縮尺で変わる平面図の描き込み|1/100と1/50
*2026年9月29日に確認した内容です。国土交通省の「建築工事設計図書作成基準(令和2年改定)」によります。国の建物の工事(官庁営繕)のための図面の決まりです。
同じ建物の平面図(建物の各階を水平に切って、上から見た図)でも、縮尺によって描かれている線の細かさが違います。縮尺は、図面を実物の何分の1の大きさで描くかのことです。この記事では、国の建物の図面の決まりをもとに、1/100 の平面図と 1/50 の図で、描き込むものがどう変わるかを載せています。
平面図の縮尺は、1/100か1/200
国土交通省の「建築工事設計図書作成基準」は、国の建物の図面の書き方を定めた基準です。この基準の4.2 の表は、図面ごとの縮尺を決めていて、平面図は1/100か1/200としています。平面図より詳しく描く平面・断面・部分詳細図は、1/30か1/50です(1/2・1/3・1/5・1/10・1/20 を使うこともできる)。
1/100 は、実物の100分の1の大きさで描くことです。1/50 で描くと、同じ部分が 1/100 の2倍の大きさになるので、細かいところまで描けます。縮尺の読み方は、「建築図面の縮尺|1/100・1/50など、図面ごとに違う理由」の記事で解説しています。
1/100 の図は、決まった記号で簡単に描く
基準の3.6(1)は、縮尺1/100と1/200の図面に使う記号(平面表示記号)を、別表1 によるとしています。別表1 には、出入口・窓・階段・吹抜けなどの記号があります。1/100 の平面図では、戸や窓の細かい形を描かず、この決まった記号で表します。
出入口と窓の記号は、「平面図の出入口と窓の記号|開き戸・引き戸・引違い窓など」の記事で解説します(準備中)。
1/50 などの図には、仕上げの記号もある
壁や柱が何でできているかを表す記号(材料構造表示記号)は、基準の3.6(2)で別表2 によるとしています。別表2 は、記号を縮尺ごとの3つの列に分けています。
- 縮尺1/100 又は1/200 程度の場合
- 縮尺1/10、1/20、1/30、1/50 程度の場合
- 原寸及び縮尺1/2、1/3、1/5 程度の場合

表から読めることは、次のとおりです(読み取りは編集部)。
- 鉄骨鉄筋コンクリート及び鉄筋コンクリート:1/100 の列は2本の線で簡単に描き、1/50 の列は斜線の模様(ハッチング)を入れて描く
- 軽量鉄骨下地間仕切壁:1/100 の列には模様の記号があり、1/50 の列は「実形に準じて表示する」、つまり実際の形に合わせて描く
- 左官仕上げ(壁や床に、材料を塗って仕上げたもの)とタイル:1/100 の列は斜線で、記号が無い。1/50 の列から記号がある
1/100 の列には、左官仕上げやタイルのような仕上げの記号がありません。1/50 などの大きな縮尺の図では、壁を実際の形に近く描けるので、骨組み(柱)、下地(仕上げを張るための板など)、表面の仕上げを分けて描くこともできます(この段落の後半は編集部の説明)。
見本の家(説明のために編集部が描いた、木造2階建ての家の例)の壁の角を、1/100 と 1/50 の考え方で描き分けると、次のようになります。
1/100 の例
1/50 の例右の図の柱に描いた×は、別表2 の木材の「構造材」の記号です。構造材は、建物の骨組みになる木材のことです。
同じ図の中で、縮尺の違う記号を混ぜない
基準の3.6(2)4)は、同じ図の中では、異なる尺度(縮尺)の表示記号を混ぜて使わないとしています。1/100 の平面図に 1/50 用の記号が混ざっていると、どこまで細かく描いた図なのかが分からなくなるからです(理由の説明は編集部)。
1枚の平面図の記号は、その図の縮尺の列の記号で読みます。
まとめ
国の建物の平面図は1/100か1/200で描き、出入口や窓は別表1 の決まった記号で表します。1/30・1/50 などの詳しい図では、材料構造表示記号を縮尺に合わせた列で描き、仕上げの記号も使えます。同じ図の中で、縮尺の違う記号は混ぜません。
あわせて読みたい
- 建築図面の縮尺|1/100・1/50など、図面ごとに違う理由 — 縮尺の意味と、図面ごとの縮尺
- 材料構造表示記号の読み方|ハッチングでの材料の見分け方 — 壁や床の切った面の模様で、材料を見分ける方法
会員登録(無料)
記事やテーマのお気に入り・学習履歴・フォローが使えます。
この記事について
PERSC編集部が、建築の制作に関わる知識を実務目線で整理しています。内容は公開・更新日時点の情報にもとづきます。誤りや古い情報にお気づきの場合はお問い合わせよりご連絡ください。

