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3D都市モデル(PLATEAU)と建築|国が整備するオープンデータとBIMとのつなぎ方

編集部 読了 約6分

  • PLATEAU(プラトー)って、何のデータなの?
  • 3D都市モデルと建物の BIM は、どうつなぐの?
  • 3D都市モデルを、建物の検討にどう使えるか知りたい

国土交通省は、全国の都市を3Dでつくり、誰でも使えるオープンデータにしています。この3D都市モデルの取組が、PLATEAU(プラトー)です。

しかし、3D都市モデルはそのままでは多くのソフトで開けず、建物の中の情報も一部の建物にしかありません。建物の BIM とつなぐには、データの形式と細かさの段階を知っておく必要があります。

この記事で解説するのは、3D都市モデル(PLATEAU)とは何か、CityGML と LOD、データの使い始め方、BIM とのつなぎ方、建築での使い方です。3D都市モデルで何ができ、何が課題かが分かります。

3D都市モデル(PLATEAU)とは

設計事務所の大きなモニターに、街全体の建物が立体で並ぶ3Dの地図が映り、若い設計者が見入っている場面
街の3D都市モデルを見ている場面のイメージ

PLATEAU は、国土交通省が進める、全国の3D都市モデルの整備・活用・オープンデータ化のプロジェクトです。2020年度から進められています。

3D都市モデルは、現実の都市をデータの上に再現した3次元のデジタル地図です。自治体が持つデータを組み合わせて整備されます。

建物などの形と、用途などの意味をあわせて持つのが特徴です。2025年度末の時点で、329の都市で整備されました(2026年7月の発表)。

国土交通省は、3D都市モデル・不動産ID(不動産ごとに付ける番号)・BIM を、「建築・都市のDX」の3つの基盤としてつなごうとしています。

CityGML と LOD

机の上に、箱だけの街の模型と、屋根や窓まで作り込んだ建物の模型が並び、若い設計者が見比べている場面
細かさの違う建物の模型を見比べている場面のイメージ

3D都市モデルを使うときに、まず知っておく言葉が CityGML と LOD です。データは、CityGML(シティジーエムエル) という国際標準の形式でつくられています。

建物の形の細かさには、LOD(エルオーディー) と呼ぶ LOD0〜LOD4 の5つの段階があり、次の表のとおりです。

段階表されるもの揃っている範囲何からつくるか
LOD0高さの無い形公式の解説に無い外から測ったデータ
LOD1同じ高さの箱の組み合わせ提供している区域の全域外から測ったデータ
LOD2屋根や壁など、外観の凸凹一部の区域外から測ったデータ
LOD3窓やドアなどの開口部一部の区域外から測ったデータ
LOD4建物の中一部の建物BIM のデータ

揃っている範囲は、PLATEAU の公式の解説が書かれた時点のものです。

3D都市モデルの建物は外から測ってつくるので、建物の中の情報はありません。そこで LOD4 の建物の中は、中の情報を持つ BIM のデータからつくられます。

データの使い始め方

若い設計者がノートパソコンで街のデータを落とし、設計のソフトの画面に周りの建物を読み込んでいる場面
街のデータを設計のソフトに読み込んでいる場面のイメージ

3D都市モデルのデータは、社会基盤情報流通推進協議会が運用する G空間情報センターからダウンロードできます。商用利用も含め、無償で使えるデータです。

設計での使い方の1つが、3D都市モデルを Archicad や Revit などに持ってきて、計画の建物を周りの街の中に置いて見ることです。

ただし、CityGML のデータは多くのソフトでそのまま扱えないので、使うソフトに合わせて OBJ や FBX などに変換します。

BIM とのつなぎ方

モニターに建物の BIM のモデルと街の3Dの地図が左右に映り、若い設計者が2つを見比べている場面
建物の BIM と都市のモデルを見比べている場面のイメージ

3D都市モデルと建物のデータのつなぎ方には、向きが2つあります。1つは、前の節のように3D都市モデルを設計のソフトに持ってくる向きです。

もう1つは、建物の BIM を3D都市モデルに入れる向きで、この節で解説します。BIM のデータを受け渡す形式は IFC、3D都市モデルの形式は CityGML で、どちらも国際標準の形式です。

国土交通省は、3D都市モデルを整備するための手順を、「3D 都市モデル整備のための BIM 活用マニュアル」にまとめています。

BIM のデータを IFC の形式で書き出し、さらに CityGML の建物のモデル(LOD4)に変換する手順です。

ただし、IFC と CityGML は別の目的でつくられた形式なので、単純には置き換えられません。課題は、今の設計でつくられている BIM のデータが、3D都市モデルとつなぐ前提でつくられていないことです。

建築での使い方

会議室の大きな画面に、ビルの中から外へ人が逃げる様子を点で示した3Dの街が映り、設計者たちが見ている場面
避難のシミュレーションを見ている場面のイメージ

課題はあっても、建物の BIM を3D都市モデルに入れると、建物の中と外をつないだ検討ができます。日照や景観を前もって見るのも、3D都市モデルの使い方の1つです。

PLATEAU で試された例から、次の3つを挙げます。

  • 屋内から屋外への避難
  • 景観の検討
  • 眺望の検討

屋内から屋外への避難

森ビルは2020年度に、虎ノ門ヒルズ ビジネスタワーの BIM のデータから、建物の中のモデルを CityGML でつくりました。

この取組は、そのモデルと3D都市モデルを組み合わせ、屋内から屋外へ逃げる人の流れをシミュレーションした例です。

景観の検討

2024〜2025年の PLATEAU の取組「景観まちづくりDX v2.0」では、景観を検討するツールに IFC を読み込む機能が付き、BIM で設計中の建物を取り込めるようになりました。

このツールは、自治体が高さ・色彩・眺望の決まりの効果を3次元で確かめ、景観計画の検討と説明に使うためのものです。

眺望の検討

森ビルは2024〜2025年に、画像で眺望を評価するシミュレーションも試しました。設計の部署からは、部分的な評価にとどまり、業務で使うのは難しいという意見が出ました。

CityGML と LOD を確かめよう

机の上に、箱だけの街の模型と、屋根や窓まで作り込んだ建物の模型が並び、若い設計者が見比べている場面
細かさの違う建物の模型を見比べている場面のイメージ

PLATEAU の公式の解説が書かれた時点では、全域で揃うのは LOD1 までで、建物の中(LOD4)は一部の建物だけです。この記事で解説したのは、次の5つです。

  • 3D都市モデル(PLATEAU)とは
  • CityGML と LOD
  • データの使い始め方
  • BIM とのつなぎ方
  • 建築での使い方

使いたい都市の3D都市モデルのデータで、建物がどの LOD まで揃っているかを確かめてみてください。

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