建築のモジュール|寸法の基準の単位
- 建築のモジュールとは何?
- 尺モジュールとメーターモジュールは何が違うの?
- 尺モジュールの廊下の幅を知りたい
住宅の図面を開くと、910・1,820・2,730 のような数がよく並んでいます。しかし、その数の出どころを知らないと、間取りの寸法を変えたときに廊下の幅がどう変わるかが読めません。
この記事で解説するのは、モジュールの意味、京間と江戸間、寸法をそろえる理由、尺モジュールとメーターモジュールの違いです。読むと、柱の並びの間隔で廊下の幅がどう変わるかが分かります。
建築のモジュールは、建物の各部分を一定の大きさの倍数でそろえるときの、基準になる大きさです。
建築のモジュールとは

図の例では、910mm を基準の大きさにして、柱の中心どうしの間を 910・1,820・2,730 と、その倍数で決めています。基準の大きさを先に決めておけば、柱や壁の位置をその倍数で決められます。
日本の建築では、畳の大きさもモジュールの例です。畳の大きさを基準にして部屋の広さを決める考え方があり、このあと見る京間がそれにあたります。
モジュールで建物と部材の寸法をそろえることを、モジュラーコーディネーションと呼びます。建物の柱の間と、そこに使う板や建具の大きさを、同じ基準の大きさでそろえるという意味です。
京間と江戸間の決め方

日本の住宅では、昔から柱の間と畳の大きさの決め方が地域によって違い、京間・江戸間の区別があります。
どちらも尺貫法の長さで決めていて、1尺は約30.3cm、1尺の10分の1が1寸、1間(けん)は6尺です。日本建築では、柱と柱の間のことも1間と言います。
畳の大きさを先に決めて柱を置くのが畳割、柱の中心の間隔を先に決めて畳を敷くのが柱割です。畳割は京都を、柱割は江戸を中心に行われてきました。
京間は西日本で使われ、畳の大きさを先に決める畳割の形と、柱の間の1間を 6尺5寸(約1.97m)とする形の、2つで説明されます。
江戸間は関東や東北で使われ、柱の中心と中心の間の6尺(約1.8m)を1間とする柱割です。畳は柱の内側に敷くので、柱の中心の間の6尺より小さくなります。
そのため、畳1枚の大きさは、西日本では約191×96cm の京間、東日本では約176×88cm の江戸間が多く使われています。名古屋地方の中京間(ちゅうきょうま)は、畳を3尺×6尺にした決め方です。
江戸間の1間の6尺の半分は3尺(約909mm)で、いまの住宅の尺モジュールの約910mm は、この3尺にあたります。
モジュールで寸法をそろえる理由

モジュールで寸法をそろえるのは、部材を量産し、部材どうしを入れ替えて使えるようにするためです。部材の量産が進むと、互いに入れ替えて使えることが求められ、寸法の単位が規格になりました。
日本で建築のモジュールが工業規格(JIS)に定められたのは、1963年です。
日本の建築の部材の多くは、3尺にあたる約90cm と、その3分の1の 30cm(1尺)、半分の 45cm(1尺5寸)の倍数で寸法が決められています。
尺モジュールとメーターモジュールの違い

いまの住宅のモジュールには、柱の中心の間隔を関東で約910mm にする尺モジュールと、1,000mm にするメーターモジュールがあります。
もとは尺モジュールが使われてきましたが、メーターモジュールを使うことも多くなりました。
2つで変わることは、次の3つです。
- 柱の中心の間隔が変わる
- 廊下の実際の幅が変わる
- 建材の大きさとの合い方が変わる
柱の中心の間隔が変わる
柱の中心の間隔は、尺モジュールで 910mm、メーターモジュールで 1,000mm と、90mm 違います。
同じ間取りを2つのモジュールで作図すると、どの部屋の寸法も 1,000÷910 倍ほど大きくなります。面積で比べると、およそ 1.2倍(1,000÷910 を2回掛けた値)です。
廊下の実際の幅が変わる
廊下の幅が柱の中心の間隔1つ分のとき、実際に使える幅(有効幅)は、尺モジュールで約780mm、メーターモジュールで約870mmです。柱の中心の間隔と同じく、90mm 変わります。
有効幅の出し方は、柱の中心の間隔から、両側の壁が廊下の側へはみ出す分を引く計算です。
柱 105mm の両側にせっこうボード 12.5mm を張った壁なら、柱の中心から廊下の側へ 65mm(52.5mm+12.5mm)出ます。廊下の両側の壁の分で、引くのは 130mm です。
建材の大きさとの合い方が変わる
メーターモジュールにすると、910mm を基準にした建材と柱の間がそろわなくなります。せっこうボードや合板などの建材は、910×1,820mm が基本の大きさです。
尺モジュールなら、柱の間と 910 の板の幅がそろいます。メーターモジュールでは柱の間が 1,000 になり、910 の板とは間隔が合わない形です。
図面のモジュールの読み方

図面のモジュールは、柱や壁の中心の寸法が、どの大きさの倍数で並んでいるか(割り)で読みます。
図の見本の家は、編集部が作図した木造2階建ての住宅の例です。1階は東西が 7,280(910×8)、南北が 6,370(910×7)と、910 の倍数で割っています。
公開されている木造住宅の設計図7件を編集部が集めて数えると、6件が 910 の倍数で割っていました。残りの1件は 955 の倍数で、910 とは別の大きさを基準にしていました。

通り芯は、柱や壁の中心に引く基準の線です。910 ごとに通り芯を引く図面では、910 の間隔の途中に入る通り芯を、X12 と X13 のあいだとして「X12.5」と書く例もありました。
図面を開いたら、外周の寸法が 910 と 1,000 のどちらの倍数になっているかを見ると、その図面のモジュールの見当が付きます。
モジュールを知って図面の割りを読もう

建築のモジュールは、建物の各部分を倍数でそろえるときの基準の大きさです。尺モジュールとメーターモジュールで変わることは、次の3つです。
- 柱の中心の間隔が変わる
- 廊下の実際の幅が変わる
- 建材の大きさとの合い方が変わる
いまの尺モジュールの約910mm は、江戸間の1間の半分の3尺にあたります。
図面を開いたら、外周の寸法がどの大きさの倍数かを確かめ、廊下の有効幅を計算してみてください。
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