Twinmotionアセットライブラリの使い方|家具・人・車を配置する
Twinmotionアセットライブラリの使い方|家具・人・車を配置する
Twinmotion(Epic Games製・無料のリアルタイムレンダラー)には、家具・人・車などの完成モデルを集めた「ライブラリ」が最初から入っています。ここから好きなアセット(あらかじめ用意された3Dモデルや素材のこと)をドラッグ&ドロップするだけで、がらんとした空間に生活感が生まれます。壁と床しかなかったリビングにソファと観葉植物、窓の外に歩く人と1台の車を置く。それだけでパースの説得力は大きく変わります。
この記事では、Twinmotionのアセットライブラリから家具(Objects)・人(Characters)・車(Vehicles)を配置する手順と、置いたアセットの差し替えやサイズ調整、そしてglTF・OBJ・FBXといった手持ちの3Dモデルを取り込む方法までを解説しています。木や草の植栽、数百体規模の大量配置は別のしくみを使うため、そちらは関連記事に案内します。内容は2026年7月時点の公式ドキュメントをもとにまとめました。
Twinmotionのアセットライブラリでできること
Twinmotionのライブラリは、置くだけでシーンが立ち上がる完成モデルの宝庫です。無料版でもすべてのカテゴリを使えるため、素材をわざわざ買い集めなくても建築ビジュアルの中身を埋められます。
ライブラリパネルと7つのカテゴリ
ライブラリは画面下部のLibraryパネルにまとまっていて、アセットは7つのカテゴリに分かれています。内訳はMaterials(質感)・Vegetation(植栽)・Objects(家具や小物)・Lights(照明)・HDRI(空と全体の光)・Characters(人や動物)・Vehicles(乗り物)です。
このうち、この記事で取り上げるのはObjects・Characters・Vehiclesの3つです。家具を置き、人を歩かせ、車を停める。建築パースに生活感を足すために最初に触るのが、ちょうどこの3カテゴリになります。
配置の基本はドラッグ&ドロップ
アセットを置く操作は、ライブラリのサムネイルをシーンにドラッグするだけです。ドロップした地点にモデルが現れ、あとはギズモ(移動・回転・拡大を操作するための矢印マーク)で位置や向きを整えます。
この手軽さがTwinmotionの入口としての強みです。専門的なモデリング知識がなくても、完成品を並べるだけで空間が組み上がります。まずは1つ置いてみて、視点を回しながらスケール感を確かめると感覚がつかめます。
質感・植栽・大量配置は別のしくみが担当
このライブラリは役割ごとに使うしくみが分かれています。素材の質感を貼り替えたいときはMaterialsカテゴリを使い、その手順はTwinmotionマテリアルライブラリの使い方で解説しています。
木や草を植えるVegetationの扱いはTwinmotionの植栽(Vegetation)配置にまとめました。人や車を1体ずつではなく群衆・車列としてまとめて置きたい場合は、Populateという専用機能を使うTwinmotionのPopulateで大量配置が入口になります。
家具・小物を置く|Objectsカテゴリの使い方
Objectsは、室内外の家具・小物・演出物がまとまったカテゴリです。HomeとCityの2つを押さえれば、住宅から街並みまで大半の建築シーンの中身は揃います。
HomeとCityで室内外をそろえる
Home(住まい)には、リビング・キッチン・バスルーム・寝室・オフィス・ジムなど、部屋ごとの家具・植物・装飾がそろっています。内観パースなら、まずここからソファ・テーブル・棚を置いていくと部屋の使われ方が見えてきます。
City(街)には、ベンチ・街灯・プランター・工事用の資材といった屋外の什器(しつわ/備え付けの道具類)が入っています。外構や街区のパースでは、こうした小物があるかないかで「人が使う場所」らしさが決まります。だから外観だけを作り込むより、City側の小物を数点足すほうが早くリアルに近づきます。
Decals・VFX・Water・Doorsなどの演出系
Objectsには家具以外の演出用アセットも含まれています。代表的なものを挙げると次のとおりです。
- Decals(デカール): 路面標示・グラフィティ・水たまり・汚しなどを面に貼る素材
- VFX: 炎・煙・水・霧・パーティクルといった動きのある効果
- Water: プールや噴水に使えるサイズ変更できる水面
- Doors: 回転・スライドで開閉するドア
- Parallax windows(パララックスウィンドウ): 中に3Dの室内空間が見える窓
たとえば夕景の商業施設なら、床のDecalsで濡れた路面を作り、VFXの霧を薄くかけるだけで空気感が出ます。演出系は入れすぎると重くなるので、見せたい一点に絞るのが扱いのコツです。
置いたオブジェクトの差し替え・サイズ調整
配置したあとのアセットは、選択して調整できます。同じ種類の中で別のバリエーションに差し替えれば、同じ椅子が並ぶ不自然さを避けられます。サイズや向きもギズモや数値入力で整えられるので、実物の寸法感に合わせて微調整します。
気に入った状態のオブジェクトや、あとで使い回したいものは、Library内のUser library(ユーザーライブラリ/自分専用の保存棚)に保存できます。保存しておけば別のプロジェクトでも同じアセットをすぐ呼び出せるため、よく使う家具セットを登録しておくと作業が速くなります。
人を配置する|Charactersで生活感を出す
人を1体置くだけで、空間のスケール感と生活感が一気に伝わります。Charactersには動く人・止まった人・動物がそろっていて、シーンの用途に応じて使い分けます。
アニメーション付き人物とポーズプリセット
Charactersの中心は、動きのついたアニメーション付き人物です。1体ずつにPose(ポーズ)とAnimation(動き)のプリセットが用意されていて、Speaking(会話)・Idle(待機)・Sitting(着席)・Walking(歩行)・Dancing(ダンス)などから選べます。
なぜプリセットが便利かというと、シーンの物語を作れるからです。カフェの内観なら着席と会話、駅前の広場なら歩行を選ぶと、その場所で人がどう過ごすかが伝わります。人の動きが場所の用途を語ってくれるわけです。
静止スキャン人物・2Dカットアウト・動物の使い分け
用途によっては、動かない人物のほうが向きます。Posed humans(ポーズ付き静止人物)は3Dスキャンした実在感のある静止モデルで、手前のアップに強いのが持ち味です。Cutout(カットアウト)は板1枚の2D人物で、データが軽いため遠景にたくさん置いても動作が重くなりにくいのが利点です。
Animals(動物)には哺乳類・鳥・魚のアニメーション付きモデルが入っています。公園に犬、水辺に鳥を1羽足すだけで、その場所の空気がやわらぎます。手前は3Dスキャン、奥は2Dカットアウトと役割を分ければ、見た目の質と動作の軽さを両立できます。
車を配置する|Vehiclesで街並みに動きを足す
車は、屋外パースの説得力を底上げするアセットです。駐車場や道路に合う車種を選ぶと、建物だけのときより一段と現実の街に近づきます。
車・バス・二輪・建設機械などの種類
Vehiclesには幅広い乗り物が用意されています。含まれるのはCars(乗用車)・Buses(バス)・Boats(船)・Aircraft(航空機、気球を含む)・Two-wheeled(自転車・バイク・スクーターなどの二輪)・Construction machines(建設機械)・Trucks(トラック)です。
用途に合う車種を選ぶことが大切です。住宅の外観なら乗用車を1〜2台、工事中の現場を見せたいなら建設機械、水辺の再開発ならボート、というように、その場所にあるはずの乗り物を置くと違和感が出ません。
駐車・通行の見せ方
車の置き方は、シーンで見せたい状況で変わります。完成した住宅なら、玄関前やカーポートに乗用車を停めると暮らしの様子が伝わります。街のにぎわいを出したいなら、道路沿いに数台を間隔をあけて並べると流れが生まれます。
1台ずつ配置するのが基本ですが、道路いっぱいに車列を作りたい、駐車場を満車にしたいといった場面では、まとめて置くPopulateのほうが効率的です。大量に並べる手順はTwinmotionのPopulateで大量配置で解説しています。
カスタム3Dモデルを取り込む|glTF・OBJ・FBXの読み込み
ライブラリにない特定の家具や製品モデルは、自分で用意した3Dデータを取り込んで使えます。Twinmotionは対応フォーマットが広く、他ソフトで作ったモデルも読み込めます。
対応フォーマットとインポートの流れ
取り込みはImport(インポート)ダイアログからおこないます。ファイルは1つずつでも、複数ファイル・複数形式をまとめてでも読み込めます。対応する主な3Dジオメトリ形式は次のとおりです。
| 分類 | 主な対応形式 |
|---|---|
| Datasmith | .udatasmith |
| 汎用3D | .gltf / .glb / .fbx / .obj / .c4d / .3ds |
| CAD・設計 | .skp / .dae / .dxf ほか |
出典: Twinmotion公式Docs「Import Process in Twinmotion」(2026年7月10日確認)
1つ注意したいのがglTF/GLB形式です。すりガラス(frosted glass)や光沢(sheen)といった複雑なシェーダを持つマテリアルは、取り込み時にTwinmotion標準のマテリアルに置き換わる場合があります。だから凝った質感のモデルを取り込んだら、Twinmotion側で質感を付け直す前提で考えておくと安心です。質感の付け方はTwinmotionマテリアルライブラリの使い方にまとめています。
Direct Linkで設計データと同期する
ファイルを書き出して取り込む方法のほかに、Datasmith Direct Link(ダイレクトリンク)というライブ接続のしくみがあります。これは設計アプリとTwinmotionを直接つなぎ、モデルの変更をTwinmotionへ同期する方法です。
なぜこれが便利かというと、設計変更のたびにファイルを書き出し直す手間が消えるからです。RevitやSketchUpなど複数の設計アプリから同じTwinmotionプロジェクトへ接続でき、元データを直せば反映されます。設計と可視化を行き来しながら進める案件ほど効果が大きいしくみです。
取り込んだアセットをUser libraryに保存する
一度取り込んだ外部アセットは、User libraryに保存して管理できます。カスタムのマテリアルやオブジェクトも同じ棚にまとめられるため、自社でよく使う製品モデルや家具を登録しておけば、次のプロジェクトでライブラリから呼び出すだけで済みます。
取り込み→調整→保存というひと手間をかけておくと、2回目以降の制作が目に見えて速くなります。手持ちの資産が増えるほど、Twinmotionでの下ごしらえが短くなっていきます。
配置したアセットを編集部が使ってみました
公式ドキュメントの記述と実制作の流れをふまえて、置く順番のおすすめを編集部の所感としてまとめます。破綻しにくいのは、建物→人→車→小物の順です。
大きな要素から決めると、スケールの基準が先に固まります。先に建物と地面を確定し、人を置いて背丈の基準を作り、車で外部空間の密度を決め、最後に小物で細部を埋める。この順だと、あとから全体のサイズ感が崩れにくくなります。
動作の重さにも触れておきます。Posed humansのような3Dスキャンの静止人物は情報量が多く、手前のアップでは効きますが、画面に何十体も置くと動作が重くなりがちです。公式でもCutoutは軽い2D素材と位置づけられているため、手前は3Dスキャン、奥は2Dカットアウトと役割を分けるのが現実的な使い方といえます。
活用シーンと次の一歩|大量配置・植栽への広げ方
個別配置に慣れたら、シーンの規模に合わせて広げていきます。住宅の内観なら家具と観葉植物と着席した人、商業施設なら歩く人とデカールの床、都市模型なら車列と並木、というように、用途ごとに主役のアセットが変わります。
次の一歩は3つの方向です。人や車を群衆・車列としてまとめて置きたいならTwinmotionのPopulateで大量配置、木や草で外構を緑化したいならTwinmotionの植栽(Vegetation)配置、置いたモデルの質感を追い込みたいならTwinmotionマテリアルライブラリの使い方が入口になります。シーン全体の作り込みの流れはTwinmotionのマテリアル・アセット・植栽・敷地ガイドで俯瞰できます。
まとめ
Twinmotionのアセットライブラリは、7カテゴリの完成モデルをドラッグ&ドロップで置ける、シーン作りの土台です。要点を整理します。
- Objects(家具・小物)はHomeとCityで室内外の中身を揃え、Decals・VFX・Water・Doorsなどで演出を足せます
- Characters(人)はアニメーション付き人物のポーズ選択で場所の物語を作り、静止スキャン・2Dカットアウト・動物を使い分けます
- Vehicles(車)は乗用車から建設機械まで用途に合う車種を選び、外部空間の密度を決めます
- ライブラリにないモデルはglTF・OBJ・FBXなどで取り込め、Direct Linkなら設計データとライブ同期できます
- 取り込んだアセットはUser libraryに保存して次の制作に使い回せます
家具・人・車を1体ずつ置く操作が身につけば、次は群衆や並木といった大量配置、そして質感の追い込みへと自然に広げていけます。まずは手元のシーンに人を1体、車を1台置くところから始めてみてください。
建築知識の教科書