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  1. 透過と屈折率|ガラス・水の表現

透過と屈折率|ガラス・水の表現

編集部 読了 約6分

  • 屈折率とは、何を表す値?
  • ガラスと水の屈折率は、いくつにすればいいの?
  • Blender の IOR の意味を知りたい

ガラスや水は、マテリアルを透明にするだけで表せると思うかもしれません。しかし、光が中へ入るときに曲がる割合や、ガラスの厚みの扱いでも、見え方は変わるのです。

この記事では、透過と屈折率の意味と、ガラスと水の屈折率の値、板ガラスの厚みの扱いを解説します。値を変えた見え方は、3DCG のソフトの Blender 5.2 でレンダリングした画像で確かめましょう。

ガラスや水は、マテリアルの透過と屈折率の2つで表します。

透過とは

同じ白い球を、透過0と透過1にして並べた画像
Blender 5.2 で、同じ白い球の透過(Transmission Weight)を0(左)と1(右)にした画像です。

透過(Transmission)とは、ガラスや液体のように、表面で光を反射しながら、光が物の中へも通り抜けるマテリアルの設定の1つ(成分)です。

画像は、Blender 5.2 で、同じ白い球の透過を0と1にしたものです。透過0の球は向こうが見えず、透過1の球は床の模様が透けて、表面にはまわりの明るさも映っています。

Blender 5.2 の Transmission の欄の Weight は、0が光の通り抜けない面、1が表面で反射する分のほかはすべて通り抜ける面です。そのあいだの値も入れられます。

屈折率とは

空気から水とガラスへ同じ角度で入った光が、境で折れ曲がる向きを並べた図
空気から水(左)とガラス(右)へ、同じ角度で光が入ったときの曲がり方を表した図です。

屈折率とは、光が空気から水やガラスへ入るとき、境で進む向きが折れ曲がる割合を表す値です。曲がる角度は光の入る向きで変わりますが、屈折率は入る向きによらず、物質ごとに決まっています。

図は、空気から水とガラスへ、同じ角度で光が入ったときの曲がり方です。屈折率の大きいガラスのほうが、境に立てた点線の側へ大きく曲がっています。

3DCG の屈折率も同じ意味の値です。Blender の画面や、3DCG のソフトの Unreal Engine の説明では、英語の Index of Refraction を略した IOR の名前で出てきます。

Blender 5.2 の説明では、1.0 なら光はまっすぐ通り抜け、値が大きいほど大きく曲がります。

ガラスと水の屈折率

45度回したガラスの立方体を市松模様の壁の前に置き、屈折率を1.0・1.33・1.5にして並べた画像
Blender 5.2 で、45度回したガラスの立方体の屈折率(IOR)を1.0・1.33・1.5にした画像です。

3DCG のマテリアルで使う屈折率は、水が 1.33、ガラスが 1.5 前後です。ソフトや資料が出している値を、次の表に並べました。

物屈折率出しているもの
水1.33Unreal Engine の表・glTF(3D データの形式)の拡張の表
ガラス1.5Blender 5.2 と glTF の既定の値
窓ガラス1.52glTF の拡張の表・Unreal Engine の表(ガラス)
フロート板ガラス(ソーダ石灰ガラス)1.523板ガラスのメーカーの技術資料(黄色の光・波長 589nm)

屈折率は同じ物でも光の波長(色)で変わるので、表の値は1つの目安になります。

3つの立方体は、45度回したガラスの立方体の屈折率だけを変えたものです。1.0 では立方体が影のほかほとんど見えず、1.33 と 1.5 では中の模様がずれて、1.5 のほうが大きくずれました。

水は 1.33、ガラスは 1.5 前後を入れ、使うソフトの既定の値も確かめましょう。

厚みのある形と薄い面のガラス

同じ向きに立てたガラスの板を、厚みのある形・Thin Wall をオンにした1枚の面・Thin Wall をオフにした1枚の面で作って並べた画像
Blender 5.2 で、同じ向きに立てたガラスの板を、厚みのある形・Thin Wall をオンにした1枚の面・オフにした1枚の面で作った画像です。

板ガラスは、厚みのある形で作るか、厚み0の薄い面として扱うかで、設定と見え方が変わります。薄い面として扱ったときは、光が屈折しないのが大きな違いです。

Blender 5.2 では、Principled BSDF(マテリアルの基本の部品)の Thin Wall をオンにすると、面を厚み0として扱います。

Blender の説明では、Thin Wall は紙・葉・窓ガラスのような薄い物に使う設定です。

Thin Wall の面でも、IOR は無駄になりません。Blender 5.2 の IOR は、表面の反射と透過の両方に使う値だからです。

2つの扱いを、次の表で比べます。

厚みのある形Thin Wall の薄い面
形の作り方閉じた形(箱など)で作る1枚の面で作る
Blender 5.2 の設定Thin Wall をオフThin Wall をオン
屈折する(向こうがずれて見える)しない

3枚の板は、同じ向きに立てたガラスの板を、3つの作り方で作ったものです。厚みのある形では板の中の模様が外とずれ、Thin Wall をオンにした面では、模様がずれずにつながりました。

1枚の面で Thin Wall をオフにした板は、この試しでは厚みのある形のように模様がずれ、板の形がはっきり見えました。

建築の設計ソフトの Archicad(26)のレンダリング(CineRender)の材質の説明では、透過する物は形を閉じて作ります。

形が開いていると光が出口の面に当たらず、屈折の効果が不確かになるためです。

Archicad は窓ガラスを厚みの無い材質で作るので、屈折を使うときは、窓ガラスの枚数を偶数にして閉じるよう説明しています。

開いた1枚の面のまま Thin Wall をオフにする作り方は、屈折が確かでないので避けるのが安全です。

Blender の説明に沿えば、窓ガラスは Thin Wall の薄い面で作れます。向こうがずれて見える屈折を見せたいガラスの塊は、閉じた形で作りましょう。

屈折率と厚みの扱いを決めて窓ガラスを作ろう

窓のガラスを Thin Wall の面で、台の上のガラスの塊を厚みのある形で作った部屋をレンダリングした画像
Blender 5.2 で、窓のガラスを Thin Wall の面で、台の上のガラスの塊を厚みのある形で作った部屋の画像です。

透過は光が中を通り抜ける成分で、屈折率は光が境で曲がる割合です。この記事で見たことは、次の3つでした。

  • 透過は、表面で反射しながら、光が物の中へも通り抜ける
  • 屈折率は、水が 1.33、ガラスが 1.5 前後
  • 板ガラスは、厚みのある形か Thin Wall の薄い面かで、屈折するかが変わる

この部屋では、窓のガラスを Thin Wall の面で、台の上のガラスの塊を厚みのある形で作りました。窓の外の景色はずれずに見え、塊を通した向こうはゆがんで見えます。

パースの窓ガラスやガラスの器を作るときは、屈折率と厚みの扱いを見直してみてください。

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