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3DCG · Lumion

Lumionの植栽・樹木・草の配置テクニック|自然な外構を作る7つのコツ

編集部 読了 約13分

Lumion(建築・土木向けのリアルタイムレンダリングソフト)で植栽を置いてみたのに、なぜか本物に見えない。木が並びすぎて人工的、草原がのっぺりしてつまらない。そんな悩みは、植栽を「置くだけ」で自然になると思ってしまうところから生まれます。実際には、ちょっとした散らし方や層のつくり方で見え方が大きく変わります。

この記事では、Lumionで樹木・草・低木を自然に見せる植栽配置の考え方とコツをまとめます。

ライブラリの選び方から、不自然にならない散らし方・群植、草地の表現、季節と風の演出、外構全体のまとめ方まで、順を追って読める構成にしました。広い敷地にまとめて一気に散布する操作は主題から外れるため、その専用ツールの解説は別記事に送ります。まずは「なぜ自然に見えないのか」を押さえるところから始めましょう。

Lumionの植栽が「不自然」に見える3つの原因

植栽が人工的に見える原因は、配置の規則性・樹種の単調さ・スケール感の3つにほぼ集約されます。原因を先に押さえておくと、このあとのコツがすべて「なぜそうするのか」で理解できるようになります。逆に言えば、この3つを外さなければ植栽はぐっと自然に近づきます。

規則正しく並びすぎている

もっとも多い失敗は、木を等間隔・一直線に並べてしまうことです。自然界に等間隔の林は存在しないため、規則正しく並んだ瞬間に「人が置いた感」が出てしまいます。

とくに建築の配置図をそのままトレースするように木を置くと、この不自然さが強く出ます。図面上はきれいでも、パースとして見ると並木道のように整いすぎてしまうのです。

自然さの鍵になるのは「ゆらぎ」です。位置・回転・サイズにばらつきを与えるだけで、同じアセット(3Dモデルの部品)でも生きた植栽に見えてきます。この考え方はこのあと何度も出てくるので、まず頭に入れておいてください。

樹種・草種が単一で単調

同じ木ばかりを繰り返し置くと、反復パターンが目についてしまいます。人の目は繰り返しに敏感なので、「あ、これ全部同じ木だ」と気づいた瞬間にCG感が出ます。

現実の緑地をよく見ると、大きな木の下に中くらいの木があり、その足元に低木や下草が広がっています。高さの違う植物が層をなしているのです。だから複数の樹種を混ぜるだけで、この単調さは自然に消えていきます。

スケール(大きさ)が実寸と合っていない

Lumionのライブラリにある樹木はおおむね実物大で作られていますが、建物モデルとの相対的な比率で違和感が出ることがあります。木が建物に対して大きすぎたり小さすぎたりすると、シーン全体のリアリティが崩れます。

サイズ感に迷ったら、人物や車のエンティティ(配置する添景オブジェクト)を基準に置いて確認するのがおすすめです。人や車は誰もが実寸を知っているので、それらと並べれば木の大きさが妥当かどうかをすぐ判断できるからです。

Natureライブラリの選び方:樹木・草・低木・地被の使い分け

Lumionの植栽は、Nature(自然物)カテゴリのライブラリから選びます。まず「主木・中木・低木・草・地被」という層で考えると、どのアセットをどこに置くかが自然に決まります。層を意識するだけで、平面的な緑地が立体的な外構に変わります。

Natureライブラリの構成を把握する

Lumionのライブラリは、樹木(Trees)・草や下草(Plants・Grass)・地面を覆う植物(Groundcover)といったカテゴリに分かれています。まずどこに何があるかを把握しておくと、植栽選びで迷う時間が減ります。

アセットには、実写ベースで作られた高精細なものと、動作を軽くした軽量なものがあります。高精細なものはきれいですが、たくさん置くとシーンが重くなるというトレードオフがあります。だから「近くに見せたい木は高精細、遠くの背景は軽量」と使い分ける前提で選ぶと、あとで動作に困りにくくなります。

よく使う樹種はお気に入り登録しておくと便利です。検索やお気に入りを活用すると、毎回ライブラリを端から探す手間がなくなり、配置そのものに時間を使えるようになります。

植栽の「層」で考える

自然な外構は、高さの違う植物の重なりでできています。目安になるのが、主木(シンボルツリー)→ 中木 → 低木・生垣 → 下草・地被、という4つの層です。

この4層を意識してアセットを選ぶと、緑地に立体感が生まれます。主木だけをぽつぽつ置くと足元がスカスカに見えますが、中木や下草で層を埋めると、のっぺり感が消えて奥行きのある庭になります。すべての場所に4層すべてを敷く必要はありませんが、「今どの層が足りていないか」を意識するだけで完成度が変わります。

建築様式・地域に合った樹種を選ぶ

同じ木でも、建物の様式に合っていないと浮いて見えます。和風の外構にはもみじや松のような樹種が、洋風の外構には広葉樹や整形された生垣がなじみやすい傾向があります。建物の雰囲気に合う樹種を選ぶことが、外構全体のまとまりにつながります。

落葉樹(秋に葉が落ちる木)か常緑樹(一年中葉がある木)かの選択も大切です。この選択は季節表現とも連動するため、プレゼンで見せたい季節を先に決めてから樹種を選ぶと迷いません。なお、実在する樹種名を断定して紹介する場合は公式ライブラリの表記を確認し、確証がないときは「広葉樹」「針葉樹」のような分類で書くほうが安全です。

不自然に見せない配置テクニック:ゆらぎと群植

自然な植栽の核心は、「規則性を壊すこと」と「まとめて群れにすること」の2つです。1本ずつ丁寧に置くよりも、ばらつきと群植(かたまりで植えること)を意識するほうが、はるかに本物らしくなります。ここがこの記事で最も大事なパートです。

位置・回転・サイズにばらつきを与える

同じ樹種を並べるときでも、1本ずつ回転角を変えるだけで印象が変わります。木は正面を向いて生えているわけではないので、向きをばらけさせると自然です。あわせて大きさもわずかに大小をつけると、成長段階の違う木が混ざっているように見えます。

配置のとき、直線に並べず前後に少しずらすのもコツです。奥行き方向にずれがあると、平面的な壁のような並木ではなく、立体的な林に見えてきます。Lumionには配置時に向きや大きさをランダムにする考え方の機能もあるので、それを活用すると手作業のばらつけが楽になります。

単植ではなく群植(かたまり)で置く

現実の樹木は、1本ずつ均等に生えているより、数本のかたまりで生えていることが多いものです。だから木は「群れ」で置くと自然に見えます。

おすすめは、大・中・小を組み合わせて不等辺三角形になるように置く方法です。3本の木を正三角形や一直線ではなく、大きさも位置もバラバラの三角形にすると、それだけで自然な茂みになります。この「主木1本+中木2本+足元の下草」を基本のかたまり(島)として、シーンのあちこちに変化をつけながら配置していくと、庭全体がまとまります。

密度にメリハリをつける

植栽をシーン全面に均一な密度で敷き詰めると、かえって不自然になります。現実の緑地は、密なところと疎なところがあるからです。

建物や主役を見せたい方向は、あえて植栽を疎にして視線が抜けるようにします。逆に敷地の境界や背景は密に植えて、余計なものを隠しつつ奥行きを出します。「見せたいところは開け、隠したいところは詰める」というメリハリが、プロっぽい外構の見え方をつくります。

重なりと隙間を許容する

木をきれいに離して置きたくなりますが、樹冠(枝葉が広がった上部)を少し重ねると、森や林らしい密度感が出ます。木々が触れ合うくらいの重なりは、むしろ自然です。

反対に、地面が少し見える隙間もあえて残します。すべてを緑で埋め尽くすと人工芝のようになってしまうので、抜けや隙間があるほうがリアルに見えます。重なりと隙間、どちらも「整えすぎない」のがポイントです。

草・地被の表現:草原と芝生をリアルにする

草地はのっぺりしやすい要素です。単一の芝マテリアル(表面の質感データ)で塗りつぶすのではなく、3D草アセットの散布と地被の混在で「近景は3D草・遠景はテクスチャ」を使い分けるのがコツになります。この使い分けだけで足元の説得力が大きく変わります。

芝マテリアルと3D草アセットを使い分ける

広い範囲や遠景は、芝マテリアルで塗って軽く仕上げます。遠くの草は1本1本の形が見えないので、質感データで表現すれば十分ですし、動作も軽く保てます。

一方、カメラに近い前景には3Dの草アセットを立たせて置きます。近くの草は立体感が命で、平らなテクスチャのままだと足元がぺたっと見えてしまうからです。近景に立体の草があるかどうかで、地面のリアルさは大きく変わります。「近くは3D、遠くはテクスチャ」を基本に考えてください。

草の高さ・色にばらつきを混ぜる

草を1種類の緑一色で敷くと、絨毯のように均質で不自然になります。現実の草地は、濃い緑や薄い緑、少し枯れた色などが混ざっているものです。色に濃淡やばらつきを混ぜるだけで、生きた草地に近づきます。

さらに雑草や野花を少量混ぜると、表現の幅が広がります。きれいに刈り込まれた芝生と、手つかずの自然な草地を描き分けられるようになるので、案件の雰囲気に合わせて調整できます。

地被・下草で樹木の根元をつなぐ

木がいきなり芝生から生えていると、地面から棒が突き出たように浮いて見えます。これは根元に何もないことが原因です。

木の根元に低い下草や地被を敷いて、木と地面をなじませましょう。根元をふんわり隠すだけで、木が地面にしっかり根を張っているように見え、シーン全体の一体感が生まれます。小さな手間ですが、効果は大きいポイントです。

季節・風・時間で植栽に生命感を出す

植栽は「動き」と「季節」を与えると、一気に本物らしくなります。Lumionは風による草木の揺れや、紅葉・落葉といった季節を演出でき、静止画でも動画でも生命感を加えられます。止まったCGから、その場の空気まで感じる絵に変わります。

風で草木を揺らす

Lumionには天候や風のエフェクト(効果)があり、草や木の枝を揺らせます。動画(アニメーション)では、この揺れがあるかないかで臨場感がまったく違ってきます。風にそよぐ草木があるだけで、その場に立っているような感覚が生まれるからです。

静止画でも風の効果は役立ちます。枝や草がわずかに傾いた瞬間を切り取ると、完全に静止した状態よりも自然に見えます。まっすぐ直立した草より、少し傾いた草のほうが生きて見えるのです。

季節(紅葉・落葉・新緑)を選ぶ

樹種やエフェクトを切り替えることで、新緑・紅葉・落葉といった季節感を表現できます。同じ木でも季節設定を変えるだけで、シーンの印象は大きく変わります。

実務では、竣工(建物の完成)予定の時期に季節を合わせると説得力が増します。たとえば秋に引き渡す住宅なら、紅葉した木々でパースをまとめると「完成したときの景色」がリアルに伝わります。プレゼンの目的に季節を合わせる、という視点を持っておくと便利です。

光・時間帯と植栽の相性

植栽がもっとも映えるのは、逆光や木漏れ日のときです。葉の裏から光が透ける逆光では、緑が発光するように美しく見えます。木の間から差し込む木漏れ日も、地面に落ちる影と相まって空間に奥行きを与えます。

光の当て方は空や日照の設定と密接に関係します。植栽の質感を最大限に引き立てたい場合は、Lumionの太陽・日照設定で影を美しく見せる方法で光の作り込みまであわせて調整すると効果的です。

外構・ランドスケープ全体を作り込む手順

個々の植栽が整ったら、外構全体を「主役の建物を引き立てる背景」として構成します。手前・中景・遠景の3つのレイヤーで考えると、シーン全体が自然にまとまります。植栽は単体で美しくするより、建物との関係で設計するのがプロの発想です。

前景・中景・遠景の3レイヤーで組む

外構は、カメラからの距離で3つの層に分けて考えると組み立てやすくなります。前景は草や低木で画面の手前を縁取り(フレーミング)し、中景に主木と建物を置き、遠景に並木や林を配置して奥行きを出します。

この3レイヤーを意識すると、視線が自然に主役の建物へと導かれます。手前の草木が額縁のように働き、奥の林が背景の壁になることで、真ん中の建物が最も目立つ構図になるからです。ただ木を置くのではなく、「この木は視線をどこへ導くか」を考えると配置が決まりやすくなります。

舗装・園路・添景と植栽を馴染ませる

外構は植栽だけでは生活感が出ません。人物・車・ベンチといった添景(雰囲気づくりの小物)を加えると、そこに人が暮らす気配が生まれます。

実務でよくあるのは、園路(歩く道)沿いに並木を配置したり、駐車場まわりに植え込みを置いたりするパターンです。舗装や園路のラインに沿って植栽をなじませると、設計図に描かれた外構計画がそのままリアルな風景として立ち上がります。

広い敷地を効率よく緑化する(一括配置は専用ツールへ)

広い敷地を1本ずつ手作業で緑化するのは、とても非効率です。公園や大規模な造成地のように広範囲を緑で埋めたい場面では、まとめて一気に植栽を散布できる専用ツールを使うほうが現実的です。

この記事は「植栽をどう見せるか」という考え方とテクニックに集中しています。広い面へ大量に一括散布する操作の手順は、Lumionの広範囲配置ツール(Area Placement)で外構を一括作成で解説しています。手作業の配置に限界を感じたら、あわせて活用してみてください。

植栽の配置を編集部が試してみました

ここまでのコツを実際の手順に落とすとどうなるか、編集部が試してみました。以下は、住宅の庭を想定して植栽を組み立てたときの所感です。

もっとも効果を感じたのは、群植(かたまりで植えること)の効果でした。最初は主木を等間隔にきれいに並べていたのですが、どうしても人工的で、いわゆるCG感が抜けませんでした。そこで主木1本に中木2本、足元に下草を寄せた「島」を1ユニットとしてつくり、それを大きさと向きを変えながら数か所に散らしたところ、同じアセットのままでも一気に「手入れされた庭」の雰囲気に近づきました。

次に効いたのが、木の根元に下草を敷く作業です。芝からいきなり生えていた木が浮いて見えていたのですが、根元に低い植物を足しただけで地面と一体になり、違和感が消えました。作業量としてはわずかですが、見た目への影響は大きいと感じます。

一方で、高精細な草アセットを画面全体に敷こうとすると、編集画面の動作が目に見えて重くなりました。近景だけ3D草にして、遠景は芝マテリアルに切り替えると、見た目を保ったまま動作が軽くなります。「全部を高精細で」ではなく「近くだけ丁寧に」という割り切りが、快適に作業するうえで実務的だと感じました。

動作を軽く保つ:植栽の重さとパフォーマンス対策

高精細な植栽は、シーンをどんどん重くします。近景は高精細・遠景は軽量アセットという「メリハリ」をつけると、見た目とパフォーマンス(動作の軽さ)を両立できます。重さの対策は、きれいなパースを最後まで完成させるための地味だけれど大事な工夫です。

高精細アセットは近景に限定する

高精細な樹木や草は、カメラに近い場所だけに使いましょう。遠くにあってディテールが見えない植栽まで高精細にすると、見た目の効果は小さいのに動作だけ重くなってしまうからです。

遠景やカメラに映らない位置の植栽は、軽量なアセットに置き換えるか、思い切って数を減らすのが効果的です。「見える場所にコストをかけ、見えない場所は節約する」という考え方で、編集も書き出しもスムーズになります。

同一アセットの過剰配置に注意

草や木を数千本規模で配置すると、シーンが重くなって操作がもたつくことがあります。とくに細かい草アセットは、1本あたりは軽くても数が増えると負荷が積み上がります。

密度を上げれば見た目はリッチになりますが、動作は重くなるというトレードオフを意識してください。全面をびっしり埋めるより、密度にメリハリをつけたほうが、見た目の自然さと動作の軽さを同時に得られます。

書き出し前のチェックポイント

パースを書き出す前に、植栽まわりを最終確認しておくと手戻りを防げます。とくに見落としやすいのが、木が地面から浮いていないか、足元が抜けていないか、スケールがおかしくないか、同じ木の反復パターンが目立っていないか、の4点です。

これらは1枚のチェックリストとして手元に置いておくと便利です。書き出してから気づくと再レンダリングの時間が無駄になるため、プレビュー段階でひととおり目視しておくと安心です。

植栽テクニックの活用シーンと次の一歩

ここまでのコツは、住宅の庭だけでなく、さまざまな案件に応用できます。使いどころを知っておくと、次にどのテクニックから手をつければよいかが見えてきます。

たとえば店舗やオフィスのエントランスまわりでは、群植とシンボルツリーで入口へ視線を導く演出が効きます。マンションの外構なら、境界を密に植えて隣地を隠しつつ、共用部の園路沿いに並木を通すと落ち着いた印象になります。公園や大規模造成のように広い敷地では、手作業ではなく一括散布ツールに切り替えるのが現実的です。案件の規模と目的に合わせて、テクニックを使い分けてください。

次の一歩としておすすめなのは、まず1シーンで「かたまり配置」と「根元の下草」の2つだけを徹底してみることです。この2つは効果が大きく、しかも操作が簡単なので、最初の成功体験を得やすいからです。慣れてきたら、季節や風の演出、近景と遠景の精細度の使い分けへと広げていくと、無理なくレベルアップできます。

まとめ:自然な植栽は「ばらつき・層・生命感」で決まる

Lumionの植栽を自然に見せるコツは、突きつめると3つに集約されます。等間隔・単一樹種をやめて位置や大きさにばらつきを与えること、主木から地被までの層を重ねること、そして風や季節で生命感を加えることです。

要点を整理すると、次の5つを押さえれば外構は本物らしくなります。1本ずつ回転や大きさをばらつかせるゆらぎ、数本をかたまりで置く群植、主木から下草までの層構成、季節・風による生命感、そして近景と遠景で精細度を変えるメリハリです。この5つはどれも難しい操作ではなく、意識するだけで効果が出ます。

植栽が整ったら、次はマテリアルや空、水といった環境表現の他の要素と組み合わせると、シーン全体が完成に近づきます。植栽・光・空・水はたがいに影響し合うため、あわせて調整することで説得力のあるパースになります。まずは今日紹介したかたまり配置と根元の下草から試してみてください。