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BlenderのDXFの読み込み|アドオンのインストールと単位の倍率

BlenderのDXFの読み込み|アドオンのインストールと単位の倍率
DXFは、CADの図面をソフトのあいだで受け渡すためのファイルの形式です。Blender(ブレンダー)でDXFを読み込むには、アドオン「Import AutoCAD DXF Format (.dxf)」をインストールします。アドオンは、Blenderにあとから機能を足すプログラムです。Blender 5.2には、DXFを読み込む機能が最初から入っていないためです。DXFの数値には単位が無いので、mmで描いた図面は、読み込むときに「単位の倍率」を0.001にすると実寸になります。
この記事の画面は、Blender 5.2 LTSです。試した図面は、平面図(Jw_cadで書き出したDXF・12m×10m)です。アドオンの版は0.9.10です。
BlenderでDXFを読み込むには、アドオン「Import AutoCAD DXF Format」をインストールする
このアドオンは、Blender 4.1までは同梱されていました。今はエクステンションのサイトで、Blender 4.2以降に向けて「現状のまま、限られた対応で」提供されています。エクステンションは、Blender 4.2からの、アドオンなどを配る仕組みです。アドオンを入手するまでの操作は、次のとおりです。
- 「編集」→「プリファレンス…」を開きます
- 左の一覧の「エクステンションを入手」をクリックします。オンラインアクセスを許可していないときは、先に「オンラインアクセスを許可」の案内が表示されるので、許可します
- 検索の欄に「dxf」と入力します
- 「Import AutoCAD DXF Format (.dxf)」の「インストール」をクリックします

「dxf」で検索すると、書き出し用の「Export Autocad DXF Format (.dxf)」も表示されます。読み込みに使うのは、名前が「Import」で始まるほうです。インストールすると、「ファイル」→「インポート」に「AutoCAD DXF (.dxf)」が追加されます。
DXFの数値には単位が無く、単位はヘッダーの$INSUNITSで示す
DXFの長さや座標の数値には、単位が付いていません。単位は、ファイルの頭の部分(ヘッダー)の$INSUNITSという項目で示す決まりです(4ならmm、6ならm)。
試したJw_cadのDXFには、$INSUNITSがありませんでした。数値は実寸のmmで、幅12mの壁が「12000」と書かれています。
このアドオンは、$INSUNITSを読みません。DXFの数値を、そのままBlenderの単位(m)として読み込みます。そのため、倍率を変えずに読み込むと、幅12mの図面が12000mになりました。出典:DXF Units(ezdxf)、AutoCAD 2012 DXF Reference

DXFは「単位の倍率」を0.001にすると実寸で読み込まれる
「単位の倍率」の欄にマウスを重ねると出る説明は「座標はメートルとみなす。違うときはここで指定する」という意味の英文で、mmの図面は0.001、cmの図面は0.01になります。mmの数値のDXFを実寸で読み込む手順は、次のとおりです。
- アウトライナー(画面の右上の、シーンの中身を一覧にする欄)で、読み込む先のコレクション(オブジェクトをまとめる入れ物。例:Collection)を選択します
- 「ファイル」→「インポート」→「AutoCAD DXF (.dxf)」を選び、DXFのファイルを選択します
- 画面の右の「Optional Objects」で、「テキストをインポート」と「Import Lights」のチェックを外します
- 「Geo Referencing」のチェックは入れたまま、「単位の倍率」に0.001を入力します
- 「Import DXF」をクリックします

試した平面図は、この設定で12m×10mの実寸で読み込まれました。
読み込んだ図面は、DXFの座標のまま配置されます。試した平面図は、図面の左下の角が、原点からX方向に約3.2m、Y方向に約0.7m離れた位置に置かれました。

図面の中心を原点に合わせたいときは、「View Options」の「Center geometry to scene」にチェックを入れて読み込みます。試した平面図では、図面の中心が(0, 0, 0)に配置されました。エクステンションのページの説明(以下「公式の説明」)によると、ずらした量はシーンに記録されます。
図面の中心でなく、図面の中央の通り芯を原点に合わせることもできます。読み込んだカーブ(線でできたオブジェクト)をすべて選択して、「統合」(Ctrl+J)で1つにまとめます。これを「オブジェクト」→「変換」→「メッシュ」で、メッシュ(頂点・辺・面でできた形)に変換します。次に、編集モード(頂点・辺・面を直接選んで動かす状態)で中央の通り芯を選択し、Shift+Sの「カーソル→選択物」で3Dカーソルを通り芯へ移します。そのあとオブジェクトモードで、「原点を3Dカーソルへ移動」を使い、オブジェクトの原点(オブジェクトの位置の基準になる点)を3Dカーソルへ移します。最後に、図面をシーンの原点(0, 0, 0)へ動かします。
DXFの線はポリのカーブ、円弧はベジエのカーブとして読み込まれる
公式の説明によると、このアドオンはDXFの図形をできるだけカーブとして読み込みます。カーブの中の線(スプライン)の種類は、Blenderの画面の「ポリ」(点と点を直線でつなぐ線)か「ベジエ」(なめらかな曲線を描ける線)です。表の左はDXFの図形の種類の名前で、モディファイアーは形を変える機能です。図形ごとの読み込まれ方は、次のとおりです。
| DXFの図形 | Blenderでの読み込まれ方 |
|---|---|
| LINE(線) | ポリのカーブ。端どうしがつながった線は1本にまとめられる(Combine LINE entities to polygons) |
| POLYLINE・LWPOLYLINE・POLYGON・LWPOLYGON | 弧の無いものはポリのカーブ、弧のあるものはベジエのカーブ |
| ARC(円弧)・CIRCLE(円)・ELLIPSE(楕円) | ベジエのカーブ |
| HELIX(らせん) | ベジエのカーブ |
| MESH | 細分化モディファイアーの付いたメッシュ |
| POLYFACE・POLYMESH | メッシュ |
| 3DFACE・SOLID・POINT | レイヤーごとに1つにまとめたメッシュ(名前は「レイヤー名_3Dfaces」) |
| ハッチング・引出線 | 読み込まれない |
試した平面図には、LINEが177、ARCが12ありました。図形の種類ごとに分けて読み込むと、LINEはポリのカーブ、ARCはベジエのカーブになりました。公式の説明によると、ハッチングと引出線は読み込まれません。文字(TEXT・MTEXT)は、「テキストをインポート」がオンのときに読み込まれます。
DXFのレイヤーごとに、レイヤー名のコレクションも作られ、カーブはそこにも格納されます。ただし、このコレクションはシーンにつながれないので、アウトライナーの通常の表示には出ません。アウトライナーでは、カーブは読み込み先のコレクションの中に並びます。
「Merge Options」で、カーブをレイヤーごとにまとめるか図形ごとに分けるかを決める
「Merge Options」は、読み込んだ図形をいくつのオブジェクトにまとめるかの設定です。ファイルを選ぶ画面の右の、上半分にあります。

「Merged Objects」がオン(既定)のとき、図形は「マージ」で選んだ単位で1つのオブジェクトにまとめられます。既定の「レイヤーで」でも、1つのレイヤーにカーブとメッシュのようにまとめられない種類が混ざるときは、別のオブジェクトになります。試した平面図で、まとめ方を変えたときのオブジェクトの数は、次のとおりです。
| 設定 | 試した平面図のオブジェクトの数 |
|---|---|
| 「マージ」=「レイヤーで」(既定) | 7(レイヤーごと) |
| 「マージ」=「By Layer AND DXF-Type」 | 9(レイヤーと図形の種類ごと) |
| 「Merged Objects」のチェックを外す | 189(図形ごと) |
オブジェクトの名前の頭には、どのまとめ方でもレイヤー名が付きます。試したJw_cadのDXFでは、日本語のレイヤー名が文字化けしました。

_0-0_ʐc_curve_」のような名前になっている「マージ」のほかの2つの選択肢は、公式の説明によると次のとおりです。「By Layer AND closed no-bulge polys」は、弧の無い閉じたポリラインを、レイヤーごとに1つのメッシュにまとめます。このとき、「Line thickness and width」の設定は使われず、枠ごと灰色になります。
「By Layer AND DXF-Type AND Blocks」は、同じブロックが何度も挿入されている図面に使います。挿入ごとにオブジェクトを作らず、同じ形を複製せずに面の位置に並べる機能(面のインスタンス化)を使った1つのオブジェクトで並べます。縦横の倍率が違うブロックの挿入は、「Blocks As」の設定のとおりに読み込まれます。
「Blocks As」は、DXFのブロックの読み込み方の設定です。リンクしたオブジェクト(Linked Objects・既定)か、グループのインスタンス(Group Instances)を選びます。「Parent Blocks to Bounding Boxes」(既定オン)は、複数のオブジェクトからなるブロックの周りに外枠を作り、親にします。試した平面図にはブロックがありませんでした。
「Combine LINE entities to polygons」(既定オン)は、端どうしがつながった線を1本のポリのカーブにまとめます。既定の「レイヤーで」では、まとめてもまとめなくてもレイヤーごとに1つのオブジェクトなので、オブジェクトの数は変わりません。
ほかの設定は、線の厚さと幅・読み込む物・表示・座標系を決める
読み込みの設定を、ファイルを選ぶ画面の右の上から順に全部並べます。既定の値は、Blender 5.2の画面で確かめた値です。画面の名前は、英語のまま表示されるものが多くあります。
| まとまり | 設定 | 既定 | 中身 |
|---|---|---|---|
| Import Options | シーン | 現在 | 読み込む先のシーン。「新規」はDXFごとに新しいシーン、「ユニーク」は「DXF Import」という名前のシーン |
| Import Options | コレクション | 現在 | 読み込む先のコレクション。「現在」は選んでいるコレクション、「新規」はDXFごとに新しいコレクション、「シーン」はシーンコレクション |
| Merge Options | Blocks As・Parent Blocks to Bounding Boxes・Merged Objects・マージ・Combine LINE entities to polygons | 「Merge Options」の節 | 「Merge Options」の節 |
| Line thickness and width | Represent line thickness/width | オン | DXFの線の厚さ(thickness、Z方向)と幅(width、XY方向)を、カーブの押し出し(厚みを付ける設定)とベベル(太さを付ける設定)で表す |
| Line thickness and width | Merge by attributes | オン(灰色) | 「Represent line thickness/width」を外したときも、厚さと幅の違う線を別のオブジェクトに分ける。「Represent line thickness/width」がオンの間は灰色 |
| Optional Objects | テキストをインポート | オン | 文字(TEXT・MTEXT)を読み込む |
| Optional Objects | Import Lights | オン | ライト(LIGHT)を読み込む |
| Optional Objects | Export ACIS Entities | オフ | DXFに入った3Dの曲面や立体(ACIS)を、.sat・.sabのファイルに書き出す |
| View Options | Display Groups in Outliner(s) | オン | 公式の説明ではアウトライナーの表示をグループに切り替える設定。アドオンの0.9.10では切り替えの処理が無効になっていて、チェックしても表示は変わらない |
| View Options | Center geometry to scene | オフ | 図面の中心を原点に合わせる(原点の合わせ方の節) |
| Geo Referencing | Geo Referencing | オン | 下の枠の設定を使うかどうか。外すと「単位の倍率」も灰色になる |
| Geo Referencing | DXF coordinate type | ユークリッド | DXFの座標の種類。「球状」にすると「Lat」「Lon」が入力でき、「Center geometry to scene」は灰色になる |
| Geo Referencing | 単位の倍率 | 1.0 | 座標をmとみなし、違うときの倍率を入れる(「単位の倍率」の節) |
| Geo Referencing | Lat・Lon | 0.00 | 地図上の緯度と経度で位置を合わせる値。「DXF coordinate type」が「ユークリッド」の間は灰色 |
公式の説明によると、DXFには座標系(地図の投影法)の情報が入っていません。追加のライブラリを入れると、座標系のコード(EPSG)を選べます。入れていないときは、上の表のとおり緯度と経度で位置を合わせます。建物の図面を下敷きにするだけなら、編集部の試した範囲では、「Geo Referencing」の中で変えるのは「単位の倍率」だけで足りました。
公式の説明の「View Options」には、「Import DXF File to a New Scene」(新しいシーンに読み込む)もあります。5.2の画面には表示されず、新しいシーンに読み込むときは「Import Options」の「シーン」を「新規」にします。
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