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枠図の読み方|建具の枠の詳細

編集部 読了 約13分

*2026年9月27日に確認した内容です。国土交通省の「建築工事標準詳細図(令和4年改定)」(建具の章は第3分冊)と、「建築工事設計図書作成基準」「建築工事設計図書作成基準の資料」(どちらも令和2年改定)によります。国土交通省の基準は、国の建物の工事(官庁営繕)のための基準です。民間の図面では、書き方が違うことがあります。

建具は、戸や窓、シャッターなどです。枠は、建具のまわりに付けて壁に取り付ける部材です。

枠図は、建具の枠の形と、枠が壁や床とどう納まるか(部材どうしがどう取り合うか)を詳しく描いた図です。国の建物の設計でよく使う細部の納まりを標準にした図集「建築工事標準詳細図」(国土交通省)では、「建具取合い」の図として描かれています。

この記事では、建築工事標準詳細図の建具の章を例に、枠図の読み方を載せています。

枠図は建具の枠回りを詳しく描いた図

建具表は、建具ごとの仕様を一覧にした表です。国土交通省の「建築工事設計図書作成基準の資料」は、建具表に書く事項として「枠回り詳細」と「くつずり」(出入口の床の部分に付く部材)を挙げています。

国土交通省の資料が定める建具表の記載事項の表。建具の欄に枠回り詳細とくつずりがある
建具表の記載事項。建具の項目の2行目と3行目に、枠回り詳細とくつずりがある。出典:国土交通省「建築工事設計図書作成基準の資料(令和2年改定)」(15) 建具表の表を切り出して編集部が作成

「枠図」という名前の図面は、国土交通省の基準の図面の一覧にも、建築工事標準詳細図にもありません。

この記事では、枠回りを詳しく描いた図を枠図と呼びます。枠図に出てくる枠・扉・くつずりは、実物では次の部分です。

室内の鋼製の片開き戸の、枠の角、扉の縁、足もとのステンレスのくつずりを並べた写真
左から、扉のまわりの枠、扉の縁(厚みの向き)、足もとのくつずり。生成AIで作ったイメージです

建築工事標準詳細図は、国の庁舎の設計でよく使う詳細を標準にしたものです。

設計図書(工事に使う図面と仕様書などの書類)の中では、図面を補うものです。図面と違うところは、図面が優先します。

建具の章には、次の図があります(括弧の中は図の番号)。

  • 建具:形状寸法(4-01)
  • 建具取合い:木製建具(4-11〜4-13)
  • 建具取合い:標準型鋼製建具(4-21)
  • 建具取合い:鋼製建具、鋼製軽量建具(4-22〜4-25)
  • 建具取合い:内部用くつずり等(4-31)
  • 建具取合い:鋼製建具(外部用)(4-41・4-42)
  • 建具取合い:簡易気密型鋼製建具(4-43〜4-45)
  • 建具取合い:簡易気密型鋼製軽量建具(4-46)
  • 建具取合い:防火戸(90度開き・180度開き)(4-47・4-48)
  • シャッター:防火・防煙シャッター(4-49)
  • 建具取合い:窓(4-51・4-52)、二重窓(4-53)、窓(樹脂製建具)(4-54)、二重窓(改修)(4-55)

建具表のほかの欄と建具符号(建具ごとの番号と記号)の読み方は、「建具表の読み方|形・寸法・材質・ガラス・金物・防火の別」の記事で解説しています。

建具取合いの図は平面と断面の2つで読む

4-21 など枠の図は、1つの枠を「平面」(水平に切って上から見た図)と「断面」(垂直に切って横から見た図)の2つの図で描いています。1枚の図の中にいくつかの図があり、「-1」「-2」のように番号が付いています。

縮尺は1/5です。4-21 の図では、平面に幅の W、断面に高さの H の矢印が付いています。

建築工事標準詳細図 4-21 の標準型建具枠(鋼製建具)。左が平面、右が断面で、平面に W、断面に H の矢印
4-21 の -1 標準型建具枠(鋼製建具)。左の平面に W、右の断面に H の矢印がある。出典:国土交通省「建築工事標準詳細図(令和4年改定)」4-21 の -1 を切り出して編集部が作成

4-21 には、標準型建具枠(鋼製建具)と標準型建具枠(簡易気密型鋼製建具)の図が並んでいます。簡易気密型の図にだけ、気密材(戸と枠のすき間から空気が漏れにくくする部材)が描かれています。

平面図(各階を水平に切った断面を表す図面)をさらに詳しくした平面詳細図の読み方は、「平面詳細図の読み方|壁の構成・仕上げ・細かい寸法」の記事で解説しています。

W と H は枠の有効内のりで読む

建築工事標準詳細図の「扉の標準寸法」の表は、W を「枠の有効内のり幅」、H を「枠の有効内のり高さ」としています。

4-21 の平面の図では、W の矢印は枠の内側の面から引かれています。開き戸の標準を、次の表で見てみましょう。

開閉方法枠の有効内のり幅 W枠の有効内のり高さ H
片開き9002,000
片開き9502,100
親子開き1,2002,000
親子開き1,2502,100
両開き1,8002,000
両開き1,9002,100
片開き6001,900
建築工事標準詳細図 4-01 の「扉の標準寸法」の表と備考
4-01 の「扉の標準寸法」の表と備考1〜5。出典:国土交通省「建築工事標準詳細図(令和4年改定)」4-01 建具:形状寸法 の一部を切り出して編集部が作成

引違い・片引き・両引きなどは、この表に準じます。表の備考によると、H は床面からの高さで、扉の前後で段差があるときは、廊下などの一般の床からの高さです。

備考は、標準寸法の変更は最小限に抑えるとしています。

ただし、身障者の利用する部分は、枠の有効内のり幅を900以上とします。親子開き(大きさの違う2枚の扉を組み合わせた開き戸)の子扉(小さいほうの扉)の幅は300mmで、ドアクローザを設ける場合は350mm以上です。

同じ 4-01 の形状図(建具の形を描いた図)にも、扉の形ごとに W と H が書かれています。フラッシュ戸は、表面が平らな戸です。

建築工事標準詳細図 4-01 の形状及び形状番号。木製・鋼製建具の扉の形ごとに W と H が示されている
4-01 の形状 A-1〜A-6(フラッシュ戸)と B-1〜B-8(ガラス入フラッシュ戸)。どの形にも W と H がある。出典:国土交通省「建築工事標準詳細図(令和4年改定)」4-01 建具:形状寸法 の一部を切り出して編集部が作成

4-21 などの図の下にある仕様の欄は、標準型建具の寸法を 4-01 によるとしています。建具表の寸法の欄(建具寸法と建具枠寸法)については、「建具表の読み方|形・寸法・材質・ガラス・金物・防火の別」で解説しています。

枠の見込みと扉の見込みを読む

4-31 などの建具取合いの図には、「枠見込み」と「扉見込み」が書かれています。

4-31 の図では、見込みの寸法は壁の厚みの向きに引かれています。4-31 の -4 では、枠見込みの寸法の下に「(扉見込み+3〜4)」の寸法があります。

建築工事標準詳細図 4-31 の -4 くつずり。枠見込みと「扉見込み+3〜4」の寸法
4-31 の -4 くつずり。上の「枠見込み」と、その下の「(扉見込み+3〜4)」の寸法を見る。出典:国土交通省「建築工事標準詳細図(令和4年改定)」4-31 の -4 を切り出して編集部が作成

建築工事標準詳細図の「扉の標準寸法」の備考では、扉の見込み寸法は、木製建具と鋼製建具が40mm、鋼製軽量建具が35〜40mmです。点検用の扉など、W×H の小さなものは30mm程度です。

枠の見込みでは、窓の図の 4-55(二重窓(改修)(樹脂製建具))の仕様が、樹脂製建具の枠見込みを60mm以上としています。

壁の条件ごとに枠の納まりの図が分かれる

標準詳細図は、同じ材質の建具の枠でも、壁の種類や工法ごとに図を分けています。4-11〜4-44 では、図の名前の括弧に、どの壁の場合の図かが書かれています。

コンクリート壁打放し仕上げは、コンクリートの面をそのまま仕上げにした壁です。直張り工法は、壁にボードを接着材で直に張る方法です。

軽量鉄骨壁は、軽量鉄骨の下地にボードを張った壁です。ALC パネルは、軽量気泡コンクリートパネルです(国土交通省の資料の略号 ALC)。

図建具壁の条件
4-11木製建具コンクリート壁の場合
4-12木製建具軽量鉄骨壁の場合
4-13木製建具直張り工法及びALCパネルの場合
4-21標準型鋼製建具コンクリート壁打放し仕上げの場合
4-22鋼製建具、鋼製軽量建具コンクリート壁打放し仕上げの場合
4-23鋼製建具、鋼製軽量建具直張り工法の場合
4-24鋼製建具、鋼製軽量建具軽量鉄骨壁の場合
4-25鋼製建具、鋼製軽量建具ALCパネルの場合
4-41・4-43鋼製建具(外部用)・簡易気密型鋼製建具(外部用)内部直張り工法の場合
4-42・4-44鋼製建具(外部用)・簡易気密型鋼製建具(外部用)内部打放し仕上げの場合

4-21・4-41・4-42 の図面名称の欄では、2行目の括弧が壁の条件です。

建築工事標準詳細図 4-21・4-41・4-42 の図面名称の欄。コンクリート壁打放し仕上げの場合、内部直張り工法の場合、内部打放し仕上げの場合
4-21・4-41・4-42 の図面名称の欄。括弧の中が壁の条件。出典:国土交通省「建築工事標準詳細図(令和4年改定)」4-21・4-41・4-42 の図面名称の欄を切り出して並べて編集部が作成

4-45(簡易気密型鋼製建具)と4-46(簡易気密型鋼製軽量建具)の括弧は、壁の条件ではなく「内部用」です。

壁そのものの下地と仕上げの重なりの読み方も、「平面詳細図の読み方」の記事で確かめてください。

くつずりは床の仕上げとの境目で読む

建築工事標準詳細図の「内部用くつずり等」(4-31)は、出入口の床の部分を、くつずりがある場合、目地棒の場合、くつずりも目地棒も無い場合に分けて描いています。

建築工事標準詳細図 4-31 の -1 くつずり、-2 目地棒、-3 くつずり・目地棒なしの場合
4-31 の -1 くつずり、-2 目地棒、-3 くつずり・目地棒なしの場合。床の線の上下の部材の違いを見る。出典:国土交通省「建築工事標準詳細図(令和4年改定)」4-31 の -1〜-3 を切り出して編集部が作成

図に書かれた材料は、次のとおりです。

  • くつずり:ステンレス t=1.5(t は厚さ。-1・-4・-5)。便所・洗面所などの -6 は石材
  • 目地棒(床の仕上げの境目に入れる細い部材):ステンレス(SUS304)
  • くつずり、目地棒なしの場合:仕上材が変わる場合の見切線(仕上げの境目の線)

便所・湯沸室など(-5)と、便所・洗面所など(-6)は、防水の種類ごとに図が分かれています。

くつずり番号を建具符号のどこに添えるかは、「建具表の読み方|形・寸法・材質・ガラス・金物・防火の別」で解説しています。

防火戸と窓の図で読むもの

防火戸は、火災のときに炎をさえぎる性能を持つ戸(建築基準法の防火設備の1つ)です。特定防火設備は、防火設備のうち、火熱が加わってから1時間、加熱面以外の面に火炎を出さないものです(建築基準法施行令第112条第1項)。

建具取合いの防火戸の図(4-47・4-48)は、90度開きと180度開きの2つです。仕様の欄には、次のことが書かれています(欄の言葉のまま)。

  • 特定防火設備と取り合う壁と床の仕上げの、標準的な納まりを示す。この納まりは防火認定を受けたものではない
  • ヒューズ装置の場合は、自動閉鎖機構、切込み、開口補強を含む
  • 煙感知器又は熱感知器連動装置の場合は、切込み、開口補強のみとし、吸着板、ラッチ受け座は別途とする

防火・防煙シャッターの図(4-49)の仕様にも、1つ目と同じ定めがあります。

シャッターの各部は、公共建築工事標準仕様書(国の建物の工事で使う材料や工法の標準を定めた書類)の16.11と製造所の仕様によります。防火戸の法令の決まりは、「防火設備|防火戸・防火シャッター」の記事で解説します(準備中)。

窓の図(4-51〜4-55)の仕様の欄は、図ごとに次のとおりです(欄の言葉のまま)。

ぜん板は窓の下の室内側の板、額縁は窓の内側のまわりの枠材、FB は平鋼(平らな鋼の棒)です。3-31・3-32 は、同じ図集のカーテンボックスの図です。

  • 4-51:シーリング材は四周に充填する。アルミニウム製のぜん板と額縁は押出形材とする
  • 4-52:カーテンボックス又はカーテン受け板が付く場合は、3-31・3-32 による。アルミニウム製のぜん板と額縁は押出形材とする
  • 4-53(二重窓):外部の建具が鋼製建具の場合もこれに準ずる。木部は塗装なし。鉄面は錆止め塗料塗り。FB の取付けは、あと施工アンカーを使用してもよい。水切りの有無と寸法、サッシ位置などは 4-51 による
  • 4-54(樹脂製建具):樹脂製建具は複層ガラスを使用する。各部の詳細と金物などは建具の製造所の仕様による。製品の寸法許容差は JIS A 4702 又は JIS A 4706 による
  • 4-55(二重窓(改修)(樹脂製建具)):4-54 と同じ3つに加え、樹脂製建具の枠見込みは60mm以上とする

仕様と特記事項の欄で決まっていることを読む

建築工事標準詳細図の各図の下には、「仕様」と「特記事項」の欄があります。仕様は、その図を使うときの標準の仕様です。

特記事項は、設計のときに図面に特記しなければならない主な事項です。特記は、図面や特記仕様書など、その工事の書類で指定することです。

欄に書かれた事項のほか、公共建築工事標準仕様書などで特記が必要な事項も特記します。4-21 の欄では、特記事項は「枠の塗装の種別」の1つです。

建築工事標準詳細図 4-21 の仕様・特記事項の欄と図面名称の欄
4-21 の仕様・特記事項の欄(上)と図面名称の欄(下)。特記事項は「枠の塗装の種別」。出典:国土交通省「建築工事標準詳細図(令和4年改定)」4-21 の仕様・特記事項の欄と図面名称の欄を切り出して並べて編集部が作成

建具の章のほかの図も、特記事項の欄を持っています。

表の W₁・a・D などは、それぞれの図の中の寸法の記号です。がらり(羽根板を平行に並べた部分)とらんま(戸や窓の上に設ける開口部)は、4-01 の形状の図に出てきます。

図特記事項
4-01木製・鋼製及びアルミニウム製の種別、形状・W・W₁・H・H₁、C-1〜-6・C-17〜-19 でらんまを設ける場合の H₂ とらんまの形式、C-1〜-6 を連窓とする場合の W(総巾)、A-4〜-6・B-4〜-6・-8 のがらりの形式及び開口率・W₃・H₃
4-11・4-12枠の塗装の種別、扉の見込み寸法
4-13枠の塗装の種別、扉の見込み寸法、下地材の種類
4-21枠の塗装の種別
4-22〜4-24枠の塗装の種別、鋼板類の厚さ(*)
4-25枠の塗装の種別、鋼板類の厚さ(*)、下地材の種類
4-31-1・-4・-5 のくつずりの厚さと種別(*)、-1・-4・-5 のステンレスの種別、-6 の石材の種類と表面仕上げ、-5・-6 の防水層の種類
4-41〜4-46枠の塗装の種別、鋼板類の厚さ(*)、ステンレスの種別
4-47・4-48自動閉鎖機構及び感知装置の種別、枠の塗装の種別
4-49W・H・W₁・H₁、開閉方式の種類、危害防止機構の種別、手動閉鎖装置の設置位置、塗装の種別、ステンレスの種別、パネルの材質・厚さ・仕上げ・取合い、天井点検口の設置位置と寸法
4-51a・H・W、-5・-6・-7 の断熱補修材の材種、指定仕上材の種類
4-52-3・-4・-5 の断熱補修材の材種、防虫網又は防鳥網の有無と線材・線径のメッシュサイズ、-7 の断熱材の有無
4-53-2 の断熱補修材の材種
4-54W・H・D・a・b・W₁・H₁、断熱補修材の材種
4-55W₁・W₂・H₁・H₂・D・a・b、ふかし枠の材種、-1 の補強方法、既存建具の寸法

(*)の項目には、「片開き、親子及び両開き戸の1枚の戸の有効開口幅が950mmを超える場合、または有効高さが2,400mmを超える場合」という括弧書きが付いています。

図の中で括弧に入った寸法は、標準的な寸法か目安の寸法です。

括弧に入った材料は、標準的に使われる材料です。設計で特定のものを指定するときは図面に特記し、施工では図面の特記が優先するので、特記の欄も合わせて読みましょう。

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この記事について

PERSC編集部が、建築の制作に関わる知識を実務目線で整理しています。内容は公開・更新日時点の情報にもとづきます。誤りや古い情報にお気づきの場合はお問い合わせよりご連絡ください。

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