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  1. 表面下散乱|サブサーフェス・大理石

表面下散乱|サブサーフェス・大理石

編集部 読了 約5分

  • 表面下散乱とは、どんな現象?
  • サブサーフェスを入れると、見え方はどう変わるの?
  • Blender のサブサーフェスの設定を知りたい

大理石やろうそくも、色とつやを合わせれば、ほかの素材と同じように作れると思うかもしれません。しかし、光が中へ入って散る素材は、それだけでは光と影の境がくっきりした、硬い見た目になるのです。

この記事では、表面下散乱の仕組みと、柔らかく見える素材の例、散る距離による違い、薄い物の扱いを解説します。見え方の違いは、3DCG のソフトの Blender 5.2 でレンダリングした画像で確かめましょう。

表面下散乱とは、物の中へ入った光が散って、入った所とは別の所から出てくる現象です。

表面下散乱とは

表面から物の中へ入った光が、中で何度も向きを変えて散り、入った所とは別の所で外へ出る道すじを表した図
表面から物の中へ入った光が、中で散って、入った所とは別の所から外へ出る道すじを表した図です。

表面下散乱(サブサーフェススキャタリング。略して SSS)では、表面から入った光が中で何度も向きを変えます。その光は吸収されるか、入った所の近くの別の所から外へ出ます。

こうして外へ出てくる光のために、物は光がにじんで、少し透けたように見えるのです。

図では、その光の道すじをオレンジの線で表しました。光が表面の下で散って進む平均の距離が、Blender 5.2 の散る距離(Radius)です。

Blender 5.2 では、Principled BSDF(マテリアルの基本の部品)の Subsurface の欄の Weight を1にすると、表面下散乱が入ります。

Weight は、ふつうの拡散反射の面と表面下散乱を混ぜる値です。Blender の説明では、この値はふつう0か1のどちらかです。

表面下散乱で柔らかく見える素材

同じ白い置物を右から低い光で照らし、表面下散乱なしとありで並べた画像
Blender 5.2 で、同じ白い置物を右から低い光で照らし、表面下散乱なし(左)とあり(右)にした画像です。

表面下散乱のある素材は、光と影の境がぼやけた、柔らかい見え方になります。光が中を伝わって、影の側までにじみ出るためです。

画像は、同じ白い置物を、右から低い光で照らしたものです。なしでは右の明るい半分と左の影の境がくっきりし、ありでは境がぼやけて、影の側まで明るく見えます。

Blender 5.2 の説明が表面下散乱の例に挙げる素材は、肌・ろう・大理石・牛乳です。

散る距離で変わる柔らかさ

表面下散乱のある白い置物で、散る距離の倍率を0.02・0.1・0.3に変えて並べた画像
Blender 5.2 で、表面下散乱のある置物(高さ約1m)の Subsurface Scale を0.02・0.1・0.3にした画像です。

表面下散乱の柔らかさは、光が中で散る距離で変わります。Blender 5.2 の説明では、散る距離(Radius)が大きいほど、光が影の側や物の向こうへにじんで、柔らかく見えます。

3つの置物は、Radius にかける倍率の Scale だけを変えたものです。Scale を大きくするほど影の側が明るくなり、置物全体の明るさがそろっていきました。

Blender 5.2 では、散る距離を赤・緑・青の光ごとに決めます。肌のように、赤い光が深くまで散る素材を表すためです。

この記事の置物が少し桃色がかって見えるのは、赤い光をいちばん遠くまで散らす値にしたためです。Scale を大きくすると、この色の差は薄れました。

柔らかすぎる、または硬すぎると感じたら、散る距離(Radius か、その倍率の Scale)を少しずつ変えて見比べてください。

カーテンやランプシェードのような薄い物の表し方

中に電球を入れたランプシェードを、光を向こうへ出さない面と、光を散らして向こうへ出す面で作って並べた画像
Blender 5.2 で、中に電球を入れたランプシェードを、Principled BSDF だけの面(左)と、Translucent BSDF を混ぜた面(右)で作った画像です。

カーテンやランプシェードのような薄い物を、表面下散乱とは別の設定で作るソフトや仕様があります。薄い面で光を散らしながら、向こう側へ抜けさせる設定(拡散透過)です。

レンダリングソフトの Corona の作例では、カーテンとランプシェードを Translucency(拡散透過)の設定で作っています。

Autodesk が公開しているマテリアルの仕様の Standard Surface では、マテリアルを薄い面(thin_walled)にすると、厚みの無い殻とみなして、表面下散乱を拡散透過として扱います。

2つのランプシェードは、中に電球を入れて作り方だけを変えたものです。

表面下散乱を入れない Principled BSDF だけの面は外側が暗く、Translucent BSDF(光を散らして向こうへ出す部品)を混ぜた面は、外側まで明るく光りました。

カーテンやランプシェードを作るときは、使うソフトの拡散透過の設定を確かめましょう。

ろうそくで表面下散乱のありなしを見比べよう

炎の光で照らしたろうそくを、表面下散乱なしとありで並べた画像
Blender 5.2 で、炎の光で照らしたろうそくを、表面下散乱なし(左)とあり(右)にした画像です。

表面下散乱は、光が物の中で散ってから外へ出てくる現象です。この記事で見たことは、次の3つでした。

  • 光と影の境がぼやけた、柔らかい見え方になる
  • 散る距離が大きいほど、影の側まで明るくなる
  • カーテンのような薄い物は、拡散透過の設定で作るソフトがある

2本のろうそくは、炎の光で照らしたものです。なしでは炎の下の上面のほかがほとんど黒く、ありではろうの胴が上から炎の色に明るく見えます。

大理石やろうのような素材を作るときは、表面下散乱のなしとありを見比べてみてください。

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