開口部の納まり|見込み・見付け・チリ
- 見込みと見付けの違いは何?
- 建築のチリとはどこのこと?
- 窓枠やドア枠の見込み・見付け・チリの考え方を知りたい
窓やドアのまわりの納まり(部材どうしの取り付け具合)は、現場では見込み・見付け・チリという言葉で話されます。しかし、それぞれが枠のどこを指すのかを知らないと、図面の寸法も、相手の話も読み取れません。
この記事で解説するのは、3つの言葉の意味、チリをとる理由、枠の見込みと壁の厚さ、額縁、図面での書かれ方です。読むと、3つの言葉が枠のどこを指すかが分かります。
見込みは部材の奥行き、見付けは正面から見た幅、チリは枠の面と壁の面の差のことです。
見込み・見付け・チリとは

見込み・見付け・チリは、枠などの部材の寸法を、見る向きや面の位置で呼び分ける言葉で、意味は次の3つです。
- 見込みは奥行き
- 見付けは正面の幅
- チリは面の差
見込みは奥行き
見込みは、部材の側面、つまり奥行きと、その寸法のことです。枠なら、壁の厚さの向きに測った枠の寸法が見込みにあたります。
見付けは正面の幅
見付けは、部材の正面、またはその幅のことで、主に仕上げ材のように表に見える材について使います。枠なら、部屋の側から正面に見える枠の幅が見付けです。
書き方は、送りがなのある「見付け」と、無い「見付」の2つがあります。
チリは面の差
チリ(散り)は、2つの材の面がわずかにずれた部分のことです。枠の場合は、壁の面と枠の面の差がチリです。
わざとチリをとる理由

枠と壁の面をぴったりそろえると、少しの歪みや隙間でも目立ちます。そのため、わざと面をずらして段差を付けます。
見出しの「チリをとる」は、この段差を付けることです。ずらす量に決まった値は無く、図面では詳細図の枠と壁の段差の寸法で確かめます。
枠の見込みと壁の厚さ

枠の見込みは、取り付ける壁の厚さに合わせて決めます。たとえば木造の部屋どうしの壁は、柱 105mm の両側に 12.5mm のせっこうボードを張ると 130mm です。
この壁に付ける枠は、130mm の壁の厚さに合わせた見込みにします。壁の厚さが違う所では、同じ建具でも枠の見込みは別の値です。
外部のアルミ製の建具の枠には、決まった値を使う場合もあります。国の工事の仕様書では、コンクリートや鉄骨の下地に付ける外部のアルミ製の建具の多くで、枠の見込みを 70mm としています。
引違いの窓などで複層ガラスを使うときは 100mm です。
どちらも図面に別に書いていないときの値で、木造の下地に付けるものなどは図面に書いて決めます。

窓まわりの額縁

窓や出入口のまわりに付ける飾りの木枠が、額縁です。額縁にも、正面から見た幅の見付けと、奥行きの見込みがあります。
ただし、建具を取り付ける枠そのものを「額縁」と呼ぶこともあり、指す物に幅があります。打ち合わせでは、どの部分を額縁と呼んでいるかを確かめましょう。
図面での見込み・見付け・チリ

図面で名前が書かれるのは、主に見込みです。編集部が集めた公開の住宅の設計図では、建具表がある5件のうち4件が、見込の欄を立てていました。
欄の名前は4件とも送りがなの無い形で、「見込」「見込寸法」「扉見込」「枠見込」などです。
欄の値は、木製の扉の厚さ 30〜35mm のような建具の厚さと、70〜133.5mm のような枠やサッシの奥行きの2通りでした。
欄の値が扉の厚さか枠の奥行きかは、図面によって違います。
「見付」の文字を寸法に添えた住宅の図面は1件だけで、矩計図の軒の部材に「見付40」と書いていました。
「チリ」の文字は、集めた図面18件(住宅12件・住宅以外6件)のどれにも書かれていませんでした。枠まわりの詳細図があった1件でも、段差は寸法の数字だけで描かれていました。
見込み・見付け・チリで枠の納まりを読もう

部材の奥行き・正面の幅・面の差を呼び分ける3つの言葉が、見込み・見付け・チリです。この記事で見たのは、次の5つです。
- 見込み・見付け・チリとは
- わざとチリをとる理由
- 枠の見込みと壁の厚さ
- 窓まわりの額縁
- 図面での見込み・見付け・チリ
建具表や詳細図を開いたら、「見込」の欄が扉の厚さか枠の奥行きかを確かめ、詳細図で枠と壁の段差を探してみてください。
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