search
  1. 実施設計の図面一式のつくり方|CADで作図する事務所とBIMから出す事務所

実施設計の図面一式のつくり方|CADで作図する事務所とBIMから出す事務所

編集部 読了 約5分

  • 実施設計図って、何?
  • 実施設計図と施工図は、何が違うの?
  • BIM で実施設計の図面をつくる方法を知りたい

実施設計では、施工者が工事と見積もりに使う図面一式をつくります。図面一式の中身は、意匠・構造・設備の図面と仕様書などです。

その図面を、CAD で作図する事務所もあれば、BIM のモデルから出す事務所もあります。どちらの事務所でも、構造や設備の設計者の図面と合わせる必要があります。

この記事で解説するのは、実施設計図とは何か、実施設計の進め方、図面一式の中身、CAD と BIM でのつくり方、構造と設備の図面との合わせ方です。

実施設計図とは

設計事務所の机に、実施設計の図面の厚い束が積まれ、若い設計者がその1枚をめくって確かめている場面
実施設計の図面を確かめている場面のイメージ

実施設計図は、施工者が設計図書(図面と仕様書)を正確に読み取って工事をし、工事費を見積もれるようにつくる図面です。基本設計をもとに、設計者の考えを細かい所まで決めてつくります。

実施設計図の前につくるのが、施主に案を説明するための基本設計図です。実施設計図をもとに、施工者が工事のために細かく作図するのが施工図です。

実施設計の進め方

設計事務所の打合せ室で、設計者が施主に実施設計の図面を広げて説明している場面
実施設計の内容を施主に説明している場面のイメージ

国の業務報酬基準(建築士事務所の報酬の基準)では、実施設計の業務として、次のようなものを挙げています。

  • 施主の要求などを確かめる
  • 法令の条件を調べ、関係機関と打合せをする
  • 実施設計の方針を決める
  • 実施設計図書をつくる
  • 工事費を概算する
  • 実施設計の内容を施主に説明する

確認申請に出す図書をつくるのも、実施設計の中です。2026年4月からは、BIM のデータから書き出した図書で確認申請をする「BIM 図面審査」も始まりました。

実施設計の図面一式

設計事務所の大きな作業台の上で、若い設計者が建物の図面を3つの山に分けて並べている場面
図面一式を、意匠・構造・設備に分けて並べている場面のイメージ

実施設計の図書は、意匠・構造・設備の3つに分かれます。

戸建木造住宅の実施設計でつくる主な図書は、次の表のとおりです。国の業務報酬基準が挙げる成果図書から、主なものを抜き出しました。

設計の種類主な図書
意匠建築物概要書・仕様書・仕上表・面積表・敷地案内図・配置図・平面図・断面図・立面図・矩計図・展開図・天井伏図・建具表
構造仕様書・基礎伏図・床伏図・はり伏図・小屋伏図・軸組図・構造計算書
設備仕様書・設備位置図(電気、給排水衛生、空調換気)

戸建木造住宅以外の建物では、意匠に平面詳細図や部分詳細図などが加わり、設備は電気・給排水衛生・空調換気・昇降機などごとの系統図や平面図になります。

ただし、計画によっては、つくらない図書もあります。

CAD で作図する事務所と BIM から出す事務所

設計事務所で、1人の設計者がモニターに建物の2Dの平面図を、隣の設計者がモニターに建物の3Dのモデルを映して作業している場面
2D の CAD と BIM のモデルで、それぞれ図面をつくっている場面のイメージ

この記事で解説する図面のつくり方は、次の2つです。どちらで図面をつくるかは、事務所で違います。

  • CAD で作図する
  • BIM のモデルから図面を出す

CAD で作図する

CAD は、コンピューターで行う設計と製図のことです。そのためのソフトも CAD と呼びます。

2次元の CAD では、レイヤーに分けて線の種類を使い分け、平面図や断面図などの図面を直接作図します。

設計事務所で使われる CAD は、Jw_cad や Vectorworks など、事務所によって違うソフトです。

BIM のモデルから図面を出す

BIM は、建物の3次元の形と、部屋や材料などの情報をあわせて持つモデルをつくる方法です。BIM では、まずモデルをつくり、そのモデルから平面図や断面図などの図面を切り出します。

1つのモデルから切り出すので、図面どうしの整合がとれるのが BIM の特徴です。モデルを直せば、図面も変わります。

ただし、切り出した図は、線の重なりや寸法の表示などの体裁を整えてから使います。

1/50 などの詳細図は、2次元で書き込む表現が多い図面です。モデルから切り出した図に、線や文字を書き足して仕上げます。

構造と設備の設計者の図面と合わせる

会議室で、意匠の設計者と構造の設計者と設備の設計者の3人が、大きなモニターに映した重ねた建物の図面を囲んで話している場面
意匠・構造・設備の図面を重ねて確かめている場面のイメージ

実施設計では、構造や設備の設計者と協働して、意匠・構造・設備の図面をつくります。

意匠・構造・設備の図面を重ねて見つけるのが、設備の配管と梁などのぶつかり(干渉)です。BIM では、この確かめをモデルで行う方法も使われます。

国の BIM のガイドラインが示す進め方では、実施設計の初めの段階で、構造と設備の設計者がそれぞれつくる BIM データを使い、干渉や機能が合っているかの確かめをくり返します。

図面一式の中身とつくり方を確かめよう

設計事務所の大きな作業台の上で、若い設計者が建物の図面を3つの山に分けて並べている場面
図面一式を、意匠・構造・設備に分けて並べている場面のイメージ

実施設計の図書は意匠・構造・設備に分かれ、CAD で作図するか BIM のモデルから出すかは事務所しだいです。この記事で解説したのは、次の6つです。

  • 実施設計図とは
  • 実施設計の進め方
  • 実施設計の図面一式
  • CAD で作図する
  • BIM のモデルから図面を出す
  • 構造と設備の設計者の図面と合わせる

手元にある実施設計の図面で、意匠・構造・設備の図面がどれかを分けてみてください。

あわせて読みたい

会員登録(無料)

記事やテーマのお気に入り・学習履歴・フォローが使えます。

この記事について

PERSC編集部が、建築の制作に関わる知識を実務目線で整理しています。内容は公開・更新日時点の情報にもとづきます。誤りや古い情報にお気づきの場合はお問い合わせよりご連絡ください。

PERSC では、記事の次の段としてオンライン講座とプラグインを用意しています。

あわせて読みたい