3D都市モデル(PLATEAU)と建築|国が整備するオープンデータとBIMとのつなぎ方
- PLATEAU(プラトー)って、何のデータなの?
- 3D都市モデルと建物の BIM は、どうつなぐの?
- 3D都市モデルを、建物の検討にどう使えるか知りたい
国土交通省は、全国の都市を3Dでつくり、誰でも使えるオープンデータにしています。この3D都市モデルの取組が、PLATEAU(プラトー)です。
しかし、3D都市モデルはそのままでは多くのソフトで開けず、建物の中の情報も一部の建物にしかありません。建物の BIM とつなぐには、データの形式と細かさの段階を知っておく必要があります。
この記事で解説するのは、3D都市モデル(PLATEAU)とは何か、CityGML と LOD、データの使い始め方、BIM とのつなぎ方、建築での使い方です。3D都市モデルで何ができ、何が課題かが分かります。
3D都市モデル(PLATEAU)とは

PLATEAU は、国土交通省が進める、全国の3D都市モデルの整備・活用・オープンデータ化のプロジェクトです。2020年度から進められています。
3D都市モデルは、現実の都市をデータの上に再現した3次元のデジタル地図です。自治体が持つデータを組み合わせて整備されます。
建物などの形と、用途などの意味をあわせて持つのが特徴です。2025年度末の時点で、329の都市で整備されました(2026年7月の発表)。
国土交通省は、3D都市モデル・不動産ID(不動産ごとに付ける番号)・BIM を、「建築・都市のDX」の3つの基盤としてつなごうとしています。
CityGML と LOD

3D都市モデルを使うときに、まず知っておく言葉が CityGML と LOD です。データは、CityGML(シティジーエムエル) という国際標準の形式でつくられています。
建物の形の細かさには、LOD(エルオーディー) と呼ぶ LOD0〜LOD4 の5つの段階があり、次の表のとおりです。
| 段階 | 表されるもの | 揃っている範囲 | 何からつくるか |
|---|---|---|---|
| LOD0 | 高さの無い形 | 公式の解説に無い | 外から測ったデータ |
| LOD1 | 同じ高さの箱の組み合わせ | 提供している区域の全域 | 外から測ったデータ |
| LOD2 | 屋根や壁など、外観の凸凹 | 一部の区域 | 外から測ったデータ |
| LOD3 | 窓やドアなどの開口部 | 一部の区域 | 外から測ったデータ |
| LOD4 | 建物の中 | 一部の建物 | BIM のデータ |
揃っている範囲は、PLATEAU の公式の解説が書かれた時点のものです。
3D都市モデルの建物は外から測ってつくるので、建物の中の情報はありません。そこで LOD4 の建物の中は、中の情報を持つ BIM のデータからつくられます。
データの使い始め方

3D都市モデルのデータは、社会基盤情報流通推進協議会が運用する G空間情報センターからダウンロードできます。商用利用も含め、無償で使えるデータです。
設計での使い方の1つが、3D都市モデルを Archicad や Revit などに持ってきて、計画の建物を周りの街の中に置いて見ることです。
ただし、CityGML のデータは多くのソフトでそのまま扱えないので、使うソフトに合わせて OBJ や FBX などに変換します。
BIM とのつなぎ方

3D都市モデルと建物のデータのつなぎ方には、向きが2つあります。1つは、前の節のように3D都市モデルを設計のソフトに持ってくる向きです。
もう1つは、建物の BIM を3D都市モデルに入れる向きで、この節で解説します。BIM のデータを受け渡す形式は IFC、3D都市モデルの形式は CityGML で、どちらも国際標準の形式です。
国土交通省は、3D都市モデルを整備するための手順を、「3D 都市モデル整備のための BIM 活用マニュアル」にまとめています。
BIM のデータを IFC の形式で書き出し、さらに CityGML の建物のモデル(LOD4)に変換する手順です。
ただし、IFC と CityGML は別の目的でつくられた形式なので、単純には置き換えられません。課題は、今の設計でつくられている BIM のデータが、3D都市モデルとつなぐ前提でつくられていないことです。
建築での使い方

課題はあっても、建物の BIM を3D都市モデルに入れると、建物の中と外をつないだ検討ができます。日照や景観を前もって見るのも、3D都市モデルの使い方の1つです。
PLATEAU で試された例から、次の3つを挙げます。
- 屋内から屋外への避難
- 景観の検討
- 眺望の検討
屋内から屋外への避難
森ビルは2020年度に、虎ノ門ヒルズ ビジネスタワーの BIM のデータから、建物の中のモデルを CityGML でつくりました。
この取組は、そのモデルと3D都市モデルを組み合わせ、屋内から屋外へ逃げる人の流れをシミュレーションした例です。
景観の検討
2024〜2025年の PLATEAU の取組「景観まちづくりDX v2.0」では、景観を検討するツールに IFC を読み込む機能が付き、BIM で設計中の建物を取り込めるようになりました。
このツールは、自治体が高さ・色彩・眺望の決まりの効果を3次元で確かめ、景観計画の検討と説明に使うためのものです。
眺望の検討
森ビルは2024〜2025年に、画像で眺望を評価するシミュレーションも試しました。設計の部署からは、部分的な評価にとどまり、業務で使うのは難しいという意見が出ました。
CityGML と LOD を確かめよう

PLATEAU の公式の解説が書かれた時点では、全域で揃うのは LOD1 までで、建物の中(LOD4)は一部の建物だけです。この記事で解説したのは、次の5つです。
- 3D都市モデル(PLATEAU)とは
- CityGML と LOD
- データの使い始め方
- BIM とのつなぎ方
- 建築での使い方
使いたい都市の3D都市モデルのデータで、建物がどの LOD まで揃っているかを確かめてみてください。
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