木造の伏図と軸組図の書き方|平面図と矩計図に合わせた作図
- 伏図と軸組図には、何を描けばいいの?
- 伏図は、何から作図し始めるの?
- 伏図と軸組図を、平面図とどう合わせればいいかを知りたい
平面図や矩計図は、部屋や材料の重なりを描く図面です。しかし、伏図や軸組図は柱や梁などの骨組みだけを描くので、何を描けばよいかが分からないと、作図を始められないでしょう。
この記事では、見本の家の2階床伏図と軸組図を使い、伏図と軸組図の種類、描く事項、平面図と矩計図に合わせて作図する仕方を解説します。
辞典によると、構造図は、構造体だけを取り出して、組み方と部材の寸法を示す図です。Web で読める伏図の描き方の解説の記事のうち3本は、平面図の柱と壁の位置を写してから部材を描くと書いています。
伏図と軸組図の種類

伏図は、伏して上から見た形に描いた図面です。木造の一定の建物(構造と構造計算の有無で決まる)の確認申請に付ける構造図には、基礎伏図・床伏図・小屋伏図と、軸組図があります。
辞典では、基礎伏図は、基礎の配置・種類・大きさ・材料などを示した基礎の平面図です。小屋伏図は、その名のとおり、屋根を支える骨組み(小屋組)を上から見た伏図のことです。
国が発注する建物の工事には、図面の書き方を決めた基準があります(以下、国の工事の基準)。この基準は、各階床伏図を、柱・梁・壁・床版などの配置を表す図としています。
軸組図は、柱・梁・筋かいなどの骨組み(軸組)を、通りごとに立面で示す図です。辞典に見出しは無く、国の工事の基準は「架構を表現するもの」と書いています。
国の工事の基準では、基礎伏図は上から見下ろした形(見下げ)で描きます。床伏図は、最下階が見下げで、それより上の階は下から見上げた形(見上げ)です。
見本の家の2階床伏図は、1階平面図と照らしやすいよう、上から見下ろした形で描きました。木造の住宅でどちらの向きが多いかは、確かめていません。
編集部が集めた伏図9件(木造7件・鉄骨造2件)には、梁伏図(5件)のように、伏図の呼び名が違う図面もありました。
伏図と軸組図に描くこと

伏図と軸組図に描く事項は、場面ごとに決まっています。この記事で見る場面は、次の3つです。
- 確認申請
- 国の工事
- 建築士の設計製図の試験
確認申請
木造の建物の確認申請では、基礎伏図・各階床伏図・小屋伏図・二面以上の軸組図を付ける場合があります。どの図面が要るかは、建物の構造と、構造計算をしたかで変わります。
図に書くのは、構造耐力上主要な部分の部材の位置・寸法・構造方法・材料の種別と、開口部の位置・形状・寸法です。
国の工事
国の工事の基準では、基礎伏図・各階床伏図・軸組図は実施設計で作り、縮尺は 1/100 か 1/200 です。各階床伏図は小屋伏図を含みます。
軸組図は、すべての軸組を描くのが国の工事の決まりです。軸組図の通り芯とその間の寸法は「平面図による」とされています。
建築士の設計製図の試験
令和7年の二級の試験は、「2階床伏図兼1階小屋伏図」(1/100)を求めました。
この図には、通し柱・管柱・胴差・2階床梁・桁・小屋梁・火打梁・棟木・母屋・小屋束などを凡例の記号で描きます。
断面寸法は凡例の欄に書き、根太と垂木は描かなくてよい指定でした。
令和7年の木造建築士の試験の軸組図(1/100)は、課題で南の外壁の面と指定され、基礎・土台・柱・胴差・桁・筋かい・開口部を描きます。
書く寸法は、GL から土台の上端、土台の上端から胴差の上端、胴差の上端から桁の上端までの高さと、軒高、柱間の寸法です。
平面図に合わせて伏図を作図する

解説の記事3本は、伏図を、平面図の柱と壁の位置を写してから描くと説明していました。
見本の家の2階床伏図も、1階平面図の柱の位置を写し、外壁の上に胴差、内側に床梁を描きました。通り芯の記号も、1階平面図と同じにしています。
南の外壁(Y7)には、窓とドアの両わきの柱も足しました。
集めた伏図9件(木造7件・鉄骨造2件)では、通り芯を X・Y と番号で付けた図面が7件でした。
伏図の通り芯が平面図と同じ番号だと確かめられたのは2件で、同じ図面一式の中で付け方が2通りある図面もありました。
部材の寸法は、部材の横に書く図面が4件、図の外の表と「特記なきは」の書き方にまとめる図面が3件です(1件は両方)。見本の伏図では、部材の名前と寸法を凡例の表にまとめました。
軸組図を作図して矩計図と照らす

軸組図は、通りごとの骨組みを立面で描く図です。集めた軸組図5件(木造3件・鉄骨造2件)は、どれも「X13通り 軸組図」のように、図の名前を通りで呼んでいました。
集めた木造の住宅の図面4件のうち、軸組図があったのは1件です。
木造の軸組図を、どの部材から描くかを説明した解説の記事は見つかりませんでした。
見本の家の Y7 通りの軸組図は、横の位置を平面図の通り芯から取り、土台・胴差・桁の高さを、矩計図に描いた部材と同じにしました。
隅の通し柱は土台から桁まで1本で描き、窓とドアの両わきの柱は伏図と同じ所に立てています。
矩計図の高さの寸法 500・2,900・2,800 は、GL から 1FL・2FL・軒高までの間の寸法です。軸組図の 425・2,947・2,828 は、土台と胴差と桁の上端までの間の寸法です。
測る所が違うので途中の値は違い、足した 6,200(軒高)は同じになります。
国の工事の基準は、図面どうしで書いたことが食い違わないようにすることを求めています。見本の家では、軸組図の部材の高さと柱の位置を、矩計図と伏図に照らして確かめました。
伏図は平面図の柱と壁を写して作図しよう

解説の記事3本は、伏図を、平面図の柱と壁を写してから描くと書いています。この記事で、伏図と軸組図に描く事項を見た場面は、次の3つです。
- 確認申請
- 国の工事
- 建築士の設計製図の試験
伏図を作図するときは、まず平面図の柱と壁を写してみてください。
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