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3DCG · Lumion

LumionとVectorworks/AutoCADの連携完全ガイド|LiveSync設定と2D CAD由来モデルの3D化手順

編集部 読了 約14分

VectorworksやAutoCADで図面やモデルを作ったあと、それをLumion(設計データを写真のような3D映像に変えるリアルタイムレンダリングソフト)にどう渡せばいいのか、迷う場面は多いはずです。2つのソフトはどちらもLumionとつながりますが、つなぎ方の起点が違います。Vectorworksは3Dモデルをそのまま送るのに向き、AutoCADは2D図面を3Dにしてから送る場面が多くなります。

この記事では、VectorworksとAutoCADそれぞれのLiveSync(設計ソフトとLumionをリアルタイムでつなぐ機能)対応状況と設定手順、LiveSyncが使えないときのファイル取り込み、そして2D図面由来のモデルを3D化するときの単位・スケールの注意点までをまとめました。Lumion VectorworksとAutoCADの連携で最初につまずくポイントを、初心者の方でも順番に整理できる構成にしています。

VectorworksとAutoCADは、Lumionへのつなぎ方が違う

VectorworksとAutoCADはどちらもLiveSyncに対応していますが、得意な渡し方が異なります。Vectorworksは3Dモデルをそのまま同期させる使い方が中心で、AutoCADは2D図面を3D化してから渡す場面が多くなります。この違いを先に押さえておくと、あとの設定手順で迷いません。

2ソフトの連携方法をひと目で比較

全体像を数字で見比べておくと、自分のソフトがどの条件で連携できるかがはっきりします。対応するLumionのバージョンが違うので、手元のLumionが古いと連携できないことがあるためです。

項目VectorworksAutoCAD
LiveSync対応ありあり
必要なLumionLumion 9.3以降Lumion 10.3以降
必要なソフト側バージョンVectorworks 2019 SP3以降AutoCAD 2017以降
対応OSWindows / MacWindowsのみ
主な使い方3Dモデルを直接同期3Dモデルを同期、または2D図面を3D化して取り込み

ソース: LiveSync for Vectorworks(Lumion公式サポート) / LiveSync for AutoCAD(Lumion公式サポート)(いずれも2026年7月現在)

表で注目したいのは、AutoCADのLiveSyncがWindows専用という点です。Macで設計している場合はAutoCADのLiveSyncが使えないため、後述するDWGやDAE形式での書き出し取り込みに切り替えることになります。自分の作業環境がどちらかを、最初に確認しておくと安心です。

どちらのソフトでも共通する連携の考え方

LiveSyncは、設計ソフトとLumionを同時に立ち上げて画面をつなぐしくみです。設計ソフト側でモデルを直すと、その変化がLumionの画面に自動で反映されます。ファイルを書き出して読み込み直す手間がないため、見た目を確認しながら設計を進められます。

この同期があると、カメラの視点やマテリアル(表面の質感を決める設定)をLumion側でその場で確認できます。たとえば外観の見え方を試しながら、窓の位置や庇の出をVectorworks側で微調整する、といった進め方が可能です。

ただし、LiveSyncが使えるのは対応バージョンがそろっているときに限られます。Lumionが古かったり、AutoCADをMacで使っていたりする場合は、ファイルを書き出してLumionに読み込む方法に切り替えます。LiveSyncを本命に、それが難しいときはファイル取り込み、という2段構えで考えると整理しやすくなります。連携の全体像はLumionのLiveSync完全ガイドでまとめています。

VectorworksとLumionをLiveSyncでつなぐ

VectorworksはLumion 9.3以降で公式にLiveSyncに対応しており、3Dモデルを持っているならこの方法が最短です。プラグインを入れて接続すれば、Vectorworksのモデルとカメラ視点がLumionへ自動で取り込まれます。

LiveSync for Vectorworksの導入と対応バージョン

Vectorworks連携を始める前に、まず対応バージョンの条件を満たしているかを確認します。条件を外れていると接続そのものができず、原因探しに時間を取られてしまうためです。

公式が案内している条件は、Lumion 9.3以降とVectorworks 2019 SP3以降の組み合わせです(Lumion公式サポート、2026年7月現在)。Lumion 8.5でも動作はしますが、公式のサポート対象外という位置づけなので、これから始めるならLumion 9.3以降で環境を整えるのが安全です。

プラグイン本体はLumionの公式サポートページから無料で入手できます。追加費用はかからないため、対応バージョンさえ合っていれば、コストを気にせず導入できます。まずは公式サポートからプラグインを取得し、Vectorworksにインストールするところから始めましょう。

接続してリアルタイムに反映させる流れ

導入後の接続は、両方のソフトを立ち上げてボタンを押すだけのシンプルな流れです。難しい設定ファイルの編集は要らないため、初めてでもつまずきにくいのが利点です。

大まかな流れは、Vectorworks側でLiveSyncを起動し、Lumion側で接続を受け付けると、モデルが自動でインポートされる、という順番です。接続が成立すると、Vectorworksで作ったモデルがそのままLumionの空間に現れます。

接続後の便利さは、形を変えたときにすぐわかる点にあります。Vectorworks側で壁を動かしたり屋根の形を変えたりすると、その変化がLumionの画面に反映されます。カメラ視点も同期するので、Vectorworksで決めた見え方をLumionでそのまま再現でき、確認のたびに視点を合わせ直す手間が省けます。

マテリアルとやり直しの効率

LiveSyncの本当の価値は、見た目の作り込みを何度でも試せるところにあります。Lumionには高解像度のマテリアルが多数用意されており、木・コンクリート・ガラスといった質感を当てて、実物に近い見え方を作れるためです。

一度作ったマテリアルの設定は保存して使い回せます。次のレンダリングでも同じ質感をすぐ呼び出せるので、案件が変わっても設定をゼロから作り直す必要がありません。素材の当て方に迷ったときは、Lumionのファイル形式・インポートでモデルの受け渡しと素材の扱いを補足しています。

編集部の所感としては、設計変更が多い初期検討の段階ほど、この同期のありがたみが大きくなると見ています。プランが固まる前の「あれこれ試したい」時期に、書き出しをはさまず見た目を確認できるためです。反対に、最終の1枚を作り込む段階では書き出し中心でも困りにくく、初期検討でこそLiveSyncが効いてくる、という使い分けになります。

AutoCADとLumionをつなぐ(LiveSyncとファイル取り込み)

AutoCADはLumion 10.3以降でLiveSyncに対応しますが、2D図面が中心の案件では、まず3Dモデルを用意する段取りが要になります。3DモデルがあればLiveSync、なければDWGやDAE形式での書き出し取り込み、と状況で使い分けます。

LiveSync for AutoCADの対応バージョンと制約

AutoCADのLiveSyncを使う前に、対応条件とOSの制約を確認しておきます。ここを見落とすと、環境が原因で接続できないのに設定を疑ってしまい、遠回りになるためです。

公式が案内する条件は、Lumion 10.3以降とAutoCAD 2017以降の組み合わせで、Windows専用です(Lumion公式サポート、2026年7月現在)。MacでAutoCADを使っている場合はLiveSyncが使えないので、この時点でファイル取り込みに切り替える判断ができます。

プラグインはLumionの公式サポートから無料で入手できます。接続するとモデルが自動でインポートされ、AutoCAD側での形状変更やカメラ視点がLumionに同期されます。山や水、草といった環境を添えた状態で確認できるため、建物単体だけでなく周囲を含めた見え方を早い段階で試せます(Lumion公式のAutoCAD向けリアルタイム連携ページ、2026年7月現在)。

LiveSyncが使えないときのファイル取り込み

LiveSyncが使えない環境では、ファイルを書き出してLumionに読み込みます。Macで作業している場合や、Lumionのバージョンが対応条件に届かない場合が、この方法に切り替える主な場面です。

書き出しの基本はDWG形式で、Lumion 8.5以降ならDAE(Collada形式。3Dモデルをやり取りするための共通形式)でも取り込めます。公式は、LiveSyncのほうがDAEでの書き出しより速く軽いと案内しているので、条件が合うならLiveSyncを優先し、難しいときにDWGやDAEへ切り替えるのが順当です(Lumion公式サポート、2026年7月現在)。

取り込みで曲面がカクついて見えるときは、AutoCADのFACETRES(曲面の表示のなめらかさを決める値)を上げてから書き出すと改善します。値が低いと曲面が多角形のように見えてしまうためです。ファイル形式ごとの詳しい取り込みの違いはLumionのファイル形式・インポートで解説しています。

Civil 3D・土木データを扱うときの考え方

AutoCAD Civil 3D(土木設計向けのAutoCAD)については、Lumion公式でLiveSync対応が明示されていません。そのため現状は、DWGやDAEで書き出してLumionに読み込む静的な取り込みを基本に考えるのが安全です。対応状況は変わる可能性があるので、公式サポートで最新の案内を確認してから判断するのが確実です。

土木データで気をつけたいのは、地形や広域のデータは面数が膨らみやすい点です。敷地全体をそのまま書き出すと重くなりやすいので、見せたい範囲に絞って書き出すと軽くなります。造成や外構の可視化では、必要な範囲だけを渡す意識が効いてきます。

土木・造成の見せ方でLumionが選ばれやすいのは、広い環境を作りやすいアセット(樹木や地面など、あらかじめ用意された素材)が豊富だからです。敷地まわりの緑や水面を添えて、造成後の景観をイメージしやすく仕上げられます。

2D CAD由来モデルを3D化するときの単位・スケール注意点

2D図面から始めるワークフローで最もつまずくのが、3D化とスケールのズレです。ここを先に整えておくと、Lumionでモデルが極端に大きく、または小さく表示される事故を防げます。

2D図面を3Dモデルにする前準備

2D図面はそのままではLumionで立体になりません。壁や床に厚みや高さを持たせて、立体のボリュームに起こす作業が先に必要になるためです。押し出しや3Dソリッド化で、平面の線を立体へ変えていきます。

古いバージョンのAutoCADでは、作ったソリッドをメッシュ化してからでないと、うまく取り込めない場合があります。MeshSmoothなどのコマンドで面の集まり(メッシュ)に変換してから書き出す、という手順が必要になることがある、と公式が案内しています(Lumion公式サポート、2026年7月現在)。手元のバージョンで取り込みがうまくいかないときは、この変換を試す価値があります。

このとき、Lumionに渡すのは見せたい範囲だけに絞るのが基本です。図面の細かい寸法線や補助線まで一緒に立体化すると、モデルが重くなるうえに見た目のノイズにもなります。仕上げたい建物や外構だけを選んで渡すと、あとの作業が軽くなります。

単位とスケールを合わせる

3D化でつまずきやすいのが単位のズレです。CAD側の作図単位(mmで作っているかmで作っているか)とLumionが想定するスケールが食い違うと、取り込んだ瞬間にサイズが崩れてしまうためです。

取り込みの前に、モデルの原点・向き・単位の3点を確認しておくと安全です。原点が大きくずれていると、Lumion上でモデルが遠くに飛んでしまい、見つけにくくなります。向きが揃っていないと、建物が横倒しで入ってくることもあります。

Lumion側でもスケールの調整はできますが、基本はCAD側で正しく整えておくのが順当です。取り込んでから毎回直すより、書き出す前に単位を合わせておくほうが、作業のやり直しが減るためです。まずはCAD側を正しく、を合言葉にすると崩れにくくなります。

取り込み後によくあるつまずきと対処

取り込み後に想定どおり表示されないときは、原因が絞られているので順番に確認すると早く解決します。多くは単位・原点・書き出し範囲のいずれかが原因になっているためです。

モデルが表示されない、または極端に小さいときは、まず単位と原点を疑います。単位が食い違っていればサイズが崩れ、原点が離れていればモデルが視界の外に飛んでいることが多いです。次に、書き出す範囲を見せたい部分だけに絞れているかを見直します。

曲面がカクついて見える場合は、前に触れたFACETRESの値を上げてから書き出し直します。面が裏返って見えたりマテリアルが当たらなかったりするときは、面の向き(法線の向き)が反転していないかを確認すると、原因を切り分けやすくなります。

VectorworksとAutoCAD、どちらの連携を使うべきか

3Dモデルを持っているならLiveSyncでそのまま送るのが最速で、2D図面が中心なら3D化とスケール整備にひと手間かける、というのが基本の選び方です。使っている設計ソフトと案件の性質で選び分けます。

ケース別のおすすめワークフロー

自分の状況にどのやり方が合うかは、手元に3Dモデルがあるかどうかで大きく分かれます。3Dがあれば同期が最短で、2Dからならまず立体化が必要になるためです。

  • Vectorworksで3D設計している場合は、LiveSyncで直接つなぐのが最短です。書き出しをはさまず、見た目を確認しながら進められます。
  • AutoCADで3Dモデルがある場合は、LiveSyncか、環境が対応外ならDWG・DAEでの取り込みを選びます。
  • AutoCADで2D中心の場合は、3D化と単位の整備をすませてから取り込みます。ここを飛ばすとスケールで崩れやすいので、前準備を優先します。

迷ったときは、3Dがあるなら同期、2Dからなら立体化を先に、と覚えておくと選びやすくなります。使っているソフトごとの連携の入口はLumionのLiveSync・ソフト連携ガイドから確認できます。

他ソフトからの連携も検討する場合

VectorworksとAutoCAD以外の設計ソフトを使っている場合も、LiveSyncが選択肢になります。Lumionは主要な設計ソフトに幅広く対応しているためです。

たとえばRevitやSketchUp、ArchiCAD、RhinoもLiveSyncに対応しています。BIM(建物の情報を3Dモデルに集約する設計手法)で進めているならRevitやArchiCAD、別のモデリングから始めるならSketchUpやRhino、というように、手持ちのソフトに合わせて連携方法を選べます。BIMモデルをそのまま可視化したい場合はLumion × Revit連携ガイド、SketchUpからつなぐ手順はLumionとSketchUpのLiveSync連携の使い方で解説しています。

Lumionそのものの価格や特徴から知りたい方は、Lumionとは?建築・土木の可視化を変える定番リアルタイムレンダリングソフトで全体像を確認できます。

応用シーン|連携を整えた先にできること・次の一歩

連携をひととおり整えると、設計の途中でお客さまと画面を見ながら意思決定を進める、という使い方に踏み込めます。ファイルの書き出しを待たずに見た目を確認できるので、打ち合わせの場が変わってくるためです。

たとえば住宅案件の外観検討で「屋根の勾配をもう少し緩く」「外壁の色を白から淡いグレーに」といった要望が出たとき、VectorworksやAutoCADで直せばLumion側に反映されます。お客さまの目の前で見え方が変わるので、その場で方向性を決めやすくなります。土木・造成なら、造成後の敷地に緑や水面を添えた景観を早い段階で見せられます。

次の一歩としては、まず手持ちのソフトに合った連携方法を1つ選んで、小さな案件で通しで試してみるのがおすすめです。いきなり大きな敷地で始めるより、単純な建物1棟で導入から書き出しまでの流れをつかむほうが、つまずきどころが見えて定着しやすいためです。慣れてきたら、単位・スケールの整え方を自分の作図ルールに組み込んでいくと、取り込みでの崩れがぐっと減ります。

まとめ

VectorworksとAutoCADからLumionへの連携は、次の要点を押さえれば迷いにくくなります。

  • Vectorworksは Lumion 9.3以降 × Vectorworks 2019 SP3以降、AutoCADは Lumion 10.3以降 × AutoCAD 2017以降(Windows専用)が公式の対応条件です(2026年7月現在)。
  • 3DモデルがあればLiveSyncでの同期が最速、対応外の環境ではDWGやDAEでの書き出し取り込みに切り替えます。
  • 2D図面から始めるときは、単位・原点・向きを先に整えるとスケール崩れを防げます。
  • 曲面のカクつきはFACETRESの値で、表示されない・小さすぎるは単位と原点で切り分けます。

3Dがあるなら同期、2Dからなら立体化と単位整備を先に、という選び方を軸にすれば、使っているソフトが変わっても同じ判断で進められます。