1. 構造図の種類|伏図・軸組図・部材リスト・詳細図

構造図の種類|伏図・軸組図・部材リスト・詳細図

編集部 読了 約7分

  • 構造図にはどんな種類があるの?
  • 伏図と軸組図は、何が違うの?
  • 構造図の C1・G1 のような符号の見方を知りたい

構造図を開くと、文字だけのページのあとに、伏図・軸組図・リストの表など、平面図とは違う形の図が何枚も続きます。

しかし、それぞれが骨組みをどの向きから、何のために表した図かが分からないと、どの図から見ればよいかも決められないでしょう。

この記事では、構造図の最初に付く凡例と標準図、本体の4つの種類、図どうしを符号でつないで読む方法を解説します。読むと、構造図の1枚ずつが骨組みの何を表しているかが分かります。

構造図は、建物の骨組みだけを取り出して描いた図面です。

構造図とは

構造図に入る図面を並べた図。最初に特記仕様書と標準図、そのあとに伏図・軸組図・部材リスト・構造詳細図
構造図の図面の分け方を、国の図面の書き方の基準と解説の記事をもとに編集部が作成

構造図は、建物の構造体だけを取り出して、組み方と部材の寸法を示す図面です。基礎・柱・梁・床・屋根の骨組みだけを表します。

意匠図が間取りや外観など建物のデザインを表すのに対し、構造図は骨組みの位置と大きさを表します。実施設計の図面の大きな分け方は、意匠図・構造図・設備図の3つです。

構造図の図面は、上の図のように、最初に付く凡例と標準の図と、骨組みを表す本体の図に分かれます。

Web で読める構造図の解説の記事でも、書き手8人が、本体を伏図・軸組図・部材リスト・詳細図の4つとしています。

構造図の最初に付く凡例と標準図

国の図面の書き方の基準での構造図の並び。構造関係共通事項から基礎伏図、各階床伏図、軸組図、部材断面リスト図、構造詳細図、使用構造材料一覧表、基礎・地盤説明書へ
国の図面の書き方の基準での構造図の並びをもとに編集部が作成。この順は図面を綴じる順

構造図の最初に付くのは、図で使う記号の凡例と、どの建物にも共通する作り方を描いた標準図です。

国が発注する建物の工事で使う、図面の書き方の基準(以下、国の工事の基準)は、凡例と配筋標準図・鉄骨標準図などを構造関係共通事項と呼び、上の図のように構造図の1枚目に綴じます。

伏図などに出てくる符号の意味を確かめる所も、この最初の凡例です。上の図の7と8は、材料の一覧と地盤の説明で、本体の図のあとに綴じます。

民間の建物の構造図を説明する解説の記事では、5人が、構造図には特記仕様書と標準図が付くと書いています。特記仕様書は、その建物の構造に限った材料や工法の決まりを書いた書類です。

コンクリートの強さや鉄筋の種類など、標準図には無い、その建物だけの決まりが特記仕様書に書かれます。

構造図の4つの種類

見本の家の2階床伏図と、南の外壁の軸組図を並べた図。伏図は骨組みを上から、軸組図は横から見ている
見本の家(1階が 7,280mm×6,370mm、910mm の升目の木造2階建て)の2階床伏図と南の外壁の軸組図。伏図は1階平面図と照らしやすいよう上から見下ろした形で描いた。部材と位置と寸法は例

最初の数枚のあとに続く本体の図は、骨組みを見る向きと、表す中身で4つに分かれます。上の図の左が伏図、右が軸組図です。

  • 伏図
  • 軸組図
  • 部材リスト
  • 構造詳細図

伏図

伏図は、骨組みを上から見た形で、平面に表した図です。解説の記事を書いた5人がこの言い方をしていて、2人が構造図の中でいちばん重要な図と書いています。

基礎伏図・床伏図・小屋伏図のように、どの高さの骨組みかで分かれます。

上の図の左では、外周の太い黒い線が胴差(2階の床の高さで外周の柱をつなぐ横材)、青い線が床梁、□が上の階の柱、×が下の階の柱、丸が通し柱です。

国の工事の基準は、伏図を見る向きも決めています。基礎伏図と最下階の床伏図は上から見下ろした形(見下げ)で、それより上の階の床伏図は下から見上げた形(見上げ)で描く決まりです。

上の図の左は、1階平面図と照らしやすいよう、2階も見下げで描いています。

軸組図

軸組図は、柱・梁・筋かいなどの骨組みを、通りごとに横から見た図です。通り芯(柱や壁の位置の基準の線)ごとに描き、「Y7通り」のように通り芯の記号で呼ばれます。

上の図の右は、見本の家の南の外壁(Y7通り)の軸組図で、下に並ぶ X0〜X8 は、この外壁と交わる通り芯の記号です。

部材がどの高さにあるか(土台・胴差・桁の上端の高さ)を、通りごとに横から見て読むのが軸組図です。

国の工事の基準は、軸組図に、基準になる地盤面と床面の高さを書き、すべての軸組を描くとしています。図の ▽GL が、地盤面の高さを示しています。

部材リスト

部材リストは、伏図・軸組図の符号ごとに、柱・梁などの断面の形・寸法と材料を一覧にした図です。国の工事の基準での呼び名は、部材断面リスト図です。

鉄筋コンクリート造なら、柱の主筋(荷重を負担する鉄筋)と、主筋を取り囲んで巻く帯筋も、ここに書かれます。国の工事の基準は、基礎・柱・梁・床版(スラブ)・壁などのリストに分けて作るとしています。

構造詳細図

構造詳細図は、部材どうしのつなぎ目(接合部)や配筋など、その建物の骨組みの作り方を詳しく示す図です。どの建物にも共通する作り方は、最初の標準図にまとめます。

国の工事の基準は、構造耐力上主要な部材(基礎・柱・梁など、建物を支える主な部材)の断面の配筋・仕口・継手などの構造方法を表す図としています。

仕口は部材を直角かある角度で組んでつなぐ所、継手は部材を長さの方向につなぐ継ぎ目です。

鉄骨造の柱の脚を基礎に留める作り方や、鉄筋コンクリート造のかぶり厚さ(コンクリートの表面から中の鉄筋の表面までのいちばん短い寸法)も、この図に入ります。

符号で伏図から部材リストへたどる

鉄筋コンクリート造の伏図の柱 C1 と大梁 G1 を、部材リストの同じ符号の行と色で結んだ模式図
鉄筋コンクリート造の伏図と部材リストの関係を示した模式図。符号・寸法・鉄筋は例

鉄筋コンクリート造や鉄骨造の伏図には、柱や梁の横に C1・G1 のような部材の種類と番号を表す符号が書かれます。符号を部材リストの同じ行で引けば、その部材の断面の寸法と材料が読める、というしくみです。

よく使われる符号には、次のようなものがあります。

符号部材
C柱
G大梁
B小梁
Sスラブ(床版)
FG基礎梁

符号の付け方は図面ごとに決めるので、実際の図面では、構造図の最初の凡例で確かめます。上の図の部材リストの「12-D22」は、鉄筋の本数と太さを「本数-太さ」の順に書いた形です。

伏図で「G1」と書かれた梁が3本あれば、3本とも同じ断面の梁です。伏図には符号だけを書き、断面は部材リストの1行にまとめています。

木造は伏図に寸法を書く形もある

見本の家の2階床伏図に、梁の高さの数字と、部材ごとの材料と寸法の表を書いた図
見本の家の2階床伏図。梁の横の数字は梁せい(梁の高さ)。部材・材料・寸法は例

木造の住宅の構造図には、符号から部材リストを引く形のほかに、部材の横に寸法を書き、伏図の用紙の表に材料をまとめる形もあります。

公開されている木造住宅の伏図の作成例では、2階床伏図が梁の横に梁せい(梁成とも書く。梁の高さ)の数字を書いています。1階床伏図は、土台・大引・柱の材料と寸法を、図の右下の表にまとめています。

編集部が集めた木造の伏図でも、部材の寸法を部材の横に書く図面と、図の外の表と「特記なきは」の注記にまとめる図面がありました。

「特記なきは」は、図にほかに書いていなければこの寸法にする、という注記です。

凡例を確かめてから伏図とリストを行き来しよう

構造図の種類と、それぞれから分かることの表
構造図の種類と、それぞれの図から分かること

構造図は、構造体だけを取り出して骨組みの組み方と寸法を表す図面で、最初の凡例と標準図のあとに、次の4つの本体の図が続きます。

  • 伏図:骨組みを上から見た形の図
  • 軸組図:骨組みを通りごとに横から見た図
  • 部材リスト:符号ごとの断面と材料の一覧
  • 構造詳細図:接合部や配筋などの作り方

凡例と標準図、特記仕様書、材料の一覧は「構造関係共通事項と使用構造材料一覧表|構造全体の決まりと使う材料」(準備中)の記事で解説します。

木造の伏図の読み方を解説するのは、「木造の基礎伏図の読み方|基礎の配置・幅・人通口・アンカーボルト」(準備中)と「木造の床伏図の読み方|土台・大引・梁・根太」(準備中)の記事です。

構造図を開いたら、最初の凡例で符号を確かめてから、伏図で骨組みの並びを見て、気になる部材を部材リストで引いてみてください。

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この記事について

PERSC編集部が、建築の制作に関わる知識を実務目線で整理しています。内容は公開・更新日時点の情報にもとづきます。誤りや古い情報にお気づきの場合はお問い合わせよりご連絡ください。

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