
Blenderのビューポートの表示|シェーディング・オーバーレイ・ワイヤーフレーム
Blender(ブレンダー)の3Dビューポート(3Dの物を見るエディター)では、物の見え方を作業に合わせて切り替えられます。物を線だけ・面・質感・仕上がりのどれで表示するかを決めるのがシェーディング、グリッドや物の輪郭などの補助の表示を決めるのがオーバーレイです。この記事では、4つのシェーディングとその設定、オーバーレイの項目、奥の物を透かして見る透過表示を解説します。
この記事の画面は、Blender 5.2.2 LTSで、日本語の表示にしたものです。床と壁2枚、台と球を置いた部屋で、見え方を比べています。
シェーディングは、ワイヤーフレーム・ソリッド・マテリアルプレビュー・レンダーの4つ
シェーディングは、3Dビューポートのヘッダー(上の、メニューの並んだ細い段)の右にある4つの丸いボタンで切り替えます。
切り替える手順は、次のとおりです。
- 3Dビューポートのヘッダーの右にある、4つの丸いボタンを見る
- 使いたいシェーディングのボタンを押す(左から、ワイヤーフレーム・ソリッド・マテリアルプレビュー・レンダー)
実際に、マテリアルプレビューのボタンを押すと、周りの景色の画像で照らした見え方に替わりました。

公式マニュアルによると、4つのシェーディングは次のように使い分けます。
| シェーディング | 見え方(公式マニュアル) |
|---|---|
| ワイヤーフレーム | 物の辺(線)だけを表示する |
| ソリッド | 物を面で表示する。照明と色は簡単な計算で、マテリアル(質感の設定)のノードは使わない。形を作る作業に向く |
| マテリアルプレビュー | EEVEE(Blenderのレンダリングエンジンの1つ。レンダリングエンジンは、仕上がりの画像を計算する仕組み)と、周りの景色の画像(HDRI)で表示する。マテリアルの見え方を確かめる作業に向く |
| レンダー | シーンに設定したレンダリングエンジンで表示する。シーンのライトも効くので、ライティングを決める作業に向く |
同じ部屋を、4つのシェーディングで表示しました。
ワイヤーフレーム
ソリッド
マテリアルプレビュー
レンダーキーでも切り替えられます。3Dビューポートにカーソルを乗せてZキーを押すと、4つのシェーディングのパイメニュー(カーソルの周りに丸く並ぶメニュー)が出ます。

公式マニュアルによると、Shift+Zキーを押すと、今のシェーディングとワイヤーフレームを行き来します。
マテリアルプレビューは、シーンのレンダリングエンジンがWorkbench(形を確かめるためのエンジン)のときは使えません。レンダリングエンジンの違いは、「Blenderのレンダリングエンジンの違い|Cycles・EEVEE・Workbench」(準備中)の記事で解説します。
ソリッドの照明と色の設定
ソリッドにしてから、4つのシェーディングのボタンの右の「∨」を押すと、ソリッドの見え方の設定(ビューポートシェーディング)が開きます。

公式マニュアルによると、それぞれの項目の働きは次のとおりです。
| 欄 | 項目(既定) | 働き(公式マニュアル) |
|---|---|---|
| 照明 | スタジオ(既定) | スタジオライトで照らす。「回転」の左の地球のボタン(ワールド空間ライティング・既定はオフ)をオンにすると、ライトが視点についてこなくなり、「回転」でライトの向きを変えられる |
| 照明 | MatCap | 球に写した質感(マテリアルキャプチャ)で照らす |
| 照明 | フラット | 照明を計算しない。物の色がそのまま出る |
| カラー | ワイヤーフレーム(テーマ) | 線の色。テーマ(Blenderの配色)の色、物ごとの色、物ごとにランダムな色から選ぶ |
| カラー | オブジェクト(マテリアル) | 物の色を何から取るか。マテリアル・オブジェクトに決めたビューポートの表示の色、ランダム、属性(頂点などに持たせた色)、テクスチャ(画像)、カスタム(1色) |
| カラー | 背景(テーマ) | 3Dビューポートの背景。テーマの色、ワールド(シーンの周りの環境の設定)の色、カスタム(決めた色) |
| オプション | 裏面を非表示(オフ) | 面の裏側を表示しない |
| オプション | アウトライン(オン) | 物の輪郭に線を引く。線の色も変えられる |
| オプション | スペキュラー照明(オン) | 光の当たった所のつや(スペキュラーハイライト)を表示する |
| オプション | 透過(オフ・0.500) | シーン全体を透かして表示する。数値は不透明度 |
| オプション | 影(オフ・0.500) | くっきりした影を表示する。数値は影の暗さ |
| オプション | 被写界深度(オフ) | カメラから見ているときに、カメラのピントの設定で奥や手前をぼかす |
| オプション | キャビティ(オフ) | 形の出っ張りと、くぼみを強調する。タイプ(既定はスクリーン)で計算の方法を選ぶ |
マテリアルの作り方は、「Blenderのマテリアルとテクスチャとは|作成・割り当て・スロット」(準備中)の記事で解説します。
ワイヤーフレームのときの設定は、線の色と背景、透過と、アウトラインです。ワイヤーフレームでは、透過が既定でオン(数値は0.000)で、ソリッドとは別の数値を持ちます。
マテリアルプレビューとレンダーの照明の設定
マテリアルプレビューにしてから、4つのシェーディングのボタンの右の「∨」を押すと、マテリアルプレビューの設定(ビューポートシェーディング)が開きます。

| 項目(既定) | 働き(公式マニュアル) |
|---|---|
| シーンのライト(オフ) | シーンに置いたライトを使う。オフのときや、ライトが無いときは、仮のライトで照らす |
| シーンのワールド(オフ) | シーンのワールド(周りの環境の設定)で照らす。オフのときは、下の項目で決めた景色の画像で照らす |
| 景色の画像の球 | 照らすのに使う景色の画像(HDRI)を選ぶ |
| 回転(0°) | 景色の画像を、上下の軸の周りに回す |
| ワールド空間ライティング(オン・回転の左の地球のボタン) | 景色の画像の向きを固定して、視点についてこないようにする |
| 強さ(1.000) | 景色の画像の明るさ |
| ワールドの不透明度(0.000) | 景色の画像を、背景にどれだけ見せるか |
| ぼかし(0.50) | 背景に見せる景色の画像をぼかす。照らし方は変わらない |
| ワイヤーフレーム(テーマ) | 線の色。テーマの色・物ごとの色・ランダム |
| レンダーパス(統合) | 仕上がりの画像の代わりに、影だけ・色だけなどの一部を表示する |
| コンポジター(無効) | コンポジット(レンダリングした画像の仕上げ)の結果を、3Dビューポートでも見せるか。無効・カメラ(カメラから見ているときだけ)・常時 |
公式マニュアルによると、レンダーの設定も、マテリアルプレビューとほぼ同じです。ただし、レンダーでは「シーンのライト」「シーンのワールド」が既定でオンなので、シーンに置いたライトとワールドで照らします。レンダリングエンジンがCycles(Blenderのもう1つのレンダリングエンジン)のときは、レンダーパスで選べるものが変わります。
レンダーパスは、「Blenderのレンダーパスとビューレイヤー|パスの出力とビューレイヤーの使い方」(準備中)の記事で解説します。コンポジットは、「Blenderのコンポジットとは|ノードでのレンダリング画像の仕上げ」(準備中)の記事で解説します。
オーバーレイで、グリッドや線などの表示を切り替える
オーバーレイは、グリッドや物の輪郭、原点の点など、作業を助けるための表示です。ヘッダーの右の、2つの円が重なった絵のボタンを押すと、オーバーレイ全体を消したり出したりできます。ボタンの右の「∨」を押すと、項目ごとの設定(ビューポートオーバーレイ)が開きます。
オーバーレイの項目を1つ切り替える手順は、次のとおりです。
- ヘッダーの右の、2つの円が重なった絵のボタンの右の「∨」を押す。「ビューポートオーバーレイ」が開く
- 切り替えたい項目(「統計」など)のチェックを押す
- 開いた欄の外にマウスのポインターを動かすと、欄が閉じる
実際に「統計」のチェックを入れると、左上に「オブジェクト」「頂点」「辺」「面」「三角形面」の数が出ました。

オブジェクトモード(物を選んで動かすモード)の項目は、次のとおりです。
| 欄 | 項目(既定) | 働き(公式マニュアル) |
|---|---|---|
| ガイド | グリッド(オン) | 平行投影(遠近の無い、図面のように見える表示)で正面・横などから見ているときに、グリッドを表示する |
| ガイド | 床(オン) | 透視投影(遠くの物が小さく見える表示)のときに、地面のグリッドを表示する |
| ガイド | 座標軸(X・Yがオン) | X・Y・Zの軸の線を表示する |
| ガイド | スケール(1.000)・細分化(10) | グリッドの線の間隔と、線と線のあいだの分割の数。細分化は、シーンの単位系が「なし」のときだけ効く(既定のメートル法では灰色) |
| ガイド | 3Dカーソル(オン) | 3Dカーソル(物を追加する位置などに使う目印)を表示する |
| ガイド | アノテーション(オン) | 画面に書き込んだメモの線を表示する |
| テキスト | 一般情報(オン) | 左上に、視点の名前(「ユーザー・透視投影」など)と、今のフレーム(アニメーションのコマの番号。左上の「(1)」)、コレクション(物のまとまり)、アクティブな物(最後に選んだ物)の名前を表示する。アニメーションの再生中は、1秒あたりのコマ数も出る。正面・上などに視点を合わせたときは、グリッドの線の間隔も出る |
| テキスト | パフォーマンス(オフ) | 表示にかかった時間を表示する(公式マニュアルに説明が無く、5.2.2の画面の説明による) |
| テキスト | 統計(オフ) | 物の数や、頂点・面の数を表示する。数は、選んでいる物によって変わる |
| オブジェクト | その他(オン) | 形の無い物(カメラ・ライト、形の無い目印のエンプティ)を表示する |
| オブジェクト | ライトカラー(オフ) | ライトの輪郭を、ライトの光の色で表示する |
| オブジェクト | 関係の線(オン) | 親子などの関係を点線で表示する |
| オブジェクト | 選択アウトライン(オン) | 選んでいる物の輪郭を線で囲む |
| オブジェクト | ボーン(オン) | ボーン(キャラクターなどを動かす骨組み)を表示する |
| オブジェクト | モーションパス(オン) | 動きの通り道の線を表示する |
| オブジェクト | 原点(オン) | 選んでいる物の原点(物の位置や回転の中心になる点)を点で表示する |
| オブジェクト | 原点(すべて)(オフ) | すべての物の原点を点で表示する |
| ジオメトリ | ワイヤーフレーム(オフ・1.000) | 面の上に辺の線を重ねて表示する。数値を下げると、ほぼ平らな面の上の線が消える |
| ジオメトリ | 不透明度(1.000) | 重ねる線の濃さ |
| ジオメトリ | 面の向き(オフ) | 面の裏側を赤で表示する |
| ビューアーノード | ビューアーノード(オン)・色の不透明度(1.000)・属性テキスト(オフ) | ジオメトリノードのビューアーノードにつないだ値を、色や文字で表示する |
| モーショントラッキング | モーショントラッキング(オフ) | 動画から読み取ったカメラの動きと目印を表示する。中に、カメラパス・マーカー名・トラックの表示の形・サイズの項目がある |
公式マニュアルによると、カメラから見ているときには「カメラガイド」、マテリアルプレビューのときには、光の当たり方を見る2つの球の「参照球」の項目も、「ガイド」の欄に出ます。編集モード(形を直すモード)などでは、そのモード用の項目が、もう1つのボタンに出ます。
裏返った面の見つけ方と直し方は、「Blenderの法線の確認と反転|面の向き」(準備中)の記事で解説します。
透過表示で、奥の物を見る・選ぶ
透過表示は、物を透かして表示する設定です。公式マニュアルによると、ほかの物に隠れて見えない物も、見たり選んだりできるようになります。ヘッダーの透過表示のボタン(2つの四角が重なった絵)か、Alt+Zキーで切り替えます。
透過表示がオフ
透過表示がオン透け具合は、ソリッドの設定の「透過」の数値(不透明度・既定は0.500)で変えます。数値を下げるほど透けます。公式マニュアルでは、透過表示はワイヤーフレームとソリッドの設定です。
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この記事について
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