1. 空調・換気設備図の種類|機器表・系統図・平面図

空調・換気設備図の種類|機器表・系統図・平面図

編集部 読了 約6分

  • 空調設備図には、どんな図があるの?
  • 機器表・系統図・平面図は、何が違うの?
  • 空調・換気設備図を、どの図から読めばいいかを知りたい

空調・換気設備図を開くと、文字だけの表、線と四角だけの図、平面図に線が重なった図が続きます。しかし、それぞれの図が何を表すかが分からないと、同じ機器を何枚もの図で探すことになるでしょう。

この記事では、空調・換気設備図の3つの種類と、ダクトの図と配管の図の分かれ方、図面の並びと読む順を解説します。読むと、空調・換気設備図の1枚ずつが、機器の何を表しているかが分かります。

空調・換気設備図は、建物の空気を整える機器と、空気や水を運ぶ管を描いた図面です。

空調・換気設備図とは

空調・換気設備図が表す3つの設備。空気調和設備・換気設備・排煙設備と、それぞれの主な機器
国の工事の基準(建築設備工事設計図書作成基準)をもとに編集部が作成

空調・換気設備図は、空気調和・換気・排煙の設備の機器と、ダクトや配管を表す図面です。空気調和(空調)は、室内の空気の温度・湿度・清浄度・気流を、部屋の用途に合うように整えることを指します。

換気は、建物の中の汚れた空気を出し、外の新しい空気と入れかえることです。排煙設備は、火事が起きたときの煙を外へ出す設備で、空調・換気と同じくダクトで空気を運びます。

国が発注する建物の工事で使う、設備の図面の書き方の基準(以下、国の工事の基準)は、この3つの設備を、上の図のような機器とダクトなどで構成するとしています。

3つの設備の図面は、できるだけ同じ図面にまとめる決まりです。

一方、編集部が集めた公開の空調・換気設備図6件(学校・公民館・給食センター・住宅)では、空調と換気で別の図面にしていたものが3件ありました。ほかに、換気の図だけで空調の図が無い住宅が1件です。

空調・換気設備図の3つの種類

1台の室内機を、機器表・系統図・平面図の3つの図で見た模式図
1台の室内機が3つの図にどう出るかを示した模式図。記号と値は例

上の図では、業務用のエアコンを、部屋の中の室内機と外に置く室外機に分けて描きました。

国の工事の基準は、空調・換気・排煙の設備の図面を、機器表・系統図・平面図で構成するとしています。この記事で見る3つの種類は、次のとおりです。

  • 機器表
  • 系統図
  • 平面図

機器表

機器表は、図面に出てくる機器の記号・名称・仕様などを一覧にした表です。図の中の機器の記号を、機器表の同じ記号の行で引くと、その機器の形式や能力が分かります。

集めた実物6件のうち、機器表のあるものは4件で、表の数は5つ(1件は空調と換気で2表)でした。

5つの機器表のすべてに、記号・名称・仕様(形式と能力)・電源・台数の欄がありました。電源の欄には、単相か三相かと、電圧を書きます。

系統図

系統図は、機器とダクト・配管が、何から何へつながるかを表した図です。建物の中の位置によらず、つながりを線で描きます。

系統図に縮尺を付けないのが、国の工事の基準の決まりです。

空調設備図を解説した Web の記事(以下、解説の記事)のうち6本が、系統図を、つながりを示す図と説明しています。

平面図

平面図は、建物の平面図の上に、機器とダクト・配管の位置と通り道を描いた図です。縮尺は、国の工事の基準では 1/100 で、1/200 でもよいとされています。

線の太さは、建物の線が極細線(0.1mm)、ダクトと配管が太線(0.3mm)、1本の線で描くダクトが極太線(0.5mm)です。建物の図は、設備の図面として要らない線を消して使う決まりです。

ダクトの図と配管の図

空調・換気設備図の系統図と平面図が、ダクトと配管でそれぞれ分かれる表。ダクト系統図・ダクト平面図・配管系統図・配管平面図
国の工事の基準の図面の構成をもとに編集部が作成

3つの種類のうち系統図と平面図は、管の中を流れるもので、ダクトの図と配管の図に分かれます。国の工事の基準も、系統図と平面図を、ダクト系統図・ダクト平面図・配管系統図・配管平面図の4つに分けています。

ダクトは、冷暖房・換気・排気などの空気を運ぶ管です。配管は、冷媒(冷やしたり温めたりするために熱を運ぶ物質)や、ドレンなどを流す管を指します。

ドレンは、エアコンなどで空気を冷やしたときに、機械の中でできた水(結露水)のことです。

集めた実物6件では、「ダクト平面図」の名前の図が2件、「配管平面図」の名前の図が2件ありました。

図面の並びと読む順

空調・換気設備図の読む順。凡例、機器表、系統図、平面図の順に矢印でつないだ図
解説の記事と、集めた実物の綴じ方をもとに編集部が作成

国の工事の基準の図面の構成の表は、機器表が先頭です。集めた実物のうち2件は、機器表 → 系統図 → 平面図の順に綴じていました。

後半だけを集めた1件も、系統図 → 平面図の順でした。

解説の記事6本が、凡例を早めに確かめると書いています。凡例は、図で使う線や記号の意味の一覧で、実物では独立した1枚にしているものが2件ありました。

系統図でつながりをつかんでから平面図で位置を見る、という順は、解説の記事4本が書いていて、逆を勧める記事はありませんでした。

住宅の空調・換気の図

見本の家の平面図に、エアコンの位置と換気扇の位置を描いた図
見本の家(1階が 7,280mm×6,370mm の木造2階建て)の1階平面図。エアコンと換気扇の位置は例

住宅の空調・換気の図は、学校や公民館の図とは形が違うことがあります。集めた実物のうち住宅は2件で、2件とも、空調の機器表や冷媒管・ドレン管の線はありませんでした。

2件とも、エアコンは位置だけが平面図に描かれていました。1件は、換気扇の機器表と、換気扇の位置を描いた換気の平面図を持っていました。

住宅は2件だけの観察なので、ほかの住宅の図面がいつもこの形とは限りません。

凡例と機器表から順に開いてみよう

空調・換気設備図の3つの種類と、それぞれから分かることの表
空調・換気設備図の種類と、それぞれから分かること

空調・換気設備図は、空調・換気・排煙の機器と管の図面で、この記事で見た種類は次の3つです。

  • 機器表:機器の記号・名称・仕様・電源・台数
  • 系統図:機器とダクト・配管のつながり
  • 平面図:機器とダクト・配管の位置と通り道

記号の読み方は「空調・換気設備の図示記号|ダクト・配管・吹出口」(準備中)の記事で、機器の名前は「空調設備図に出てくる機器|室内機・室外機・全熱交換器」(準備中)の記事で解説します。

空調・換気設備図を開いたら、凡例と機器表で記号を確かめ、系統図でつながりを見てから、平面図で位置をたどってみてください。

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