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  1. メタルネス方式とスペキュラー方式|PBRの2つの作り方

メタルネス方式とスペキュラー方式|PBRの2つの作り方

編集部 読了 約6分

  • PBRのワークフローとは、何のこと?
  • メタルネスとラフネスは、何を決める値なの?
  • スペキュラーを使う作り方との違いを知りたい

PBR のマテリアルは、ベースカラー・メタリック・ラフネスの3つで作るものと思うかもしれません。しかし、反射の色とつやで作る、もう1つの作り方があるのです。

この記事では、メタルネス方式とスペキュラー方式の違いと、それぞれで使う画像の組、グロッシネスとラフネスの関係を解説します。2026年10月時点での2つの方式の扱いも分かります。

PBR のマテリアル(現実の光のふるまいに近づけて作る、物の表面の設定)の作り方は、メタルネス方式とスペキュラー方式の2つです。

PBRのワークフローとは

赤い塗装・金・鉄の3つの素材について、メタルネス方式で決めるベースカラー・メタリック・ラフネスと、スペキュラー方式で決めるディフューズ・スペキュラー・グロッシネスを、色の見本と白黒の帯で並べた図
2つの方式で決める値を、赤い塗装・金・鉄の3つの素材の見本で並べた図です。左がメタルネス方式、右がスペキュラー方式です。

PBR のワークフロー(workflow)とは、PBR のマテリアルで、表面ではね返る光(鏡面反射)を決める作り方です。

メタルネス方式は、金属かどうかの値(メタリック。メタルネスとも呼ぶ)と粗さ(ラフネス)で反射を決めます。スペキュラー方式で反射を決めるのは、反射の色と強さ(スペキュラー)と、つや(グロッシネス)です。

3DCG のソフトの Unity の説明では、メタルネス方式なら、反射の強さと色はソフトが計算し、ベースカラーで色を付けます。スペキュラー方式は、色の値で反射の色と強さを直接決める作り方です。

素材の色は、glTF(3D データの形式)などの説明では、メタルネス方式でベースカラー、スペキュラー方式でディフューズと呼びます。図の色の見本は、左から赤い塗装・金・鉄の3つの素材です。

ディフューズは、拡散反射(素材の中で散ってから出てくる光)の色です。金属には拡散反射が無いので、図の金と鉄はディフューズが黒く、スペキュラーに色が入っています。

3DCG のソフトの Blender 5.2 のマテリアルの基本の部品 Principled BSDF は、Metallic と Roughness の値を持つ、メタルネス方式の形です。

Principled BSDF には Specular の欄もありますが、これはメタルネス方式のまま、表面の反射の強さを調整する欄です。スペキュラー方式の画像の組は、この欄には入れません。

メタルネス方式とスペキュラー方式の画像の組

塗装のはがれた鉄の板を、メタルネス方式のベースカラー・メタリック・ラフネスの画像と、スペキュラー方式のディフューズ・スペキュラー・グロッシネスの画像で表して並べたもの
Blender 5.2 で、塗装のはがれた鉄の板を、メタルネス方式の画像の組(上)とスペキュラー方式の画像の組(下)で表した画像です。

2つの方式では、マテリアルに入れる画像の組が違います。どの画像が何を決めるかを並べると、次の表のとおりです。

決めることメタルネス方式スペキュラー方式
素材の色ベースカラー(Base Color)ディフューズ(Diffuse):拡散反射の色
反射メタリック(Metallic):金属かどうかスペキュラー(Specular):反射の色と強さ
つやと粗さラフネス(Roughness):0が滑らかグロッシネス(Glossiness):1が滑らか

画像では、塗装のはがれた鉄の板を2つの組で表しました。灰色の所が鉄、緑の所が塗装で、鉄の所はメタリックの画像では白、ディフューズの画像では黒です。

鉄の色は、スペキュラーの画像のほうに、ベースカラーと同じ色で入ります。

スペキュラーの画像で塗装の所が暗い灰色なのは、非金属の正面の反射(面を真正面から見たときの反射)が数%しかなく、色も付かないためです。

Unity の説明では、スペキュラー方式なら拡散反射と鏡面反射を別の色にもできます。

また Unity は、どちらの方式でもどの素材も作れ、メタルネス方式も金属だけに使うものではないとしています。

グロッシネスとラフネスの関係

銀色の金属の球のラフネスを0・0.3・0.6・1に変え、それぞれの値をグロッシネスでも書いて並べた画像
Blender 5.2 で、銀色の金属の球のラフネスを0・0.3・0.6・1にした画像に、同じ値のグロッシネスを添えたものです。

グロッシネス(つや)は、ラフネスと向きが逆の値です。グロッシネス=1−ラフネスの関係で、1が滑らかな面、0が粗い面になります。

4つの球は、銀色の金属のラフネスだけを変え、同じ値をグロッシネスでも書いたものです。たとえばラフネス 0.3 の球は、グロッシネスでは 0.7 になります。

値の向きが逆なので、グロッシネスの画像をそのままラフネスとして読むと、滑らかな所と粗い所が入れ替わります。画像の組を入れるときは、つやの画像がどちらの値かを名前で確かめましょう。

2026年10月時点の2つの方式の扱い

3D データの形式 glTF・素材の配布元 Poliigon・3DCG のソフトの Unity の、2つの方式の扱いを並べた図
2026年10月時点の、glTF・Poliigon・Unity での2つの方式の扱いを並べた図です。

2026年10月時点では、3D データの形式や素材の配布元で、メタルネス方式に絞った例があります。図は、その2つの例と、両方を選べる Unity を並べたものです。

glTF は、本体のマテリアルをメタルネス方式で決めています。スペキュラー・グロッシネスの拡張(glTF に後から足す決まり)は、廃止扱いです。

その拡張は、KHR_materials_specular という別の拡張に置き換えられました。

素材の配布元 Poliigon は、主なレンダリングソフトがメタルネス方式に対応したとして、メタルネス方式だけを扱う形にしました。スペキュラー方式の画像は、取り下げる予定です。

一方で、Unity のように、2つの方式のどちらも選べるソフトもあります。

2つの方式の画像の組の違いを確かめよう

メタルネス方式の画像の組で作った、塗装のはがれた鉄の板をレンダリングした画像
Blender 5.2 で、この記事のメタルネス方式の画像の組で作った鉄の板をレンダリングした画像です。

PBR のマテリアルには、反射の決め方が違う2つの方式があります。この記事で見たことは、次の4つでした。

  • メタルネス方式は、ベースカラー・メタリック・ラフネスの組で決める
  • スペキュラー方式は、ディフューズ・スペキュラー・グロッシネスの組で決める
  • グロッシネスは、1からラフネスを引いた値になる
  • 2026年10月時点では、glTF の本体と Poliigon がメタルネス方式を使う

画像は、この記事のメタルネス方式の画像の組で作った鉄の板です。鉄の所はまわりの明るさを映して白っぽく見え、塗装の所は緑の色が出ています。

この記事の表と画像の組を見比べて、2つの方式で決める値の違いを確かめてみてください。

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