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3DCG · Twinmotion

Twinmotionウォークスルー動画の作例|企画からカメラパス・書き出しまで

編集部 読了 約9分

Twinmotionウォークスルー動画の作例|企画からカメラパス・書き出しまで

ウォークスルー動画(建物の中や外をカメラが歩くように進む動画)は、Twinmotionなら「カメラの通り道を作って書き出すだけ」で作れます。Twinmotionは Epic Games が提供するリアルタイムレンダラー(3Dモデルを即座に映像化するソフト)で、学生や個人、一定規模までの企業なら無料で使えます。静止画のパースまでは作れるけれど動画はまだ、という段階の方に向いた題材です。

この記事では、住宅の玄関からリビングまでを見せる短いウォークスルー動画を1本作る流れを、企画→カメラパス→書き出しまで通しで解説します。機能の値や画面名は Twinmotion 公式ドキュメント(2026年7月10日確認、最新版は Twinmotion 2026.1)をもとにしています。

ウォークスルー動画づくりの全体像|企画からカメラパス・書き出しまで

ウォークスルー動画は「見せたい動線をカメラで歩かせ、それを動画ファイルに書き出す」という2段構えで完成します。作業そのものは4ステップに分かれ、いちばん時間をかけたいのは最初の企画です。ここが決まっていれば、あとの操作は迷いません。

完成イメージを先に1文で決める

ソフトを触る前に「誰に・何を・何秒で見せる動画か」を1文で言葉にしておきます。たとえば「施主に、玄関からリビングへの抜けの良さを、30秒で見せる」と決めるだけで、カメラをどこに通すかが自然に決まるからです。

この1文がないまま操作を始めると、カメラの通り道が行き当たりばったりになり、あとで撮り直しになりがちです。動画は静止画とちがって「時間」が加わるぶん、最初の設計が仕上がりを大きく左右します。

制作を4ステップで把握する

全体の流れは次の4ステップです。この記事もこの順番で進みます。

ステップやること使う場所
STEP1 企画見せ場と動線を紙に描くソフト外(紙・メモ)
STEP2 シーン整備モデルを持ち込み映る範囲を作り込むImport ドック
STEP3 カメラパスカメラの通り道を作るMedia ドックの Sequence
STEP4 書き出し解像度とfpsを決めて動画にするExport

STEP3のカメラパス作りが動画制作の中心です。ただし、そこで手が止まる原因のほとんどは企画とシーン整備の甘さにあります。前半の2ステップを丁寧にやるほど、後半が速くなります。

STEP1 企画|見せ場とカメラの通り道を紙に描く

企画の狙いは「カメラが通る一本道」を先に決めてしまうことです。紙に間取りを描いて、カメラの通り道を矢印で引き、見せ場に丸を付ける。これだけで、ソフト上の作業が「決めた道をなぞるだけ」に変わります。

見せ場を3つに絞る

30秒前後の動画なら、しっかり見せるカットは3つが目安です。住宅なら玄関の入り口、リビングの広がり、水回りの使い勝手、といった具合に、施主がいちばん気にする場所を選びます。

見せ場を増やしすぎると、1カットあたりの時間が短くなり、何を見せたいのか伝わらない動画になります。数を絞るほど、1カットにゆとりが生まれ、空間の広さや素材感が伝わりやすくなるのです。

1カット10秒を目安に尺を設計する

Twinmotionで新しく作るカメラのひとかたまり(パート)は、既定で300フレーム=10秒(30fps)です。これを1カットの基準にすると尺を割りやすくなります。見せ場を3つにすれば、10秒×3で合計30秒という設計が、ソフトの初期値とそのまま噛み合います。

もっと短くしたいカットは、あとでパートの長さを縮められます。まずは10秒を基準に置き、動線の距離が長い区間だけ時間を足す、という考え方だと破綻しません。

このステップの目的は、動画に映る範囲を軽く・きれいに整えることです。設計データはゼロから作り直さず、いつも使っているCADやモデラーから持ち込みます。

ホストソフトとライブ同期でモデルを持ち込む

Twinmotionは Datasmith Direct Link(ホストのCAD/モデラーと接続してモデルを反映するしくみ)で、SketchUpやRevit、Archicadなどのモデルを取り込めます。Import ドックで接続すると、ホスト側での編集が Twinmotion 側に反映されるので、間取りを直しながら映像も更新できます。

たとえばリビングの家具配置を SketchUp 側で動かすと、その変更を Twinmotion に取り込み直せます。設計と映像を行き来しながら詰められるため、プレゼン直前の修正にも対応しやすくなります。

カメラが通る範囲を優先して作り込む

作り込みは、STEP1で描いた通り道の周辺に集中させます。カメラが映さない裏側の部屋や外構は簡略なままでかまいません。マテリアル(素材の質感)や植栽を全部そろえてから動画に取りかかると、時間がいくらあっても足りないからです。

映る範囲だけを仕上げると、シーンが軽くなって操作の反応も良くなります。プレビュー(下書き再生)がなめらかだと、カメラパスの微調整もはかどります。

STEP3 カメラパスをつくる|Sequenceとキーフレーム

カメラパスは、Media ドックで作る Sequence(時間軸を持つ映像のかたまり)の上に作ります。Twinmotionには2種類のカメラがあり、動きの性格で使い分けます。歩くように進めたいならアクションカメラ、対象をぐるりと回したいならオービットカメラです。

Sequenceを作りアクションカメラで通路を歩かせる

Sequenceを新規作成すると、既定で「1つのカメラトラック+300フレーム(10秒)のアクションカメラパート」が入ります。アクションカメラは実際の撮影用カメラのように動くカメラで、玄関からリビングへ歩いていくような映像に向いています。

通り道は、キーフレーム(カメラの位置と角度を時間上に記録した点)を置いて作ります。Media preview を開くとカメラとパスが3D空間に表示され、Gizmo(移動・回転の操作ハンドル)でカメラを動かせます。位置を決めたらキーフレームのサムネにある Refresh を押すと、その視点が反映されます。

追加のキーフレームは、再生位置を進めて視点を決め、再生ヘッドの Add keyframe(+)を押して置きます。玄関で1点、廊下の途中で1点、リビングで1点、というように数点打てば、その間をカメラがなめらかにつないで動きます。各点の時間は Key time で細かく調整できます。

オービットカメラで建物をぐるりと見せる

外観や模型のような見せ方には、オービットカメラが向いています。焦点として選んだ場所のまわりを、カメラが円を描いて回るカメラで、パートには2つのキーフレームが入ります。開始と終了の2点を決めるだけで、建物を一周する映像が作れます。

住宅の外観カットを頭に入れておきたいなら、外構の作り込みはTwinmotionで外観・鳥瞰パースを作る作例で解説しています。オービットで一周させる前に、植栽や空を整えておくと見栄えが上がります。

速度とイージングで歩いている感を出す

カメラの動き出しと止まり方も、印象を左右します。アクションカメラの既定は Ease in / out(動き出しと止まりをなめらかにするモード)で、人が歩くような自然な加減速になります。オービットカメラの既定は Linear(一定速度)で、対象を均等に見せたいときに向きます。

速すぎるとカメラ酔いのような見づらさが出て、遅すぎると間延びします。玄関からリビングへの区間は少しゆっくり、廊下は少し速く、と区間ごとに速度を変えると、実際に歩いているような体感に近づきます。カメラワークの詰め方はTwinmotionのカメラパス・アニメーター活用ガイドで深掘りしています。

STEP4 書き出し設定|解像度・fps・品質を決める

書き出しは、用途に合う解像度とfps(1秒あたりのコマ数)を選んで動画ファイルにする作業です。ここを外すと、重すぎて共有できない、または粗すぎて使えない動画になります。用途を先に決めてから数値を選ぶのが失敗しないコツです。

解像度とfpsを決める

Twinmotionの動画書き出しは、2K Full HD(1920×1080)、4K UHD(3840×2160)、8K(7680×4320)などから選べます。Standardと3Dモードなら16Kやカスタム最大64Kまで対応します。フレームレートはプリセットで 25・30・60・120fps、カスタムで1〜120fpsを選べます。

施主プレゼンやSNSでの共有なら、2K Full HD・30fpsで十分見られる品質になります。大画面での上映や納品を想定するなら4K・30fpsが扱いやすい落としどころです。60fps以上はなめらかさが増しますが、書き出し時間とファイル容量も増えるため、用途と相談して決めましょう。出力形式は既定でMP4(音声付き)、連番画像で欲しいときはPNGやEXRも選べます。

描画モードと仕上げオプション

映像の品質は描画モードで変わります。Standardは軽快なリアルタイム表示、LumenはサーフェスベースのリアルタイムGI(光の回り込みを再現するしくみ)で陰影が自然になります。さらに高品質を狙うなら Path Tracer(光を物理的に追跡する高品質モード)がありますが、Windows環境のみの対応です。

仕上げの調整として、motion blur(動きのブレ表現)のオン・オフ、refinement(画質の追い込み・Off/Low/Medium/High)などを選べます。プレゼン用の下書きはStandardで軽く出し、本番はLumenやPath Tracerで書き直す、という二段構えにすると、確認と品質を両立できます。動画品質と書き出しの詳しい詰め方はTwinmotionのウォークスルー動画・書き出し完全ガイドで解説しています。

ウォークスルー動画を編集部が試してみました

公式ドキュメントの手順に沿って短いウォークスルーを組んでみて、編集部が気づいた点をまとめます。実作業で効いてくるのは、数値そのものより「パートの区切り方」でした。

既定の300フレーム(10秒)パート1つで玄関からリビングまでを通そうとすると、キーフレームが1つのパートに集中して調整しづらくなります。見せ場ごとにパートを分け、玄関のパート・廊下のパート・リビングのパートと3つに割ると、あとから1区間だけ速度や尺を直しやすくなりました。

もう1つは、Media preview でパスを見ながら詰めることの効きめです。ビューポート内にカメラの通り道が線で見えるので、壁にめり込む、天井に近すぎる、といった破綻を早い段階で見つけられます。書き出してから気づくと数分の待ちが無駄になるため、プレビューで通り道の高さ(目線の高さ)を先に整えておくのが結局いちばん速い、というのが率直な所感です。

活用シーン・次の一歩

ウォークスルーを1本作れると、同じシーンから別の見せ方へ広げられます。カメラパスと書き出しの型が身につけば、あとは目的に合わせて出し分けるだけだからです。

プレゼン・SNS・360°への応用

施主プレゼンには2K・30fpsのMP4、SNSには短く切った縦長の動画、といった具合に、同じSequenceからカットとサイズだけ変えて量産できます。Twinmotionは書き出しモードに360やVideo 360 3Dもあり、VRゴーグルで見渡せる映像も同じ流れで作れます。

次の一歩としては、内観の質感を上げる練習が効きます。歩いて見せる動画は、止まって見せる内観カットの延長でもあるからです。Twinmotionで内観パースをリアルに仕上げる作例でマテリアルと光の合わせ方を押さえると、ウォークスルーの1カット1カットも締まります。

まとめ

Twinmotionのウォークスルー動画は、次の3点を押さえれば1本通して作れます。

  • 企画で「誰に・何を・何秒で」を1文にし、見せ場を3つに絞る。1カット10秒(既定の300フレーム)を尺の基準にする
  • カメラパスは Media ドックの Sequence で作る。歩く動きはアクションカメラ+キーフレーム、回り込みはオービットカメラ。速度とイージングで歩行感を出す
  • 書き出しは用途で選ぶ。プレゼンは2K・30fps・MP4、上映や納品は4K。品質はStandardで下書き、本番はLumenやPath Tracer

まず短い1本を最後まで書き出してみると、どこで時間がかかるかが体でわかります。そこから解像度や描画モードを上げていくと、無理なく品質を伸ばせます。Twinmotion全体の機能や他の作り方を見たいときは、下の関連記事から入ってください。