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3DCG · Twinmotion

TwinmotionのAnimator/Pathsで人・車を動かす|シーンに動きを与える

編集部 読了 約9分

TwinmotionのAnimator/Pathsで人・車を動かす|シーンに動きを与える

Twinmotion(Epic Games製・完全無料のリアルタイムレンダラー)には、静止した建築モデルに動きを足す仕組みが2つあります。ひとつは人や車を自動で歩かせる「Paths」、もうひとつはドアや設備を個別に動かす「Animator」です。この2つを使うと、無人の完成予想図が、人が行き交い車が流れる「生活しているシーン」に変わります。

この記事では、Character Path(歩行者用のパス)とVehicle Path(車両用のパス)で人と車を動かす手順、そしてAnimatorでドアや可動部を動かす方法を、初心者が迷わないように整理します。ここで付けた動きをそのまま動画ファイルとして書き出す方法は、Twinmotionでウォークスルー動画を作るで解説しています。

TwinmotionのPathsとAnimatorでできること

動きの付け方は「群れを自動で歩かせるPaths」と「特定のオブジェクトを動かすAnimator」の2系統に分かれます。この切り分けを最初に押さえておくと、目的に合った道具をすぐ選べます。

Pathsは人と車を自動で歩かせる仕組み

Pathsは、シーンの中に動く道すじを引いて、その上を人や車に往復させる機能です。公式ドキュメントでは、Pathsタブのツールで「characters, bicycles, vehicles, or any asset type(人・自転車・車、あるいは任意のアセット)」を含む動くパスを作れると説明されています(Epic公式 Populating Scenes、2026年7月10日確認)。

ここが便利なのは、1人ずつ手で配置しなくていい点です。道を1本引けば、その上を歩行者の集団や車列が自動で移動します。人流や交通量のイメージを短時間で作れるので、竣工前のにぎわいを見せたいときに効きます。

Animatorはドアや設備を動かす仕組み

Animatorは、群れではなく特定のオブジェクトを動かすための道具です。公式ドキュメントでは「preconfigured customizable animation widgets(あらかじめ設定された調整可能なアニメーション部品)」と定義され、動かしたい対象にリンクして使います(Epic公式 Animator Tools、2026年7月10日確認)。

Animatorには3つの種類があります。位置を動かすTranslator(移動)、回転させるRotator(回転)、部品を分解して見せるExploder(分解)です。たとえば玄関ドアを開閉させたい、自動シャッターを上げ下げしたい、といった単体の動きはこちらで作ります。

Character Pathで歩行者を配置する手順

歩行者はCharacter Pathにペンツールで点を置いていくだけで、パスに沿って自動で歩きます。人物モデルを1体ずつ並べる必要はありません。

パスの描き方は点を置くだけ

Character Pathを選ぶと、地面に点を置いていくペンツールが使えます。始点から順にクリックして道すじを作ると、その線の上を人が歩き始めます。エントランス前の歩道や、公園の通路など、人に通ってほしいラインをなぞる感覚で引けます。

線を引く順番がそのまま歩く向きになります。建物の入口へ向かって歩かせたいなら、外から入口に向かって点を置いていくと自然です。

人数と間隔を整える

歩行者の密度は、パスを選んだ状態でプロパティ(設定パネル)から調整します。公式ドキュメントに記載されている主な設定は次のとおりです(Epic公式 Spacing and Area Tools、2026年7月10日確認)。

設定名役割範囲
Countパス上に配置する人の総数1〜100
Distance人と人の間隔100〜1000cm
Random seedばらつきの乱数の種(数値を変えると並びが変わる)
Random lateral offset中心線からの左右のずれ

Countを増やせば人通りが多い繁華街のように、減らせば閑静な住宅街のように見せられます。Random seedを変えると、同じ人数でも並び方や体格の組み合わせが変わるので、機械的な整列を崩して自然な群れに近づけられます。

歩く向きとカーブの自然さ

まっすぐな道だけでなく、緩やかに曲がる園路も作れます。点と点のあいだのカーブの張り具合は、Path tension(パスの張力、1〜100%)で調整します。値を下げると点のあいだが直線的になり、上げるとふくらんだ曲線になります。

歩道が直角に折れる場所では張力を低めに、公園の曲線園路では高めにすると、実際の人の動線に近づきます。

Vehicle Pathで車を走らせる

車はVehicle Pathで道路に沿って流せます。手順はCharacter Pathと同じで、ペンツールで道すじを描くだけです。歩行者と車を別々のパスで管理できるので、車道と歩道を分けて演出できます。

車両パスの描き方

Vehicle Pathを選び、車道の中央に沿って点を置いていきます。センターラインをなぞるように引くと、車がレーンの中央を走ってくれます。交差点では、曲がりたい方向へ点を続けて置けば、そのままコーナリングします。

車種と台数を調整する

パスに乗せる車のアセット(3Dモデル)は入れ替えができ、乗用車だけでなくバスやトラックも混ぜられます。台数と車間は歩行者と同じくCountとDistanceで決めます。Countを増やせば渋滞気味の交通量に、Distanceを広げれば流れのよい郊外道路のように見せられます。

住宅街なら数台をゆったり、幹線道路沿いの計画なら台数を増やして交通量の多さを表現する、といった使い分けができます。

道路や交差点に沿わせるコツ

車は地面の高さに沿って走るので、スロープや高低差のある敷地でも道路面に追従します。カーブの張りはCharacter Pathと同じPath tensionで整えます。ゆるいカーブの道路では張力を上げ、直角に近い交差点では下げると、はみ出しや不自然な膨らみを抑えられます。

AnimatorのTranslator/Rotator/Exploderで個別に動かす

群れではなく、ドア・エレベーター・可動ルーバーのような特定のオブジェクトを動かすのがAnimatorです。Pathsが「風景に動きを足す」道具なら、Animatorは「建築の可動部を再現する」道具といえます。

Translatorで移動・Rotatorで回転

用途に応じて3種類を使い分けます。位置をスライドさせたいときはTranslator、蝶番のように回したいときはRotatorを使います。公式では、Rotatorは「rotating a door to open and close it(ドアを回して開閉する)」ような円運動に使うと説明されています(Epic公式 Animator Tools、2026年7月10日確認)。

たとえば自動ドアはTranslatorで左右に開き、開き戸はRotatorで回す、というふうに動きの種類で選びます。Exploderは、外壁パネルや設備を分解して見せる説明用のアニメーションに向いています。

子オブジェクト階層のルール

Animatorでつまずきやすいのが、親子関係の設定です。公式ドキュメントには「Animators animate only their direct children(アニメーターは直下の子だけを動かす)」と明記されています(Epic公式 Animator Tools、2026年7月10日確認)。

これは、動かしたいオブジェクトをSceneグラフ(シーンの階層一覧)の中でAnimatorのすぐ下にぶら下げる必要がある、という意味です。ドアを回したいのに動かないときは、ドアがAnimatorの直下に入っているかを確認すると解決することがほとんどです。

Sequenceと組み合わせてタイミングを作る

Animatorは単体で動かすほか、Sequence(時間軸の演出ツール)に組み込んでタイミングを合わせられます。タイムライン上のプレイヘッドを動かすことで、いつドアが開くかを秒単位でコントロールできます。動作の確認にはPreviewモード、時間軸に沿った再生にはSequenceモードを使い分けます(Epic公式 Animator Tools Reference、2026年7月10日確認)。

PathsとAnimatorを編集部が使ってみました

編集部がPathsとAnimatorを操作してみた所感として、まず伝えたいのは「入りやすさが大きく違う」という点です。

Character PathとVehicle Pathは、点を置くだけで人や車が動き出すため、最初の手応えが早いです。密度もCountの数値ひとつで変わるので、にぎわいの調整に迷いません。人流の見え方を試行錯誤したいときは、Random seedを何度か変えて並びを比べるのが早道だと感じました。

いっぽうAnimatorは、動かない原因が階層にあることが多く、慣れないうちは戸惑いやすい部分です。ドアが回らないときはほぼ親子関係で、公式が言うとおり直下の子になっているかを最初に見るのが近道でした。動きの種類さえ選べれば、あとはSequenceでタイミングを詰めるだけなので、仕組みを一度つかむと再現性は高いです。

動きを付けたシーンの活用シーンと次の一歩

パスとAnimatorで足した動きは、そのままプレゼンや動画の説得力に生きます。無人のパースと、人が歩き車が流れるシーンとでは、施主が受け取る「暮らしの実感」がまるで違います。

活用シーン

住宅の完成予想では、歩道に数人を歩かせ、前面道路に車を1〜2台流すだけで生活感が出ます。商業施設や駅前計画なら、Countを上げて人通りの多さを見せると、にぎわいの規模が伝わります。ドアの自動開閉やエレベーターの上下をAnimatorで足せば、建物が「動いている」印象を強められます。

次の一歩

シーンに動きを付けたら、それを動画として書き出す工程に進みます。カメラパスと書き出し設定はTwinmotionでウォークスルー動画を作るで解説しています。建設車両や工程の動きで施工プロセスを見せたい場合は、Twinmotionの4D施工フェーズが入口になります。

まとめ

Twinmotionで人や車に動きを付ける方法を、要点で振り返ります。

  • 動きの仕組みは2系統。人や車の群れはPaths(Character Path / Vehicle Path)、ドアなど個別の可動部はAnimator(Translator / Rotator / Exploder)で作ります。
  • パスはペンツールで点を置くだけで動き出し、Count(1〜100)で人数・台数、Distanceで間隔、Path tensionでカーブの張りを整えます。
  • Animatorが動かないときは階層を確認します。動かす対象はSceneグラフでAnimatorの直下に置く必要があります。

Twinmotionの全体像はTwinmotionとは?Unreal Engineベースの建築レンダラー徹底ガイド、動画やVR・共有まで含めた動きの活かし方はTwinmotionの動画・アニメ・共有・VRガイドで整理しています。