLumionの学習・環境・運用ガイドで解説しています。スペックはその中の「環境」にあたる部分です。

Lumionは「GPUで動くソフト」だと理解する

Lumionは、3Dの見た目をその場で即座に画面に映すリアルタイムレンダリングという方式を採用しています。この描画のほぼすべてをGPUが担うため、GPUの性能がそのまま操作の軽さや書き出しの速さになって現れます。

だからこそ、CPUやメモリを豪華にしてもGPUが弱いままだと快適にはなりません。公式が「GPUが最重要」と述べているのは、この仕組みが理由です。予算に限りがあるなら、まずGPUに寄せる。この優先順位を最初に頭へ入れておくと、パーツ選びで迷いにくくなります。

見るべき指標は「PassMarkスコア」と「VRAM容量」の2つ

GPUを選ぶとき、見るべき数字は2つだけです。1つはPassMark G3Dスコア(グラフィック性能を数値化したベンチマーク指標)で、これはGPUの「速さ」の目安になります。数字が大きいほど速い、という読み方さえ押さえれば十分です。

もう1つはVRAM容量(GPUに搭載された専用メモリ、単位はGB)で、これは「どれだけ重いシーンを扱えるか」の目安になります。素材や植栽を増やしたり、高解像度で書き出したりするほどVRAMを消費するためです。速さはPassMark、重い案件への耐性はVRAM、と役割を切り分けて覚えると整理しやすくなります。

「最低要件」と「推奨要件」は別物として読む

システム要件には「最低」と「推奨」の2段階があり、この2つはまったく意味が違います。最低要件は、とりあえず起動して簡単なシーンが動くラインです。推奨要件は、実務で快適に使えるラインを指します。

編集部が公式要件を読み解いた所感では、最低要件ぎりぎりの構成で実務に入ると、シーンが重くなった途端に手が止まりやすく、あとで後悔しがちです。この記事では、このあと「学習用(最低〜推奨)」と「実務用(推奨〜ハイエンド)」に分けて、それぞれどこを狙えばよいかを見ていきます。

GPU・VRAMの目安(Lumionで最重要のパーツ)

Lumionのスペック選びは、実質GPUとVRAMで9割が決まります。公式の目安は、簡単なシーンならPassMark 8,000以上・VRAM 6GB以上、実務の快適ラインでPassMark 14,000以上・VRAM 10GB以上、プロの重い案件でPassMark 22,000以上・VRAM 16GB以上です(Lumion公式サポート、2026年6月現在)。まずここを満たすことを最優先に考えます。

PassMarkスコアの3段階の目安

GPUの速さは、次の3段階で考えると迷いません。数値はすべてLumion公式サポートの記載です(2026年6月現在)。

区分PassMark G3D想定用途
最低8,000以上簡単なシーンが動く
推奨14,000以上一般的な建築シーンを快適に
ハイエンド22,000以上大規模・高精細な案件を安定して

ソース: Lumion公式サポート「Which graphics card do you need for Lumion 2024 and 2025?」Lumion公式「System Requirements」(いずれも2026年6月現在)

手持ちのGPUがどのくらいのPassMarkなのかは、公式のベンチマーク集計サイトで型番を検索すれば分かります。まず自分のGPUの数字を調べ、上の表のどのラインに届いているかを確認してみてください。届いていなければ、そこが買い替えや増強を検討する起点になります。

VRAMの目安と、なぜ足りないと困るのか

VRAMは、扱えるシーンの重さを決めるメモリです。通常描画(ラスタライズ)とレイトレーシング(光の反射や映り込みを物理的に計算する高品質な描画)とで、必要な容量の目安が少し変わります。

区分通常描画(ラスタライズ)レイトレーシング利用時
最低6GB以上8GB以上
推奨10GB以上10GB以上
ハイエンド(プロ)16GB以上16GB以上

ソース: Lumion公式サポート(2026年6月現在)

さらに、4K解像度で動画を書き出すなら最低8GB以上のVRAMが必要とされています(公式、2026年6月現在)。ここで注意したいのは、VRAMが不足したときに何が起きるかです。素材が読み込めない、操作中にカクつく、書き出しの途中で失敗する、といった症状が出やすくなります。つまりVRAM不足は「速い・遅い」の問題ではなく「そもそも案件が回らない」問題につながるため、扱う案件の重さから逆算して余裕を持たせておくのが安全です。

対応するGPUの世代と、選ぶときの考え方

Lumion 2024/2025が想定するGPUの世代は、公式に示されています(2026年6月現在)。ここでは優劣の比較はせず、世代の事実だけを押さえます。

  • NVIDIA:RTX 20 / 30 / 40 / 50シリーズ
  • AMD:RX 6000 / 7000シリーズ、Radeon Pro W6000 / W7000シリーズ
  • Intel:Arc(Lumion 2025はA580、B580以降が対応。Lumion 2024はIntel Arc非対応)

選ぶときの考え方はシンプルです。まずPassMarkで速さのラインを満たし、そのうえで、手がける案件の重さに合わせてVRAM容量を決めます。公式も「まず性能、次に容量」の順を示しています。ノートPCにするか自作デスクトップにするかは、予算と持ち運びの必要性で決めれば十分で、どちらでもLumion自体は動きます。

なお、特定の型番ごとの実測ベンチマークや「おすすめGPUランキング」を知りたい場合は、製品比較のデータベース https://db.persc.jp/ の該当ページを参照してください。この記事は座学に絞るため、個別製品の順位付けは扱いません。

メモリ(RAM)・CPU・ストレージの目安

GPUの次に効くのがメモリで、公式の推奨は64GBです。簡単なシーンなら16GBでも動きますが理想ではありません。CPUは「1スレッドあたりの速さ」が大事で、ストレージはSSD前提と考えておけば問題ありません。この3つは、GPUほど神経質にならなくてよい一方、削りすぎると別のところで足を引っ張るため、ほどよく確保するのがコツです。

メモリ(RAM)は推奨64GB・最低16GB

メモリは、公式推奨が64GB、最低が16GBです(2026年6月現在)。16GBは「簡単なシーンに限れば起動して動く」ラインで、公式も理想ではないと明記しています。ここを読み違えると、シーンを重くした途端に動作が不安定になりやすいので気をつけたいポイントです。

素材や植栽を多く配置したり、複数のシーンを切り替えたりするほどメモリを消費します。そのため実務で使うなら、32〜64GBを見ておくと安心です。うれしいのは、メモリはGPUと違ってあとから増設しやすいパーツだという点です。今すぐ64GBを積めなくても、まず32GBで始めて必要になったら足す、という進め方ができます。

CPUは「クロックの高さ」を優先する

CPUは、公式が1スレッドあたりのCPUMark(シングルスレッド性能の指標)2,200点以上を目安に挙げ、可能なら4.0GHz超・8コアを勧めています(2026年6月現在)。ここで大事なのは、コア数よりもクロック(GHz)の高さを優先するという考え方です。

理由は、Lumionの描画がGPU主体だからです。CPUのコアをたくさん積んでも、Lumionの快適さにはGPUほど響きません。それよりも1コアあたりの動作周波数が高いほうが、操作の引っかかりが減りやすくなります。CPU選びで迷ったら、コア数の多さよりクロックの高さを見る、と覚えておくとムダな予算配分を避けられます。

ストレージ(SSD)と、その他の前提条件

ストレージはSSDが前提です。Lumionは本体に加えて、樹木や人物などの素材を集めたアセットライブラリで大きな容量を使うため、余裕を持った空き容量を確保しておくと安心です。具体的な必要容量は公式に明記された範囲が限られるため、ここでは「たっぷり空けておく」と定性的にとらえておけば十分です。

そのほかにも、機材選びの前に確認しておきたい前提条件が公式に示されています。次の3点は、あとで遠回りしないために最初に見ておきたいポイントです。

  • OS:Windows 10(バージョン2004/Build 19041)以降、またはWindows 11(21H2/Build 22000)以降。Lumionはmac非対応のWindows専用ソフトです。
  • ディスプレイ:最低1920×1080。
  • グラフィックドライバ:最新版を推奨(最低 NVIDIA 551.23以降/AMD 24.1.1以降/Intel 32.0.101.6739以降)。

ソース: Lumion公式サポート「System Requirements Questions」Lumion公式「System Requirements」(いずれも2026年6月現在)

特に見落としやすいのがmac非対応の点です。Macで建築ビジュアルを進めたい場合、Lumionはそのままでは動かないため、PCの選択肢がWindowsに絞られる点を最初に知っておくと、機材選びの遠回りを避けられます。

用途別スペックの目安:学習用と実務用で分けて考える

同じLumionでも、学習やお試しで触るだけなら最低〜推奨ラインで十分ですが、クライアントワークで日常的に高精細な書き出しをするならハイエンド寄りを狙う価値があります。ここでは目的別に「どこを満たせばよいか」の目安を、公式要件の範囲でまとめます。自分がどちらの段階にいるかを思い浮かべながら読んでみてください。

学習用・お試し用の目安(まず動かして覚えたい)

Lumionを始めたばかりで操作に慣れたい段階なら、GPUはPassMark 8,000〜14,000・VRAM 6〜10GB、メモリは16〜32GBがひとつの目安になります。まず起動して、素材を置いたり視点を動かしたりする基本操作を体で覚える段階なので、ここまで満たしていれば学習は進みます。

ただし、最低要件ちょうどではなく少し上を狙うと、学習中のストレスがぐっと減ります。ぎりぎりの構成だと、少し凝ったシーンを作った瞬間に動作が重くなり、操作を覚える前に嫌になってしまいやすいためです。

もう1つ、手持ちのノートPCで試す場合の注意があります。GPUを内蔵していない(専用GPUのない)PCは、そもそもLumionの対象外です。専用GPUを積んでいるかを、試す前に必ず確認しておいてください。

実務用の目安(納品品質で日常的に使う)

納品品質のパースを日常的に作るなら、GPUはPassMark 14,000〜22,000以上・VRAM 10〜16GB以上、メモリは推奨64GB、CPUはクロック重視、という構成が現実的な目安です。学習用との違いは、重いシーンを安定して回し続けられるかどうかにあります。

とくに4K動画の書き出しやレイトレーシングを多用するなら、VRAMは16GB以上を基準に考えると安心です。書き出しの失敗やカクつきは、多くの場合VRAMの余裕不足から起きるためです。

なお、いざ使ってみて「重い・カクつく」と感じたときは、すぐにスペックを疑う前に、設定側で軽くできる余地があります。影の品質や解像度などの設定を見直すだけで快適さを取り戻せるケースは多く、これはスペック増強の代わりにもなります。設定での軽量化はLumionのレンダリングを高速化・軽くする設定のコツで解説しています。

迷ったときの優先順位(予算配分の考え方)

予算が限られていて全部は盛れない、というときは、GPU(PassMark)→VRAM容量→メモリ→CPU→ストレージの順で予算を配分してください。上流のGPUとVRAMが快適さの大半を決めるため、まずここを固めるのが正解です。

逆に、よくある失敗が「GPUをケチって、その分をCPUやメモリに回す」パターンです。Lumionの描画はGPU主体なので、この配分だと予算をかけたわりに快適になりません。CPUやメモリは土台として大事ですが、GPUの弱さを補ってはくれない、と覚えておくとムダな出費を避けられます。

次の一歩:Lumionと同じPCでほかのソフトも使う場合の考え方

Lumionのスペックを整えるとき、そのPCでCADや3DCG、AI画像生成もあわせて動かしたいという読者は少なくありません。この場合でも、判断の起点はやはりGPUとVRAMになります。ここまで見てきたLumionの要件が、他ソフトを兼用するときにもそのまま活かせるからです。

たとえば、建築のモデリングを別ソフトで進め、仕上げのビジュアルをLumionで作る、というワークフローを考えてみます。モデリング側はCPUやメモリの比重が高いソフトもあるため、Lumion基準でGPU・VRAMをしっかり確保しつつ、メモリを64GBまで見ておくと、両方を無理なく回せる構成に近づきます。

つまり、複数ソフトを兼用するなら「いちばん重いソフトの推奨ラインに合わせる」のが安全策です。Lumionは描画がGPUに寄っているぶん、Lumionの推奨GPU・VRAMを満たしておけば、他ソフトのビジュアル用途でも大きく困りにくい、という見方ができます。

Lumionのスペックを編集部が公式要件から読み解いてみました

ここまでの数字を、編集部が公式のシステム要件ページとサポート記事を突き合わせて読み解いてみました。取材や実機計測ではなく、あくまで公開情報を読み込んだうえでの所感として受け取ってください。

読み解いてまず感じたのは、Lumionの要件が「速さ」と「容量」をきれいに分けて語っている点です。PassMarkで速さ、VRAMで案件の重さ、という2軸の整理は、初心者がGPUを選ぶときの迷いを大きく減らしてくれます。多くのソフトが「推奨GPU:〇〇以上」とだけ書くなか、Lumionが数値の目安を段階で示しているのは、選ぶ側にとって親切な設計だといえます。

もう1つの所感は、メモリ推奨64GBという数字のインパクトです。一般的なオフィス用途なら16GBで十分な時代に、Lumionが64GBを推すのは、素材やシーンを大量に抱えたときのメモリ消費を見越しているからだと読み取れます。ここを軽く見ると実務でつまずきやすいので、最初から増設しやすい構成にしておくのが、遠回りしないコツだと編集部は見ています。

まとめ:Lumionのスペックは「GPU優先」で考える

Lumionのスペック選びは、公式が言うとおり「GPUが最重要」を軸に、PassMarkで速さ・VRAMで案件の重さへの耐性を確保し、メモリ・CPU・SSDで土台を整える、という順番で考えれば迷いません。用途に合わせて最低〜ハイエンドのどこを狙うかを決めるのが、ムダのないスペック選定です。

要点を整理すると、次の5つになります。

  1. Lumionで最も効くのはGPUです(公式明記)。まずここに予算を寄せます。
  2. 目安はPassMark 8,000/14,000/22,000の3段階、VRAM 6/10/16GBの3段階です。
  3. メモリは推奨64GB(最低16GB)、CPUはクロック重視、ストレージはSSD前提です。
  4. 学習用は最低〜推奨、実務用は推奨〜ハイエンドで分けて考えます。
  5. 数値はすべてLumion公式システム要件(2026年6月現在)に基づく目安で、実際の快適さはシーンの重さで変わります。

自分の用途に合うラインが見えたら、次は必要なスペックがエディションによっても変わる点を確認しておくと、機材選びと版選びがきれいにそろいます。動作が重いと感じる段階に入ったら、設定での軽量化を先に試すのが近道です。