1. 空調・換気設備の図示記号|ダクト・配管・吹出口

空調・換気設備の図示記号|ダクト・配管・吹出口

編集部 読了 約6分

  • 空調設備図のダクトの SA や EA って何のこと?
  • 冷媒管やドレン管の線の記号を知りたい
  • 吹出口やダンパーの記号の見分け方を知りたい

空調・換気設備図には、SA・RA のような英字を添えた線や、矢印の付いた記号が並びます。しかし、記号ごとの意味が分からないと、空気や冷媒がどこからどこへ流れるかをたどれないでしょう。

この記事では、ダクト・ダンパー・吹出口と吸込口・配管の記号の読み方を、国が定めた標準の記号で解説します。読むと、空調・換気設備図の線と記号から、何が流れる管で、どこで空気が出入りするかが分かります。

空調・換気設備の図示記号は、ダクトや配管、吹出口などの種類を、決まった形と英字で表したものです。

空調・換気の図示記号とは

この記事で読む空調・換気設備図の記号を4つに分けた図。ダクト、ダンパー、吹出口と吸込口、配管
国の工事の標準図の記号をもとに編集部が作成

図示記号は、ダクト・配管・吹出口などを、図面の上で表す決まった形と略号です。この記事では、よく出てくる記号を上の図の4つに分けて読みます。

国が発注する建物の工事で使う、設備の図面の書き方の基準(以下、国の工事の基準)は、記号を標準図のとおりにすると決めています。

記号の形を決めているのは、国が別に定めた標準図(以下、国の工事の標準図)です。

標準図に無い記号を決めて書く所は、図面ごとの凡例です。機器の記号は、「空調設備図に出てくる機器|室内機・室外機・全熱交換器」(準備中)の記事で解説します。

ダクトの記号

国の工事の標準図のダクトの記号。空調送気 SA、空調還気 RA、外気 OA、排気 EA、排煙 SM と、長方形と円形の断面の記号
出典:国土交通省「公共建築設備工事標準図(機械設備工事編)令和7年版」p.10 の表の一部を切り出して編集部が作成

ダクトの記号は、線に添えた英字の略号で、ダクトの中を流れる空気の種類を表します。標準図のダクトの略号は、次の5つです。

略号標準図の名前流れる空気
SA空調送気空気調和機から部屋へ送る空気(給気)
RA空調還気部屋から空気調和機へ戻す空気(還気)
OA外気外から取り入れる空気
EA排気又は厨房排気外へ出す空気
SM排煙火事の煙(外へ出す)

空調設備図を解説した Web の記事(以下、解説の記事)のうち9本が、SA・RA・OA・EA の4つで空気の行き先を追うと書いています。

線の記号は、ダクトを1本の線で描く形と、2本の線で描く形の2通りです。備考には、外気処理送気の SOA と、厨房排気の KEA の略号もあります。

ダクトの断面の記号は、長方形と円形の2つの形です。中の線は、SA が×、RA と EA が斜線1本、OA が斜線と半分の線、SM が斜線2本でした。

ダンパーの記号

国の工事の標準図のダンパーの記号と、記号に添える略号の一覧
出典:国土交通省「公共建築設備工事標準図(機械設備工事編)令和7年版」p.11 の表の一部を切り出して編集部が作成

ダンパーは、ダクトの中の羽根を開け閉めして、風量を調節したり、火や煙を止めたりする部品です。

標準図の記号は、1本の線で描いたダクトの上の丸と斜線と、2本の線で描いたダクトの中の四角の2つでした。そばに略号を書いて種類を分けます。

標準図が決めている略号は、次の9つです。

略号標準図の名前
VD風量調節ダンパー
FD防火ダンパー
SD防煙ダンパー
SFD防火防煙ダンパー
SMD排煙ダンパー
HFD排煙ダクト接続の防火ダンパー
MDモーターダンパー
PDピストンダンパー
CD逆流防止ダンパー

解説の記事9本が、FD はダクトが防火区画を貫く所に付ける防火ダンパーと説明しています。防火区画は、火事が燃え広がるのを防ぐため、建物を一定の面積ごとに区切った範囲です。

吹出口と吸込口の記号

国の工事の標準図の吹出口と吸込口の記号。吹出口は口から離れる向きの矢印、吸込口は口へ向かう向きの矢印
出典:国土交通省「公共建築設備工事標準図(機械設備工事編)令和7年版」p.11 の表の一部を切り出して編集部が作成

吹出口と吸込口は、矢印の向きで見分けます。吹出口は部屋へ空気を吹き出す口で、矢印が口から離れる向きです。

吸込口は部屋から空気を吸い込む口で、矢印が口へ向かう向きになります。

標準図の吹出口の記号は、壁付きと天井付きの2つで、床付きも天井付きと同じ記号です。吸込口の記号も、壁付きと天井付きの2つがあります。

冷媒管とドレン管の記号

国の工事の標準図の冷媒管とドレン管の記号。冷媒管は R、送りと返りを分けるときは R と RR、ドレン管は D
出典:国土交通省「公共建築設備工事標準図(機械設備工事編)令和7年版」p.4・p.5 の表の一部を切り出して編集部が作成

空気を運ぶのがダクトで、冷媒や水を運ぶのが配管です。空調の配管でよく出てくるのは、冷媒管とドレン管でしょう。

冷媒管は、室外機と室内機のあいだで冷媒(熱を運ぶ物質)を運ぶ管です。標準図では、送りと返りが一対の冷媒管を R の1本の線で描き、R・RR と書いてもよいとしています。

送りと返りが一対でないときは、送りを R、返りを RR と別に書きます。

編集部が集めた公開の空調・換気設備図のうち、冷媒管を描いた4件は、どれも R の1本の線でした。RR を使った図はありません。

そのうち3件は、線に ①・ⓐ のような記号を付け、表で冷媒管の液管とガス管の太さを組で書いていました。

ドレン管は、エアコンなどで空気を冷やしたときに、機械の中でできた水(結露水)を外へ流す管です。記号は D で、集めた4件も D で描いていました。

図面の凡例で確かめる

空調・換気設備図の凡例の見本。使う記号に黒丸、使わない記号に白丸を付けた形
凡例の見本。記号・名前・印は例

空調・換気設備図の記号は、その図面の凡例で確かめます。標準図に無い記号は、図面ごとに決めて凡例に書くためです。

集めた実物のうち2件は、凡例を独立した1枚の図にしていました。そのうち1件の凡例は、ダンパーの略号を並べ、使う記号に黒丸、使わない記号に白丸を付けていました。

この凡例には標準図に無い略号が1つあり、HFD の名前も標準図と違う「排煙用防火ダンパー」でした。

記号を凡例と照らして読もう

空調・換気設備図の記号の種類と、そこから読めることの表
空調・換気設備図の記号と、そこから読めること

空調・換気設備図の記号は、略号と形で中を流れるものや部品の種類を表します。この記事で読んだのは、次の5つです。

  • ダクトの記号:SA・RA・OA・EA・SM で流れる空気
  • ダンパーの記号:ダクトの線の上の記号に略号を添えて種類を分ける
  • 吹出口と吸込口の記号:矢印の向き
  • 冷媒管とドレン管の記号:R と D
  • 凡例:その図面で使う記号と名前

図の種類は「空調・換気設備図の種類|機器表・系統図・平面図」(準備中)の記事で解説します。

空調・換気設備図を開いたら、まず凡例でダクトと配管の略号を確かめ、SA の線を吹出口までたどってみてください。

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この記事について

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