メタルネス方式とスペキュラー方式|PBRの2つの作り方
- PBRのワークフローとは、何のこと?
- メタルネスとラフネスは、何を決める値なの?
- スペキュラーを使う作り方との違いを知りたい
PBR のマテリアルは、ベースカラー・メタリック・ラフネスの3つで作るものと思うかもしれません。しかし、反射の色とつやで作る、もう1つの作り方があるのです。
この記事では、メタルネス方式とスペキュラー方式の違いと、それぞれで使う画像の組、グロッシネスとラフネスの関係を解説します。2026年10月時点での2つの方式の扱いも分かります。
PBR のマテリアル(現実の光のふるまいに近づけて作る、物の表面の設定)の作り方は、メタルネス方式とスペキュラー方式の2つです。
PBRのワークフローとは

PBR のワークフロー(workflow)とは、PBR のマテリアルで、表面ではね返る光(鏡面反射)を決める作り方です。
メタルネス方式は、金属かどうかの値(メタリック。メタルネスとも呼ぶ)と粗さ(ラフネス)で反射を決めます。スペキュラー方式で反射を決めるのは、反射の色と強さ(スペキュラー)と、つや(グロッシネス)です。
3DCG のソフトの Unity の説明では、メタルネス方式なら、反射の強さと色はソフトが計算し、ベースカラーで色を付けます。スペキュラー方式は、色の値で反射の色と強さを直接決める作り方です。
素材の色は、glTF(3D データの形式)などの説明では、メタルネス方式でベースカラー、スペキュラー方式でディフューズと呼びます。図の色の見本は、左から赤い塗装・金・鉄の3つの素材です。
ディフューズは、拡散反射(素材の中で散ってから出てくる光)の色です。金属には拡散反射が無いので、図の金と鉄はディフューズが黒く、スペキュラーに色が入っています。
3DCG のソフトの Blender 5.2 のマテリアルの基本の部品 Principled BSDF は、Metallic と Roughness の値を持つ、メタルネス方式の形です。
Principled BSDF には Specular の欄もありますが、これはメタルネス方式のまま、表面の反射の強さを調整する欄です。スペキュラー方式の画像の組は、この欄には入れません。
メタルネス方式とスペキュラー方式の画像の組

2つの方式では、マテリアルに入れる画像の組が違います。どの画像が何を決めるかを並べると、次の表のとおりです。
| 決めること | メタルネス方式 | スペキュラー方式 |
|---|---|---|
| 素材の色 | ベースカラー(Base Color) | ディフューズ(Diffuse):拡散反射の色 |
| 反射 | メタリック(Metallic):金属かどうか | スペキュラー(Specular):反射の色と強さ |
| つやと粗さ | ラフネス(Roughness):0が滑らか | グロッシネス(Glossiness):1が滑らか |
画像では、塗装のはがれた鉄の板を2つの組で表しました。灰色の所が鉄、緑の所が塗装で、鉄の所はメタリックの画像では白、ディフューズの画像では黒です。
鉄の色は、スペキュラーの画像のほうに、ベースカラーと同じ色で入ります。
スペキュラーの画像で塗装の所が暗い灰色なのは、非金属の正面の反射(面を真正面から見たときの反射)が数%しかなく、色も付かないためです。
Unity の説明では、スペキュラー方式なら拡散反射と鏡面反射を別の色にもできます。
また Unity は、どちらの方式でもどの素材も作れ、メタルネス方式も金属だけに使うものではないとしています。
グロッシネスとラフネスの関係

グロッシネス(つや)は、ラフネスと向きが逆の値です。グロッシネス=1−ラフネスの関係で、1が滑らかな面、0が粗い面になります。
4つの球は、銀色の金属のラフネスだけを変え、同じ値をグロッシネスでも書いたものです。たとえばラフネス 0.3 の球は、グロッシネスでは 0.7 になります。
値の向きが逆なので、グロッシネスの画像をそのままラフネスとして読むと、滑らかな所と粗い所が入れ替わります。画像の組を入れるときは、つやの画像がどちらの値かを名前で確かめましょう。
2026年10月時点の2つの方式の扱い

2026年10月時点では、3D データの形式や素材の配布元で、メタルネス方式に絞った例があります。図は、その2つの例と、両方を選べる Unity を並べたものです。
glTF は、本体のマテリアルをメタルネス方式で決めています。スペキュラー・グロッシネスの拡張(glTF に後から足す決まり)は、廃止扱いです。
その拡張は、KHR_materials_specular という別の拡張に置き換えられました。
素材の配布元 Poliigon は、主なレンダリングソフトがメタルネス方式に対応したとして、メタルネス方式だけを扱う形にしました。スペキュラー方式の画像は、取り下げる予定です。
一方で、Unity のように、2つの方式のどちらも選べるソフトもあります。
2つの方式の画像の組の違いを確かめよう

PBR のマテリアルには、反射の決め方が違う2つの方式があります。この記事で見たことは、次の4つでした。
- メタルネス方式は、ベースカラー・メタリック・ラフネスの組で決める
- スペキュラー方式は、ディフューズ・スペキュラー・グロッシネスの組で決める
- グロッシネスは、1からラフネスを引いた値になる
- 2026年10月時点では、glTF の本体と Poliigon がメタルネス方式を使う
画像は、この記事のメタルネス方式の画像の組で作った鉄の板です。鉄の所はまわりの明るさを映して白っぽく見え、塗装の所は緑の色が出ています。
この記事の表と画像の組を見比べて、2つの方式で決める値の違いを確かめてみてください。
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