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Twinmotionで地形を造成する|Sculpt/Paintと周辺市街地の取り込み

編集部 読了 約9分

Twinmotionで地形を造成する|Sculpt/Paintと周辺市街地の取り込み

Twinmotion(Epic Games製の完全無料リアルタイムレンダラー)の地形は、Sculptで起伏を造り、Paintで素材を塗り、Urbanで周辺の街を取り込む、この3つで敷地環境が仕上がります。建物モデルを平らな地面にぽつんと置いただけでは、傾斜地の性格も、周りにどんな街が広がっているのかも伝わりません。地形機能は、その足りない情報を補うためのものです。

この記事では、地形(Landscape)をシーンに置く方法から、Sculptツールでの造成、Paintツールでの素材の塗り分け、そしてUrbanタブでOpenStreetMap(世界中の地図を共同で作る公開データ)から周辺市街地を取り込む手順までを、公式ドキュメント(2026年7月時点)に沿って解説します。街路樹や群衆といった大量配置は範囲が広いため、別記事に分けて紹介します。

Twinmotionの地形(Landscape)でできること

Twinmotionの地形は「起伏を造る・素材を塗る・周辺を取り込む」の3操作で、敷地全体を作り込めます。ゼロから盛土のように地面を造ることも、測量データから正確な起伏を再現することもできます。まずは地形をシーンに用意し、造成の起点になる設定パネルを開くところから始めましょう。

地形をシーンに置く3つの方法

地形をシーンに置くやり方は、大きく3系統あります。ゼロから造るのか、手元のデータを使うのかで選び分けるためです。

最も手軽なのは、ライブラリの Vegetation > Landscape カテゴリから既製の地形をドラッグしてシーンに置く方法です。まっさらな平地が置かれるので、あとからSculptで自由に起伏を付けられます。何もデータがない状態から敷地を造るなら、これが出発点になります。

手元に測量データがあるなら、ハイトマップ(地面の高さを明るさで表したグレースケール画像)を取り込めます。対応するのは .r16.png で、黒いところが低く、白いところが高い地面として読み込まれます。正確な等高線がある案件では、この方法が最も実測に近い地形になります。

点群データ(.txt / .xyz)や、SketchUpなどで作った地形メッシュ(.skp / .fbx / .obj / .c4d)を読み込む道もあります。ただしメッシュはポリゴン形式のみで、NURBS(曲面を数式で表す形式)には対応していません。Rhinoなどの曲面データは、メッシュに変換してから持ち込む必要があります。

造成の前に開く設定パネル

地形を編集する準備は、置いた地形を選択するだけで整います。地形を選ぶとPropertiesパネル(選択したものの設定を表示する画面)にSculptツールとPaintツールが並んで表示されるからです。

この2つが、地形づくりの主役になります。Sculptで地面の形を造り、Paintで表面の素材を塗る、という役割分担です。パネルが出ていれば、あとはブラシで地面をなぞるだけで造成が始められます。

Sculptツールで地形を造成する

Sculptは、盛る・掘る・ならすといった地面の変形を、ブラシで直接描いていく機能です。最初にブラシの形・直径・強さの3つを決め、そのうえで目的に合ったモードを選んで地面をなぞります。強さを控えめにして少しずつ重ねるのが、失敗しにくいコツです。

ブラシの形・直径・強さを決める

Sculptの効き方は、3つの設定でコントロールします。この3つを理解しておくと、思ったとおりの起伏が造れるようになります。

ブラシの形(Shape)は Circle(円)、Smooth circle(ふちがぼける円)、Blobs(不規則な塊)、Stains(しみ状)の4種類です。なだらかな丘を造りたいときはSmooth circle、岩肌のような不規則さがほしいときはBlobsやStains、と使い分けます。

直径(Diameter)は0〜160メートルの範囲で、初期値は10メートルです。広い造成地をならすなら大きく、細かい水路を掘るなら小さく設定します。強さ(Intensity)は0〜100%で初期値は15%です。初期値が低めに設定されているのは、一度に大きく変形させると地面が荒れて修正が増えるからです。弱めのブラシで何度かなぞって高さを積み上げるほうが、なめらかな地形に仕上がります。

盛る・掘る・ならす|造成モードの使い分け

Sculptには目的別のモードが6つあり、造りたい地形に合わせて切り替えます。どのモードも同じブラシ設定で動くので、モードだけを変えながら地面を整えていく流れになります。

盛土や丘を造るなら Raise(地面を持ち上げる)、池や掘り込み駐車場のような窪みには Dig(穴を掘る)を使います。荒れた地面をなだらかにしたいときは Smooth(角を取ってなめらかにする)が役立ちます。建物の基礎まわりを水平にしたいときは Flatten が便利で、これはクリックした瞬間の高さに合わせて周囲を平坦化してくれます。

自然な地面の揺らぎがほしいときは Noise(ランダムな凹凸を加える)、既存の起伏の高さを微調整したいときは Erode を使います。実務では、Raiseで大まかに盛ってからSmoothで角を落とし、最後にNoiseで単調さを消す、という重ね方が扱いやすい流れです。

Paintツールでマテリアルを塗り分ける

Paintは、地形の表面に素材(マテリアル)を塗り分ける機能です。造成した地面に芝・土・砂利・舗装などを塗り分けると、ただの茶色い塊が敷地らしい表情になります。初期状態でも自然素材がセットされているので、すぐに塗り始められます。

4つの初期マテリアルと差し替え

Paintツールには、最初から4つの素材が用意されています。すぐに塗り始められるようにするためです。

初期の4素材は、ライブラリの Materials > Ground > Nature カテゴリから選ばれた自然系の地面素材です。芝や土といった素材がタイル(素材を登録する枠)に並んでいて、選んでから地形をなぞると塗れます。庭は芝、通路は砂利、というように塗り分けるだけで、敷地の使われ方が伝わるようになります。

初期の4素材に使いたいものがなければ、差し替えができます。ライブラリから別の素材をタイルの上へドラッグするだけで、その枠の素材が置き換わります。アスファルトやコンクリートを追加すれば、駐車場やアプローチも表現できます。塗れる素材を増やしたいときは、Twinmotionマテリアルライブラリの使い方で無料ライブラリの活用を解説しています。

テクスチャスケールと不透明度で自然に見せる

塗った素材を自然に見せるカギは、スケールと不透明度の調整です。設定を詰めると、繰り返し模様の不自然さや、素材どうしの境目のはっきりしすぎを抑えられます。

テクスチャスケール(Texture scale)は0.001〜100.00の範囲で、素材の模様の大きさを変えます。芝が大きすぎて不自然なら小さく、砂利が細かすぎるなら大きく調整します。不透明度(Opacity)は0〜100%で、これを下げて薄く塗り重ねると、芝から土へ移り変わる境目をぼかせます。ブラシの形はSculptと共通なので、Smooth circleを選べばふちが柔らかくなじみます。

周辺市街地をOpenStreetMapで取り込む

敷地単体ではなく街の中に建物を置くと、プレゼンの説得力が大きく変わります。UrbanタブはOpenStreetMapの公開データを取り込み、周辺の建物や地形をまとめて生成してくれる機能です。隣の街区を一軒ずつモデリングする手間なしに、周辺環境が用意できます。

Urbanタブでエリアを指定して市街地を生成

周辺の街を取り込む操作は、Urbanタブから行います。OpenStreetMapのデータをダウンロードして、シーンに現実の街の文脈を持ち込むためのタブです。

地図上で取り込みたいエリアを指定すると、その範囲の建物・道路・地形がまとめて生成されます。取り込まれた建物の高さや地形の高さは編集できるので、実際の街並みに近づける調整も可能です。敷地の周りにどんなボリュームの建物が建っているのかを、短時間で再現できます。

ただし、生成される建物はマッス(おおまかな塊)モデルです。窓や外壁の細部までは再現されず、あくまで周辺のボリュームを示すためのものだからです。データの出どころが公開地図なので、地域によっては建物の抜けや高さのずれがある場合もあります。

取り込んだ市街地をシーンになじませる

取り込んだ街を自分の建物になじませるには、いくつか手当てが要ります。生成されたモデルはそのままだと単調で、主役の建物から浮いて見えることがあるからです。

まずは自分の建物とのスケール合わせを確認します。OpenStreetMapの高さデータは実測とずれることがあるため、明らかに高すぎる・低すぎる建物は個別に高さを直します。周辺建物には控えめなグレー系のマテリアルを塗ると、主役の建物が引き立ちます。細部が粗いので、周辺市街地は遠景として割り切り、カメラを敷地寄りに構えるのが実務的な使い方です。

地形の造成を編集部が試してみました

公式ドキュメント(2026年7月時点)の手順に沿って、傾斜地の造成からPaintの塗り分け、OpenStreetMapの取り込みまでを通してみた編集部の所感をまとめます。数値は公式仕様に基づき、操作の感触を補足する形で整理しました。

Sculptで最初につまずきやすいのは強さの設定でした。Intensityの初期値15%は一見もの足りませんが、実際になぞってみると、この控えめさがちょうどよく感じられます。強くすると地面が急に切り立って修正が増えるため、弱いブラシで高さを積み上げる進め方のほうが、結果的に早くきれいな斜面になりました。

OpenStreetMapの取り込みについては、遠景として割り切る使い方が現実的だという見立てです。取り込んだ街並みは全体のボリュームを伝えるには十分ですが、近くで見ると粗さが目立ちます。主役はあくまで自分の建物なので、周辺は背景と考え、カメラを敷地寄りに置くと破綻が気になりません。無料でここまで街の文脈が用意できる点は、プレゼンの下ごしらえとして心強いといえます。

敷地環境づくりの応用シーンと次の一歩

地形・素材・周辺市街地までそろったら、次は環境の密度を上げる工程に進みます。造成した地面はいわば下地で、そこに植物や人・車が加わってはじめて、生活感のある敷地になるからです。

たとえば造成した丘の斜面に樹木を生やしたいなら、Twinmotionの植栽(Vegetation)配置で樹齢や季節変化まで含めた植栽の付け方を解説しています。街路樹を並木にしたい、公園に大勢の人を配置したい、駐車場に車を敷き詰めたい、といった大量配置はTwinmotionのPopulateで大量配置で手順をまとめています。敷地環境づくりの全体像を先に押さえたいときは、Twinmotionのマテリアル・アセット・植栽・敷地ガイドが入口になります。

仕上げの段階では、Path Tracer(時間をかけて高品質に描く描画モード)で造成した地形の陰影を詰める展望もあります。造り込んだ起伏に落ちる影がやわらかく表現されると、敷地の立体感がさらに伝わりやすくなるはずです。

まとめ

Twinmotionの地形機能は、無料でここまでできるのかと感じられる作り込みが可能です。要点を整理します。

  • 地形はライブラリの既製Landscape・ハイトマップ・メッシュの3系統で置ける。ゼロから造るなら既製地形+Sculptが出発点になる
  • Sculptはブラシの形・直径(0〜160m)・強さ(初期15%)を決め、Raise/Dig/Smooth/Flattenなどのモードで盛る・掘る・ならすを描く
  • Paintは初期4素材の塗り分けとタイルの差し替えで地面に表情を付け、テクスチャスケールと不透明度で自然になじませる
  • UrbanタブはOpenStreetMapから周辺の建物・地形を取り込み、遠景として街の文脈を用意できる

造成した敷地は、植栽と大量配置で密度を足していくと、さらに現実味が増します。地形は敷地表現の土台なので、まずはSculptとPaintに慣れることから始めてみてください。