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3DCG · Lumion

Lumionの広範囲配置ツール(Area Placement)で外構を一括作成|森・緑化を最短で埋める

編集部 読了 約10分

広い外構や公園、都市の緑化シーンで、樹木や草を1本ずつ手で置いていくのは大変な作業です。数百本を並べるうちに時間だけが過ぎ、配置も規則的で不自然になりがちです。

Lumion 2026 で追加された Area Placement(エリアを指定してネイチャーオブジェクトをまとめて散布する機能)を使うと、この作業が一気に片づきます。指定した範囲に樹木や草を一括で敷き、密度やばらつきもコントロールできるため、広い面を短時間で自然に埋められます。

この記事では、Lumion Area Placement の基本操作を、エリアの決め方・散らすオブジェクトの選び方・密度・上限・ランダム性の順で解説します。広い外構や森を効率よく作るための注意点まで押さえられる内容です。

なお、どの樹種を選ぶか、どう配置すると自然に見えるかといった植栽そのものの考え方は、Lumionの植栽・樹木・草の配置テクニックにまとめています。この記事は機能の使い方に集中します。

Area Placementでできること|1本ずつ置く作業をまとめて片づける

Area Placement は、指定したエリアにネイチャーライブラリのオブジェクトをまとめて散布する Lumion 2026 の新機能です。従来なら1つずつ置いていた樹木や草を一括で敷けるため、広い外構や森を短時間で埋められます。まず「何ができて、何ができないか」を押さえておくと、後の操作で迷いません。

Area Placementが解決してくれること

Area Placement が最も効くのは、広い外構・公園・都市緑化・森など「面で緑を敷きたい」場面です。こうしたシーンは置く数が多く、手作業だと時間がかかるうえに配置が単調になりがちだからです。

手で1本ずつ置くと、間隔がそろいすぎて不自然になったり、逆にムラが出たりします。Area Placement は密度やばらつきをまとめて設定できるので、そうした手作業のムラを避けながら、自然な散らばりを短時間で作れます。

つまり「数が多くて手が回らない緑」をまとめて処理するための機能です。1本ずつ丁寧に置きたい見せ場の樹木ではなく、背景や広い地面をまとめて埋めたいときに力を発揮します。

対応する範囲と、あらかじめ知っておきたい前提

Area Placement の対象は、屋外用途のネイチャーライブラリ(樹木・草・花などの自然物)に限られます。建物や車といった一般オブジェクトは散布できません(Lumion公式サポート、2026年7月現在)。緑化やランドスケープの用途に絞った機能だと考えておくと、使いどころを間違えずに済みます。

1回の配置で選べるオブジェクトは、ライブラリから最大20種類までです(Lumion 2026.0 リリースノート、2026年7月現在)。20種類あれば樹木・低木・下草・花を混ぜて十分に自然な植生を組めるので、実務で困る上限ではありません。

そしてこの機能は Lumion 2026 で追加されたものです。旧バージョンには無いため、手元の Lumion に Area Placement が見当たらないときは、まずバージョンを確認してください。バージョンが古い場合はアップデートが必要になります。

基本の流れ|エリアを決めてオブジェクトを選び生成する

Area Placement の操作は「エリアを決める → 散らすオブジェクトを選ぶ → 密度などを設定する → 生成する」という順で進みます。とくに大切なのが最初のエリア指定で、既存の面を塗る方法と、自分で範囲を描く方法の2つを使い分けます。

2つのエリア指定モード(Fill Surface / Draw)

エリアの決め方には Fill Surface と Draw の2つがあります。どちらを使うかで、緑を敷ける範囲の作りやすさが変わります。

Fill Surface(サーフェス塗り)は、シーン内にある既存のサーフェス(マテリアルが割り当てられた面)を選び、その面の上に散布する方法です。地面のマテリアル面をそのまま利用できるため、傾斜地や入り組んだ地形でも面に沿って緑を敷けます。造成地の地面全体を一気に緑化したいときに向いています。

Draw(Create Area、範囲を描く)は、ノード(範囲の頂点)をドラッグして閉じた範囲を自分で描く方法です。直線的な区画も、曲線的な輪郭も作れます。花壇や林のかたちを自由に決めたいときは、こちらが使いやすいです。

使い分けの目安はシンプルです。地形全体をまとめて緑化するなら Fill Surface、範囲のかたちを自分で決めたいなら Draw を選びます。

散らすオブジェクトを選ぶ(最大20種類まで)

エリアを決めたら、そこに散らすオブジェクトを選びます。追加(+)ボタンでネイチャーライブラリから樹木や草をプール(散布候補のまとまり)に加えていく流れです。

ここで1種類だけにすると、同じ木が並ぶだけの単調な林になってしまいます。草・花・樹木を混ぜて選ぶと、高さや色に変化が出て、より自然な植生に近づきます。主木・低木・下草を組み合わせるイメージで選ぶとよいでしょう。

1回のプールに入れられるのは最大20種類までです(Lumion 2026.0 リリースノート、2026年7月現在)。20種類あれば自然な混成林を組むには十分ですが、選びすぎると管理が煩雑になります。使う種類は必要な分に絞るのがおすすめです。

生成して確認する

選び終えたら生成(Generate)を実行すると、設定した内容でエリア内に一括配置されます。上限を超えるなど条件を満たさない設定だと、生成できない場合がある点は覚えておいてください。生成できないときは密度や範囲を見直すサインです。

生成した結果は一度で完成させる必要はありません。エリアの範囲や密度、選んだオブジェクトを調整して作り直せます。まず生成して全体を見てから、密度やばらつきを詰めていく進め方が現実的です。

密度と上限|「どれだけ置くか」と5,000個の壁

仕上がりを大きく左右するのが密度です。密度スライダーはエリアを細かなセルに区切ってオブジェクト数を決める仕組みで、1エリアあたり最大5,000個という上限があります。この上限は、そのまま重さ対策の目安にもなります。

密度スライダーとセルの仕組み

密度スライダーは、エリアに置くオブジェクトの総数を決めるつまみです。値を上げれば緑が密になり、下げれば疎になります。

内部では、指定したエリアをグリッド状のセル(格子状の小さな区画)に区切り、密度に応じて各セルへオブジェクトを配置しています(Lumion公式サポート、2026年7月現在)。この仕組みのおかげで、範囲全体にまんべんなく散らばる配置になります。

ただし密度を上げるほど、置かれるオブジェクトの数はどんどん増えます。数が増えればシーンも重くなるため、密度は「見た目の必要量」に合わせて決めるのがポイントです。むやみに最大まで上げると、あとで重さに悩むことになります。

1エリアあたり最大5,000個の上限

Area Placement では、1エリアあたりの配置数に5,000個という上限があります(Lumion公式サポート、2026年7月現在)。これはメモリへの負荷を抑えるために設けられた上限です。青天井に置けてしまうとシーンが破綻するため、あえて区切られていると理解しておくとよいでしょう。

上限を超える設定では生成できません。5,000個で足りないほど広い範囲を埋めたいときは、密度を下げるか、エリアを分割・縮小して調整します。

広大な敷地は「1エリアで全部」ではなく、複数のエリアに分けて重ねる考え方が現実的です。手前と奥でエリアを分ければ、それぞれで密度を変えられるうえ、1エリアの5,000個上限にも収まりやすくなります。

散らし方の調整|ランダム性・重み・重なり距離で自然に見せる

一括配置が機械的に並んで見えないよう、Area Placement にはランダム性・重み・重なり距離という3つの調整があります。ここを触るかどうかで、「ただ並べただけ」と「自然な植生」の差が出ます。

Randomize Positions(位置のランダム化)で規則感を消す

Randomize Positions は、オブジェクトの位置を少しずつずらして、グリッドのような規則的な並びを崩す設定です。セルに沿って配置されたままだと整いすぎて人工的に見えるため、位置をばらつかせて自然な散らばりに近づけます。

位置をずらすと、結果としてオブジェクト同士の重なりが減り、最終的な配置数が変わる場合があります(Lumion公式サポート、2026年7月現在)。数がわずかに前後することはあっても、自然さのためには位置のランダム化を効かせておくほうが、見栄えは良くなります。

Weight(重み)で出現しやすさを変える

Weight は、選んだオブジェクトごとに出現しやすさ(比率)を変える設定です。既定は100%で、値を下げるとそのオブジェクトは出にくくなり、上げると出やすくなります(Lumion公式サポート、2026年7月現在。具体的な値の範囲は環境により表記に幅があるため、既定100%を基準に調整するのが安全です)。

これを使うと、植生の主従を作れます。たとえば主木は数を控えめにして、下草や小さな花を多めに出す、といった調整です。現実の林も大きな木はまばらで足元の草が多いので、Weight を振ることで、より自然な植生の比率に近づけられます。

Collision Radius(重なり距離)で間隔を管理する

Collision Radius は、オブジェクトの当たり判定(それぞれが占める範囲)を基準に、近づきすぎたものを消して間隔を保つ設定です。近接したオブジェクトが自動で間引かれるため、めり込みや密集を防げます。

半径を大きくすると間隔が広がり、小さくすると密になります。この性質を使えば、樹木は間隔を広めに取り、下草は密に敷く、といった種類ごとの距離感を作り分けられます。大きな木がめり込んで見えるときは、この重なり距離を広げると解決しやすいです。

Area Placementを編集部が使ってみました|外構での使いどころと負荷のバランス

Area Placement は「広い面を短時間で埋める」場面で最も効く一方、置きすぎるとシーンが一気に重くなります。編集部が実際に触ってみた所感では、向き不向きをはっきり分けて使うと、快適さと仕上がりの両立がしやすいと感じました。

向いているシーンと、手置きが向くシーン

編集部が Area Placement を使ってみて手応えがあったのは、公園・広場・造成地・並木・林・街路樹など、面で緑を敷くシーンでした。とくに遠景や中景の背景植生は、細部を作り込む必要が薄いため、一括配置との相性が良いと感じます。数百本規模の背景が数手で埋まる効率は、手置きでは得られません。

一方で、玄関まわりの主木や、見せ場になる1本のように「1本の見え方」が問われる箇所は、手置きのほうが向いていました。ここは位置や向きを細かく決めたいため、一括配置に任せると意図した絵になりにくいからです。

つまり広い背景は Area Placement に任せ、見せ場の1本は手で置く、という切り分けが実務的です。この使い分けの考え方や樹種選びは、Lumionの植栽・樹木・草の配置テクニックで詳しく解説しています。

負荷とのバランスを取るコツ

置くオブジェクトが増えるほど、ビューポート(作業画面)の動きや書き出しは重くなります。処理速度の具体的な数値は PC の性能によって大きく変わるため断言はできませんが、密度を上げすぎると操作が重くなる傾向は、編集部でも確認できました。

そこで効くのが密度のメリハリです。遠景は密度を低めにして種類も絞り、視線が集まる近景だけ密度を上げると、見た目の情報量を保ちながら負荷を抑えられます。全体を一律の密度で埋めるより、見える範囲に密度を割くほうが効率的です。

5,000個という上限は、そのまま「これ以上は重い」という負荷の目安としても使えます。必要な部分にだけ密度を割り当て、背景は思い切って疎にする。この配分が、快適さと見栄えを両立させる現実的な運用でした。

Area Placementの活用シーンと次の一歩

Area Placement は、これまで手作業に頼っていた広範囲の緑化を、設計や検討のスピードに追いつかせてくれる機能です。最後に、実務での活かし方と、この先つなげたい調整を整理します。

たとえば計画初期のスタディ段階では、造成地に一度緑をざっと敷いてボリューム感を確認し、案が固まってから密度や樹種を詰める、という進め方ができます。案の差し替えが多い段階でも、エリアを描き直して生成するだけで緑化のやり直しが効くため、検討の回転が速くなります。街区スケールの提案や、広い公園・キャンパスの計画でも、面の緑を素早く見せられる意味は大きいです。

次の一歩としておすすめなのは、敷き詰めた植栽を光と影でどう見せるかまで踏み込むことです。同じ緑でも、朝夕の斜光や木漏れ日が加わるだけで、絵の説得力は大きく変わります。光と影の調整はLumionの太陽・日照設定で影を美しく見せる方法にまとめているので、Area Placement で緑を敷いたあとの仕上げとして続けて読むと効果的です。

まとめ|広い面はArea Placement、見せ場は手置きで

Area Placement は、屋外のネイチャーオブジェクトを一括散布する Lumion 2026 の新機能です。広い外構や森など、面で緑を敷く作業を短時間で片づけられます。

要点を絞ると、次の4つです。

  • 操作の流れは「エリア指定(Fill Surface / Draw)→ 最大20種類を選ぶ → 密度を設定 → 生成」の順で進める
  • 1エリアあたり最大5,000個の上限がある。超えるときは密度を下げるか、エリアを分割して重ねる
  • ランダム性・重み・重なり距離を調整すると、機械的な並びを避けて自然な植生に近づく
  • 広い背景植生は Area Placement に任せ、見せ場の1本は手置きにすると仕上がりと効率を両立できる

Area Placement を身につけると、これまで敬遠しがちだった広い緑化のシーンにも気軽に挑戦できるようになります。まずは造成地の背景に一度緑を敷いてみて、密度とランダム性の効き方を確かめるところから始めてみてください。