構造関係共通事項と使用構造材料一覧表|構造全体の決まりと使う材料
- 構造関係共通事項って何のこと?
- 構造図の最初の特記仕様書には、何が書いてあるの?
- 使用構造材料一覧表の見方を知りたい
構造図を開くと、伏図の前に、文字と表ばかりのページが何枚か綴じられています。しかし、ここを飛ばして伏図から読むと、記号の意味やコンクリートの強さが分からないままです。
この記事では、構造図の最初にある構造関係共通事項、民間の構造図で構造全体の決まりを書く構造特記仕様書、骨組みの材料をまとめた使用構造材料一覧表に、何が書かれ、どう読むかを解説します。
構造関係共通事項には、構造図の記号と、どの建物にも共通する作り方がまとめてあります。
構造関係共通事項とは

構造関係共通事項は、構造図の最初に置く、記号の凡例と、どの建物にも共通する標準の作り方をまとめた図面です。
国が発注する建物の工事で使う、図面の書き方の基準(以下、国の工事の基準)で、この名前を使います。
国の工事の基準は、構造関係共通事項に書く中身を、上の図の4つとしています。記号等の凡例は、伏図などで使う記号と略号の意味の一覧です。
配筋標準図と鉄骨標準図は、鉄筋の入れ方や鉄骨のつなぎ方のうち、どの建物にも共通する標準の作り方を描いた図です。
伏図や軸組図を読んでいて、鉄筋の継ぎ方のような共通の作り方を知りたくなったら、配筋標準図か鉄骨標準図を見ます。国の工事の基準が決めた構造図の綴じる順でも、構造関係共通事項が最初です。
民間の構造図の構造特記仕様書と標準図

民間の建物の構造図を説明する解説の記事では、構造全体の決まりを、構造特記仕様書(特記仕様書)と標準図の2つで説明します。
標準図は、構造関係共通事項の配筋標準図・鉄骨標準図と同じく、共通の作り方を描いた図です。
特記仕様書は、その建物の構造に限った材料や工法の決まりを書いた書類です。
特記仕様書には、どの工事にも共通する標準の仕様書に書いていないことや、それと違うことを書きます。解説の記事を書いた4人が、標準の仕様書より特記仕様書が優先すると書いています。
国が発注する工事なら、標準の仕様書は、材料と工法の標準を決めた国の仕様書(以下、国の工事の標準仕様書)です。
特記仕様書の中身の例として記事に多いのは、次の3つです。
- コンクリートの設計基準強度
- 鉄筋の種類
- 鋼材の材質
設計基準強度は、設計に使うコンクリートの圧縮の強さで、国の工事の標準仕様書は Fc の記号で書き、値は特記(特記仕様書や図面)で決めるとしています。
鉄筋の種類を書くのは、SD295 のような種類の記号です。
特記仕様書には、上の図のように、あらかじめ並べた項目のうち採用するものに印(○・●・■ など)を付けて選ぶ書式もあります。読むときは、印の付いた項目を拾います。
使用構造材料一覧表とは

使用構造材料一覧表は、骨組みの主な部分に使う材料の種別を一覧にした表です。
骨組みの主な部分は、基礎・柱・梁・土台・床版など、建物の重さや地震の力を支える部分を指します。国の工事の基準は、この部分に限って、材料の種別やコンクリートの材料、木材の品質を書くとしています。
確認申請(工事の前に建物が法令に合うかの確認を受ける手続き)で出す図書の1つも、使用構造材料一覧表です。国の工事の基準の並びでは、構造詳細図のあとに綴じます。
表の読み方は、部位の列で探したい部材を見つけ、同じ行の材料と規格を見る形です。上の見本では、基礎のコンクリートと鉄筋、土台・柱・梁と桁の木材を、それぞれ1行で書いています。
使用構造材料一覧表を、構造特記仕様書の中の1つの項目として載せる書式もあります。構造図に一覧表の名前のページが無いときの探し先は、特記仕様書の中や、伏図の用紙の表です。
木造住宅は伏図の用紙に材料を書く形もある

木造の住宅の構造図では、材料が、伏図の用紙の中の、図の外に置いた表や注記に書かれていることがあります。公開されている木造住宅の伏図の作成例も、その形です。
作成例の基礎伏図は、図の外に「コンクリート種類:JIS A 5308 普通 Fc=21N/mm2」「鉄筋種類:JIS G 3112 SD295A」と書いています。
Fc=21N/mm2 が、設計基準強度の値です。
同じ作成例の1階床伏図は、柱・土台・大引の材料と寸法を、用紙の右下の表にまとめています。
表の1行は「製材の日本農林規格 機械等級区分構造用製材 すぎ E70 105×105」のような形で、木材の規格・樹種・等級・寸法の順です。
作成例では、柱・土台・大引の材料が1階床伏図の表にあり、柱が描かれた2階の伏図の表には柱の材料がありません。部材の材料は、伏図の用紙の表を順に見て探します。
伏図を読む前に決まりと材料を確かめよう

構造関係共通事項は、構造図の最初に置く、記号の凡例と標準の作り方をまとめた図面です。この記事で見た、構造全体の決まりと材料が書かれる所は、次の4つです。
- 構造関係共通事項:記号の凡例と、配筋・鉄骨の標準の作り方
- 構造特記仕様書:その建物だけの決まり。採用する項目に印を付ける書式もある
- 使用構造材料一覧表:部位ごとの材料の種別と規格
- 木造住宅の伏図の用紙の表:部材の材料と寸法
配筋標準図の読み方は「配筋の表し方|鉄筋の記号と配筋標準図」(準備中)、床伏図の部材の読み方は「木造の床伏図の読み方|土台・大引・梁・根太」(準備中)の記事で解説します。
構造図を受け取ったら、伏図を読む前に、記号の凡例と、コンクリート・鉄筋・木材の種類が書かれた所を確かめてみてください。
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