Twinmotion Cloudでオンライン共有|3D・パノラマをステークホルダーに届ける
Twinmotion Cloudでオンライン共有|3D・パノラマをステークホルダーに届ける
Twinmotion(エピック ゲームズ製の無料リアルタイムレンダラー)でつくった3Dモデルを、離れた場所にいる施主や社内の関係者に見てもらいたい。そんなとき役立つのが Twinmotion Cloud です。専用ソフトを相手のパソコンに入れてもらわなくても、リンクを1本送るだけで、Webブラウザから3D空間を自由に歩いてもらえます。
この記事では、Twinmotion Cloud でできるオンライン共有の全体像から、フルナビゲート可能な3D共有(プレゼンテーション)、360度のパノラマセット共有、そして実際の共有手順までを、公式ドキュメント(2026年7月時点)にもとづいて解説します。
Twinmotion Cloudでできるオンライン共有の全体像
Twinmotion Cloud で共有できるのは、大きく「プレゼンテーション」と「パノラマセット」の2つで、どちらも相手はリンクかQRコードを開くだけで閲覧できます。相手側にTwinmotionをインストールする必要はなく、Webブラウザさえあれば見られる仕組みです。
まずは何を、どの形で、どうやって渡せるのかを押さえておくと、自分の案件にどの共有方法が合うかを選びやすくなります。
共有できる3つの形式
Twinmotion Cloud には、目的の違う3つの共有形式があります。どれを選ぶかで、相手の体験がかなり変わります。
- プレゼンテーション: 画像・動画・シーケンス・パノラマをまとめ、相手が自由に見て回れる3D体験。設計案の全体を見せたいときに向きます。
- パノラマセット: あらかじめレンダリングした360度ビューを複数つないだもの。見せたい場所を絞って順番に案内したいときに向きます。
- コンフィギュレーター: 素材や仕様の選択肢を相手が切り替えられるインタラクティブな体験。仕様バリエーションを提示したいときに使います。
この3つは排他ではなく、案件に応じて使い分けるものです。たとえば全体像はプレゼンテーション、確定した見せ場はパノラマセット、というように組み合わせられます(出典: An Overview of Twinmotion Cloud、2026年7月時点)。
共有はリンクとQRコードで完結する
共有の入口は、共有リンクとQRコードの2つです。相手はソフトのダウンロードもアカウント作成も必要とせず、渡されたURLを開くか、スマホでQRコードを読み取るだけで閲覧を始められます。
これは、遠隔の施主とのやりとりで大きな差になります。「まずソフトを入れてください」と頼む段階が消えるため、相手が3Dを見るまでのハードルがぐっと下がるからです。現場でタブレットを渡して見てもらう場面でも、QRコードなら数秒で開けます。
Web Drive(クラウド上の管理場所)で公開物を管理する
アップロードした共有物は、Web Drive(クラウド上の管理画面)に集まります。ここが、公開したプレゼンテーションやパノラマセットをプレビュー・整理・共有するための拠点になります。
Web Drive を使うと、共有リンクの発行やQRコードの取得、Webサイトへの埋め込みコードの生成まで、1か所で行えます。案件が増えても公開物を一覧で管理できるので、「どのリンクをどの相手に渡したか」を見失いにくくなります。
フルナビゲート可能な3D共有(プレゼンテーション)
プレゼンテーションは、クラウドから3Dをリアルタイムに配信し、相手が自分のペースで空間を歩ける形式です。動画のように決まった動きを見せるのではなく、相手が好きな方向へ視点を動かせる点が特徴になります。
設計の全体像を、相手の手元で立体的に確認してもらいたいときの中心的な選択肢です。
プレゼンテーションはクラウドから3Dをリアルタイム配信する
プレゼンテーションには、画像・動画・シーケンス(カメラの移動アニメ)・パノラマといった複数のメディアをまとめて入れられます。相手はそれらを行き来しながら、3D空間そのものをリアルタイムで見て回れます。
配信はクラウド側で処理されるため、相手のパソコンやスマホが高性能である必要はありません。重い3Dデータを相手に送らずに、見た目の体験だけを届けられるのが強みです。
相手はPC・タブレット・スマホのブラウザで自由に歩ける
閲覧はWebブラウザで行えます。公式が対応をあげているのは Chrome・Safari・Firefox・Chromium版のEdge で、Windows・macOS・iOS・Android のいずれでも見られます(出典: An Overview of Twinmotion Cloud、2026年7月時点)。
つまり、ワークステーションからノートパソコン、タブレット、スマホまで、相手が普段使っている端末をそのまま使えます。「相手のデバイスは何か」を気にせずに送れるので、社外の関係者にも渡しやすい形です。
時間帯や表現モードを閲覧者側で切り替えられる
プレゼンテーションでは、閲覧する相手が時間帯(太陽の位置)や表現モードを操作できます。朝・昼・夕方で光の入り方を見比べたり、表示の質感を切り替えたりを、送り手ではなく見る側が自分で試せます。
これは、施主が「夕方の光でリビングがどう見えるか気になる」といった疑問を、その場で自分で解消できることを意味します。送り手が何枚も画像を用意して送り直す手間が減るのが、実務での利点です。
セッション時間と再接続の仕組み
プレゼンテーションはクラウドから配信される都合上、接続には時間の区切りがあり、一定時間そのまま操作がないと接続が切れます。切れても再接続はできるため、見たいときにもう一度開き直せば再開できます。
長時間つけっぱなしにしたい展示用途や、通信が不安定になりやすい出先では、この区切りが気になる場面もあります。そうした場面では、次に説明するパノラマセットのほうが向いています。
パノラマセットのCloud共有
パノラマセットは、あらかじめレンダリングした360度ビューを複数つなぎ、相手にホットスポットで順番に見て回ってもらう形式です。通信が弱くても見られて、閲覧時間の制限もない点が、プレゼンテーションとの大きな違いになります。
「見せたい場所を絞って、確実に届けたい」ときに向いた共有方法です。
パノラマセットは事前生成した360度ビューをつなぐ
パノラマセットは、事前に書き出した360度パノラマを集めたものです。1つのセットには最大100枚まで入れられるので、住宅なら玄関・リビング・寝室・浴室というように、要所を一通り収められます(出典: An Overview of Twinmotion Cloud、2026年7月時点)。
事前生成なので、リアルタイム配信のプレゼンテーションよりも1枚ごとの画質を作り込めます。見せ場を高い品質で固定して届けたいときに向く形式です。パノラマそのものの書き出し手順はTwinmotionのパノラマ書き出しで解説しています。
ホットスポットで視点間を移動する
セットにした複数のパノラマは、ホットスポット(画面内に表示される移動先の目印)でつながります。相手が目印をクリックまたはタップすると、そのパノラマへ切り替わる仕組みです。目印は近い場所ほど大きく、遠い場所ほど小さく表示されるので、位置関係も直感的につかめます。
視点の見回しは、マウスのドラッグやタッチ操作のほか、スマホなら端末そのものを傾けて動かせます。相手が自分の手元で、その場に立っているように空間を確かめられるわけです。
通信が弱くても見られる・セッション時間の制限がない
パノラマセットは、強い通信環境を必要とせず、閲覧セッションの時間制限もありません。現場や移動中など、電波が心もとない場所で見てもらう場面でも安定しやすいのが利点です。
たとえば建設現場で施主に完成イメージを見せるとき、その場のモバイル回線が弱くても、パノラマセットなら落ち着いて見てもらえます。時間を気にせずじっくり確認してほしい提案でも、途中で切れる心配が少なくて済みます。
共有手順:Web DriveへアップロードしてURLを配る
共有の流れは「クラウドへ上げる → 共有方法を選ぶ → 相手へ渡す」の3ステップです。難しい設定はなく、Twinmotion側の操作からそのまま公開まで進められます。
ここでは、実際に手を動かすときの手順と選択肢を整理します。
Push to Cloudで手早く公開する
もっとも手早い方法は、Push to Cloud ボタンでの公開です。表示中のシーンをそのままクラウドへ上げて共有できるので、ひとまずリンクを作って相手に見てもらう、という使い方に向きます。じっくり構成したいときは、プレゼンテーションやパノラマセットを作成してからアップロードする方法もあります。
アップロードできるファイルの上限は4GBで、公開にはEpicアカウントでのログインが必要です(出典: An Overview of Twinmotion Cloud、2026年7月時点)。Twinmotion本体はエピック ゲームズが無料で提供しているため、まず試すハードルは低めです。
リンク・QRコード・埋め込みコードの使い分け
Web Drive からは、3種類の渡し方を選べます。相手との距離感や見せる場面で使い分けると、共有がスムーズになります。
- 共有リンク: 遠隔の相手にメールやチャットで送るのに向きます。パスワードをかけることもできます。
- QRコード: 打ち合わせの場でタブレットやスマホから開いてもらうのに向きます。PNG画像などで取得できます。
- HTML埋め込みコード: 自社サイトやポートフォリオに直接組み込みたいときに使います。ページ内の枠にそのまま表示できます。
この3つは併用できます。遠隔にはリンク、対面ではQRコード、というように相手ごとに切り替えれば、同じ共有物を無駄なく届けられます(出典: Sharing Content from the Web Drive、2026年7月時点)。
パスワード保護で閲覧範囲を絞る
共有リンクにはパスワードをかけられます。まだ公開したくない案件や、社外に広まっては困る提案を、限られた相手にだけ見せたいときに役立ちます。
リンクは知っていれば誰でも開ける性質があるため、機密性の高い案件ではパスワード保護をあわせて使うと安心です。「誰にでも見せてよいプレゼンはパスワードなし、限定案件はパスワードあり」と決めておくと、運用の迷いが減ります。
Twinmotion Cloudの共有を編集部が使ってみました
実際の共有場面で効いてくるのは、相手の環境を選ばない点だというのが編集部の所感です。ソフトのインストールを頼まずに済むこと自体が、社外の関係者とのやりとりでは大きな時短になります。
編集部が公式仕様にそって使い分けを整理すると、プレゼンテーションとパノラマセットは「何を優先するか」で選ぶのが分かりやすい形でした。相手にその場で自由に歩き回ってほしい、光や質感を切り替えて確かめてほしいなら、リアルタイム配信のプレゼンテーションが向きます。一方で、通信が不安定になりがちな現場や、じっくり時間をかけて見てほしい提案では、時間制限がなく通信に左右されにくいパノラマセットが安心です。
送り先が1つとは限らないのも実務のリアルです。同じ案件でも、社内レビューにはプレゼンテーション、現場の施主にはパノラマセット、というように相手ごとに形式を変えると、それぞれの環境で見やすくなります。
応用シーン・次の一歩
Twinmotion Cloud の共有は、相手の状況に合わせてプレゼンテーション・パノラマ・VR・動画を使い分けると、実務でいちばん力を発揮します。1つの形式にこだわらず、届け先ごとに最適な見せ方を選ぶのが勘所です。
ここでは、代表的な活用シーンと、そこから広げられる次の一歩を紹介します。
設計提案・施主プレゼンでの活用シーン
もっとも身近な使いどころは、遠隔の施主への提案です。リンクを送っておけば、相手は都合のよいときに自分のスマホやパソコンで空間を確かめられるので、打ち合わせ前に理解を深めてもらえます。
社内レビューやコンペでも役立ちます。関係者が多いほど、全員に同じ体験を一度に配れるオンライン共有の価値が上がります。紙の図面やスクリーンショットでは伝わりにくい奥行きや光を、相手の手元で立体的に届けられるのが強みです。
VRでのパノラマ体験へ広げる
パノラマセットは、通常のブラウザ閲覧だけでなく、VRヘッドセットでも見られます。ホットスポットで視点を切り替えながら、その場に立っているような没入感で空間を体験してもらえます。
より本格的なVR体験に踏み込みたいときは、TwinmotionのVRウォークスルーで機材や見せ方の選択肢を解説しています。プレゼンの説得力をもう一段引き上げたい場面での次の一歩になります。
動画やローカルプレゼンとの使い分け
オンライン共有がいつも最適とは限りません。ネット環境が読めない対面の打ち合わせでは、手元で完結するTwinmotionのPresenterでのローカルプレゼンが確実です。記録として残したい・SNSで配布したいなら、Twinmotionのウォークスルー動画のように動画で書き出す方法が向きます。
オンライン共有・ローカルプレゼン・動画は競合ではなく補完の関係です。相手と場面に合わせて選べるようにしておくと、提案の幅が広がります。
まとめ
Twinmotion Cloud を使うと、作った3DモデルをリンクやQRコードで送るだけで、相手のブラウザに届けられます。要点を3つに絞ると次のとおりです。
- 共有の主役は「プレゼンテーション(自由に歩ける3Dのリアルタイム配信)」と「パノラマセット(360度ビューをつないだ事前生成の体験)」の2つ。相手にソフトは不要で、PC・タブレット・スマホのブラウザで見られる。
- プレゼンテーションは光や表現モードを相手が操作できる反面、接続に時間の区切りがある。パノラマセットは通信が弱くても見られてセッション時間の制限がないため、現場や出先に強い。
- 公開は Web Drive から。リンク・QRコード・HTML埋め込みを使い分け、限定案件はパスワード保護で閲覧範囲を絞れる。
まずは手持ちのシーンを Push to Cloud で1つ公開し、自分宛てにリンクを送って挙動を確かめてみてください。相手の環境を選ばない共有ができると、遠隔の施主や社内レビューでのやりとりが一段スムーズになります。共有の全体像はTwinmotionの動画・アニメ・共有・VRガイドで見渡せます。
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