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3DCG · Twinmotion

Twinmotion Presenterの使い方|実行ファイルで書き出し歩いて見せる

編集部 読了 約13分

Twinmotion(Epic Games 提供のリアルタイムレンダラー)の Presenter は、複数のメディアを1つにまとめ、ネット環境がなくても空間を自由に歩き回りながら見せられる軽量ビューア(閲覧専用の再生アプリ)です。書き出した実行ファイルさえ渡せば、相手のパソコンに Twinmotion 本体が入っていなくてもオフラインで開けます。施主との対面打ち合わせや、Wi-Fi の弱い現場事務所でのプレゼンに向いた仕組みといえるでしょう。

この記事では、Twinmotion Presenter で4種のメディアを1つにまとめ、プレゼンテーションを作って書き出すまでを解説します。当日インタラクティブに動かして見せる操作までを、2026年7月時点の現行版(2026.1)の公式仕様に沿って押さえます。

URL1つでネット越しに届けたいオンライン共有と、ヘッドセットでの本格的なVR体験づくりは、それぞれTwinmotion Cloudでオンライン共有TwinmotionのVRウォークスルーで解説しています。

TwinmotionのPresenterでできること|4種のメディアを1つにまとめる

Presenter は Twinmotion の軽量版で、書き出した実行ファイルだけでオフラインで空間を歩き回れる持ち出し用のビューアです。画像・動画・シーケンス・パノラマという性格の違う4種のメディアを、1つのプレゼンにまとめて持ち歩けます。

Presenterは「Twinmotionが無くても開ける」持ち出し用ビューア

Presenter は Twinmotion の軽量版で、1つ以上のプレゼンテーションを内包し、どのパソコンからでも起動してプロジェクトのバーチャルツアー(3D空間を自由に見て回れる体験)を共有できます(Twinmotion 公式ドキュメント、2026年7月確認)。

書き出すと Windows では Twinmotion-Presenter.exe、Mac では Twinmotion-Presenter.app として起動します。ダブルクリックするだけで開き、インターネット接続は必要ありません。相手のパソコンに Twinmotion 本体がなくても、このファイルだけで空間を見せられるのが最大の強みです。当日会場のパソコンに入れて開く、USBメモリで渡す、といった対面プレゼンで力を発揮します。

まとめられる4種のメディア(画像・動画・シーケンス・パノラマ)

1つのプレゼンテーションには、画像・動画・シーケンス・パノラマの4種をまとめられます(公式ドキュメント、2026年7月確認)。それぞれ見せ方の役割が違うので、案件に合わせて組み合わせます。

画像は決め画(最も見せたい静止画)、パノラマは1点から360度を見回せる素材、動画はカメラワークを決め打ちで再生する素材、という違いがあります。シーケンス(複数のクリップをつないだ再生素材)は動画カテゴリの中に入り、サムネイルにアイコンが付いて通常の動画と区別されます。用途が違う素材を1つに束ねられるので、ファイルを何個も開き直す手間がなくなります。

オンライン共有・VRとの役割の違い

書き出し先には、Presenter で開くローカルプレゼンテーションと、Twinmotion Cloud にアップするクラウドプレゼンテーションの2通りがあります(公式ドキュメント、2026年7月確認)。この記事があつかうのはローカル書き出しです。

ローカルにはエクスポートするファイルサイズの制限がありません(公式ドキュメント、2026年7月確認)。重い動画や高解像度のパノラマを詰め込んでも書き出せるため、容量を気にせず素材を盛り込みたいときにも向きます。ネット越しにURL1つで届けたい場合はTwinmotion Cloudでオンライン共有が向いています。ヘッドセットでの没入体験を作り込みたい場合はTwinmotionのVRウォークスルーで解説しています。

プレゼンに入れる素材を準備する

プレゼンテーションは器なので、中に入れる素材を先に作っておくのが前提です。静止系の画像・パノラマは書き出し設定を押さえておけばよく、動きのある素材は別の工程で作ってから持ち込みます。

素材の種類見せ方主な仕様 / 作り方
画像決め画の静止画2K〜16K・Custom(最大61440×61440)/PNG・JPG・EXR
パノラマ1点から360度見回し2K〜16K・3D Mode(立体視)対応
動画決め打ちのカメラワークウォークスルー動画を作るで作成
シーケンス複数クリップの連結再生動画素材を並べて構成

画像・パノラマは先に書き出しておく(解像度と形式)

画像とパノラマは、プレゼンに入れる前に解像度と形式を決めて書き出しておきます。画像は 2K / 4K / 8K / 16K に加え、Custom で最大 61440×61440(タイル描画を有効にした場合の64K相当)まで書き出せます(画像・パノラマの書き出し設定、2026年7月確認)。形式は PNG(可逆)、JPG(軽量)、EXR(HDR・16bit)から選べます。

パノラマは360度で 2K / 4K / 6K / 8K / 16K に対応し、画像・パノラマとも 3D Mode(左右の目に別々の映像を出す立体視)を使えます。プレゼン画面で表示するだけなら4K前後で十分ですが、あとで大判印刷やクライアント配布にも使うなら高解像度で書き出しておくと後戻りがありません。

動画・4Dの素材は各記事で作ってからまとめる

公式の手順でも「画像・動画・シーケンス・パノラマを先に作る」ことが前提になっています(公式ドキュメント、2026年7月確認)。動きのある素材は別の工程で用意します。

歩き回る動画素材の作り方はTwinmotionでウォークスルー動画を作る、着工から完成までの施工段階を見せるフェーズ素材はTwinmotionの4D施工フェーズ(Phasing)で解説しています。素材がそろっていれば、あとはまとめて Presenter に書き出すだけです。

Presenter用のプレゼンテーションを作って書き出す手順

作成の流れは「Media dock でプレゼンを作る → メディアを追加する → Export でローカルに書き出す」の3ステップです。書き出すと実行ファイルを含むフォルダが1つでき、それをそのまま渡せば相手のパソコンで開けます。

Media dockでプレゼンテーションを新規作成しメディアを追加する

器となるプレゼンテーションは Media dock で作ります。Footer(画面下部のバー)の Media をクリックして Media dock を開き、Presentation アイコンを選んで Add で新規作成します(公式ドキュメント、2026年7月確認)。

+(Plus)アイコンでメディア選択ウィンドウを開き、Image / Panorama / Video のタブから見せたい素材を選んで dock へドラッグします。Media メニューの Rename で名前を変えられ、Viewport(作業画面)のプレビューで中身を確認できます。当日いじりやすいように、見せたい順に並べておくのがおすすめです。

ローカルプレゼンテーションとして書き出す

素材をまとめたら実行ファイルに書き出します。Footer の Export をクリックし、Export パネルの Local セクションで Presentation の横の Add を押し、書き出すプレゼンテーションを選びます(複数同時に選べます)。Start Export を押して保存先フォルダを指定すると、書き出しが完了します(公式ドキュメント、2026年7月確認)。選んだフォルダに、プレゼンテーションを内包した Twinmotion Presenter を含むフォルダが作られます。

ここで注意したいのが書き出しの中身です。書き出し結果はOSによって形が違い、Windows では Twinmotion-Presenter.exe とテクスチャや素材が入った別フォルダ、Mac では実行ファイルにアセットを同梱した .app バンドルになります(公式ドキュメント、2026年7月確認)。Windows では exe 単体では動かないので、書き出したフォルダ一式をまるごと渡すか、まるごとコピーする必要があります。exe ファイルだけを USB にコピーして「開かない」と慌てるのは、この仕組みを知らないと起きがちな失敗です。なお現行版ではアニメーションファイルがシーンに同梱されるため、動きのある素材を含むプロジェクトも受け渡し・共有しやすくなっています(公式、2026年7月確認)。

最高画質の決め画は静止画で補う

Presenter で歩き回る体験は、その場で描画するリアルタイムレンダリング(Lumen=動きに強い光の表現)で動きます。動かして見せるにはこれで十分ですが、写真と見分けがつかないレベルの決め画がほしい場面もあります。

そこで役立つのが Path Tracer(時間をかけて光を計算する高品質モード)です。Path Tracer で書き出した静止画を画像素材としてプレゼンに入れておけば、歩き回る体験はリアルタイムのまま、勝負どころの1枚だけ最高画質の静止画を差し込めます。

ローカルプレゼンをインタラクティブに見せる操作

Presenter は決め打ちの動画と違い、当日その場で歩き回り、光や仕上げを切り替え、設計案を見比べられます。一方通行では作れない説得力が、対面プレゼンでの Presenter の価値です。

その場でできる操作何ができるか
Travel mode(Walk / Fly)地面を歩く/空中を自由に飛ぶを切り替え
Speed(Plane/Drive/Bicycle/Walk)移動速度を4段階で調整
Media strip画像・動画・パノラマ・シーケンスを切り替え表示
Time of day時間帯を動かして朝夕の光を再現
Rendering styles表現をスケッチ風・素材風などに切替
Phasing スライダー施工段階を切り替え
Configurations内外装や仕様のバリエーションをその場で切替
Full screen(F11)/Quality全画面表示・閲覧品質を会場PCに合わせる

歩く・飛ぶで空間を自由に動く

移動は Travel mode で切り替えます。Walk モードは地面をベースに歩き、物理と物体の衝突判定がはたらくため、実際に建物の中を歩く感覚に近くなります。Fly モードは全方向へ自由に飛べ、上空から全体を見せるのに向きます(公式ドキュメント、2026年7月確認)。

移動速度(Speed)は Plane / Drive / Bicycle / Walk の4段階です。広い外構は速く、室内はゆっくり、と場面で使い分けます。クライアントの「あの部屋はどうなってる?」にも、その場で歩いて答えられます。全画面表示は F11、閲覧品質は Low / Medium / High / Very high / Custom から選べるので、会場のパソコンの性能に合わせて軽くも重くも調整できます。

メディアストリップで見せ場を切り替える

用意した素材は Media strip で切り替えます。全メディアのサムネイルが横に並び、クリックするだけで画像・パノラマ・動画・シーケンスを切り替えて表示できます(公式ドキュメント、2026年7月確認)。

動画とシーケンスはその場で再生・一時停止でき、パノラマはドラッグで360度見回せます。さらにサムネイルにマウスを重ねると、オーバーレイボタンで代替バージョン(同じ見せ場の別案)に差し替えられます。話の流れに合わせて素材を出し入れできるので、資料をめくり直すよりも会話が途切れません。

光・仕上げ・施工段階をその場で変える

説得力を上げるのが調整系の操作です。時間帯(Time of day)を動かせば朝・昼・夕方の光を見せられ、レンダリングスタイル(Flat / Shaded outline / Plaster / Wood / Metal / Foam / Default)で表現そのものを切り替えられます(公式ドキュメント、2026年7月確認)。

Phasing(施工フェーズ)スライダーを動かせば施工段階を切り替えられ、Screenshot ボタンでその場の画をデスクトップに保存できます。「この時間帯だとどう見える?」という問いに即答でき、その場の意思決定を後押しできます。VRヘッドセットを接続していれば View メニューから VR 閲覧も有効にできますが、没入体験の作り込みはTwinmotionのVRウォークスルーで解説しています。

仕上げ・仕様のバリエーションをその場で切り替える(Configurations)

Presenter で最も対話的なのが Configurations です。トリガーアイコンをクリックひとつで、あらかじめ仕込んだバリエーション(状態)をその場で切り替えられます(公式ドキュメント、2026年7月確認)。切り替えられるのは、内外装のマテリアル(Material switch)や、表示・非表示(Visibility)、環境の雰囲気(Ambience)、配置・カメラ位置など数種類です。

これは、前に触れた「サムネイルにマウスを重ねて素材そのものを差し替える代替バージョン」とは別の仕組みです。代替バージョンは見せる素材の入れ替え、Configurations は1つのメディアの中で設計案を切り替える機能で、プレゼンではメディア単位で対話できるかどうかを設定できます。たとえば施主の前で「白い塗り壁と木質ルーバー、どちらが好みですか」をその場で見比べてもらえます。一方通行の動画では絶対にできない、対面プレゼンならではの見せ方です。

Presenterについての編集部の見解と、これからの使いどころ

Presenter が本当に効くのは、機能の多さよりも「ネットに頼れない場面でどれだけ話が前に進むか」です。強みははっきりしている一方で、割り切っておきたい弱点もあります。

編集部の見解|オフライン完結と「1ファイルに束ねる」整理効果

公式ドキュメントに記載されている仕様の範囲で言えば、Presenter の強みは2つに集約できると編集部では見ています。1つは、会場の Wi-Fi に依存せず実行ファイルだけで動くオフライン完結。もう1つは、画像・動画・パノラマ・シーケンスを1つに束ねる整理効果です。打ち合わせ直前にファイルを探し回る事故が減ります。

一方で、割り切りが必要な点もあります。歩き回る体験はリアルタイム描画なので、写真と見分けがつかない決め画は静止画で補う必要があること。そして自由に動かせるぶん、相手に自走で見てもらうにはナビゲーションの説明が要ることです。決め画は静止画で差し込み、操作は説明役が同席する、と考えておくと安心です。

クライアント商談・現場での活用シーンと次の一歩

Presenter が効くのは「その場で歩いて見せたい」場面です。施主との対面打ち合わせ、通信環境の弱い現場事務所、展示会やモデルルームのブースなど、ネットに頼れない状況ほど価値が出ます。素材さえそろえておけば、当日は歩いて・切り替えて・見比べてもらうだけで商談が前に進みます。

同じ素材を別の届け方に広げることもできます。手元ではなくネット越しに送るならTwinmotion Cloudでオンライン共有、ヘッドセットで空間に入り込んでもらうならTwinmotionのVRウォークスルーへと展開できます。ローカルで固めたプレゼンを起点に、共有・VRへ枝分かれさせるのが次の一歩です。

まとめ|Presenterは「その場で見せる」出口

Presenter は、Twinmotion が入っていないパソコンでもオフラインで開ける軽量ビューアです。画像・動画・シーケンス・パノラマを1つにまとめて持ち出せるので、対面プレゼンの荷物が1つのフォルダで済みます。

作り方は「素材を作る → Media dock でプレゼンテーション化 → Export → Local で書き出す」の3ステップです。Windows では実行ファイルとアセットフォルダをフォルダごと渡す点だけ押さえておけば、渡した相手のパソコンで確実に開けます。当日は歩く・飛ぶ、メディア切り替え、時間帯やスタイル・施工段階の変更に加え、Configurations で内外装や仕様のバリエーションまでその場で切り替えられます。歩き回る体験はリアルタイム描画なので、写真のような決め画がほしいときは Path Tracer で書き出した静止画を画像素材として入れておきましょう。