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3DCG · Twinmotion

TwinmotionのPopulateで大量配置|Scatter/Paintで都市・公園シーンを作る

編集部 読了 約12分

TwinmotionのPopulateで大量配置|Scatter/Paintで都市・公園シーンを作る

Twinmotion(Epic Games製の無料リアルタイムレンダラー)のPopulateは、オブジェクトや植栽を1個ずつでなく、範囲や線に沿ってまとめて置くための機能群です。置き方はPaint・Scatter・Spacing・Area・個別配置の5つに分かれ、広い公園や街並みを埋めるときに、作業時間を大きく縮められます。「木を100本、通行人を50人、1個ずつ置いていたら日が暮れる」という中級者の悩みに応える機能です。

この記事では、Paint・Scatter・Spacing・Areaの4つの使い分けと、密度・間隔・ランダム化の具体的な設定値、公園と街並みでの使いどころ、そして個別配置・地形・植栽の記事との役割分担までを解説しています。数値は公式ドキュメント(2026年7月10日現在)をもとにしています。

Populateでできること|1個ずつ置かずにまとめて配置するしくみ

Populateの核心は、範囲や線を指定するだけで、その中にアセット(配置する3Dオブジェクト)を自動で敷き詰めてくれる点にあります。1本1本を手で置く作業から解放されるので、広い面積を扱う建築パースほど効果が大きくなります。

置き方は目的の「形」で選びます。手描きのニュアンスを出したいならPaint、広い面をまとめて覆うならScatterかArea、並木やフェンスのように線に沿わせるならSpacing、ピンポイントの1点置きなら個別配置、という対応です。

置き方向いている形ざっくりした操作
Paint手描きの自然なばらつき筆で塗るようにドラッグ
Scatter広い面を素早く面にばらまいて密度を増減
Area囲んだ範囲を均等にスプラインで範囲を囲む
Spacing並木・生垣・フェンス線を引いて等間隔に並べる
個別配置1点だけ正確にライブラリから直接ドロップ

5つの置き方の全体像

Paintは「筆で塗る」感覚で、ブラシを動かした場所にアセットが置かれていきます。塗った密度がそのまま反映されるので、林の縁を濃く、中心を薄く、といった強弱を手でつけられます。

ScatterとAreaは面をまとめて埋める方式です。Scatterは平面に素早くばらまくのに向き、Areaはスプライン(点をつないで作る曲線)で囲んだ範囲だけを対象にします。芝生や下草のように「面で覆いたい」ものはこの2つが得意です。

Spacingは線に沿わせる方式です。道路脇の街路樹や敷地境界の生垣のように、一定の間隔で並べたい対象に使います。個別配置はライブラリから1個ずつドロップする最も基本的な置き方で、玄関前のシンボルツリー1本のように「ここだけ」を決めたいときに使います。

用途からの選び方

迷ったら「面か、線か、点か」で切り分けると早く決まります。芝や広場の下草のように面を埋めたいならScatterかArea、並木やフェンスのように線に沿わせたいならSpacing、シンボルツリーやベンチ1脚のような点はPaintか個別配置です。

家具・人・車を1点ずつ正確に置く操作は、配置と編集の基本にあたるためTwinmotionアセットライブラリの使い方|家具・人・車を配置するで解説しています。この記事は「まとめて置く」側に絞って読み進めてください。

Paintツールでブラシのように植栽・小物を置く

Paintツールは、筆で塗るようにアセットを配置できるので、自然なばらつきと意図した強弱を両立できます。均一に並ぶのを避けたい林や下草、点在させたい小物に向いています。

ブラシ径(塗る円の大きさ)を変えると、一度に置ける範囲が広がります。広い斜面をざっと覆うときは径を大きく、園路の縁を細かく整えるときは径を小さく、と使い分けると作業が速くなります。

基本操作の流れ

配置したいアセットをPaintツールに入れ、ブラシ径を調整してから、地形やモデルの上をドラッグします。ドラッグした軌跡にアセットが並んでいくので、塗り絵の感覚で林や草地を広げられます。

置きすぎた部分はErase(消去)ツールでなぞると取り除けます。植えては消して形を整えられるので、最初から完璧を狙わず、多めに置いてから縁を削るほうが自然な密度に落ち着きます。

複数アセットを混ぜて自然に見せる

1種類の木だけを並べると、コピー感が出て人工的に見えます。ライブラリでShiftキーを押しながら複数のアセットを選ぶと、Twinmotionがそれらをランダムに交互配置してくれるので、樹種が混ざった自然な林になります(MotionMedia Vegetation Scatter Options Guide 2026年7月10日現在)。

たとえば公園の植栽で、高木2種と低木1種を同時に選んで塗ると、1回のドラッグで3種が混ざった植え込みができます。1種ずつ塗り重ねるより早く、しかも並びが不規則になるぶんリアルに仕上がります。

Scatter・Areaツールで範囲を囲んで一気に敷き詰める

広い面はScatterとAreaで一気に埋めるのが最短です。Scatterは平面にばらまく方式、Areaはスプラインで囲んだ範囲だけを対象にする方式で、どちらも密度をスライダーで調整できます。

面を埋める作業はアセット数が一気に増えるため、密度を上げすぎると動作が重くなります。まずは薄めに置いて、足りなければ増やす方向で調整すると失敗が減ります。

Scatterで面を素早く覆う

Scatterは平面に対してアセットをばらまき、増減ボタン(+と−)で密度を変える方式です。「広い芝生の上に雑草を散らす」「駐車場のアスファルトに落ち葉を散らす」といった、大きな面をざっと覆う用途に向いています。

密度は+で足し、−で間引きます。数を増やすほどリアルになりますが、そのぶん表示が重くなるので、遠景の面は薄め、近景の面は濃いめ、とメリハリをつけると軽さと見栄えを両立できます。

Areaでスプラインに囲まれた範囲を埋める

Areaは、スプラインで囲った範囲の内側だけにアセットを敷き詰める方式です。花壇や中庭のように「この形の中だけ植えたい」ときに、境界を引くだけで内側が埋まります。公式ドキュメントで公開されている主な設定値は次のとおりです(Epic公式 Spacing and Area Tools 2026年7月10日現在)。

設定範囲・既定役割
Spacing1.00〜6.00mアセット間の距離。大きいほどまばら
Random spacing0.00〜1.00間隔に不規則さを加える
Probability0.00〜1.00密度。0で無し、1で全部置く
Edge falloffオン/オフ縁に近いほど密度・サイズを下げる
Falloff distance0〜20m縁を薄くする幅
Path tension1〜100%(既定50%)境界線の張り。高いほど直線的

密度を決める中心はProbability(確率)です。値を下げると置かれるアセットが間引かれ、上げるとびっしり埋まります。花壇のように整った密度が欲しいならSpacingを固定してProbabilityで微調整し、自然な林ならRandom spacingを足して間隔を崩すと、作り物っぽさが薄れます。

Edge falloff(縁の減衰)をオンにすると、範囲の外周に向かって植栽が徐々にまばらになります。草地が地面の色に自然になじむので、面の境目が直線でくっきり出るのを防げます。

Spacingツールで並木・生垣・フェンスを線に沿って並べる

線状の並びはSpacingツールが担当します。スプラインを1本引き、そこにアセットを乗せると、指定した間隔で等間隔に並びます。街路樹・生垣・フェンス・街灯のように「線に沿って規則的に置きたい」対象に向いています。

スプラインは点をつないで自由な曲線にできるので、まっすぐな道路にも、カーブした遊歩道にも沿わせられます。

スプラインの引き方

スプラインは、プラス記号のアイコンで点(スプラインポイント)を追加し、点を動かして形を整えます。終点にしたいところで右クリック、またはEscキーを押すと確定します(Epic公式 Spacing and Area Tools 2026年7月10日現在)。

点を増やすほど細かいカーブを表現できます。遊歩道の緩やかな曲がりに街路樹を沿わせたいときは、道の折れ目ごとに点を打つと、道形に忠実な並木になります。

間隔と本数の設定

Spacingツールでは、Distance(間隔)を100〜1000cmの範囲で指定し、Count(本数)を1〜100の範囲で決めます。街路樹なら間隔を広め、生垣なら間隔を詰める、という調整をこの2つで行います。

さらにRandom lateral offset(左右のランダムずれ)を加えると、並びが一直線でなく軽く蛇行します。自然の植栽は完全に一列に並ばないので、わずかにずらすほうがリアルです。Path tension(線の張り)は既定50%で、値を上げると直線的、下げるとゆるやかな曲線になります。

密度・間隔・ランダム化の調整で作り物っぽさを消す

大量配置がコピー品の行進に見えてしまう最大の原因は、大きさと向きが揃いすぎていることです。Random seed・Random scale・Random rotationでばらつきを与えるのが、自然に見せる決め手になります。

同じ範囲でも、これらのランダム値を少し足すだけで、同じ木が同じ向き・同じ大きさで並ぶ不自然さが消えます。

ばらつきをつけるパラメータ

公式ドキュメントで公開されている、大きさ・向きのばらつき設定は次のとおりです(Epic公式 Spacing and Area Tools 2026年7月10日現在)。

設定範囲役割
Random seed手動/自動並びの「種」。同じ種なら同じ配置を再現できる
Scale offset0.001〜5.00倍全体の大きさ倍率
Random scale0.0〜1.01本ごとの大きさのばらつき
Rotation offset0〜360度全体の向きを一律に回す
Random rotation0.00〜1.00向きのばらつき(1.0で±180度)

なかでも効くのがRandom scaleとRandom rotationです。木を配置したあとRandom scaleを少し上げると、大小の木が混ざって森らしくなります。Random rotationを上げると1本ごとに向きが変わり、正面顔が並ぶ不自然さが消えます。

Random seed(乱数の種)は、配置のばらつきを決める番号です。気に入らない並びになったら種を変えるだけで別のばらつきに切り替わり、良い並びが出たら種を控えておけば同じ配置を再現できます。

地面に沿わせて浮きを防ぐ

傾斜地に木を置くと、幹が地面から浮いたり埋まったりしがちです。Snap to surface(サーフェスに接地)をオンにすると、アセットが地表の高さに吸い付き、浮きや埋没を防げます。

さらにAlign(整列)をオンにすると、アセットが地表の傾き(法線)に向きを合わせます。ただし木は斜面でも垂直に立つのが自然なので、木にはAlignをオフ、路面標示やソーラーパネルのように地面と一体で傾けたいものにはオン、と使い分けると失敗しません。

TwinmotionのPopulate機能についての編集部の所感

公式仕様と海外レビューの共通見解をもとにした編集部の所感では、面はScatter/Area、線はSpacing、点在はPaintという役割分担が、公園でも街並みでもそのまま効率的な配分になります。実測値ではなく、どの機能をどの対象に割り当てると効率が良いか、という目安として読んでください。

この役割分担は、そのまま作業を進める順番にもなります。

公園シーンでの使いどころ

公園は「広い芝+園路+樹木」の組み合わせが基本です。芝や下草はScatterか3D Grass Material(モデル更新で自動再生成される草マテリアル)で面を覆い、園路沿いの街灯やベンチはSpacingで等間隔に並べると、短時間で骨格ができます。

樹木はAreaで植栽エリアを囲み、Random scaleで大小を混ぜるのが自然です。海外レビューの共通見解でも、単一樹種を均一サイズで並べると人工的になりやすいと指摘されており、大きさと樹種のばらつきが公園らしさを左右します。

街並みシーンでの使いどころと注意点

街並みは「街路樹+歩行者+小物」で密度感が決まります。街路樹はSpacingで歩道に沿わせ、歩行者や自転車、落ち葉といった小物はPaintで交差点や店先に濃淡をつけて置くと、生活感のあるシーンになります。

注意したいのは動作の重さです。街全体を高密度で埋めると表示が一気に重くなるため、遠景はProbabilityを下げて薄く、カメラが寄る手前だけ濃く、というメリハリが現実的です。公式仕様でもProbabilityが密度制御の中心と位置づけられているので、重くなったらまずこの値を下げるのが安全です。

活用シーンと次の一歩|個別配置・地形と組み合わせる

Populateは単独で完結する機能ではなく、地形・個別配置・植栽の作り込みと組み合わせてはじめて1つのシーンになります。ここでは、全体の中でのPopulateの位置づけと、次に手をつけると良い順番を示します。

大量配置で面と線を埋めたあとに、主役の1点を個別配置で足す、という流れが失敗しにくい作り方です。

個別配置・地形との役割分担

家具・人・車を1点ずつ正確に置いたり、カスタムの3Dモデルを取り込んだりする操作はTwinmotionアセットライブラリの使い方|家具・人・車を配置するで解説しています。玄関前のシンボルツリーや主役の車のように「ここだけ」を決めたいときは、Populateより個別配置が向いています。

大量配置の土台となる地面そのものを造成する手順はTwinmotionで地形を造成する|Sculpt/Paintと周辺市街地の取り込みにまとめています。地形が先にできていないと植栽が宙に浮くので、造成を済ませてからPopulateに入ると手戻りが減ります。樹木そのものの樹齢や季節変化の設定はTwinmotionの植栽(Vegetation)配置|樹木の成長・季節変化までで解説しています。

これから試すと良い順番

初めて広いシーンを作るなら、地形造成→大面積のScatter/Areaで下草→Spacingで並木や生垣→Paintで小物、の順で進めると、密度が積み上がって全体像がつかみやすくなります。

順番を逆にして小物から置くと、あとから大面積を敷いたときに埋もれてやり直しになりがちです。大きい面から小さい点へ、という流れを意識すると、調整のたびに全体を作り直す手間を避けられます。

まとめ

TwinmotionのPopulateは、Paint・Scatter・Spacing・Area・個別配置の5つを使い分けて、植栽や小物を範囲や線に沿って一括配置する機能群です。面はScatter/Area、線はSpacing、手描きの点在はPaint、という「形での切り分け」が使い分けの軸になります。

自然に見せる決め手は密度とばらつきの調整です。AreaのProbabilityで密度を、Random scaleとRandom rotationで大きさと向きのばらつきを、Snap to surfaceで地面への接地を整えると、コピー品の行進に見えない自然なシーンになります。数値は公式ドキュメント(2026年7月10日現在)を確認しながら調整してください。

作業は地形造成から始め、大面積の下草、線状の並木、仕上げの小物、の順で積み上げるのがおすすめです。大きい面から小さい点へと進めることで、途中でのやり直しを減らせるからです。個別の1点置きや地形の作り込みと組み合わせて、公園や街並みのシーンを仕上げていきましょう。