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枠図の読み方|建具の枠の詳細

編集部 読了 約10分

  • 建具表の「枠回り詳細」にあたる図の読み方が分からない
  • 枠の幅と高さは、どこからどこまでを測るの?
  • 枠見込みと扉見込みは、何が違うの?

建具表の1列には、建具の形や寸法、材質が並びます。しかし住宅の建具表の列からは、枠が壁や床とどう取り合うかまでは読み取れません。

この記事では、国の工事で使う標準の図集を例に、枠図の読み方を解説します。建具表の欄の読み方は、「建具表の読み方|形・寸法・材質・ガラス・金物・防火の別」で先に読めます。

枠図は、建具の枠と、その枠が壁や床とどう取り合うかを詳しく作図した図です。

枠図とは

国土交通省の資料が定める建具表の記載事項の表。建具の欄に枠回り詳細とくつずりがある
国の工事の基準の建具表の記載事項。建具の項目に、枠回り詳細とくつずりがある。出典:国土交通省「建築工事設計図書作成基準の資料(令和2年改定)」(15) 建具表の表を切り出して編集部が作成

枠図が詳しく見せるのは、建具表に書く事項のうち、「枠回り詳細」と「くつずり」の2つです。くつずりは、出入口の下枠の部材です。

国の建物の工事で使う、国土交通省が決めた図面の基準(この記事では「国の工事の基準」と呼びます)が、建具表に書く事項としてこの2つを挙げています。

国の工事には、庁舎の設計でよく使う細部を標準にした図集もあり、この記事では「標準詳細図」と呼びます。その建具の章(図の番号が 4- で始まる章)では、枠回りの図の名前は「建具取合い」です。

「枠図」という名前の図面は、国の工事の基準が挙げる図面の一覧にも、標準詳細図にもありません。この記事では、建具取合いの図のような枠回りの図を枠図と呼び、標準詳細図の図を例に読みます。

W・H と見込みの読み方

標準詳細図 4-21 の標準型建具枠(鋼製建具)。左が平面、右が断面で、平面に W、断面に H の矢印
4-21 の -1 標準型建具枠(鋼製建具)。左の平面に W、右の断面に H の矢印がある。出典:国土交通省「建築工事標準詳細図(令和4年改定)」4-21 の -1 を切り出して編集部が作成

枠図では、平面で幅の W を、断面で高さの H を、壁の厚みの向きで見込みを読みます。この節で読むのは、次の3つです。

  • 平面と断面の2つの図
  • W と H は枠の有効内のり
  • 枠見込みと扉見込み

平面と断面の2つの図

標準詳細図は、1つの枠を平面と断面の2つの図で作図していて、平面に幅の W、断面に高さの H の矢印が付いています。縮尺は1/5です。

上の 4-21 の図では、細い折れ線が鋼製の枠、斜めの線を引いた部分が鉄筋コンクリートの壁です。点を打った帯は、国の工事の基準の材料構造表示記号で左官仕上げを表します。

平面は枠の片側の縦の部分を、断面は上の部分を切った図なので、W と H の矢印は図の外へ伸びています。1枚の図面に並ぶ1つひとつの図の番号は、「-1」「-2」のような形です。

W と H は枠の有効内のり

標準詳細図の「扉の標準寸法」の表は、W を枠の有効内のり幅、H を枠の有効内のり高さとしています。有効内のりは、枠の内側で、人の出入りや物の運び入れに実際に使える寸法です。

標準詳細図 4-01 の「扉の標準寸法」の表と備考
4-01 の「扉の標準寸法」の表と備考1〜5。出典:国土交通省「建築工事標準詳細図(令和4年改定)」4-01 建具:形状寸法の一部を切り出して編集部が作成

開き戸の標準の W と H は、次の表のとおりです。

開閉方法枠の有効内のり幅 W(mm)枠の有効内のり高さ H(mm)
片開き9002,000
片開き9502,100
親子開き1,2002,000
親子開き1,2502,100
両開き1,8002,000
両開き1,9002,100
片開き6001,900

引違い・片引き・両引きなども、この表に準じます。身障者の利用する部分では、枠の有効内のり幅を900mm以上とします。

表の備考によると、H は床面からの高さです。扉の前後で段差があるときは、廊下などの一般の床から測ります。

建具表の寸法の欄がどこからどこまでを測ったものかは、国の工事の基準に決まりがありません。そのため、測る範囲は枠図の W と H の矢印で確かめます。

枠見込みと扉見込み

枠見込みは枠の、扉見込みは扉の、壁の厚みの向きの寸法です。扉見込みは、扉の厚さにあたります。

標準詳細図 4-31 の -4 くつずり。枠見込みと「扉見込み+3〜4」の寸法
4-31 の -4(くつずりのある出入口の断面)。上の「枠見込み」と、その下の「(扉見込み+3〜4)」の寸法を見る。出典:国土交通省「建築工事標準詳細図(令和4年改定)」4-31 の -4 を切り出して編集部が作成

上の 4-31 の -4 では、枠見込みの寸法の下に「(扉見込み+3〜4)」の寸法が付いています。

扉の標準寸法の備考では、扉の見込みは木製建具と鋼製建具が40mm、鋼製軽量建具が35〜40mmです。点検用の扉など小さなものは30mm程度で、樹脂製の窓の枠見込みは60mm以上とされています。

「建具表の読み方」の見本の建具表では、木製の戸の見込は30です。扉の見込みは工事ごとに決める値で、標準詳細図の 4-11・4-12 でも特記事項の欄に入っています。

壁と床との取り合い

標準詳細図 4-21・4-41・4-42 の図面名称の欄。コンクリート壁打放し仕上げの場合、内部直張り工法の場合、内部打放し仕上げの場合
4-21・4-41・4-42 の図面名称の欄。括弧の中が壁の条件。出典:国土交通省「建築工事標準詳細図(令和4年改定)」4-21・4-41・4-42 の図面名称の欄を切り出して並べて編集部が作成

W・H と見込みの読み方は同じでも、枠が取り付く壁と、足もとの床によって開く図が変わります。この節で読むのは、次の2つです。

  • 壁の条件ごとに分かれる図
  • くつずりと目地棒

壁の条件ごとに分かれる図

標準詳細図は、同じ材質の建具の枠でも、壁の種類や工法ごとに図を分けています。どの壁の場合の図かを示すのは、図面名称の欄の括弧の中です。

図建具壁の条件
4-11木製建具コンクリート壁の場合
4-12木製建具軽量鉄骨壁の場合
4-13木製建具直張り工法及びALCパネルの場合
4-21標準型鋼製建具コンクリート壁打放し仕上げの場合
4-22鋼製建具、鋼製軽量建具コンクリート壁打放し仕上げの場合
4-23鋼製建具、鋼製軽量建具直張り工法の場合
4-24鋼製建具、鋼製軽量建具軽量鉄骨壁の場合
4-25鋼製建具、鋼製軽量建具ALCパネルの場合
4-41・4-43鋼製建具(外部用)・簡易気密型鋼製建具(外部用)内部直張り工法の場合
4-42・4-44鋼製建具(外部用)・簡易気密型鋼製建具(外部用)内部打放し仕上げの場合

枠図を開くときは、先に建具の材質と壁の種類を確かめ、合う番号の図を選びます。壁の下地と仕上げの重なりは、「平面詳細図の読み方|壁の構成・仕上げ・細かい寸法」で解説しています。

くつずりと目地棒

標準詳細図の「内部用くつずり等」(4-31)は、出入口の床を、くつずりの場合・目地棒(床の仕上げの境目に入れる細い部材)の場合・どちらも無い場合に分けた図です。

標準詳細図 4-31 の -1 くつずり、-2 目地棒、-3 くつずり・目地棒なしの場合
4-31 の -1 くつずり、-2 目地棒、-3 くつずり・目地棒なしの場合。出典:国土交通省「建築工事標準詳細図(令和4年改定)」4-31 の -1〜-3 を切り出して編集部が作成

4-31 の図に書かれた材料は、次のとおりです。

  • くつずり:ステンレス t=1.5(-1・-4・-5)。便所・洗面所などの -6 は石材
  • 目地棒:ステンレス(SUS304)
  • どちらも無い場合:仕上材が変わる所の見切線

便所・湯沸室など(-5)と便所・洗面所など(-6)は、防水の種類ごとに図が分かれています。くつずりの厚さと種別は、4-31 の特記事項の欄で決める事項です。

仕様と特記事項の欄

標準詳細図 4-21 の仕様・特記事項の欄と図面名称の欄
4-21 の仕様・特記事項の欄(上)と図面名称の欄(下)。出典:国土交通省「建築工事標準詳細図(令和4年改定)」4-21 の仕様・特記事項の欄と図面名称の欄を切り出して並べて編集部が作成

標準詳細図の各図の下には、標準の仕様を書いた「仕様」の欄と、工事ごとに決める事項を書いた「特記事項」の欄があります。ここで読むのは、次の2つです。

  • 仕様の欄と特記事項の欄
  • 括弧の寸法と材料

仕様の欄と特記事項の欄

仕様の欄には、その図を使うときの標準の仕様が書かれています。4-21 などの仕様の欄は、標準型建具の寸法を、上の「扉の標準寸法」の表がある 4-01 によるとしています。

防火戸の図(4-47・4-48)の仕様の欄にあるのは、その図が防火認定を受けた納まりではない、という断り書きです。

特記事項の欄には、設計のときに図面に特記しなければならない主な事項が書かれています。4-21 では「枠の塗装の種別」だけで、ほかの図の主なものは次のとおりです。

図特記事項
4-11・4-12枠の塗装の種別、扉の見込み寸法
4-22〜4-24枠の塗装の種別、鋼板類の厚さ
4-31くつずりの厚さと種別、ステンレスの種別、-6 の石材の種類と表面仕上げ、-5・-6 の防水層の種類
4-47・4-48自動閉鎖機構及び感知装置の種別、枠の塗装の種別

括弧の寸法と材料

図の中で括弧に入った寸法は、標準か目安の寸法です。括弧に入った材料名は、標準的に使われる材料を示します。

括弧と違う寸法や材料を使うときは、設計で図面に特記し、施工ではその特記が優先します。標準詳細図は工事の図面を補う図集で、その工事の図面と違う所で優先されるのは、工事の図面のほうです。

枠図の W・H と見込みを読んでみよう

標準詳細図 4-21 の標準型建具枠(鋼製建具)の平面と断面
4-21 の -1 標準型建具枠(鋼製建具)。出典:国土交通省「建築工事標準詳細図(令和4年改定)」4-21 の -1 を切り出して編集部が作成

枠図では、平面で W、断面で H、壁の厚みの向きで見込みを読み、図の下の特記事項の欄で工事ごとに決める事項を確かめます。この記事で解説したことは、次の7つです。

  • 平面と断面の2つの図
  • W と H は枠の有効内のり
  • 枠見込みと扉見込み
  • 壁の条件ごとに分かれる図
  • くつずりと目地棒
  • 仕様の欄と特記事項の欄
  • 括弧の寸法と材料

上の 4-21 の図で、平面の W の矢印と断面の H の矢印をたどり、壁の厚みの向きに引かれた寸法も探してみてください。

W と H は枠の有効内のりの幅と高さで、見込みの寸法は壁の厚みの向きに引かれています。

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この記事について

PERSC編集部が、建築の制作に関わる知識を実務目線で整理しています。内容は公開・更新日時点の情報にもとづきます。誤りや古い情報にお気づきの場合はお問い合わせよりご連絡ください。

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