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3DCG · Twinmotion

Twinmotion作例集|内観・外観・ウォークスルーの作り方

編集部 読了 約15分

Twinmotion(Epic Gamesが提供するリアルタイムレンダリングソフト)で、実際にどんな建築パースや動画が作れるのか。内観の1枚、外構ごと見せる外観、歩いて回るウォークスルー動画まで、作りたい絵は人によって違います。この記事は、その「作りたい絵」から逆に、作り方の入口へたどり着くための作例集の入口です。

この記事では、内観・外観(夜景をふくむ)・ウォークスルー動画という3系統の作例で何ができるかを見渡し、それぞれの勘所を短くつかめるようにまとめました。くわしい手順は各系統の作り方ガイドに用意しているので、気になった作例へそのまま進めます。

Twinmotion 2026.1(2026年4月15日リリース、確認日2026年7月10日)の新機能もふまえて、いまのバージョンで作れる作例像を前提に整理しています。料金や推奨パソコンといった数字の話は各系統の詳細ガイドで解説するので、ここでは「何が作れて、どこから手をつけるか」に集中します。

Twinmotionの作例でできること(内観・外観・動画の全体像)

Twinmotionの作例は、大きく内観・外観(夜景をふくむ)・ウォークスルー動画の3系統に分けられ、しかも同じプロジェクトのデータからすべて作り出せます。作りながら仕上がりがその場で見えるので、「試しては直す」を短く回せるのが、静止画も動画も一気に用意したい建築の現場と相性のよいところです。

まずは3系統の作例を早見表で見比べて、自分がいま作りたい絵がどれに近いかを決めてください。表の右端が、それぞれの作り方をくわしく解説している記事です。

作例の系統作りたい絵主な勘所くわしい作り方
内観パース室内の1枚をリアルに光と露出、マテリアルの質感内観パースの作例
外観・鳥瞰・夜景建物を外構ごと見せる植栽・空・太陽、夜景の光外観・鳥瞰パースの作例
ウォークスルー動画歩いて見せる動画企画とカメラパス、書き出し設定ウォークスルー動画の作例

リアルタイムだから「作りながら仕上がりが見える」

Twinmotionの一番の性格は、マテリアルや光を変えると、その結果がすぐ画面に返ってくることです。Unreal Engine(Epic Gamesのゲーム開発基盤)をベースにしたリアルタイムレンダラーだからです。レンダリング(3Dモデルから画像を作り出す処理)の完了を待たず、仕上がりを見ながら判断できます(Twinmotion公式、確認日2026年7月10日)。

これは作例づくりでは大きな差になります。素材や照明を1つ変えるたびに数分待つソフトだと、試せる回数が限られてしまいます。その場で結果が見えるTwinmotionなら、「もう少し光を強く」「床の反射を落として」といった調整を何度でも重ねられるので、納得のいく1枚に近づけやすいのです。

なお、年間の総収益が100万米ドル(USD)未満の企業や、学生・教育者・ホビーユースの人は無料で使えます。金額の条件や有料版の詳細は変わりうるため、この記事では深追いせず、まずは作例で手を動かすことに集中します。

静止画・パノラマ・動画・VRを1つのプロジェクトから

Twinmotionでは、同じシーンから静止画・パノラマ(360度見回せる画像)・動画を書き出せます。さらにVR体験やプレゼン用のデータも生成できます(Twinmotion公式Docs、確認日2026年7月10日)。

つまり内観の静止画も、外観の鳥瞰(上空から見下ろした構図)も、歩き回るウォークスルーも、別々に作り直す必要がありません。1つのモデルを作り込めば、その延長で提出先に合わせた形式を選べます。この「1プロジェクトで全部まかなえる」設計が、後で紹介する品質モードや出力形式の選び方にもつながっていきます。

この作例集の歩き方(3つの入口)

作りたい絵が決まっているなら、この作例集は逆引きで使えます。静止画で1枚をきっちり決めたいなら内観、または外観・夜景の作例へ。動いて見せたいならウォークスルー動画の作例へ進んでください。

以降のセクションでは、3系統それぞれの「押さえるポイント」だけを短くまとめ、実際の作り方はその系統の詳細ガイドへつないでいきます。全体像を先に知りたい場合はTwinmotionとは?Unreal Engineベースの建築レンダラー徹底ガイドで、ソフトそのものの成り立ちから確認できます。

内観パースの作例で押さえるポイント

内観の作例で仕上がりを大きく左右するのは、光と露出のバランス、そして素材の質感です。この2つが合っていれば、家具や小物を足す前の段階でも「実際にありそうな部屋」に見えてきます。

室内は屋外とちがって光が回りにくく、作りにくい題材です。では、どこから手をつければいいのでしょうか。押さえるべき順番を知っておくと、迷いが減ります。

内観の仕上がりを分けるのは「光と露出」

室内パースは、窓からの自然光と室内照明のバランス、そして露出(画像全体の明るさ設定)で印象が決まります。自然光だけだと奥が暗く沈み、照明を足しすぎると不自然に明るくなるため、両者のバランスをとりながら露出で全体を整えるのが基本です。

作業中はLumen(後で説明するリアルタイムの光の計算方式)で光の入り方を確認しながら詰めて、最終出力のときだけ高品質モードに切り替えると効率的です。編集のたびに重い計算を待たずにすむので、光の調整に集中できます。

2026年時点では、Lighting Channelsという機能でライトの影響先を選び分けられるようになりました。特定の照明を、狙った家具や壁だけに効かせるといった作り込みがしやすくなっています(CG Channel、確認日2026年7月10日)。間接照明の見せ方を細かく詰めたい内観では、こうした制御が効いてきます。

マテリアルと質感で「実在感」を出す

内観の説得力を最後に決めるのは、床・壁・家具の質感(反射やざらつきの表現)です。同じ形の部屋でも、フローリングの反射やソファの布の質感が合っているだけで、写真に一歩近づきます。

たとえば住宅のリビングを作るとき、床材の反射を強くしすぎると安っぽいツヤに見え、逆に反射をなくすと平面的になります。実物の材料を思い浮かべながら、反射とざらつきを少しずつ合わせていくのがコツです。

内観1シーンを、マテリアル・照明・露出・高品質モードの合わせ技でどう仕上げていくかは、Twinmotionで内観パースをリアルに仕上げる作例で、1つの部屋を通して解説しています。

外観・鳥瞰・夜景パースの作例で押さえるポイント

外観の作例は、建物そのものより「まわりの環境」で見え方が決まります。植栽・空・太陽をそろえて外構ごと見せること、そして夜景では昼とは別の光の設計をすることが勘所です。

建物の形が同じでも、置かれた環境しだいで印象は大きく変わります。ここでは外観・鳥瞰・夜景に共通する押さえどころを見ていきます。

植栽・空・太陽で「外構ごと」見せる

外観パースは、外構の植栽、空(雲や時間帯)、太陽の角度という3つの要素で見え方が大きく変わります。建物だけをきれいに作っても、まわりが空っぽだと模型のように見えてしまうため、環境を含めて1枚の絵として組み立てるのが基本です。

たとえば住宅の外観を昼に見せるなら、太陽を少し低めにして影を長く出すと、外壁の凹凸や軒の深さが立体的に伝わります。2026年時点では樹木の種類も追加され、欧州の樹種10種が加わって植栽の表現の幅が広がっています(CG Channel、確認日2026年7月10日)。

さらに2026年時点では、敷地の写真に計画中の建物を合成する作例も作れます。Match Perspectiveという機能が、背景写真の消失点からカメラの位置と焦点距離を自動で合わせてくれる仕組みです(CG Channel、確認日2026年7月10日)。実際の敷地写真に建物を載せて見せたいとき、こういう作例も選択肢になります。手順のくわしい詰め方は外観の作り方ガイドで解説するので、ここでは「こういう見せ方もできる」という提示にとどめます。

夜景・ライトアップの見せ方

夜景は、昼のシーンの延長で作れますが、光の設計は別物です。室内からもれる光、外構の照明、そして空に残る夕暮れの残光。この3つのバランスが、夜景らしさを決めます。

同じプロジェクトの中で時間帯を夜に変え、そこから照明を足していくと、昼に作り込んだモデルをそのまま夜景に転用できます。窓からもれる室内光をどれくらい強く見せるか、外構のダウンライトをどこに置くかで、住宅の表情は大きく変わります。

植栽・空・太陽から夜景・ライトアップまで含めた外観の作り方は、Twinmotionで外観・鳥瞰パースを作る作例で通して解説しています。夜景の作り込みも、この作例の中にまとめてあります。

ウォークスルー動画の作例で押さえるポイント

ウォークスルー動画の良し悪しは、撮り始める前の企画とカメラパス(カメラの通り道)でほぼ決まります。書き出し設定はそのあとの仕上げで、まず「どこを、どんな順番で見せるか」を設計することが先です。

静止画とちがって、動画は時間の流れを組み立てる必要があります。ここでは企画から書き出しまでの押さえどころを見ていきます。

動画は「企画とカメラパス」で決まる

見やすいウォークスルー動画の条件は、見せたい場所(企画)と、そこを結ぶカメラの通り道(カメラパス)を先に決めておくことです。行き当たりばったりでカメラを動かすと、視点が揺れたり、見せたい部分を通り過ぎたりして、伝わらない動画になりがちです。

たとえば住宅なら、玄関から入ってリビングを見渡し、そのまま庭へ抜ける、という動線をあらかじめ決めておきます。この順番が決まっていれば、あとはカメラをその道に沿わせるだけなので、見る人にとっても迷いのない映像になります。静止画が「1枚の構図」を決める作業なら、動画は「見せる順番」を決める作業だと考えると整理しやすいはずです。

書き出し設定の勘所(Refinement / Motion blur / Frame rate)

動画を書き出すときに触る主な設定は4つあります。Max lighting(光の計算品質)、Refinement(1コマあたりの描き込み量)、Motion blur(動きのブレ表現)、Frame rate(1秒あたりのコマ数)です(Twinmotion公式Docs、確認日2026年7月10日)。

これらの品質を上げるほどきれいになりますが、そのぶん書き出しにかかる時間も伸びます。だから、動きや構図を確かめる段階では設定を軽くして短時間で書き出し、本番だけ品質を上げる、という使い分けをすると作業が滞りません。

企画からカメラパス、書き出しまでを1本通す流れは、Twinmotionウォークスルー動画の作例で解説しています。

作例の品質を上げる2つのモード(LumenとPath Tracer)

内観・外観・動画のどの作例にも共通する品質の決め手が、LumenとPath Tracerという2つの光の計算モードの使い分けです。ざっくり言えば、作業中はLumen、最終出力はPath Tracer、という役割分担が定石になっています。

この2つは同じTwinmotionの中の機能で、優劣ではなく用途がちがいます。どちらをいつ使えばいいのでしょうか。まずは違いを表で押さえてください。

モードどんな計算か向く場面
Lumenリアルタイムのグローバルイルミネーション(光の回り込みをその場で計算)作業中の確認、何度も試すイテレーション
Path Tracer光の物理的なふるまいを追う高品質モード最終のフォトリアルな静止画・動画

編集中はLumen、最終出力はPath Tracer

Lumenは、光が壁や床に反射して回り込むようすをリアルタイムで計算する方式です。作りながら光の入り方を確認できるので、素材や照明を何度も試す作業に向いています(Renderlounge、確認日2026年7月10日)。

一方のPath Tracer(パストレーサー)は、光の物理的なふるまいを1本ずつ追いかける高品質モードで、写真のようなフォトリアルな最終出力に向いています。ただし計算の負荷が高く、そのぶん時間もかかります(同、確認日2026年7月10日)。

だから定石は、編集や調整はLumenで軽く回し、これで決まりという段階になったら最終出力だけPath Tracerに切り替える、という進め方です。作業のあいだじゅう重いモードを使い続ける必要はありません。

出力形式(画像/パノラマ/動画/VR)を目的で選ぶ

品質モードを決めたら、次は何の形で書き出すかを目的に合わせて選びます。Twinmotionは1つのプロジェクトから画像・パノラマ・動画・VRを出せるので、提出先が求める形に合わせられます(Twinmotion公式Docs、確認日2026年7月10日)。

たとえば施主へのプレゼンなら静止画とパノラマ、Webでの紹介なら動画、といった具合です。Path Tracerや出力設定をさらに細かく詰めたい場合の深掘りは、Twinmotionの画作り・出力・Path Tracerガイドで解説しています。

作例に入る前提になるのが、設計データをTwinmotionに読み込むことです。すでに読み込む環境がある人は、この節は読み飛ばして各作例へ進んでかまいません。ここは前提の確認なので、短くまとめます。

取り込みでつまずくと作例そのものに進めないので、まず設計データをTwinmotionへ送る手段だけを先に確認します。

設計データをDirect Linkでライブ同期

設計データの取り込みには、Datasmith Direct Link(設計アプリの変更をTwinmotionへリアルタイムに同期する仕組み)が便利です。設計アプリ側の変更を、Twinmotionの画面へそのまま反映できます。対応するのはRevit・Archicad・SketchUp Pro・Rhino+Grasshopper・Vectorworks・3ds Maxなど、建築でよく使うソフトです(Epic公式Docs、確認日2026年7月10日)。

なお、対応ソフトの一覧は公式ドキュメントが正確です。ここでは主要どころに絞って挙げているので、自分の使うソフトが対象かどうかは公式Docsで確認してください。設計を直しながら作例側も更新できるので、途中の変更にも強いのが利点です。

インストールからDirect Link連携、はじめてのレンダリングまでの手順は、Twinmotionの始め方完全ガイドで解説しています。取り込みでつまずいたら、まずこちらを確認するとスムーズです。

Twinmotionの作例づくりについての編集部の所感

公式ドキュメントと海外レビューを読み解くと、Twinmotionの作例づくりの強みは「作りながら仕上がりが見えること」に集約されると編集部では見ています。内観・外観・動画のどれも、待ち時間をはさまずに調整を重ねられる点が、限られた制作時間の中で品質を上げたい建築の現場に効いてくるからです。

一方で、Path Tracerを使った最終出力はパソコンへの負荷が高くなります。海外レビューの共通見解でも、高品質な静止画や動画を仕上げる段階では相応の計算時間がかかると指摘されています。作業と仕上げでモードを切り替えるこの進め方が、実務では現実的になりそうです。

推奨するパソコンの構成や、他のレンダラーとの比較といった判断材料は、この記事の範囲からは外しています。無料で始められるソフトなので、まずは手元の環境で内観の1枚から作ってみて、必要になった段階でスペックや他ソフトとの違いを調べる、という順番が編集部の所感としてはおすすめです。

作例を作った先の活用シーンと次の一歩

作例を1つ完成させると、そのデータは次の提案にそのまま生きてきます。内観の1枚を作り込んでおけば、同じモデルから外観の鳥瞰も、歩いて回るウォークスルー動画も、追加の作り直しなしで展開できるからです。ここが、先に触れた1プロジェクト完結の設計が活きる場面です。

たとえば、はじめに住宅のリビング内観をていねいに仕上げたとします。同じモデルから外観へ進めば、施主へのプレゼンで「室内の雰囲気」と「建物の佇まい」を1セットで見せられます。さらに動画にすれば、玄関からリビング、庭までの体験をそのまま伝えられます。作例を1つずつ増やすほど、見せられる引き出しが増えていく流れです。

作例に慣れてきたら、次の一歩として品質モードや出力設定の詰め方に踏み込むと、同じモデルでもぐっと写真に近づきます。建築ビジュアルを体系的に学びたい場合は、無料で始められるBlenderでの建築パース制作から基礎を固めるのも一つの道です。まずは作りたい絵を1枚、実際に作ってみるところから始めてみてください。

まとめ|作りたい絵から作例を選ぶ

Twinmotionの作例は、作りたい絵から逆引きで作り方の入口を選べるように整理できます。内観なら「光と露出+質感」、外観なら「植栽・空・太陽+夜景の光」、動画なら「企画・カメラパス+書き出し」が、それぞれの勘所です。

どの作例にも共通する品質の決め手は、作業中はLumen、最終出力はPath Tracerという使い分けでした。出力は1つのプロジェクトから画像・パノラマ・動画・VRを選べるので、提出先に合わせて形を変えられます。料金や推奨パソコン、他ソフトとの比較といった数字の話は各系統の詳細ガイドにゆずり、まずは作例で手を動かすのが上達への近道です。

作りたい絵が決まったら、その系統の作り方ガイドへ進んでください。内観の1枚を詰めたいのか、外構ごと見せたいのか、動いて見せたいのか。そこから入口を選べば、迷わず最初の作例にたどり着けます。