透過と屈折率|ガラス・水の表現
- 屈折率とは、何を表す値?
- ガラスと水の屈折率は、いくつにすればいいの?
- Blender の IOR の意味を知りたい
ガラスや水は、マテリアルを透明にするだけで表せると思うかもしれません。しかし、光が中へ入るときに曲がる割合や、ガラスの厚みの扱いでも、見え方は変わるのです。
この記事では、透過と屈折率の意味と、ガラスと水の屈折率の値、板ガラスの厚みの扱いを解説します。値を変えた見え方は、3DCG のソフトの Blender 5.2 でレンダリングした画像で確かめましょう。
ガラスや水は、マテリアルの透過と屈折率の2つで表します。
透過とは

透過(Transmission)とは、ガラスや液体のように、表面で光を反射しながら、光が物の中へも通り抜けるマテリアルの設定の1つ(成分)です。
画像は、Blender 5.2 で、同じ白い球の透過を0と1にしたものです。透過0の球は向こうが見えず、透過1の球は床の模様が透けて、表面にはまわりの明るさも映っています。
Blender 5.2 の Transmission の欄の Weight は、0が光の通り抜けない面、1が表面で反射する分のほかはすべて通り抜ける面です。そのあいだの値も入れられます。
屈折率とは

屈折率とは、光が空気から水やガラスへ入るとき、境で進む向きが折れ曲がる割合を表す値です。曲がる角度は光の入る向きで変わりますが、屈折率は入る向きによらず、物質ごとに決まっています。
図は、空気から水とガラスへ、同じ角度で光が入ったときの曲がり方です。屈折率の大きいガラスのほうが、境に立てた点線の側へ大きく曲がっています。
3DCG の屈折率も同じ意味の値です。Blender の画面や、3DCG のソフトの Unreal Engine の説明では、英語の Index of Refraction を略した IOR の名前で出てきます。
Blender 5.2 の説明では、1.0 なら光はまっすぐ通り抜け、値が大きいほど大きく曲がります。
ガラスと水の屈折率

3DCG のマテリアルで使う屈折率は、水が 1.33、ガラスが 1.5 前後です。ソフトや資料が出している値を、次の表に並べました。
| 物 | 屈折率 | 出しているもの |
|---|---|---|
| 水 | 1.33 | Unreal Engine の表・glTF(3D データの形式)の拡張の表 |
| ガラス | 1.5 | Blender 5.2 と glTF の既定の値 |
| 窓ガラス | 1.52 | glTF の拡張の表・Unreal Engine の表(ガラス) |
| フロート板ガラス(ソーダ石灰ガラス) | 1.523 | 板ガラスのメーカーの技術資料(黄色の光・波長 589nm) |
屈折率は同じ物でも光の波長(色)で変わるので、表の値は1つの目安になります。
3つの立方体は、45度回したガラスの立方体の屈折率だけを変えたものです。1.0 では立方体が影のほかほとんど見えず、1.33 と 1.5 では中の模様がずれて、1.5 のほうが大きくずれました。
水は 1.33、ガラスは 1.5 前後を入れ、使うソフトの既定の値も確かめましょう。
厚みのある形と薄い面のガラス

板ガラスは、厚みのある形で作るか、厚み0の薄い面として扱うかで、設定と見え方が変わります。薄い面として扱ったときは、光が屈折しないのが大きな違いです。
Blender 5.2 では、Principled BSDF(マテリアルの基本の部品)の Thin Wall をオンにすると、面を厚み0として扱います。
Blender の説明では、Thin Wall は紙・葉・窓ガラスのような薄い物に使う設定です。
Thin Wall の面でも、IOR は無駄になりません。Blender 5.2 の IOR は、表面の反射と透過の両方に使う値だからです。
2つの扱いを、次の表で比べます。
| 厚みのある形 | Thin Wall の薄い面 | |
|---|---|---|
| 形の作り方 | 閉じた形(箱など)で作る | 1枚の面で作る |
| Blender 5.2 の設定 | Thin Wall をオフ | Thin Wall をオン |
| 屈折 | する(向こうがずれて見える) | しない |
3枚の板は、同じ向きに立てたガラスの板を、3つの作り方で作ったものです。厚みのある形では板の中の模様が外とずれ、Thin Wall をオンにした面では、模様がずれずにつながりました。
1枚の面で Thin Wall をオフにした板は、この試しでは厚みのある形のように模様がずれ、板の形がはっきり見えました。
建築の設計ソフトの Archicad(26)のレンダリング(CineRender)の材質の説明では、透過する物は形を閉じて作ります。
形が開いていると光が出口の面に当たらず、屈折の効果が不確かになるためです。
Archicad は窓ガラスを厚みの無い材質で作るので、屈折を使うときは、窓ガラスの枚数を偶数にして閉じるよう説明しています。
開いた1枚の面のまま Thin Wall をオフにする作り方は、屈折が確かでないので避けるのが安全です。
Blender の説明に沿えば、窓ガラスは Thin Wall の薄い面で作れます。向こうがずれて見える屈折を見せたいガラスの塊は、閉じた形で作りましょう。
屈折率と厚みの扱いを決めて窓ガラスを作ろう

透過は光が中を通り抜ける成分で、屈折率は光が境で曲がる割合です。この記事で見たことは、次の3つでした。
- 透過は、表面で反射しながら、光が物の中へも通り抜ける
- 屈折率は、水が 1.33、ガラスが 1.5 前後
- 板ガラスは、厚みのある形か Thin Wall の薄い面かで、屈折するかが変わる
この部屋では、窓のガラスを Thin Wall の面で、台の上のガラスの塊を厚みのある形で作りました。窓の外の景色はずれずに見え、塊を通した向こうはゆがんで見えます。
パースの窓ガラスやガラスの器を作るときは、屈折率と厚みの扱いを見直してみてください。
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