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  1. 開口部の納まり|見込み・見付け・チリ

開口部の納まり|見込み・見付け・チリ

編集部 読了 約5分

  • 見込みと見付けの違いは何?
  • 建築のチリとはどこのこと?
  • 窓枠やドア枠の見込み・見付け・チリの考え方を知りたい

窓やドアのまわりの納まり(部材どうしの取り付け具合)は、現場では見込み・見付け・チリという言葉で話されます。しかし、それぞれが枠のどこを指すのかを知らないと、図面の寸法も、相手の話も読み取れません。

この記事で解説するのは、3つの言葉の意味、チリをとる理由、枠の見込みと壁の厚さ、額縁、図面での書かれ方です。読むと、3つの言葉が枠のどこを指すかが分かります。

見込みは部材の奥行き、見付けは正面から見た幅、チリは枠の面と壁の面の差のことです。

見込み・見付け・チリとは

ドア枠を水平に切った図。壁の厚さの向きの寸法を見込み、正面から見える枠の幅を見付け、枠の面と壁の面の差をチリと示す
室内ドアの枠を水平に切った例。値は例。編集部が作図

見込み・見付け・チリは、枠などの部材の寸法を、見る向きや面の位置で呼び分ける言葉で、意味は次の3つです。

  • 見込みは奥行き
  • 見付けは正面の幅
  • チリは面の差

見込みは奥行き

見込みは、部材の側面、つまり奥行きと、その寸法のことです。枠なら、壁の厚さの向きに測った枠の寸法が見込みにあたります。

見付けは正面の幅

見付けは、部材の正面、またはその幅のことで、主に仕上げ材のように表に見える材について使います。枠なら、部屋の側から正面に見える枠の幅が見付けです。

書き方は、送りがなのある「見付け」と、無い「見付」の2つがあります。

チリは面の差

チリ(散り)は、2つの材の面がわずかにずれた部分のことです。枠の場合は、壁の面と枠の面の差がチリです。

わざとチリをとる理由

枠の面と壁の面をそろえた納まりと、枠を壁から少し出してチリをとった納まりを並べた図
枠と壁の面の関係の例。値は例。編集部が作図

枠と壁の面をぴったりそろえると、少しの歪みや隙間でも目立ちます。そのため、わざと面をずらして段差を付けます。

見出しの「チリをとる」は、この段差を付けることです。ずらす量に決まった値は無く、図面では詳細図の枠と壁の段差の寸法で確かめます。

枠の見込みと壁の厚さ

壁の厚さに合わせて枠の見込みを決める図。木造の内壁の厚み130に合わせた枠の断面
室内ドアの枠と壁の厚さの関係の例。値は例。編集部が作図

枠の見込みは、取り付ける壁の厚さに合わせて決めます。たとえば木造の部屋どうしの壁は、柱 105mm の両側に 12.5mm のせっこうボードを張ると 130mm です。

この壁に付ける枠は、130mm の壁の厚さに合わせた見込みにします。壁の厚さが違う所では、同じ建具でも枠の見込みは別の値です。

外部のアルミ製の建具の枠には、決まった値を使う場合もあります。国の工事の仕様書では、コンクリートや鉄骨の下地に付ける外部のアルミ製の建具の多くで、枠の見込みを 70mm としています。

引違いの窓などで複層ガラスを使うときは 100mm です。

どちらも図面に別に書いていないときの値で、木造の下地に付けるものなどは図面に書いて決めます。

窓辺で、若い設計者が窓枠の横に定規を当て、枠の奥行きを測っている場面
枠の見込みを測る場面のイメージ

窓まわりの額縁

窓のまわりに額縁を付けた図。額縁の見付けと見込みを示す
窓の額縁の例。値は例。編集部が作図

窓や出入口のまわりに付ける飾りの木枠が、額縁です。額縁にも、正面から見た幅の見付けと、奥行きの見込みがあります。

ただし、建具を取り付ける枠そのものを「額縁」と呼ぶこともあり、指す物に幅があります。打ち合わせでは、どの部分を額縁と呼んでいるかを確かめましょう。

図面での見込み・見付け・チリ

建具表の「見込」の欄と、枠まわりの詳細図の寸法を並べた図。チリは寸法の名前を書かない
公開されている住宅の図面の書き方をもとに、編集部が作図。値は例

図面で名前が書かれるのは、主に見込みです。編集部が集めた公開の住宅の設計図では、建具表がある5件のうち4件が、見込の欄を立てていました。

欄の名前は4件とも送りがなの無い形で、「見込」「見込寸法」「扉見込」「枠見込」などです。

欄の値は、木製の扉の厚さ 30〜35mm のような建具の厚さと、70〜133.5mm のような枠やサッシの奥行きの2通りでした。

欄の値が扉の厚さか枠の奥行きかは、図面によって違います。

「見付」の文字を寸法に添えた住宅の図面は1件だけで、矩計図の軒の部材に「見付40」と書いていました。

「チリ」の文字は、集めた図面18件(住宅12件・住宅以外6件)のどれにも書かれていませんでした。枠まわりの詳細図があった1件でも、段差は寸法の数字だけで描かれていました。

見込み・見付け・チリで枠の納まりを読もう

この記事のまとめの表。見込み・見付け・チリの意味と見る向き、チリをとる理由、枠の見込みと壁の厚さ、額縁、図面での書かれ方
この記事のまとめ。編集部が作成

部材の奥行き・正面の幅・面の差を呼び分ける3つの言葉が、見込み・見付け・チリです。この記事で見たのは、次の5つです。

  • 見込み・見付け・チリとは
  • わざとチリをとる理由
  • 枠の見込みと壁の厚さ
  • 窓まわりの額縁
  • 図面での見込み・見付け・チリ

建具表や詳細図を開いたら、「見込」の欄が扉の厚さか枠の奥行きかを確かめ、詳細図で枠と壁の段差を探してみてください。

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